脱サラしてBARをやってみた                ~<追記>コロナ禍での新たな気付き 個人経営飲食店の実態 -2ページ目

春の緊急事態宣言後、やっとバー営業を再開した際、常連のお客様数名から次のような話を聞きました。

「外食したり、外で飲んだりしないと、こんなにお金が貯まるんだと実感しました。」

これまで、普通の生活の一部であった外食や飲み会が自分の意志ではなくともできない生活を送り、逆にそれによって生じるメリットを実感されたという事です。

 

そして、外食がない生活を余儀なくされることで、金銭面だけでなく、おのずと新しい趣味や生活スタイルが生まれ、定着していくはずです。

つまり、緊急事態宣言が生んだ新たな生活スタイルの経験が、コロナ後、お客様の生活スタイルを変えてしまう可能性があると思います。

すでに、在宅勤務、テレワークはコロナ禍をきっかけに、定着にドライブが懸かったことはすでに言われている事実です。

 

コロナ後、飲食店利用者がどう変化するかは分かりませんが、GoToEatキャンペーンなど、一時的な施策を除けば、今のところ、外食をする人は減りこそすれ、増える要因はないように感じます。

いつもは、くだらない日常の日記しか載せていなかった当店のSNSですが、4月の緊急事態宣言を前にして、営業形態を変更する可能性が出てきた時点で、営業時間の変更や、テイクアウト、デリバリーの告知など営業情報のみに限定して更新するようにしました。

 

すると、それまで20-30件であったアクセス数が急増しました。

日によってばらつきはありますが、多い日は200件近くになることもありました。

当店がやっているブログ母体に、オススメや注目など何らかの形で取り上げられたことが最初のキッカケだったと思われます。

 

その後も、アクセス数は総じて増加傾向にあります。

もちろん、当店のお客様で変則的な営業時間を確認して頂いた方も増えたのだと思いますが、それだけに留まらず、コロナ禍での飲食店の対応として注目して頂いた方が増えたのではないかと考えています。

緊急事態宣言が明け、バー営業を再開した後も、冷やすべきグラスを絞り、集約させることで、稼働させる冷蔵庫を減らせるのではないかと考えました。

 

製氷機も同様。

もともと製氷機の氷は料理やチェイサー用の氷としてしか使用していませんでした。それらの氷を、ドリンク提供時に使用している氷屋さんから購入した氷で代用した方が経費的には削減できるのではないかと考えました。

検証した結果、その仮説はその通りで、電気代の方がコストが高かったのです。

 

さらに、生ビールの廃止にも着手しました。

もともと、バー営業時にも当店では生ビールの需要はそれほど高くなく、開栓時、閉栓時および、次のご注文までの待機時に滞留して捨ててしまう生ビールの量は多く、実情、樽の1/3程度は捨てているような状況でした。

それならば、瓶ビールに替えても、お客様の満足度<経費削減効果と判断したのです。

結果、今のところお客様にもご理解いただき、経費を削減することにも成功しました。

 

このように、コロナ禍のような非常時だからこそ、これまで思いも付かなかったような発想が生まれるものなのではないでしょうか。

経費削減一つをとっても、限界はないと気づかされました。

二つ目の課題は「経費を減らすこと」。

 

これまでも固定費をはじめ、経費削減に取り組んできたことは以前にも書きました。

それは、削減できた経費=純利益であり、とても困難な純利益を生み出すことと同様の効果を得られるからです。

コロナ以前まで、当店でも経費削減はやりつくしたと思っていました。

 

しかし、バー営業を休止することでグラスを冷やすために稼働していた業務用冷蔵庫を停止させました。

同様に、生ビールサーバー、製氷機を停止させました。

すると、こちらが想像していた以上に電気代が下がったのです。

コロナ禍での諸制限やお客様の行動の変化のもとで、従業員のことを心配せず、自分の生活だけを考えればいいという事のありがたさを痛感しました。

 

例えば、当店は、春の緊急事態宣言時に国及び地方自治体から180万円の助成金を頂きました。

繰り返しになりますが、当店は従業員は僕一人、家賃など月の固定費も十数万円。この180万円という助成金は大きな金額です。

しかし、従業員が何人もいて、固定費が月に数十万円以上という店舗にとっては、180万円の助成金など、ほとんど足しにならない金額でしょう。

コロナ禍の場合、ダメージが少なかったのは当店のような小規模飲食店だったといえると思います。

 

これは、僕がこういう事態を想定していたわけでは当然なく、偶然の産物です。

むしろ、大きな利益よりも堅実な利益を目指してきた副産物と言えるのかもしれません。