ディープインパクト一色で終わった有馬記念。
ディープが開拓した新しい競馬ファンにとっては、
感動的な圧勝劇だったと思います。
でも、競馬歴が長いファンにとってみれば、
感動を演出するのには足りないものがあった。
そこにはライバルであり、ドラマチックな展開が…。
過去の有馬記念を振り返り、個人的に評価すると、
№1は1977年 。
1着テンポイント、2着トウショウボーイ、3着グリーングラス
トウショウボーイの引退が決まっていたため、
ライバル2頭の最終決戦の場に。
当然ながら1番人気テンポイント、2番人気トウショウボーイ。
2頭の陣営、騎手のすべてがライバルだけを意識したレース。
そしてレース自体も、レースを見ていたほとんどのファンも。
スタートからハナに立ったトウショウボーイに対し、
内から外から2番手に付けながら絡んでいくテンポイント。
そして最後まで2頭のマッチレース。
最後はテンポイントが突き放して勝利。
2頭の後ろには、3番手のライバル、菊花賞馬のグリーングラスが。
レースを見終わった後、誰もが「すごいものを見てしまった」と感じた。
№2は1993年 。
ケガで1年ぶりのレースとなったトウカイテイオー。
ライバルには皐月賞、ダービー2着で菊花賞を勝ったビワハヤヒデ。
トウカイテイオーは言わずと知れた7冠馬、皇帝シンボリルドルフ。
トウカイテイオーは皐月賞、ダービーを無敗で制した後骨折。
翌年の天皇賞・春はTM対決と騒がれたが、
名ステイヤーのメジロマックイーンに敗れ、ここでも骨折。
復帰後の秋の天皇賞では惨敗したが、ジャパンカップで復活勝利。
しかし、有馬記念では目に見えない疲れから、敗れてしまう。
翌年も骨折でレースへの復帰は有馬記念に。
1年ぶりのレースでG1、しかも有馬記念。
誰もビワハヤヒデに叶うとは思わなかった。
最後の直線で抜け出したビワハヤヒデ。
勝利は間違いないと思われたとき、後ろから迫る1頭の馬。
その馬こそ、自身のバネの強さがゆえに骨折を繰り返した馬。
「トウカイテイオーが来た。ダービー馬の意地か。
1年のぶりのレース、奇跡の復活だぁ」
鞍上は田原。G1を勝てば投げキッスが定番だった天才肌の田原が、
「バランスを崩してケガをさせたら関係者に申しわけない」と、
アクションを封印。涙で語ったレースだった。
№3はオグリキャップの復活、引退レース。
これは説明不要でしょう。
そして、№4は
スペシャルウイークが鼻差でグラスワンダーに敗れたレース。
今年は5番目ぐらいかな。
強さを見せ付けるっていう点でいけば、シンボリクリスエスかな。
やっぱり、同世代に強いライバルがいなかったってことが、
個人的に、ディープインパクトに対して思い入れが少ない理由かな。
さて、ディープが去ったあと、来年は空白となるのか。
次のスターホース候補は、実質的には無敗の女傑カワカミプリンセスか。
牡馬との混合レースでどれだけ勝てるのかが、見ものでしょう。