半信半疑だったけど、まずは、物件を見に行った。
まずは常盤町・・・裁判所前。立地としては、繁華街から歩いて来られる距離だから申し分ない。
3Fということで、出来れば地下が良かったけど、1Fじゃないから・・いいや。
階段を上がって行くうちに、まるで初恋の彼女と再開した時に似た、胸の高まりを感じた。
何だ!?まるで、松山で働いていた、最高の店にそっくりじゃないか・・・。
3Fまで上がるまでの真っ直ぐな階段、細長い店舗空間、4Fロフト付き・・・。
事務所だったので、カウンターは無いが、全く同じだった。運命の出逢いだった。
松山の店より一回り広い、約100平米超の空間。スタンディングなら100人は収容出来る。
しかも、事務所の前は楽器店のライブ・スペースだったので、窓の一つすらない防音物件!
コレや!!ここしかない!一目惚れだった。
ただ一つ・・・条件を満たしていないのが、低い天井・・・。
この天井の高さを変えられないなら、諦めようと思っていた。
今治にこれ以上の物件は無いだろう・・・だが、この天井の高さではクラブとは言えない・・・
天井裏を覗いてみた。鉄骨からの釣り天井で、屋根裏には2m弱の空間があった。
思い切って、釣り天井を壊してもいいか、交渉した。問題無かった。
後は、家賃交渉と、何よりも大事なのが、退去時の条件だ。
家賃は僕の言い値でいいと言う・・なんちゅう良心的!!家賃は同じ空間を借りても、使用目的や、業態によって金額は変わって来る。
水商売は、夜逃げリスクも高く、社会的にも信用が低いので、保証金6カ月~12カ月、敷金3カ月、仲介手数料1カ月というのが平均的な相場なのだが、なぜか保証金と、仲介手数料は免除された。はっきり言ってありえね~!!
条件良過ぎ!!
そして、何よりも大事なのが、退去時に入居した時のように元通りに内装を戻さないといけないってのが、良くある。
居抜き物件ならともかく、現在は事務所だったので、Barに改装して、退去時に事務所に戻すなんて、戻すだけで数百万はかかる。
退去するってのは、移転か、閉店の時なので、数百万も出せる訳も無く、潰すに潰せず、借金の上塗りを続けるか、夜逃げしかないのである。
ドンドビのNOVAがあったビル・・・基礎丸出しにしなってあるのは、退去時に内装全部撤去せないかんから、賃料安くても、内装費に撤去費・・・回収するのに何年かかるのか・・・長い事誰も借りないのはそういう事。
リスクマネージメントが出来てないと、失敗は成功の元・・・では無くて失敗は再起不能になるのだ。
というわけで、退去時はそのまんま出るという事が条件として認められた。
もう、恐れるものは何も無くなった・・・。
早々に、仮契約は成立、店舗工事に取り掛かった。
このお世話になった、不動産屋社長・・・周りからの評価はボロクソなんですが・・・なんでお前だけ!?と周囲が驚くほど、僕には献身的に応援してくれる。
最初の出会いは、飛込み営業をアルバイトでし始めた23歳の頃、この不動産屋に飛び込んだのが始まりだった。
童顔で、スーツに着せられていた自分に、今は忙しいが、業務が終わったら時間を取るから、話を聞いてくれるというのだ。
普通、飛込みセールスが来たら、うざいですよね?
その夜、熱心にプレゼンテ―ションしたが、契約には至らなかったが、それからご縁の始まり。
さて、店舗工事だが、まだ電気が来ていない。たしか7月から工事を始めたが、店内はサウナのようだった。
真っ暗で、懐中電灯を便りに工事に取り掛かった。
大工さんの知り合いもいない。っていうか、雇う予算など無かった。完全に見切り発車だった。
たまたま、前の産業ロボット組立ての会社の、資材調達担当の社員が、実は夜はスナックを経営していて、しかも元内装工事業の経験があった。
日曜日に来て貰って、釣り天井の分解方法を教えて貰った。
翌日は、先輩で、Bar経営、コンビニ、リサイクルショップ、パソコン教室を県内に数店舗展開する、超ヤリ手社長が無償で手伝ってくれるという。
そんな大社長と2人、上半身裸になってワイワイ夢を語りながら作業をした。楽しかったな~・・・。
続く・・・。
