シリコンバレーから次々と現れる新興金融は、頭脳と資金力で急成長を遂げつつあります。
アップルがスマホ決済を担う『ストライプ』は、創業5年で企業価値が6000億円を超えました。
他にも、人工知能による運用助言、ビッグデータを駆使した金融不正の発見、個人間融資のネット仲介、スマートフォン(スマホ)を使った資金決済等、新興金融の勢いは著しく、「米六大金融グループが1年間に稼ぐ純利益の7倍近い『60兆円』規模の利益が脅かされている」(ゴールドマン・サックス)そうです。
アイデアや資金の出し手として街を引っ張るのは、1998年にペイパルを設立し、世界規模のネット決済業に成長させた3人の創業者を軸にした『ペイパルマフィア』と呼ばれるエリートたちだ。
その「ペイパルマフィア」の1人”決済大手ペイパルの共同創業者で技術者のマックス・レブチン氏”が2012年にシリコンバレーで立ち上げた『アファーム』では、
「フェイスブックの”友人”は多いか」
「リンクトインで”推薦”を集めているか」
「ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の利用状況」
など独自の基準で借り手を多角的に審査し、10~30%の利息で貸します。
融資の額や条件は、主に借り手の職業や収入でじっくり判断するのが金融の常識を覆し、「将来性」を重視して、外国人や一時的に無職の人、破産経験者でさえも「優良顧客」とみなします。
スタンフォード大で数学や物理学を学んだ若者が中心となった『ロビンフッド』では、先物取引や信用取引の利息・手数料で稼ぎ、利用者が多い株の売買は手数料ゼロ。口座管理も無料だ。先端技術でシステム投資・維持費をぎりぎりに抑えた「若者の証券会社」。
3月のサービス開始前には70万人以上が待機リストに登録し、顧客の平均年齢は26歳で9割超が40歳以下。大半は証券取引に縁がなかったそうです。
いずれこうした新興金融の波は日本にも押し寄せるかもしれません。
今後も「西のウォール街」シリコンバレーから目が離せません。