リーガエスパニョーラ第29節
レアル・マドリード3-4バルセロナ
先発
FW:イニエスタ、メッシ、ネイマール
MF:セスク、ブスケツ、シャビ
DF:アルバ、ピケ、マスチェラーノ、アウベス
GK:バルデス
交代
後半23分、ネイマール→ペドロ
後半33分、セスク→アレクシス
得点者
バルセロナ:イニエスタ、メッシ×3(PK×2)
レアル・マドリード:ベンゼマ×2、ロナウド(PK)
第29節は伝統の一戦クラシコ。バルセロナはライバル、レアル・マドリードを勝ち点差4で追う状況です。つまり、負けられない戦いでした。
シーソーゲームとなったこの試合にバルセロナは勝利しています。
前半と後半で、あまり良くない意味で内容が様変わりしてしまった試合だったと思います。前半は最高のエンターテイメント。後半は審判が主役。情報量の多い、めまぐるしいクラシコでした。
ディマリアがキレキレ
このクラシコで僕が一番印象に残ったのはディマリアです。この人の動きのキレとプレーの質は本当に凄かったです。立ち上がりから運動量豊富で、困ったもんだなあと思いながら見ていたんですが、攻守に渡りいい仕事しまくりでしたね。ベンゼマへのピンポイントクロス2本で、3分間でバルサを逆転する活躍でした。
ロナウドが囮となり、ベンゼマがいい形で受ける攻撃が多かったレアル。そのチャンスのほとんどを演出していたのがディマリアでした。ロナウドが動いた左のスペースにうまく入って来ていました。
逆に言うと、バルサはマスチェラーノがうまくロナウドを消していたのではないかと思います。この試合ではロナウドに脅威はありませんでした。とはいえ、ディマリアにはお手上げでしたね。
最高のエンターテイメント
前半は最高のエンターテイメントでした。イニエスタの先制点は爽快で興奮しました。流れが良く、完全に崩したと言える形でした。左足を振り抜いた綺麗な弾道のシュート。普段はフィニッシュだけ不得意なイニエスタという印象はなきにしもあらずなんですが、この大一番でのあのシュートはたまらないですね。なんて魅力的な選手なんでしょう。
バルセロナはこのイニエスタとシャビが特に良かったと思います。
先制を受けてのレアルの3分間の逆転劇も見事でした。当然僕はバルサを応援しているわけですが、見事なクロスからのベンゼマの2得点は、しょうがないと思える素晴らしい得点でした。まさに世界最高峰の試合を見れているんだなと感じるプレーの連続でした。血湧き肉踊る興奮の前半でした。
3つのペナルティ・キック
後半に生まれた3ゴールは全てPKでした。前半が面白すぎる展開だった為に、率直に言うと残念です。
後半9分にロナウドが倒れたシーンでPK判定。後から見るとエリアの外でした。後半開始から立て続けにバルサ有利判定があり、審判へのブーイングが続いていたベルナベウ。その後のこのPK判定だったので、なにか邪推せずにはいられない判定でした。
後半18分にはネイマールがエリア内でセルヒオ・ラモスに倒されPK判定。決定機の阻止ということでラモスは一発退場になりました。
ネイマールはロナウドよりも倒れ方はうまいなーと思いました。さすがブラジル人。ネイマールはこれまでの試合では足下で受ける事の方が多い印象でしたが、このクラシコでは裏へ走るシーンが多かったです。それが身を結んだPKとも言えそうです。今日はボールロストが多かったネイマールですが、裏へのランニングはこれまでよりも良かったと思います。
それにしても、一発退場は厳しすぎる判定なのではないかと思います。エリア外での決定機の阻止であれば一発退場はわかるんですが、この場合はイエローで良かったのではないかと。この退場によって試合のバランスが壊れてしまいました。残念な判定でした。
後半38分にはイニエスタが倒されPK判定。この場面は取られない事の方が多い気がしました。しかしエリア内でのドリブルの脅威を改めて感じた場面でした。
バルサの攻撃は相手を押し込んでいくポゼッションサッカーです。これが出来ればエリア内への侵入回数は増え、相手が下手に飛び込めない優位な状況を何度もつくる事になります。バルセロナにおいてPKが多いというのはこういったことが誘因だと思われます。ポゼッションサッカーの成果の一つとも言えますね。
ルールを考えてしまう判定
やはり命運を分けたのはセルヒオ・ラモスの退場でしょう。これによってレアルは2得点と好調のベンゼマを下げざるを得なく、拮抗した試合のバランスが崩れてしまいました。
前半の興奮の内容に比べると、後半はサッカーのルールを考え込んでしまう試合になりました。悲しいのは采配が話題となってしまうこと。フラストレーションが残ってしまう試合です。
いろいろと内容の濃すぎる試合でした。ただ、最高の選手達の競演が見られたのも事実です。ファンとしては、またリーガが三つどもえになり、面白くなったことを喜ぶばかりですね。