今回は「ザ・ガードマン」セレクションから



209話「現金輸送車 大追跡作戦」  井上芳夫監督



ザ・ガードマン定番の東京パトロール対ギャング団の対決です。



これが東京パトロールの現金輸送車

ありとあらゆる防御装備を駆使した装甲車並の自動車です。



ギャング団の男達

左から根上淳 内田朝雄 千波丈太郎 三夏伸

内田朝雄さんがリーダーで襲撃計画立案者ですが、内田さんにしては珍しく実行にも参加します。



現金輸送車の清水隊員(藤巻潤) と小森隊員(中条静夫) 金庫内には荒木隊員(川津祐介)もいます。



射撃の名手の根上淳さんが後続の車を撃ち現金輸送車を孤立させました。

かなり神経質な役の根上さん。



トンネル内の格納庫に上手く誘導したが、ガードマン達の抵抗で現金輸送車は簡単に攻略出来ません。



現金を自車に移すのを諦めたギャング団は、現金輸送車を郵便車に塗り替え逃走しようとしたが、ガードマンしか運転出来ない特殊仕様の為に藤巻さんに運転させる。



しかし、格納庫内でのギャング団の銃撃でブレーキが壊れていて暴走、パトカーに追跡されます。



酸素マスクをして無電で仲間に知らせようとする荒木隊員(川津祐介)





何とかパトカーを振り切りギャング団が見つけた無人の「カーベキュー」工場にたどり着く。
川津さんが中に居る現金輸送車をカーベキューにすると脅すが…
しかし、他のガードマン達に見つかり根上さんと千波さんは御用に



逃走する内田さんと三夏さん

三夏さんはA級ライセンスの設定です。



追う清水隊員(藤巻潤)と高倉キャップ(宇津井健)



身を乗り出してマシンガンを撃つ内田さん

今回の内田さんはかなり気合いが入ってましたね。



しかし所詮ガードマンの敵ではなく手を上げて降参しておしまい。



今回は最後まで男達しか登場しませんでした。

ギャング団の内田朝雄さんの入れ込みと根上淳さんが印象的でしたね。




今回紹介する作品は

1963年(昭和38年)日活

「真白き富士の嶺」

森永健次郎監督



あらすじ

白血病の為に2年半入院していた磯村梓(吉永小百合)は退院して、一家は彼女の病気療養の為に東京から逗子に引越しした。



太宰治の葉桜と魔笛が原作です。



主人公の磯村梓(吉永小百合)

白血病の為に療養の甲斐もなく亡くなる役を好演しました。

翌年に大ヒット作「愛と死をみつめて」に出演しましたので、この作品が良い経験になっていますね。



尚、今回はいつものチャッカリは止めて小百合さんにします。



姉の梢(芦川いづみ)

いづみさんと小百合さんの姉妹役はこれまで3回観ましたが、何れの作品も四人姉妹で二人の会話もあまりありませんでした。



私はいづみさんと小百合さんの二人姉妹の作品を観たいと思っていましたので、今回念願が叶いました。



湘南海岸で寝そべる二人

やっぱり二人の姉妹は良いですね。





ここで鉄道シーン

新橋駅の70系電車



江ノ電藤沢駅構内



藤沢駅構内のベンチに座るいづみさんと恋人役の小高雄二

お土産にあんみつを売っていますが、藤沢名物だったのでしょうか。



富田一夫(浜田光夫)

今回の浜田さんは出演時間は短く、小百合さんの相手役なんですが、あくまでも脇役です。



逗子の家でチェアーに座って療養する小百合さん。

小百合さんは自分が治らない病と感じ、恋人の居る姉への妬みから自分で架空の恋人M・Tからの手紙を自分宛てに出します。



症状が重くなった小百合さん

小百合さんはM・Tが別れる手紙を出します。



M・Tからの別れの手紙を知ってるいづみさんは、彼女が復縁の手紙を出して小百合さんに読んで聞かせます。



いづみさんが自演した手紙だと知ってる小百合さんは、M・Tからの手紙は自分が自演したのを謝り、青春真っ盛りなのに恋も知らずに死ぬのは嫌と叫び、いづみさんに抱いて欲しいと言います。







あとがき

真白き富士の嶺は逗子の旧制中学のボート部が遭難したエピソードで、映画のラストで浜田光夫さんがヨットで小百合さんの後追い自殺らしい遭難死をします。

でも個人的には今回は浜田光夫さんは必要無かったと思います。

浜田さんの存在が架空の主M・Tの存在を希薄にしたのではないでしょうか。

しかし、今回は小百合さんといづみさんのW主役と言える作品で、姉妹の会話を存分に楽しめました。

今度は二人のポジティブな作品を観たいのですが、果たして在るのでしょうか。














今回からTBSチャンネル2が宇津井健さん追悼として放送したザ・ガードマンのセレクションから、此方でさらにセレクションして小出しに紹介していきます。





126話「女の戦争」 宮下泰彦監督





ショッピングセンター内にある「アイセル美容室」を舞台に骨肉の女の争いが繰り広げられました。



!!尚、衝撃画像がありますのでご注意を





アイセル美容室の創業者サナエ(中原早苗)

創業者ながら腕の方はイマイチの美容師です。

早苗さんはザ・ガードマンの最多常連ゲストの一人ですね。



共同経営者になってるレイコ(しめぎ・しがこ)
腕はサナエよりも数段上で、サナエを疎ましく思っています。

しめぎさんを知らない方がいらっしゃると思いますが、当時のドラマではゲスト主役として活躍していて、標滋賀子の漢字表記の時もあります。



上客の奥様(三崎千恵子)が





哀れにも洗髪中にカッパ頭に



その後早苗さんとしめぎさんが責任のなすりつけあいと独立騒動でキャットファイトに





創業者達の影で工作をしてたのは、それぞれのチーフ達だった

左が早苗さんのチーフ・トリコ(夏圭子)

右がしめぎさんのチーフ・ミサ(真山知子)





三崎千恵子さんを洗髪したのがトモコ(渚まゆみ)



早苗さんと夏さんは美容室の評判を落とす為に、しめぎさんから頼まれたと睨み白状させる為に熱湯をかけるリンチ



凄い迫力の早苗さん



その後も蹴るリンチをされた後死亡した渚さん

渚さんにしてはやられっ放しの役でした。



その後しめぎさんの上客がパックで大火傷に



しめぎさん達はパックをした早苗さん派のユミコ(紺野ユカ)を呼び出し



電気ショックでリンチ

このリンチで紺野さんも死亡



二人のチーフは殺人をネタにして実行した両経営者を追い落とす事に成功する。





ショッピングセンターを警備する荒木隊員(川津祐介)と川津さんに付きまとう美容師ミツコ(嘉手納清美)

嘉手納さんは殺人現場を見たのを知られて脅迫されます。





美容室の異変を感じたガードマン達はなんと美容室に最も似合わない吉田隊員(稲葉義男)を派遣する(笑)





結局死亡したはずの二人は実は生きていた事が判り、二人のチーフは追い出されて早苗さんとしめぎさんは仲直りしておしまい。



二人があれだけのリンチを受けてなんともなかったのはチョットと!思いますが、女同志の凄まじいリンチは見応え充分ですし何より早苗さんの迫力ビックリマーク



そしてこの回は何故かいつもより3分放送時間が長かったです。





最後にオープニングの動画を






今回紹介する作品は

1964年(昭和39年)東映

「君たちがいて僕がいた」

鷹森立一監督



あらすじ

小田原の高校3年生佐藤洋(舟木一夫)は芸者の姉(宮園純子)から学資を受けている為に大学進学を悩んでいた。



ちょうど時代劇から任侠・ギャング路線に舵を切った東映ですが、他社が手掛けていた人気の青春映画にも一時期参入していました。





佐藤洋(舟木一夫)

舟木さんは青春映画で日活 松竹 東宝 東映 大映に出演しコンプリートを達成しています。

しかし、今回は一応主役扱いですが登場時間はあまり多くなく、何となく影の薄いキャラなんですね。





ヒロイン久保知恵子(本間千代子)

明朗だがツンデレなキャラで最初矢吹先生(千葉真一)にアタックするが、振られるとアッサリ舟木さんに乗り換えます(笑)

そして後半の矢吹先生問題解決にも主導しますので、事実上の主役です。



本間千代子さんは東映児童劇団を経て1962年「恋と太陽とギャング」で正式デビュー



デビュー作は奇しくも千葉真一さんの妹役でした。



私が本間千代子さんの名前を初めて知ったのはラジオで流れた王選手とのデュエット曲でした。

王選手の棒読みを笑いにする企画でしたが、私は本間さんの歌声が非常に印象に残り、それ以来本間千代子さんに興味を持ちました。





矢吹先生(千葉真一)

模型が趣味な体育教師です。

運動神経はバツグンで見事な鉄棒を披露しますが、いたって真面目な性格です。

千葉さんらしくもう少しやんちゃな要素があれば良いのにと思いますが、後半の重要なエピソードの為に出来ないんですね。





幸奴(宮園純子)

舟木さんの姉で、千葉さんと恋人になります。

しかし、それが後半に問題になります。





田中彰(堺正章)

PTA会長(須藤建)の息子ですが、体育の授業の鉄棒で怪我をします。

千葉さんが気に入らない父親はこの怪我と教師と芸者の情痴をネタにPTA集会を開き千葉さんを失職させようとします。



デビュー初期の堺さんですが、どういう関係か舟木さんの作品にはよく出演していますね。





そして劇中の面白いエピソードを



千葉さんが宮園さんを好きなのを知った本間さんは、携帯洗濯機を持参して



千葉さんの自宅に押しかけます。



押入れに隠した「臭い靴下」を持つ本間さん



大量の靴下を洗濯した本間さんですが、あの携帯洗濯機ではしんどかったでしょうね。



他者のブログではこの携帯洗濯機はあっという間に無くなったと書かれてましたが、調べると今でも通販で販売してますね。





あとがき

特に後半が日活の石坂作品のような映画でしたが、本間千代子さんの魅力満載でしたよ。






本間千代子さんが歌う挿入歌「愛しあうには早すぎて」と

おまけで

王さんと本間さんのデュエット曲「白いボール」も貼っときますね音譜





今回紹介する作品は

1967年(昭和42年)日活

「花と果実」

森永健次郎監督



あらすじ

淡路島から上京して大学へ通う村上のぶ子(和泉雅子)は、母親(奈良岡朋子)が重病の為に淡路島に帰郷した。

そして亡くなる直前の母親から父親(有島一郎)が義父であると知らされる。





主人公の村上のぶ子(和泉雅子)



石坂洋次郎原作の明朗青春作品ですが、和泉さんは今回が石坂洋次郎作品初主演です。



石坂洋次郎作品の主役に向いている女優さんだと思うのですが、これまで主役になれなかったのは、石坂洋次郎さんが吉永小百合さんの大ファンだったのが原因と思われます。



その後作られたテレビ版にも彼女が出演しました。



和泉さんの相手役中畑五郎(杉良太郎)



杉さんは前年に映画デビューしてこれが一番の大役なんですが、三枚目のヘタレキャラで、とても杉さん向きではありません。

杉さんが無理して演技してる様子が見えました。

和泉さんのいつもの相手役は山内賢さんで、彼の方が余程向いていると思うのですがね。



和泉さんと杉さん





デザイナーの田川光子(小山明子)

夫が海外出張中で欲求不満気味

小山明子さんの日活出演も珍しいと思います





モデル役で山本リンダさんが登場

クレジットには彼女の名前はありませんでした。



そして、ここからは地元神戸ネタです。



三宮の浜側に有ったニューポートホテル

1966年建築ですからオープン間もない頃です。

今は取り壊されて某宗教施設に成り果てました。





ニューポートホテルの回転展望レストランで食事する和泉さんと有島さん。



ニューポートホテル屋上にある回転展望レストランの外観は子供の頃から見慣れた光景でしたが、内部は今回初めて見ました。

こんな高級レストランに連れて行ってもらった事がありませんからあせる





さんちかタウン

1965年オープンした神戸初の地下街

大映「ボクは五才」でも同じ場所から撮影されましたが、こちらの方がオープン間もない映像を見る事が出来ます。







神戸電鉄有馬温泉駅舎

小ぶりですが重厚な洋風建築でした。

現在は取り壊されています。





有馬ヘルスセンター



この当時の有馬ヘルスセンターにはプールや



マス釣り池や



ミニ遊戯施設がありました。

子供の頃此処でマス釣りをして、釣れたマスを唐揚げにしてもらって食べましたね。



有馬ヘルスセンターはその後これらの施設は閉鎖され、大広間の歌謡ショーとゲーセンのみになりましたので、この映像は極めて貴重です。



現在の有馬ヘルスセンターは太閤の湯と名前を変え温泉専用施設になりました。








最後に和泉さんが歌う主題歌を

中々良い歌ですよ音譜