脱サラしてBARをやってみた                ~<追記>コロナ禍での新たな気付き 個人経営飲食店の実態 -3ページ目

売上を少しでも積み上げる施策として最も注力したのが、テイクアウト、宅配、配送の開始でした。

 

開店後、初めてやることだったので、手探りで出来ることを考えなくてはなりませんでした。

宅配などは、出前館など急速に普及しつつあった宅配業者さんにはお願いせず、注文を受けるところから配送まで、自己完結できる仕組みで行いました。

配送も、安全にお届けできる品目に限定し、メールで注文を受け、自分で配送し、入金も確認する仕組みです。

業者さんに依頼すると、実現までに時間も要し、中間費用も掛かることから、まずは自己完結できる手法をとることにしたわけです。

それは、当店のお客様の構成上、常連のお客様が8割程度を占めているため、テイクアウト、宅配、配送も新規のお客様の獲得というより、そういった常連のお客様を主な対象としたためです。

裏を返せば、業者さんと提携し、いきなり間口を広げた場合に、一人では対応できない懸念もあったという事です。

つまり、現状の一人営業の体制を維持したまま出来ることを探したのです。

まず、「売り上げを少しでも積み上げること」を掘り下げていきます。

手法としては、以前に書いた大きな目標からそれを遂行するための手法を段階的に具体化していく方法です。

 

思考過程の話は省きますが、導き出した結論は以下のようなものでした。

 

・来客数を増やすのは、限られた営業時間の中では厳しい。

 

・訪問頻度を減らさざるを得ない常連のお客様の単価が上がることは期待できる。

そのため、制限後の営業時間を常連のお客様に確実に認識してもらうことが必要。

口頭での事前案内、SNSでの適度かつ継続的な情報提供が必要。

 

・新たな販売チャネルを増やす必要がある。→テイクアウト、宅配、配送などの新規実施。

営業が制限される中で、諸規制、お客様の行動変化に関わらず、飲食店側自己完結で出来る事はあるのでしょうか?

 

これまで、平時でも手を変え、品を変え、少しでも営業実績を向上させるために手を尽くしてきたつもりでしたが、この状況に追い込まれてもう一度知恵を絞ってみることにしました。

 

飲食店の根源的な目標は2点。

一つ目は「売り上げを少しでも積み上げること」。

二つ目は「経費を減らすこと」。

 

この非常事態だからこそ、もう一歩踏み込んだやり方があるのではないかと考えました。

コロナ禍における飲食店の対応も様々でした。

補償が伴う要請には応じるという考え方が、最もスタンダードだった感じがします。

 

当店は、一人でやっていますし、10坪程度のテナントなので月の家賃も15万円未満です。

従業員の生活の心配もなく、固定費もそれほど大きくないという環境であったからこそ、信念に基づいて行動するという事が出来たのでしょう。

そういった意味では恵まれていたと思います。

 

だから、要請に従わない店舗があっても、表面上従いながらこっそり営業している店舗があっても、非難する気持ちは全くありません。

外部には理解できない事情というものが必ずあるはずです。

そのお店そのお店の事情でそれぞれが覚悟を持って結論を出しているはずだからです。

 

ただ、このコロナ禍の各店の対応は、お客様方は見ていて、それがお客様のそのお店の印象につながることも間違いないと思います。

報道やワイドショーなどで「要請と補償をワンセットにしなければ要請は受け入れられない」という意見を耳にします。

 

確かに、個人の生活を考えるとその通りです。

しかし、今が未曽有の事態だということも確かです。

そうあるべきことが追い付いていない状況も致し方ないと思えます。

様々な政策や要請を考案し、遂行するためにどれだけ膨大な方々が動き、不眠不休で働かれているのかも想像しなければならいと思います。

 

緊急事態宣言などの際には、自治体から様々な助成金などが給付されました。

そのおかげで、当店は現在も維持できているといっても過言ではありません。

しかし、助成金の有無で、時短など生ざまな要請に応じるかを決めたことはありません。

全て、前述した「自分個人の事よりも、今は社会全体のことを優先すべき」という信念に基づいてすべての要請に応じてきました。