今日、イルにまかないを作ってもらって、
その間に仕事を片付けて、倉庫の方に休憩に行ってしまった
イルを待っていた。

ごはんは焼いた鶏肉とサラダ。
もうすっかり冷めていた。
それでも良かった。
イルを待たずに食べてしまえば、彼が戻ってきた頃には
食べ終わって帰らなければならない。


冷えたごはんをレンジアップしながらあたしは
仕込みをするイルと話をした。


一昨夜のこと。
デザートが7個入ったとき、イルは手伝おうとしなかった。
あたしは森君と手分けしていて、
森君のマイペースな仕事ぶり(本当にマイペース)と
手伝わないイルに苛々して、
何か色々叫んでいた。

そう、このバイトに、
あたしと保育園からずっと一緒の学校に通っていた女の子が
入ってきた。
ルイナという女。
あたしをいじめ、高校生活を暗くさせた張本人。
最低にヤな奴で、恐くて、嫌い。
まぁあたしは今でこそルイナを許そうという気はあるし、
裏切られない自信もあるし、怖いけど、怖くない。


でもお互い意識はしてる。
キモくてうざくて目障りなあたしをいじめていたルイナ。
いじめられていたあたし。
小学6年生から高校3年生まで、
ルイナの存在があたしを苦しめていた。



ルイナが嫌い。
理由は知らないけど何年たってもあたしを
いじめてくるから。
あたしはポジティブで明るくて元気で笑顔で生きて生きたい。
そんなあたしが気に食わなくて、
今の仕事で一緒に働くようになっても、
睨んできたり、うとましい目線で見てきたりする、ルイナ。


きっと可哀想で子供でぜんぜん相手にしなければいいだけ。
イルがいる、森君がいる。
そんなことだけなのに、一人よりずっと強い。


ルイナを意識してしまうあたしはまだ素になれない。
でもあたしは、ルイナなんか気にせずに、
あたしのしたいように、別にキモくたってよくて、
笑顔で、ギャグかましたり、ボケたり、
愛される人間でいたって、何もかまわないはずだ。
ルイナもまた、自由に生きればいいし、笑えばいいし、
しあわせになればいい。

でもそのためにあたしを見下してそういう態度なんかをするのは
うとましいしガキだと思うしよっぽどキモいよ。
今ならやっと分かる。
ルイナはあたしより子供なんだってこと。

本当にうざいなら、関わりたくないなら、
あたしなんか、今日初めて会いましたみたいな態度とればいい。
今日から始めればいい。

あたしはがんばろうと思う。
ルイナを許してあげようと思ってる。
高校の3年間は、あたしも弱くて、負けて、散々だったけど、
ルイナに悪口言われて、知らない子から見下されて、
目立っちゃダメなんだって思って閉じこもって、
あたしの人生で無駄だったことだ。
もっと気にしなければよかったのに、楽しく生きれたのにね。

でもルイナも人間で、生きてて、恋もして、
人間関係もあって、友達もいて、
これから友達も作るだろうし、なりたい職業につくんだろうと思う。
それをあたしが何か言う権利はないし、
好きに生きて、幸せになっていいと思う。
たぶん、幸せになろうとしてるんだろうし。

だからルイナのこと見下したりしないよ。
あたしは認めてるよ。
だからさ、あたしのことも、そろそろ、認めて欲しいね。
あなたにとっては薄っぺらくて、つまんない人生かもしれないけど、
あたしのこと、何にも知らないでしょう。


あたしはイルといることで強くなれる。
それはルイナに負けないという強さ。
あたしのこと知らない人に悪口を言われても泣かない強さ。
あたしのこと、ちゃんと知ってて認めてくれてる人がいる強さ。


イルは一昨夜、あたしの態度にカチンときて、
あたしに対してそっけない態度を取ったらしい。
あたしはそれに気づかなくて、イルの機嫌が悪くなったとき、
何でかわかんなくて少し不安になった。
でもあたしもキレてたし、ふん!って感じになってて。

それを今日イルと話してて、和解した。
これからは気をつけようみたいな。
イルは言った。

「厨房はさ、3人じゃん。
だから言いたいことは言い合って、いこうよ」

って。

あぁ何か嬉しかった。
信頼関係っていうか、しかも男女とか性別関係ない。
イルと森君とあたしは3人で、これからも毎日やっていく仲間。
それが恋愛対象から外れててもいい。
何かイルがそういうふうに思ってくれてたのも嬉しい。

前のバイトにいたときはこんなに打ち解けなかった。
何ていうか、広くて、厨房が。
話したら怒られてたし、オーダー入ったらもう別々だし。

でも今のこの職場では、狭いし人数3人だし、
場所も見渡せるし、しょっちゅう行き来してるしで、
やっぱりコミュニケーションがすごくある。
だから必然的に話すっていうか。


これからあたしも新しいポジションをやらなきゃいけない。
イルは当分休みがないけど、いつか、みんな覚えたら、
イルも休む。
だから覚えなきゃいけない。

イルは当分、っていうかこの感じだとあと2ヶ月は
毎日イルがいるだろう。
あたしもその2ヶ月を休む気はない。


昨日あたしが休んで飲みに来たとき、
厨房まわんなかったらしい。
忙しすぎて。
んで、社長とイルとホールの子が、
ゆーりがいないとダメだって身に染みた、と言ってくれた。
何度も、客席にいるあたしを呼ぼうと思ったらしい。
手伝って、って。

あたし、ここに必要とされてるんだ。
って嬉しくなった。
あたしじゃなくてもいい、かもしれない。
けどここにはあたししかいない。
これが現実。
あたしがここにいる。別の誰かじゃない。
これが現実。


前のバイトの社員が言ってたらしい。
「ゆーりが辞めたのは痛い」って。


あたしが生きてく価値も理由もそこにあった。
イルと出会って1ヶ月。
ちゃんと出会って会話して仕事して、18日。

毎日会って、仕事して、話して、笑って、また話した。
過去のこととか、彼氏のこととか、彼女のこととか、
あんまり、知らないけど。
でも、あたしはしあわせ。


今日(9日)はそんなに忙しくなかった。
でもあたしは料理を失敗したりダメにしたり
皿を割ったり、結構ひどいことをしたけど、
それでもめげなかった。

がんばるって決めた。
がんばるぞー!って言った。
イルがいる。

だからがんばる。
あたしはいつだって前向きな女の子。
そういう存在でいようと決めた。
昨日だったっけか、決めたんだ。

イルが今日最後にあたしに言った。
「がんばってると思うよ」って。

褒め言葉だよ、あたしにとって最高に。
ちゃんと見ててくれたのね。
あたしを見てくれたのね。


料理へのダメ出しは店長と社長からもされた。
あたしは自分の未熟さを見つめ、改善しようとした。
そういうの「努力」っていうならあたしは努力と思わない。

いいものを食べ頃のうちに提供する。
それは当たり前だけど難しくて。
あたしは自分が甘いんだと思っている。
お客様にすぐにでも、という考えでいれば、出来ることだから。

イルにがんばってるといわれても、仕事には意味のないこと。
ホールに出てる店長に言われたら、自信がもてるけど。

あたしはここで仕事してるんじゃない。
お客様にご注文いただいて、是が非でもご提供するんだっていう、
そういう考えじゃなきゃ、だめだよ。
待たせるっていうのは、すごく重いことだから。


あたしの目標がまたちゃんと出来た気がする。
今日(9日)も仕込みからイルと一緒だった。


直井さんと前のバイトの子達と5人で昨日は飲みに来た。
自分の働いてる店に、みんなを招待。

直井さんが遅れるってことで雄飛ちゃんと先に来店。
うちの店の目玉?であるバーカウンターで過ごす。
高校生の雄飛ちゃんは大人空間?が初めてらしく、
すごく興奮していた。

うちの店は店長が23歳で、社長も28歳で、
メンバーもみんな20代で、とにかく若い。
だからやっぱりオシャレで最近の感じが出てて、
雄飛ちゃんはバーでお酒を作ったり接客する社長を見て
「かっこいい!かっこいい!!」を連呼していた。

その後5人が集合して、ごはん食べて飲んで、
最後に料理長(イル)を呼ぼう!ってことになって、
ベルを鳴らして。
「料理長呼んできてください」。


しばらくして、料理長登場。
直井さんの「せーの!」で5人そろって
「おいしかったです!!!」と叫んだ。

イルは照れてて、何か、あたしもすごく緊張して、
恥ずかしくて、ロビンソンに告白したときと
同じ感じになった。

雄飛ちゃんとミユちゃんは、店長とか、かっこいいって
言ってくれたけど、直井さんは、違った。


直井さんはホストと付き合ってて。
もっと深い世界を知ってるからかもしれない。

でもあたしの友達にもホストはいるし、
特別じゃない。
直井さんはすごくない。

うちの店はオシャレでバーもあって
イケメンも可愛い子もいる。
料理もオシャレだし、豪華?だし、
飲み物も豊富。それもウリ。

直井さんはバーテンになりたいと言った。
この店の料理がしょぼいみたいなことも言った。
別の店に行きたいとも言った。
何かと否定しようとした。


そこに「ゆーりがいる場所」っていう意識が
まったくないかってのが、あたしには思えなかった。

直井さんはあたしの働いてるこの店を
羨ましいと思ったんだと思う。
嫉妬したんだと思う。たぶん。少しは。ね。

あたしと直井さんは似てる。
こんなたぶん次元の低いことで張り合おうとするし、
優位にたとうとする。
驚いてないふりする。慣れてるふりする。
ちいさい。


あたしは自分の店に直井さんを連れてきて
嫉妬してほしかった。
あぁゆーりはこんな素敵な店にいるんだ、って。
でも実際、そんなことしなくっても、
直井さんとあたしは別だってことが、分かってたんじゃないかって。
思った。


直井さんになりたくて、直井さんの真似ばっかしてたあたし。

直井さんの目の前で、直井さんの真似をしてきたあたしはしゃべってた。


きっと、直井さんは高校生のバイトの子達の前では
中心にいる人なんだと思う。自分でも分かってる。
あたしもそうだったから。

でもあたしが直井さんの位置に来てた、昨日。
高校生の子達をまとめてたし、話の中心にいた。

だから直井さんは、”あたしの場所取らないで”って目で
あたしを見てた。


ねぇあたし、
何を張り合っていたんだろうね?
ほら離れてみてよかった。
直井さんの近くにずっといなくてよかった。

あたしは直井さんを絶対的存在にしていた。
いつも気にしていた。

でももうそんなことしなくていいんだ。
あたしはあたしのまま、あたしらしく生きていけばいいんだ。


もう直井さんに会わなくてもいい。
ほんとうに、これから一生会わなくても生きていける。
やっと、あたしは生きていけるんだ。

あたしのコンプレックスは直井さんだった。
それもも昨日までの話。


あたしはもっとあたしの色で花を咲かせていこう。
なんか、さっき、恋愛サイトロムってて・・・


相手の幸せ願うこと、あたしも気をつけてるの。

最近ね。
イルに彼女がいるっていう、その事実、
変えられないから。
だから別れて欲しいって思うのはダメだって、
そういうことばっか思ってると、
その時間、もったいないんだよね・・・

イルがこのまま結婚とかしちゃったら諦めは
まだつくんだけど、
そんなのもわかんないし、でも、
とにかくイルが悲しいのは嫌だし、
でも彼女と幸せでいて欲しいってちゃんとは
思えない。

だから、あたしと過ごしてるときのイルを、
あたしは幸せにしてあげたい。

自己満足でもいい。それが片思いだと思うし。


あたしががんばってることは、
イルといて、楽しいあたしをキープすること。

こいつと一緒にいると楽しい、って、
イルに思って欲しい。

それで恋愛対象になってほしいとか
そこまで願うのは、わがままなんじゃないかって思う。

とにかく、楽しんで欲しいんだ。
その気持ちがいっぱいなの。
一緒にいて、安らいで欲しいって言うか、
安心してほしいし、笑って欲しい・・・

悲しんでるとことか、悩んでる姿も、
あんまり、見せないべきだと思うんだ。
明るい子っていう、それだけ。

もし告白したときに
「一緒にいて楽しいけど、それ以上は思えない」って
言われたら、
悲しいけど、それでもすごく嬉しいことだと思うよ。

だって一緒にいてもつまんないから、って言われるより
ぜんぜんいいし、自信になるよ。

これから先、何かあるかもしれない、
後悔しないのは無理。そう思う。


でもいま出来ることはするの。
いま出来ることで後悔が減るように、
あたしがしたいこと、ちゃんとやりとおす。

そしたら絶対にプラスになるでしょう。

ふられるとかそういうことは考えない。
がんばれ。

イルといて、あたしは楽しいよ。
すっごくしあわせ。

それでいいじゃない。


その先を望むと、きっと、彼女がいることが
壁になって、悲しくて、沈んで、
笑顔になれなくなってしまう。

イルを幸せに出来ない。
あたしが幸せをふりまけない。


ねえ笑ってよ。
あたしは幸せを運ぶよ。
あなたを幸せにする。


仕事もがんばる。
可愛いとか可愛くないとか、あたしの価値観と
あなたの価値観はきっと同じだろうけど、
あたしはもう変われない。

あたしはあたしのまま。


いい。
楽しい自分でいい。

おもろい子、でいい。

がんばれ。
負けるな。

可愛くないから・・って、泣くな。
まだ何もしてない。

人より不出来なら、追いつけばいい。
走ればいいだろう。

大丈夫。
あたしはポジティブなんだから。

しあわせで何も考えてないようなマイペースな女の子。
浮き沈みが激しくて手のかかる女の子。
一生懸命仕事に打ち込む女の子。

ねぇ何でもいいじゃない。
好みじゃなくたって、あたし、自分が輝ければ平気でしょう。


生き生きしていこう。
元気で明るい女になろう。
あたしを好きになれる。
昨日の夜きめていた。
イルに、メールしようって。

番号しってて、メールしてみたくって、
でも用件ないし、あんまりそういうことしてると
向こうも迷惑だろうし、ばれちゃうしで、
ずっと我慢してたんだけど・・・

やっとの定休日。
あたしもバイトも店長もみんな休みの日。
イルだってやっとの休日なんだよ。
みんな一緒なんだよ。
メールを作成。
おんなじ環境、共感しあえるし、用件できたじゃんって。


こんなときメールしないでどうする!


いちおう前日に保存しておいて、
今日の昼、兄と飯屋に行ったときに送信してみた。
何かやることがあるってイルは言ってたから、
仕事中かもしれないけど、夜にメールしたら
それこそ彼女といるかもしんなくて、午後にした。


すぐに返信がきた。

なんかメールの打ち方がロビンソンかと思った。
すごく似てる。
気を遣ってる感じなのか、やさしいのか、
思いやりがあるのか、やわらかーい、打ち方。

あぁ彼女にもこんななんだろうな、と思った。


あたしはうそをついた。
今夜ロビンソンと会うと言った。
イルにメールしてる行為が、イルに勘違いされないように。

だからイルも彼女と会うんでしょ?って設定にして、
あたしも彼氏と会うから、
イルも彼女とラブラブしてねってメールを送った。


返事はこう。
「らぶらぶねぇ・・・ハァ。」

ため息なのか、あきれてるのか、分からないけど、
あたしはため息に取った、もちろん。
でも後者かもしれない。

イルはあたしに飽きれてるのかな。

会えたのかな。
彼女といちゃいちゃしてるのかな。
ねぇ今日は彼女と休み会ったの?
彼女のバイトが終わって2時とかから会うの?

ねぇイルはしあわせ?
彼女と会えてしあわせ?
温もりを感じてるの?


イルとのメールは4件。
あたしはしあわせでしかたなくなった。

ロビンソンからのメールは2件。
返事をしなかった。
けど会いたいと思った。


彼氏と会った事実がないとイルと向き合えないと思った。
ぜんぶイルのため。
自分のため。


ロビンソンに会ってもキスもハグも
気持ち悪くて出来ない。

あたしはカッコいいイルと不細工なロビンソンを比べる。
比べるよ。そりゃ。
あたしはそういう奴。少なくとも素直な人間。
最低かもしれないけどね。

中学からの友達のアヤカと恋メールしてて、
アヤカはあたしのコト、何ていうか
先輩としてみてる感じがして、
あたしはアドバイスしてたんだけど。

彼氏できたって好きな人いたって
どんだけ片思いしてたって、変わらないもんはある。
あたしは偉そうに恋愛アドバイスできるほど
大人じゃないんだ。
所詮イケメン、で見てるし、男を。

イルはイケメンで優しさもあって思いやりもあるから、
余計いい男に見えている。
届かないから余計に、手に入れたい。


あたしは、かわいくなりたい。
そんで出来ないと思ってたけど、
やっぱり日々の努力なのかなって思った。

今日お兄と飯いった後に
服を買いに行った。

明日は髪の毛を切りに行く。
染める。


店に行くのは15時~と20時~。
前半は仕込みで、後半は客として。
そのとき可愛くしていこう。

あたしは可愛くなっていこう。
イルに見合うようにね。
昨日の夜、日曜の夜にあたしはラストまでじゃなくて
やっぱり12時であがった。
なんか忙しくない日は12時あがりになっちゃうんだよなぁ。
しかも昨日はイルから言われた。あがろっか、って。
いつもは店長が宣告してくるのに。

日曜はあんまり忙しくないとか言いながら
結構忙しかった。
居酒屋だからどうなんだろ?とか思ってたけど
前のバイトと同じで、7時とか8時とかは忙しくって。

なんだろ、いま思い出してるけど・・・


イルのことずっとかっこいいかっこいいって思ってた。
それは恋に盲目だったっていうか、
それしか見てなかったし、イケメンだなぁとかしか。

昨日あたしはイルに腹が立った。
仕事しない、なまける、遊ぶ、やる気のない料理長。
何か考えがあって行動してるならいい。
でも分からないそんなの。伝わらない。

あたしもいっぱいいっぱいで、イルを思いやる余裕が
なかった。

今日月曜にガススタで読んだ占いに、
感謝を忘れるな、調子に乗るなって書いてあった。
がんばるぞ。

イルのこと、人間として見ている自分が嬉しかった。
顔だけじゃない、心で見ようとしてる自分に。

あたしが苛々しているとイルまで苛々してしまう。
森君はマイペースで全然おかまいなしだから関係ないけど、
空気とか感情って伝染するんだなと実感した。
だからあたしはいつも笑ってなきゃいけない。
それがイルを心地よくさせる方法なら、何でもするよ。
我慢する、がんばる。


日曜が過ぎたら月曜は定休日。
イルにあえない。

だから最後まで一緒にいたかった。
ぎりぎりまで一緒に過ごしたかった。
きっと月曜は彼女と会うから。
彼女とエッチするから。

分かんない。
でも14日間あえなくてさ。
彼女いるでしょ。
あうでしょ。
そしたら14日あえなかったんだもん。
エッチとか、いちゃいちゃとか、、、
するじゃん・・・


やだよ。
やだよ悲しい。
でも仕方ない。
っていうか知らない。知れない。

だからせめて一緒にいたい。
よくばりじゃないよ。


最後にあがるとき、イルがまかない作ってるときに
更衣室へ行った。

明日の火曜日はあたしがバイト休みで、
でも予約とかコース入ってたらあたし抜きで
大丈夫なのかと思って、
イルとまたすぐ一緒にいたくって、
店長に聞きに言った。
明日のコース何名ですかって。

あたしはやっとの休みの火曜日を
客として来ようとしていた。
直井さんとだ。

直井さんとは前のバイトを辞めてから会ってない。
でも2週間くらい。

あたしのいる場所、見て欲しい。
イケメンばっかだし、オシャレだし、
心の底で直井さんに自慢したいだけかもしれない。
直井さんのいる世界がどんなだか、
あたしは自分がいまいる世界と比べてしまう。


ここはすごい。
オシャレだし今風だし、流行を追いかけてるし、
あたしにとってだけど新しい世界。
こんな小さなことで世界を決めているあたしは小さい。
でも精一杯。
これがあたしの精一杯。
まだまだ世界は狭いんだろう。


店長に言うとコースが24人、とかすごく多いらしい。
火曜日、入ってもらうかなと言われてやっぱり嬉しかった。
イルと会える。

用事ある?と聞かれてこの店に来ることを告げると、
予約表に記入してくれた。

仕込みから開店時間までの3時間。
火曜日のあたしのスケジュールはこれだけ。
イルと会えるのはこれだけ。

客として来るときはカウンターに座ろうと決めた。
厨房から直接料理が来るからだ。
イルに接待されるからだ。

笑ってくれるかな。
サービスしてくれるかな。

あいたい。
あたしはイルのことが好きだ。
イルの彼女を知らない。
どんなひとかを知らない。
どんな仕事ぶりかも、分からない。
だからどこを好きになったのか、好きなのか分からない。


イルのことは分かる。
やさしい。

何かあたしが出会う男ってやさしいの多いな。

それで話が上手くて、すぐに笑ってくれるし、
笑わせてくれるし、緊張もほぐしてくれる。
仕事にけじめを持とうとしてるだろうし、
ちゃんとしたもの、作ろうともしてると思う。


厨房にいたってホールにいたって、
イルの良さは伝わると思う。

だから付き合ったんだろうなって思う。
憶測だけど・・・


自分のすきなひとが別の女のものって、さみしい。
どこにいても、何してても、
彼女のこと思ってるんでしょう?
そこにさ、あたしを入れてくれない?


今日、最後、イルと話した。
怒られた後で、あたしもへこんでて、
イルも話しかけてこなかったしで、
話すタイミングがすごく微妙で、ぎくしゃくした。


あたしは上がるとき、イルに
指を怪我してテーピング代わりにガムテープを
貼った指(店長にやってもらった)を見せた。
そしたらイルが、
自分の指に料理に使った調味料が染み付いたって
見せてくれた。
イルは何か大人しくって、話をしようとしてくれてた。
気まずいと、思ってたんだ。
イルも、あたしも、性格が似てるなと思うところはある。

仕事中も、あたしを避ける仕草とか、
気にする仕草とか、気まずい仕草も、意識してくれてるのが
嬉しかった。

あのひとの中に、あたしがいたんだ。
それが嬉しかった。
一時でも存在してるのが、最高だった。


やっぱりここに彼女はいない。
イルがいいなと思った子もいない。
たぶんだけど。(まだ一週間だしね・・・)


あたしの課題。
まずはホール、接客が出来るように。
つーか、店長とか、すっごく楽しそうに接客してる。
お客さんは、友達、みたいな、
でもふざけてないし、店長マイペースだし、
すごく落ち着いてて、いいなぁって思った。
でもきっと、最低限のモラルとか気遣いとか、そういうのは
抜きにして、すごく楽に、落ち着いて、
仕事すればいいんだって、頭で、ちょっとだけ
分かってきた気がした。

楽しく話してる最中に店員が料理もってきて、
くらかったら、いやだよね。


それから、もっと明るくなれないかな。
あたし、ほんと暗いよ。
だめじゃん。

きっとね、あたしのモチベーション、
上手く自分でコントロールして、マイペースにさ。
そしたら笑顔も声も自然と明るくなるでしょう?

あたし、笑顔が素敵って、ちゃんと分かってるんだから。
いきいきしてる子が、イルは好きだよ。
そうだな。
がんばる。


がんばれ、あたし。
今日、イルに叱られた。
なんか怒られたタイミングがよく分からなかったけど、
「仕事しろ!」って。
初めて、感情込めて、怒鳴られた。
あたしバカだな。
そこでへこんで、ずっとイルとしゃべれなかった。

イルも、あたしとしゃべんなかった。
ぎくしゃくした。
気まずかった。
いつも二人でなんか喋って笑ってた。

あたし、落ちるの激しいよ。極端すぎだよ。
やなことって、重なるんだね。
厨房で働いてる理由って、料理を作ることじゃなくて、
接客をしなくていいところにあるのかもしれない。

あたしは店内のバーカウンターへの料理出しが
嫌で仕方ない。
接客、したことないし。ほとんど。
緊張するし、上司とかいるし、見られてるかなとか思って。
恥ずかしい。
だめだね。
そんなの、みんな出来ることなのに。
だめだね、あたし。

もう緊張ピークで、上司に基本とか聞きまくっちゃって
冷たくあしらわれて、勝手にへこんだ。
イルに怒られるしイルを怒らせちゃったし
申し訳ないしでもあたしも仕事ちゃんとしなきゃだめだし
ホール大変だし恐いし緊張するし恥ずかしいしで


ずっと落ちてた。
元気もない。


昨日、へこんだとき、
イルに「あんま怒るとテンション下がるで言わない」って
言われて、たぶんあたしがへこむのとか
分かってる、あのひと。

あたし分かりやすいんだけどさ。
今日もそれだけのことで長いことへこんでて
何もしゃべんなくて(それは当然だけど、仕事中)、
暗かった。


そのとき思った。

これ、今まで通りじゃん。
何も変わってない。

あたし、何したいんだった?


かわいくなりたい。
明るくて、かわいくて、やさしくて、つよくて、
おとなで、イルに告白したい。

いまはそう思う。
ロビンソンのことは、考えていない。
だってこれはただの妄想だから。
でも理由はなんだっていい。
きれいになりたい。かわいくなりたい。
女になりたい。素敵なひとに。


それで、こんなじゃぜんぜん素敵じゃないじゃんって
思った。
暗くて、すぐへこんで、ずっと引きずってて、
接客も出来なくて、プライド高くて臆病で、
こんなあたし、どうなの?

イルが好きになると思う?


今日バイトのホールの子で、
すごく今風のオネエ系の19歳くらいの子がいて、
そのこは小さくて可愛いだけじゃなくて
笑顔が素敵だった。
態度もやさしいっていうか、かわいい。
そのこがへこんでるときとか怒るときを知らないけど、
あたしはこんなひとにもなりたいんだ。
忘れちゃダメだ。


もうさ、身体とか、顔とか、
どうにもなんないんだって。
ダイエットして、化粧して、それでも
あたしはあたしだよ。

だから性格、よくしようよ。
明るくて、笑顔で、やさしいひと。
そうなれたら何かが変わるって。
たとえ美人じゃなくたって、
かわいさを量るのは顔だけじゃない。

やさしさも強さも顔からは生まれない。

あたしはあたしをもっと素敵に磨くだけでいいんだよ。
今日は15時からバイトがある。

いま朝の7時半。
昨日のバイトは16時~で、終わったのが朝6時。
何時間労働だ?

じっさい眠くないつもりだけど、空腹だしたぶん眠いよな。

ロビンソンは今日、漫画の追い込み。
きっと今も描いてるかな?知らないけど。
メール来ない。見透かされたかな?
ていうか新しい職場だしオープンだし、気を遣ってくれてるんだろう。
ロビンソンはほんとに優しい男だな。


今日、また話が出来るかなとか思ってバイト行ったら、
コンサルタントの偉い人がいて、ぜんぜんだった。
なんか今日(昨日)オープン日で、すんごい忙しかったけど、
イルはホールの子と話す機会がありまくって、
談笑もしてて、仲良くなり始めてて。


そしてお客さんから呼び出し。
料理長だから、メニュー出てくるの遅いし、ダメだしかも・・って
なって、イルは客席に行った。


戻ってきたイル。

「大丈夫。俺の、知り合いだから」


あ、なんだ。ふーん・・・


「デザート2つあるよね、俺1つやるわ」


・・・彼女?


(分かりやすいといえば分かりやすいな、イルって。)



すぐに聞いてみると、無言のイル。
パフェーをイルが、プリンを私が作って、
盛り付けをサービスし始めるイル。


「それ量おーいですよぉ」って言ったら
イルが真顔で何か申し訳なさそうに、言葉にできない表情をした。

「ごめん。彼女だからさ、、」
って。


なんだかなぁ。
昨日、イルは仕事あがりに彼女とメシ行こうと思ってるとか言ってて
でもあたしの見えないところだしとか思ってたけど。


来たんだ。
お店。
料理長だもんね。
お店の料理長だもん。見に来るさ。
どんな子なんだろう。

なんか、「あさみ」って言うっぽい(盗み聞き)。
可愛いなぁ。
可愛い子なんだろうなぁ。
メイクしてて、茶髪で、小柄かな。おねえ系かな。
何歳だろう。爪とか、服とか、可愛くて、小さい子なんだろうなぁ・・・

可愛い子、ホールにもいっぱいいるよ・・・
あたしと一緒に過ごしてたって、ホールの子とも話してんだから、
ホールの女の子に恋するんじゃないかなぁ。

まあでも、浮気しなそうだけど。イルは。一途だろうな。


オーダーストップ後にイルに聞いてみた。
昨日はメシ行ったのかって。

「行かなかったけど、でも今日来てくれたから、会えたし・・」
って、イル。
あたしは「いいですねぇ。あたし2週間ですよ。
ずっと会えないから、なんか冷めてきました」って。

イルは作業中で、「そんなもんかねぇ・・・」って。
不安になったのかもしれないな。彼女のこと好きなんだろうな。

あたしはイルに「マイペース」とか「おおざっぱ」とか
思われてるから、そういう人だって認識ぐらいだろうなぁ。


前イルに言われた。
「だって俺ら出会って何日よ?!まだ1週間だよ?!」
あたしは妄想癖だし思い込み激しいし、一直線だしで、
勝手に盛り上がってる。


片思いって、せつない。
きっと、っていうかほぼ、イルと付き合えないよな。

なんかすっごく大事に、でも対等に、付き合う人だろうなと思う。


でも、前イルは外見もないことはないけど性格で見るって言ってた。
あたし、だめだろう。
何か仕事一緒だし、適当なとことか手抜いてるとことか
話聞いてないとことか、好きじゃないだろうな。
どんなふうに一生懸命ならいい?
気になってくれる?

きっとこれから1ヶ月は毎日一緒にいるよ。
たまにはさみしがってくれる?あたしがいないときを。
恋しがってくれる?彼女といるときも。


ロビンソンとは正反対だ。
イルはギャグを言ってくれるしすごくかまってくれる。
ノリがいい。やさしい。
なんていうか、心で、人にやさしい。おもいやりがあるっていうか。
さすが26歳って感じ、する。おとな。
笑顔が素敵。かわいいし、かっこいい。
疲れてるときも相手してくれる。笑ってくれる。
あと、ちゃんと人が言ったこと覚えてる。
だから叱るときも、ギャグ言うときも、前に話したこと一緒に
持ち出して話してくれる。分かる。


「ノリがいいひと」って、付き合ったらすごく幸せにしてくれそう。
なんていうか、そばにいるだけ、とかじゃなくって、
笑わせてくれるし、胸を貸してくれそうなんだ、イル。
昨日「俺の胸は貸さないよ」って言ってたけど。

イルはほそくて背もちょっと低めだけど、
付き合う彼女はもっとほそくて背も低いんだろうな。
可愛いんだろうな。
可愛い子が好きなんだろうな。

ねぇ、可愛い子ってどうすればなれるの?
あたし、背高いよ。やせてもいない。
性格も、彼女がどんな子か知らないけど、どうしたらいいかな?


ロビンソンがいない日々で、毎日を、イルと過ごしてる。
彼氏がいること、このバイトがなくても漫画で2週間会えないし、
忘れる。
あたしはイルに恋してる。

この恋にたぶん発展も進展もない。
ないっていうか、近づいても、イルは縄張りを張るだろう。

これ以上、イルを好きなそぶりなんか見せたら。
きっと話しかけてこなくなる。
あたしも態度にしてしまう。
それでも仕事をしなければならない。
あんな狭い厨房で、仲良しこよしなんて出来ない。


ねえ、あたしもうロビンソンに会えないよ。
あえないでしょ。
ロビンソンがあたしをどれだけ好きかは知らない。
でも、なんかあたしがそうだからかもしれないけど、
そこまでじゃないな。
信じられない。
前、「すげぇ会いたかった」と言われたときも、
信じられなかった。
あたし、人を傷つけてる。
信じないって、悲しいことだよ。相手もだけど、自分も。

だからあたしがイルを好き(っていうか「普通以上」。)なこと、
ロビンソンがどれだけ傷つくかも、分からない。
だって、どれだけ愛されてるか知らない。
まだセックスしてないし、会う時間もなくなった。
これからも会えない。あわない。

会わない。


ねぇ、毎日一緒にさ、14時間?働いてたってさ、
彼女しか興味ないの?眼中にないの?
一途だね。そんなに愛しいの?そんなに愛してるの?

あたしだってさ、料理長以外の、毎日一緒にいるさ、
バイトの子とか、店長とか。
興味ないじゃん。好きにもならないし。
でもたぶん、すこしでも自分好みの男と親密(よく話す)になったら
ときめくじゃん。

でも彼女がいて、一途だったら、そんなのも妄想で終わるかな。


あたしは彼女の次でも、イルの彼女には、なりたいなぁ。
身体目当てとか暇つぶしとか悲しいけど、
家近いし、毎日一緒にいるし、エッチできるならいいよ。
いいよっていうか、これからあたしがもっと自分磨きして
納得できたときに、そのときにまだイルを好きだったときは
告白すればいい。


ロビンソンにだって、はじけるような愛しさや想いは
2ヶ月くらいが一番すごかったんだから。


燃えた後は炭。


あたしは夏に白浜の海へ行く。
その頃には、居酒屋を辞める。
この決心は固い。つもりだ。

だからそのとき、イルと、あたし、もし、何か、あったら、
遠恋でも付き合いたい。
そこまで想いは続かないよ。と、思う。

だから妄想。
春限定の幸福。
自分が盛り上がって自分だけ楽しめる。
それだけで毎日が楽しい。

だってイルの彼女、ここにいないし。
誰も邪魔しないよ。

でも自分が遠恋してて、彼氏が別の子と付き合ったら最悪だな。
それが今のイルと彼女だよ。
今のあたしだよ。
ロビンソンだよ。


ねぇロビンソンはどれだけ可哀想な男なの?
あたしは最低?
ひとの気持ち考えられない。
これはガキだからじゃないね。

ひとのいたみを知らないからだね。
最低かもしれない、でも、好きだもん。イルのこと、今。


なんていうか、日常のハリは必要だよな。
やっぱり、ぜんぜん会えない彼氏がいて、
1ヶ月とか、2週間とか、電話もなくて
メールも少しだけで、耐えて、せつなくてつらくて、
でも仕事毎日あって大変でそれどこじゃなくて、
そこにイケメンがいて、いっぱい笑って笑わせてくれて
さみしさ消えたら、好きになっちゃうよ。

浮気なんて最低ってあたしも思ってた。
でも浮気する人の気持ちは分かる。
かといって二股は出来ないけど、あたし嘘つけないから。


イルと浮気してるわけじゃないし、関係もないし、
でも心はイルにあるっていう、片思い。
浮気ってやっぱり心だと思う。
身体の関係があって浮気、じゃなく、心。

セックスしてなくても浮気なら、
あたしはロビンソンと別れなきゃいけない。

でも別れない。
別れてからイルに告白するかも、分からない。


調子いいよ。
でも、イルと出逢わなくても、ロビンソンとずっとは
付き合わない。
夏まで続くかどうかって思ってた。


あたしはこれからもこんな感じかな。

そうしていつか、今よりもっと長く、一人を好きでいられるときが来る。
きっとゆっくり付き合って、セックスをしたとき。
その相手が好きな人なんだと思う。

イルじゃない。
ロビンソンじゃない。

でも、イルであってほしいと願う。
イルに愛されたいな。
きっと通用しないから、出来なくてもフェラをしてあげる。
してあげたい。そう思える。

片思いってすごいな。


あたしはすぐ想像する。妄想する。
エッチなことを考える。
でも、この時期ってそうだよなぁって思う。

このひとエッチのとき優しいんだろうなとか、
エッチのときこうなんだろうな、とか、思う。

大人になったら本当に恋愛できるようになるって
前に聞いたけど、それはセックスを重ねていくうちに、
分かっていくんだろうな。。。

とりあえず今は盛り上がってる。


出来ればいつか冷めてほしいと思う。


出来ればイルの彼女が我慢できなくて別れても欲しい。
イルがあたしを意識しかけてもほしい。いい方に。
そういうもんだよな、想いって。


イルが傷つくよ。
そのまえにロビンソンだって人間で、傷つくかもね。
彼女だって傷つくよ。
どうすんの。
好きだよ。このままずっとしばらく毎日一緒だし、
消えないよ。

あたしはあたし磨きをがんばるよ。

人間を良くしなきゃ。


人間的にイルに好かれなきゃ。


ふられるのも強くなる道。


覚悟して告白しようよ。
いつかね。


とにかくまだ1週間だから。
出会って。
ほんと熱しやすいよな、あたし。


だから冷めるのもあっという間だと思う。


前の店の店長も、2、3ヶ月だったし。
でもそれからも消えなかったけど、恋愛感情は完全に。
期待もしてた。


また同じこと繰り返すんだ。

それでもいい。
何が変わったとか、同じとか、どうでもいい。


最高に幸せな独りよがりなあたしでいい。
幸せだから。
厨房で働くあたし。

同じ職場って事で、料理長と、社員見習いの男の子。

料理長:イル。
リップスライムのイルマリに似てる。
A型。神経質で、潔癖なところアリ。
背はあたしと変わらず、174cmくらい。
痩せている。26歳。
前の店はカフェでコックをしていた。
ギャグが通じる。おもしろい。

見習い:森くん。
カナダ人っぽいサッカー選手みたいな顔をしている。
プライドが高い、こだわりを持ってる。
料理人を目指してて、社員見習い。
21歳。背はあたしと同じくらい。
痩せてる。
前の店はイルと同じ。
結構独り言が多い(かまってほしい系)。
あと、人を見下してるっていうか、あたしと似てる。
結構傷つくこと言ってくるし。


あとはバイトの女の子(18歳)と、リッ君(19歳)。
この2人は3時間労働とかで、あんまり会わないかな。


でも、やばいんだ。
この料理長、かっこいいの。
顔はとりあえずイル。
あたしイルに似てる人に会ったの2人目だけど、
1人目もめちゃめちゃかっこよくてトークうまくって、
優しくて、面白かった。


料理長はおもしろいっていうか話しやすい。
バイト2日目でもう仲良くなった。
今も話すし、向こうも、何か話すときはあたしに話す。

まぁそれは仕事として、一番話すからってだけで、
何かあるわけじゃなくて。


もうロビンソンとは仕事しない。
前の店には戻らない。
あたしはここで生きていく。
みんなここで生きてく。


あたしは料理長に好意を寄せている。

料理長はほんと潔癖で、掃除とか、うるさいし、
材料とかも、だしっぱはもちろんダメで、
まな板も、包丁も、皿も、とにかく1回1回洗う。
あたしも高校生のときとか、めっちゃそうだった。
潔癖症だし。
でも最近は、大雑把になってきた。

料理長に「B型だと思ってた。むしろABだよね」と言われた。
やっぱり変わり者らしい。あたし。
よく「意味わかんない」って言われてたけど、
この店でもそんな感じ。

でも「きもい」って言うの、もう気をつける!
男は傷つくよね。あたしが出逢ってきた人が優しかっただけで。
うん、言葉に気をつける。

あと、ダイエットしなきゃ。
あたしやっぱ自信ない。自分に。
ホールの子と会うときでも、やっぱり外見を気にしてるのは
あたしだ。
だからちゃんと向き合えない。


料理長に彼女がいるかもしれない。かっこいいし・・
でも、生き生きしてなきゃとりあえずだめだ。
可愛くなくても、せいいっぱいの努力をしなきゃ。
自分を好きになれ。
痩せろ。
可愛くなれ。

そして優しくて気遣いのある女になれ。


恋は片思いが一番楽しいんだ。
あたしはロビンソンと出会ってそれを感じた。
それを実感した。
イルともし付き合えたとしても、あたし、続くか分かんない。
とにかく、片思いを満喫できればいい。
それがいちばん幸せ。
自己中でもいい。それが幸せ。

あたしはまだ未熟だよ。
これからも、浮気性っていうか続かないかもしれない。
それは経験だと思う。
感情が動くんだから、無理やりには何も出来ない。


とりあえず、遠くてあえないロビンソンに、
無理してでも会いに行く気持ちと時間に余裕はない。

今は新しい店のこと。
毎日顔をあわせて仕事する料理長の事。
そればかりしか考える余地はない。


でもあたしはイルを顔で見てる。大半。
イルは答えない。
自分を見て欲しいと思う。
まぁ、顔が好きだって言わないけど。
この気持ちは、イルじゃない誰かを好きにならないと消えない。
アイドルでもいい、ロビンソンでもいい。
とにかくイルを意識してはいけない。

仕事にもならない。
人間関係も、だめになるから。

今からまた、イルに会ってくる。