風景の中の羊の群れ、もしくは平原で羊の群れを連れた羊飼い | バルビゾンの風

バルビゾンの風

バルビゾン派(バルビゾンは、École de Barbizon)は、
1830年から1870年頃にかけて、フランスで発生した絵画の一派である。
フランスのバルビゾン村やその周辺に画家が滞在や居住し、
自然主義的な風景画や農民画を写実的に描いた。1830年派とも呼ばれる。

 

風景の中の羊の群れ
もしくは平原で羊の群れを連れた羊飼い

 

 

遠景の森の絵は鉛筆デッサンの後に白濁色の霞をかけて

遠景に押しやっているシャイイの村の森影であろうか、

左反面の森はフォンテーヌブローの森である。

 

朝日に輝くフォンテーヌブロウーの森影から朝日が昇ってくる朝露に

光り白く輝く羊たちの群れ、羊達は生き生きと描かれ、光が降り注ぎ平原の全てを照らす。

 

羊たちと羊飼いその大地に余すところなく光り輝く、

光を意識してその効果を十分にいかした表現は秀逸で、

群れる羊の描写の冴えはジャックならではのものである。

 

正に印象派の曙を作る傑作である。

1859年に描かれたこの作品はち密に細部にわたって描かれている。

1861年にこの作品(左)と同じ構成で大きさが176×280cmと

雄大な作品が油彩で描かれ他の3点と共に初めてサロンに出品されている。

 

最初に描かれたこの作品の構成力や色彩の光の表現が

そしてデッサン力が秀でて朝の自然の中に溶け込んでいる

この作品を油彩で描き小品の多いジャックにしては異例の大きさだが、

ここにサロンに出品して、自らの芸術の真価を問おうとした彼の意気込が感じられる。

この作品は現在オルセー美術館に所蔵されている。