臭枕 | baritontaroのブログ

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趣味の声楽などに関する勇み足風の
所感です。たまに本業の印章彫刻に
ついてもホンネを暴露します。

時に顰蹙を買うようなことを言います
が、何卒ご容赦のほどを。

今日は夏目漱石の日だそうで、ブログネタもないから漱石で何か書こうかなどと思い、夕刻、万年床に寝転がりながら『草枕』を手に取った。ただ文庫版が薄いからというしょうもない理由である。

 

 

読んでいるうちに眠くなってすっかり寝入ってしまった。漱石が夢を見て、例の「長良の乙女」がオフェリアに変身して歌いながら川に流されていくあたりである。

 

 

↑「落ち穂拾い」じゃない方のな、ミレー作『オフィーリア』

 

 

一人の女に二人の男(そのうちの一人は勿論私である)が懸想ずるなんてことも二度ばかりあったと記憶する。二度とも身を引いた。これが私の男として、というより人間として駄目なところなのだ。

 

 

一度目は友人に義理立てしてだ。そして結局友人も彼女の愛を得ることに失敗した。

 

二度目は、私が彼女の二股掛けるような態度に憤慨して去ったのだ。

 

 

こういう、自分の心に忠実でないところがいけない。外部的な条件によって、純粋な愛の形がひしゃげてしまった。好きなら好きで貫き通すべきではないか。

 

 

もうこのような過ちは繰り返さないつもりだ。(←年考えろ、年!)

 

 

私は人生論的に小説を読む癖があったのだが、それに最もよく付き合ってくれたのが漱石だった。そして、何の解答も与えてくれないまま世を去った。

 

 

でも、それでいいのだと思う。悩み尽きない人生だからこそ、小説はわが身に寄り添ってくれているのだろうと思う。漱石先生だけは、未だに時として夢の中に現れてくれるのがうれしい。

 

 

そういえば、あさって私は夏目さんという人に会う約束をしている(笑)。

 

 

 

ありがとうございました。