1816-アントワーヌ・シャントルイユ | バルビゾンの風

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バルビゾン派(バルビゾンは、École de Barbizon)は、
1830年から1870年頃にかけて、フランスで発生した絵画の一派である。
フランスのバルビゾン村やその周辺に画家が滞在や居住し、
自然主義的な風景画や農民画を写実的に描いた。1830年派とも呼ばれる。

【靄と朝露の画家】アントワーヌ・シャントルイユの概要


シャントルイユはバルビゾン派を代表する画家の一人で

1814年にフランス南東部のエン県ポン・ドウ・ヴォに生まれた。



アルプス山脈、サオーヌ川、ローヌ川沿いの渓谷、

中央山塊のなだらかな山々など多様な風景を持つローヌ・アルプ地方の一町である。



コローの弟子でドービニーにも影響を受けており、

そこから新たな自然をうたう独自の独創的な詩学、

靄と朝露をうたう立体感と透明感と空気を感じる、

まるで真珠の光り輝く採光が靄や朝露となって画面に広がる

独自の画境を築き【靄と朝露の画家】と言われた画家です。



とくに晩年に近づくにつれて完成度の高い作品を残し、

1868年に制作され翌年のサロンに出品された縦102×202cmの大画面の題名が

≪空≫(space)作品は大好評を得て国家に即買い上げされました。



彼が認められたのは晩年の4,5年でした。

それまではコローの弟子であり、才能に恵まれた勤勉な風景画家であり

貧しく体の弱い孤高の画家で色彩表現に優れた詩情豊かな画家でありました。

1873年ウイーン万国博覧会にフランスの国選として飾られ賞牌が授与された。



しかしそのことがフランスに知らされたのは彼が他界した後のことでした。


晩年になり完成の域に到達した1対2のパノラマと

豊かな色彩からなるシャントルイユの様式は真に美しいものを認識しうる

心眼の偉大さを物がなっているのである。


作品名 日暮山の印象
種類 キャンバスに油彩
サイズ 50×100cm (変形 仏40号)
展示会歴
「バルビゾン派と中心とする19世紀フランス絵画展」
(栃木県立美術館、1973年)出展作品 同展図録No.44に掲載



代表作はL‘espace(「空」又は「空間」)で、
1868年にリシャールの招きを受けてパリ近郊のミルモン滞在中に
描いたものである。1869年にサロンに出品されたところ
大好評を博して国家買い上げとなり、オルセー美術館の一角を飾っている。
この作品はオルセー美術館の代表作品になっている