今回紹介する作品は

1963年(昭和38年)日活

「真白き富士の嶺」

森永健次郎監督



あらすじ

白血病の為に2年半入院していた磯村梓(吉永小百合)は退院して、一家は彼女の病気療養の為に東京から逗子に引越しした。



太宰治の葉桜と魔笛が原作です。



主人公の磯村梓(吉永小百合)

白血病の為に療養の甲斐もなく亡くなる役を好演しました。

翌年に大ヒット作「愛と死をみつめて」に出演しましたので、この作品が良い経験になっていますね。



尚、今回はいつものチャッカリは止めて小百合さんにします。



姉の梢(芦川いづみ)

いづみさんと小百合さんの姉妹役はこれまで3回観ましたが、何れの作品も四人姉妹で二人の会話もあまりありませんでした。



私はいづみさんと小百合さんの二人姉妹の作品を観たいと思っていましたので、今回念願が叶いました。



湘南海岸で寝そべる二人

やっぱり二人の姉妹は良いですね。





ここで鉄道シーン

新橋駅の70系電車



江ノ電藤沢駅構内



藤沢駅構内のベンチに座るいづみさんと恋人役の小高雄二

お土産にあんみつを売っていますが、藤沢名物だったのでしょうか。



富田一夫(浜田光夫)

今回の浜田さんは出演時間は短く、小百合さんの相手役なんですが、あくまでも脇役です。



逗子の家でチェアーに座って療養する小百合さん。

小百合さんは自分が治らない病と感じ、恋人の居る姉への妬みから自分で架空の恋人M・Tからの手紙を自分宛てに出します。



症状が重くなった小百合さん

小百合さんはM・Tが別れる手紙を出します。



M・Tからの別れの手紙を知ってるいづみさんは、彼女が復縁の手紙を出して小百合さんに読んで聞かせます。



いづみさんが自演した手紙だと知ってる小百合さんは、M・Tからの手紙は自分が自演したのを謝り、青春真っ盛りなのに恋も知らずに死ぬのは嫌と叫び、いづみさんに抱いて欲しいと言います。







あとがき

真白き富士の嶺は逗子の旧制中学のボート部が遭難したエピソードで、映画のラストで浜田光夫さんがヨットで小百合さんの後追い自殺らしい遭難死をします。

でも個人的には今回は浜田光夫さんは必要無かったと思います。

浜田さんの存在が架空の主M・Tの存在を希薄にしたのではないでしょうか。

しかし、今回は小百合さんといづみさんのW主役と言える作品で、姉妹の会話を存分に楽しめました。

今度は二人のポジティブな作品を観たいのですが、果たして在るのでしょうか。