こんにちは!千葉は連日の猛暑です!
今回紹介する本はこちら…
コミックでわかる アドラー心理学
向後 千春
少し前に話題になったアドラーの心理学を今更ながら読んでみました。
こうしたアニメ系の書籍は賛否あると思いますが、私は特に肯定も否定もしていません。アドラー等少し高度でとっつき難いものは、1冊目として読みやすいコミックから入るのもアリかなと…
Prologue
「人は都合の良い様に世の中を見て”今の自分”への不満を何かのせいにしたがっている”仕方ない”と思いたいからだ」
人は傷つかないまま、人を傷つけないまま、生きることはできない。
人は必ず人と関わって生きているから、何かに逃げることはできない。
それではどうすればいいのか…… 強くなるしかありません
「勇気があり自身があり、リラックスしている人だけが、人生の有利な面や困難から益を受けることができる。
そのような人は、決して恐れたりしない。困難があることは知っているが、それを克服できることも知っており、準備ができているから」
強くなるとは、”自分に何が足りないか”を考えるということではなく、”自分を好きになる”ことです。
今の自分を100%認めることができれば、どんなことがあったとしても、後悔したり、落ち込んだりすることはなくなるはずです。
「自分を自分で認めるには、”意識と無意識”を一致させて、自分は本当は何をしたがっているのかに気づくことが重要。人は誰しも無意識に何かを達成しようとして行動を選択する生き物だから。」
Chapter 1 劣等感と補償
「我々は皆、ある程度は劣等感を持っている。向上したいと思う状況にいるからである……
劣等感を長く持ち続けることに我慢できる人は誰もいない。」
人が進歩するのは、劣等感を克服しようと思うからです。しかし、いつも戦ってばかりいたら疲れます。過酷な現実にぶつかることも。その為、時には”サボる”ことや”遠回り”する日があってもいいと思います。
「皆自分の劣等感を乗り越えて、自分自身を認めたいだけ。
劣等感の正しい克服の仕方は”完全への努力”」
劣等感は誰のが普通にもつ感情で、その克服の仕方が大事です。
アドラーは”完全への努力”をして乗り越えるべきだと考えています。
”優越への努力”…… 「人より優れたい」「あいつに勝ちたい」と考えることで、個人の利益の為に努力をしている状態です。これは当然、他者と敵対する原因となりますし、失敗は自分自身の敗北を意味します。
”完全への努力”…… 「共同体を成長させたい」「誰かの役に立ちたい」と考え、他者と一体となって、共同体の為に努力をすること。この時の失敗は、努力のワンステップ・努力した証となります。
Chapter 2 ライフスタイルを知る
「アドラーにとって幸せとは一つ。”皆に認められて、自分で自分を認められる”こと。人それぞれなのは、その幸せを手入れるために何をすべきだと感じているか」
「人生は目標を達成しようとすること、あるいはそれに具体的な形を与えようとすることである。そして、具体的な形を達成することへと向けて人を動かすのは、優越性の追求である。」
人生は基本的に思い通りにはいかないものなので、その困難を克服するやり方は人それぞれです。”誰でも必死にその環境で認められようとしているだけ”と考えると、自分も他人も少し許せるようになるかもしれません。
また、自分の考え方と行動を決めているのは、理性・感情・意識・無意識・心・体が合わさった”全体としてのあなた個人”です。つまり「個人が様々な部分を使って、目的に向かって全体を動かしている」状態です。この様に捉えると、怒りや嫉妬等の感情に支配されることなく「私個人はこの感情を使って、一体何を目指しているのだろうか」と考えることができます。
Chapter 3 トラウマを捨てる
「人はみな人生について自分がもっている仮設が正しいことを強化する理由を常に探して生きている。」
「人間の行動は”有用性”で成り立っている。性格の根底にあるのは”行振る舞った方が生きる上で役に立つ”という学習の積み重ねである。」
例えば”人は信じられない”と仮定する人は、様々な体験の中から嫌な出来事だけを取り出して、”やっぱり人は信用できない”とあたかも人は信用できないかの様に振る舞います。本当は人を信じて嬉しかったことも沢山あるはずなのにあえてそれは見ません。
また、人に対して支配的に振る舞う人は”その方が生きる上で便利だから”そうしているんです。
そこで、新しい仮説を立てて、その有用性を検証していくことが大切です。例えば「人を信用すると多くの出会いと学びが得られる」と仮定してその通りに行動してみる等。
「いかなる経験も、それ自体では成功の原因でも、失敗の原因でもない。われわれは自分の経験によるショック(いわゆるトラウマ)に苦しむのではなく、経験の中から目的に適うものを見つけ出す。」
「自分の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって、自らを決定するのである。そこで、特定の経験を将来の人生のための基礎と考える時、おそらく、何らかの過ちをしているのである。」
世界全体の中から1人の人間が経験できることなんてほんのわずかです。その氷山の一角で全体を想像して、多くの人が自分の人生の意味を決めてしまっています。
”トラウマ”や”生まれつきの性格”という言葉は、自己欺瞞です。「できないのではなく、やりたくない。やってみれば、きっとできる。」とアドラーは言います。また、アドラーは”自己欺瞞をやめ、直面する課題に挑戦することを”勇気”と呼びます。
自分には、まだ見つかっていない人生の可能性がきっとあると思います。
Chapter 4 ライフスタイルのタイプ
「生涯にわたって妬みに満たされている人は共生にとって有用ではない。そのような人は、常に他の人から何かを奪い、何らかの仕方で軽視し、邪魔をするという欲求をしめすだろう。そして自分が達成しなかったことについては、言い訳をし、他者を責める傾向をもつ。」
人の生き方には、直接干渉することはできません。ですが、その人が何に劣等感を持っていて、自分の何を向上させようとしているか、を理解する洞察力を持てば、相手に強いマイナス感情を抱くことから自分自身を守ることができます。
「苦しくても、怒りや嫉妬の感情を手放す。それもまた強さだから。
本当の自分を探すのではなく、自分を変える。行動を少しずつ変えれば、まわりの反応もかわるはず。」
Chapter 5 人生の本当の目的とは
「もし我々が一人でこの地球上に生きているのであれば、まったく違ったものになるだろう。しかし我々は常に他者を考慮に入れ、他者に自分を適応させ、自分を他者に関心を持つようにしなければならない。」
”自分の人生”を考えるあまり、かえって生き辛くなることもあります。そんな時には、”もっと人のことに関心をもつようにする”こと。
こうする理由は、幸せには”仕事・交友・愛”の3つの絆が必要だからです。
人間にとって、地球環境の中で生きていくために、どんな活動をすればいいかを見つけることが根源的なテーマとしてあります。これが”仕事”。
また人間は、誰もが「弱さ・欠点・限界」を持つからこそ、いつも誰かと結びついています。人は1人では滅びてしまうから。すると必然的に自分と皆の幸せの為に、人とどのように関わるかも大切になります。これが”交友”。
そして、人間は2つの性でできています。多数の他者と関わると同時に1対1で異性の人と深い関わりを持つことも、人間にとっては重要です。これが”愛”。
いずれの課題も「誰かのために」考えて行動することがポイントになっています。
「人生において最大の困難にあい、他者にもっとも大きな害を与えるのは、仲間に関心を持っていない人である。
人間のあらゆる失敗が生じるのは、このような人の中からである。」
”その人のために”と思っても報われないこともあると考えるかもしれません。しかし、それは”仕事が忙しいから、友達が少ない・異性と付き合う暇がない”等と言い訳して、他の課題から逃げているからです。バランスが大事。
「我々には見ること、聞くこと、話すことにおいて他者と結びついている。人は外界に関心を持ち、他者と結びついている時にだけ、正しく見聞きし、話すのである。」
人には”理解する”という能力があります。これをアドラーは”共同体感覚”と呼び、人が成長するためにとても重要なものとしています。
共同体の中に”所属”している感覚を持ち、その周りの人に”貢献”し、結果自分は、共同体の中でありのままの自分でいられるという感覚”自己受容”を抱き、周りの人を”信頼”する。これが共同体感覚であり、幸福の人生につながっていきます。
「いろんな人が、あなたのことを気にかけてくれています。自分を許し、人を許しながら成長を目指す。その努力はきっと誰かの役に立つ、日々そう思って前を向くことが楽に生きる秘訣である。」
人間関係・仕事・子育てに悩んだ時は、是非この本を読んでみてください。あっという間に読みきってしまいますよー。