今日、イルにまかないを作ってもらって、
その間に仕事を片付けて、倉庫の方に休憩に行ってしまった
イルを待っていた。
ごはんは焼いた鶏肉とサラダ。
もうすっかり冷めていた。
それでも良かった。
イルを待たずに食べてしまえば、彼が戻ってきた頃には
食べ終わって帰らなければならない。
冷えたごはんをレンジアップしながらあたしは
仕込みをするイルと話をした。
一昨夜のこと。
デザートが7個入ったとき、イルは手伝おうとしなかった。
あたしは森君と手分けしていて、
森君のマイペースな仕事ぶり(本当にマイペース)と
手伝わないイルに苛々して、
何か色々叫んでいた。
そう、このバイトに、
あたしと保育園からずっと一緒の学校に通っていた女の子が
入ってきた。
ルイナという女。
あたしをいじめ、高校生活を暗くさせた張本人。
最低にヤな奴で、恐くて、嫌い。
まぁあたしは今でこそルイナを許そうという気はあるし、
裏切られない自信もあるし、怖いけど、怖くない。
でもお互い意識はしてる。
キモくてうざくて目障りなあたしをいじめていたルイナ。
いじめられていたあたし。
小学6年生から高校3年生まで、
ルイナの存在があたしを苦しめていた。
ルイナが嫌い。
理由は知らないけど何年たってもあたしを
いじめてくるから。
あたしはポジティブで明るくて元気で笑顔で生きて生きたい。
そんなあたしが気に食わなくて、
今の仕事で一緒に働くようになっても、
睨んできたり、うとましい目線で見てきたりする、ルイナ。
きっと可哀想で子供でぜんぜん相手にしなければいいだけ。
イルがいる、森君がいる。
そんなことだけなのに、一人よりずっと強い。
ルイナを意識してしまうあたしはまだ素になれない。
でもあたしは、ルイナなんか気にせずに、
あたしのしたいように、別にキモくたってよくて、
笑顔で、ギャグかましたり、ボケたり、
愛される人間でいたって、何もかまわないはずだ。
ルイナもまた、自由に生きればいいし、笑えばいいし、
しあわせになればいい。
でもそのためにあたしを見下してそういう態度なんかをするのは
うとましいしガキだと思うしよっぽどキモいよ。
今ならやっと分かる。
ルイナはあたしより子供なんだってこと。
本当にうざいなら、関わりたくないなら、
あたしなんか、今日初めて会いましたみたいな態度とればいい。
今日から始めればいい。
あたしはがんばろうと思う。
ルイナを許してあげようと思ってる。
高校の3年間は、あたしも弱くて、負けて、散々だったけど、
ルイナに悪口言われて、知らない子から見下されて、
目立っちゃダメなんだって思って閉じこもって、
あたしの人生で無駄だったことだ。
もっと気にしなければよかったのに、楽しく生きれたのにね。
でもルイナも人間で、生きてて、恋もして、
人間関係もあって、友達もいて、
これから友達も作るだろうし、なりたい職業につくんだろうと思う。
それをあたしが何か言う権利はないし、
好きに生きて、幸せになっていいと思う。
たぶん、幸せになろうとしてるんだろうし。
だからルイナのこと見下したりしないよ。
あたしは認めてるよ。
だからさ、あたしのことも、そろそろ、認めて欲しいね。
あなたにとっては薄っぺらくて、つまんない人生かもしれないけど、
あたしのこと、何にも知らないでしょう。
あたしはイルといることで強くなれる。
それはルイナに負けないという強さ。
あたしのこと知らない人に悪口を言われても泣かない強さ。
あたしのこと、ちゃんと知ってて認めてくれてる人がいる強さ。
イルは一昨夜、あたしの態度にカチンときて、
あたしに対してそっけない態度を取ったらしい。
あたしはそれに気づかなくて、イルの機嫌が悪くなったとき、
何でかわかんなくて少し不安になった。
でもあたしもキレてたし、ふん!って感じになってて。
それを今日イルと話してて、和解した。
これからは気をつけようみたいな。
イルは言った。
「厨房はさ、3人じゃん。
だから言いたいことは言い合って、いこうよ」
って。
あぁ何か嬉しかった。
信頼関係っていうか、しかも男女とか性別関係ない。
イルと森君とあたしは3人で、これからも毎日やっていく仲間。
それが恋愛対象から外れててもいい。
何かイルがそういうふうに思ってくれてたのも嬉しい。
前のバイトにいたときはこんなに打ち解けなかった。
何ていうか、広くて、厨房が。
話したら怒られてたし、オーダー入ったらもう別々だし。
でも今のこの職場では、狭いし人数3人だし、
場所も見渡せるし、しょっちゅう行き来してるしで、
やっぱりコミュニケーションがすごくある。
だから必然的に話すっていうか。
これからあたしも新しいポジションをやらなきゃいけない。
イルは当分休みがないけど、いつか、みんな覚えたら、
イルも休む。
だから覚えなきゃいけない。
イルは当分、っていうかこの感じだとあと2ヶ月は
毎日イルがいるだろう。
あたしもその2ヶ月を休む気はない。
昨日あたしが休んで飲みに来たとき、
厨房まわんなかったらしい。
忙しすぎて。
んで、社長とイルとホールの子が、
ゆーりがいないとダメだって身に染みた、と言ってくれた。
何度も、客席にいるあたしを呼ぼうと思ったらしい。
手伝って、って。
あたし、ここに必要とされてるんだ。
って嬉しくなった。
あたしじゃなくてもいい、かもしれない。
けどここにはあたししかいない。
これが現実。
あたしがここにいる。別の誰かじゃない。
これが現実。
前のバイトの社員が言ってたらしい。
「ゆーりが辞めたのは痛い」って。
あたしが生きてく価値も理由もそこにあった。
その間に仕事を片付けて、倉庫の方に休憩に行ってしまった
イルを待っていた。
ごはんは焼いた鶏肉とサラダ。
もうすっかり冷めていた。
それでも良かった。
イルを待たずに食べてしまえば、彼が戻ってきた頃には
食べ終わって帰らなければならない。
冷えたごはんをレンジアップしながらあたしは
仕込みをするイルと話をした。
一昨夜のこと。
デザートが7個入ったとき、イルは手伝おうとしなかった。
あたしは森君と手分けしていて、
森君のマイペースな仕事ぶり(本当にマイペース)と
手伝わないイルに苛々して、
何か色々叫んでいた。
そう、このバイトに、
あたしと保育園からずっと一緒の学校に通っていた女の子が
入ってきた。
ルイナという女。
あたしをいじめ、高校生活を暗くさせた張本人。
最低にヤな奴で、恐くて、嫌い。
まぁあたしは今でこそルイナを許そうという気はあるし、
裏切られない自信もあるし、怖いけど、怖くない。
でもお互い意識はしてる。
キモくてうざくて目障りなあたしをいじめていたルイナ。
いじめられていたあたし。
小学6年生から高校3年生まで、
ルイナの存在があたしを苦しめていた。
ルイナが嫌い。
理由は知らないけど何年たってもあたしを
いじめてくるから。
あたしはポジティブで明るくて元気で笑顔で生きて生きたい。
そんなあたしが気に食わなくて、
今の仕事で一緒に働くようになっても、
睨んできたり、うとましい目線で見てきたりする、ルイナ。
きっと可哀想で子供でぜんぜん相手にしなければいいだけ。
イルがいる、森君がいる。
そんなことだけなのに、一人よりずっと強い。
ルイナを意識してしまうあたしはまだ素になれない。
でもあたしは、ルイナなんか気にせずに、
あたしのしたいように、別にキモくたってよくて、
笑顔で、ギャグかましたり、ボケたり、
愛される人間でいたって、何もかまわないはずだ。
ルイナもまた、自由に生きればいいし、笑えばいいし、
しあわせになればいい。
でもそのためにあたしを見下してそういう態度なんかをするのは
うとましいしガキだと思うしよっぽどキモいよ。
今ならやっと分かる。
ルイナはあたしより子供なんだってこと。
本当にうざいなら、関わりたくないなら、
あたしなんか、今日初めて会いましたみたいな態度とればいい。
今日から始めればいい。
あたしはがんばろうと思う。
ルイナを許してあげようと思ってる。
高校の3年間は、あたしも弱くて、負けて、散々だったけど、
ルイナに悪口言われて、知らない子から見下されて、
目立っちゃダメなんだって思って閉じこもって、
あたしの人生で無駄だったことだ。
もっと気にしなければよかったのに、楽しく生きれたのにね。
でもルイナも人間で、生きてて、恋もして、
人間関係もあって、友達もいて、
これから友達も作るだろうし、なりたい職業につくんだろうと思う。
それをあたしが何か言う権利はないし、
好きに生きて、幸せになっていいと思う。
たぶん、幸せになろうとしてるんだろうし。
だからルイナのこと見下したりしないよ。
あたしは認めてるよ。
だからさ、あたしのことも、そろそろ、認めて欲しいね。
あなたにとっては薄っぺらくて、つまんない人生かもしれないけど、
あたしのこと、何にも知らないでしょう。
あたしはイルといることで強くなれる。
それはルイナに負けないという強さ。
あたしのこと知らない人に悪口を言われても泣かない強さ。
あたしのこと、ちゃんと知ってて認めてくれてる人がいる強さ。
イルは一昨夜、あたしの態度にカチンときて、
あたしに対してそっけない態度を取ったらしい。
あたしはそれに気づかなくて、イルの機嫌が悪くなったとき、
何でかわかんなくて少し不安になった。
でもあたしもキレてたし、ふん!って感じになってて。
それを今日イルと話してて、和解した。
これからは気をつけようみたいな。
イルは言った。
「厨房はさ、3人じゃん。
だから言いたいことは言い合って、いこうよ」
って。
あぁ何か嬉しかった。
信頼関係っていうか、しかも男女とか性別関係ない。
イルと森君とあたしは3人で、これからも毎日やっていく仲間。
それが恋愛対象から外れててもいい。
何かイルがそういうふうに思ってくれてたのも嬉しい。
前のバイトにいたときはこんなに打ち解けなかった。
何ていうか、広くて、厨房が。
話したら怒られてたし、オーダー入ったらもう別々だし。
でも今のこの職場では、狭いし人数3人だし、
場所も見渡せるし、しょっちゅう行き来してるしで、
やっぱりコミュニケーションがすごくある。
だから必然的に話すっていうか。
これからあたしも新しいポジションをやらなきゃいけない。
イルは当分休みがないけど、いつか、みんな覚えたら、
イルも休む。
だから覚えなきゃいけない。
イルは当分、っていうかこの感じだとあと2ヶ月は
毎日イルがいるだろう。
あたしもその2ヶ月を休む気はない。
昨日あたしが休んで飲みに来たとき、
厨房まわんなかったらしい。
忙しすぎて。
んで、社長とイルとホールの子が、
ゆーりがいないとダメだって身に染みた、と言ってくれた。
何度も、客席にいるあたしを呼ぼうと思ったらしい。
手伝って、って。
あたし、ここに必要とされてるんだ。
って嬉しくなった。
あたしじゃなくてもいい、かもしれない。
けどここにはあたししかいない。
これが現実。
あたしがここにいる。別の誰かじゃない。
これが現実。
前のバイトの社員が言ってたらしい。
「ゆーりが辞めたのは痛い」って。
あたしが生きてく価値も理由もそこにあった。