wLの洋酒辞典 Page 1「世界の酒の大分類~醸造酒 編~」 | BAR white L(ホワイトエル)のブログ

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天神橋最南端のBARです。
「身近で温かいオーセンティック」
をコンセプトに下町のbar文化を発信していく所存です。
心地良く背筋を伸ばし、限りなく心に寄り添う。
white Lはそんなお店でありたい。

BAR white L
ほぼ無休 18時〜4時
大阪市北区天神橋1-10-9 2F

皆様こんばんは
或いはおはようございます



シャワーを浴びて
缶のハイボールを煽りながら
ベロベロになるまで狩りに行く(モンハン)
それが最近の仕事終わりのルーティン
良い装備を作るために
何度も同じモンスターを狩っていると
同じモンスターが現れるってことは
ここにはその巣があって
彼らはきっと家族なんだろうなあ
って考えてしまう
元々家族だったであろう皮や牙、爪
それらを使った装備を身につけて
襲ってくるハンターは
彼らにとってさぞ脅威なんだろうなあ
装備を完成させて
また家族をひとつにしてやる!
そんな使命感ハンター   カズアキです



はい
てことで、ブログでもうひと企画、新しいのをシリーズ化しようかなと思います

題して「wLの洋酒辞典」

・洋酒の知識を伝えたい!
・魅力をもっと知ってもらいたい!
・洋酒を飲まない人に興味を持ってもらいたい!

大義名分は色々と掲げられますが、本音のところは "自分が抜けた知識を簡単に再検索したい" です



はい
すみません



今回がその1ページ目なのですが、酒の話をする上で避けては通れない話をしようかな、と思います

この話抜きにジンやらウイスキーやらの話はできないので、まずは「酒とは?」の話を

酒ってひとことで言っても、どんなんがあるの?的な疑問を解消していきます



あんまり長くなってもあれなので
かるーく、簡単に(皆様にも、自分にも分かりやすいように)記そうと思います

ではスタート




 「wLの洋酒辞典」



Page 1   「世界の酒の大分類~醸造酒 編~」

飲料としてはもちろん、料理にも、お菓子にも

我々の生活に強く根付く「酒」
付き合う距離感を誤らなければ、人生を少し豊かにしてくれるツール

日本の酒税法では、

アルコール分1度以上の飲料

を「酒」とします

飲料というのは "楽しく飲めるもの" を指します

一軒目の取り敢えず ビール
洋食と合わせるなら ワイン
割烹の大将にお任せで注文する 日本酒
食後の ウイスキー や ブランデー 、カクテル

想像するだけでも楽しい
ぜんぶ「酒」

消毒に使うアルコールは、楽しく飲める物じゃないので、酒とは呼びませーん




一見、途方も無く広がっていそうな「酒」ですが、実は大きな括りはたったの3つ

1. 発酵したものをそのまま飲む 醸造酒

2. それらを加熱して蒸留する 蒸留酒
そしてさらに、これらをベースにして
3. 糖分やら香味成分やらを混ぜてつくる 混成酒

この3つに分類されます


このたった3つが酒の全てで、そして最高にややこしいです





そしたら、「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」についてそれぞれの製法と歴史をちょっと詳しく解説していきます


醸造酒 (日本酒・ビール・ワイン等) 


醸造とは、ひとことで言うと、原料を発酵させてアルコールをつくり出す技術


そうして造られる酒が醸造酒


醸造は、アルコールの無いところからアルコールを生み出す技術!!




じゃあ醸造酒の製法についてみていきます

 醸造酒の製法

醸造酒の製法でいちばんの要になるのは発酵です

その上で、発酵についての話は ふたつ✌️

・単発酵
・複発酵

これだけ



そもそも発酵ってのは、酵母とよばれる微生物の力をかりて、アルコールと炭酸ガスをつくり出す技術のこと


微生物(要は菌)の働きによって変化が起き、ものが腐っていきます

ものの腐り方には2パターンありまして、人体に害を成す変化を「腐敗」
人体に害を成さない、なんならちょっとウェーイってなる変化を「発酵」と言うことにします

私たちが飲む全ての酒に含まれるアルコールは、この発酵を経て発生しています

つまり、ビールだろうが日本酒だろうがウイスキーだろうが、どの酒にも発酵という工程は欠かせない

っちゅーことです


つくり出された炭酸ガスによって泡が発生している様子

(写真はネットからお借りしています🙇‍♂️)



何度も言いますが、その発酵にはまず酵母とよばれる微生物(菌)の存在が必要不可欠!

原料に加えられた酵母の働きによって、糖分が分解されアルコールと炭酸ガスがつくり出されます

酵母は発酵に欠かせないエンジン的な役割です



酵母の活動源は糖分

働き者でエンジン役の酵母にとって、糖分がエサでこの上ないご馳走

酵母が糖分を食べ、それを元にアルコールと炭酸ガスをつくり出す

こうして、アルコールがないただの原料だったものが、アルコール入りの酒に変わる

っていう寸法



ここまでで、アルコール生成には酵母と糖分が必要だと分りました

そしたら、話を戻して
先程の「単発酵」と「複発酵」の話をします


ワインみたいに原料を果実とする場合は、原料そのものに糖分が含まれているので、果汁に酵母をぶち込むだけで、糖を食べてアルコールへと発酵させることができます

こーゆーのを単発酵といいます



ところが、日本酒とかビールみたいに米や麦、穀物系を原料とする場合は、原料に含まれるのは糖ではなくデンプンなんです

なので、酵母を使ってアルコールへと発酵させる前に、デンプンを糖に変換する作業(糖化)が必要となります


ワインみたいに一発ではできねーじゃねえか!
発酵の前に糖化の作業が必要だ!
一筋縄じゃあいかねえな、てやんでい

と、原料→糖化→発酵みたいに複数のプロセスが必要な発酵を複発酵といいます



ビールの場合はね、糖化の工程と発酵の工程は別々です
①のタンクで糖化させて、②のタンクで発酵させる的な

こーゆーのは、複発酵の中でもさらに単行複発酵といいます



対して日本酒は、糖化と発酵を同時に行える
ひとつのタンクで糖化、発酵が並行して進んでいく感じ

お察しの通り並行複発酵といいます

この項目では ふたつ と言いましたが、追加でこのふたつも覚えておきましょう





こうして、発酵によりアルコールがつくり出されるわけですが、そうして得られた酒を醸造酒と言うんですね〜

ただ、発酵(醸造)だけでつくり出せるアルコール度数には上限があり、基本的には20度以上のアルコールをつくることはできません!

それ以上の度数を得たければ、「蒸留」という作業が必要となってきます

ま、その話は次回に持ち越します




はい、じゃあ次
醸造酒の歴史いきます

 醸造酒の歴史

醸造酒の歴史は古く、1万4千年前の蜂蜜酒=ミードまで遡ります

最古の醸造酒と言われている「蜂蜜酒=ミード」

旧石器時代から飲まれていたとされるミードは、蜂の巣に溜まった雨水が自然と発酵し、酒となったものを当時の人々が飲んだところ、

「こりゃあ美味い!」
「なんじゃこの液体は!?」

と感動したことから歴史が始まります


この辺は縄文時代よりももっと昔で、打製石器で狩猟や農耕をしていた時代

なので、ややこしいことは一切しません!
ていうかできません
原料は「蜂蜜」「水」を「酵母」で発酵っ
と実にシンプル

それゆえ、最古の醸造酒として、今でも世界中で愛されて続けています



※因みに、古代ゲルマン人には婚礼から1ヶ月の間、新婦がミード=ハニーワインをつくりそれを新郎と飲み、その親族縁者が新婚カップルを祝う

なんて風習があるんです

蜂蜜は滋養強壮に良く、いわゆる精力剤として、ミード=ハニーワインが使われていたそうなその風習とハニーワインが訛り、「ハネムーン」となったそうな




そんなわけで

糖分を含んだ蜂蜜が、雨水と天然の酵母で発酵が起こりアルコールへと変化した
それをたまたま飲んだら美味しかった

それがミード(醸造酒)の起源で、人類史上初の醸造酒ミードから現代に至るまでに、様々な発見がなされてきました


ワインやビールなんかはその後の文化ですな
ま、その話はまたいつか🖐️

 最後にひとこと

めちゃくちゃ長くなりましたが、これでもだいぶ掻い摘んで書いています 笑
もっと詳しく知りたい!
なんて強者の方は当店へお越しください
時間の許す限り、お話いたしましょう 笑笑

じゃあ軽くまとめておきます

発酵とは、酵母の働きによってアルコールと炭酸ガスをつくり出すこと

酵母は糖分をエサにして、アルコールと炭酸ガスをつくり出す

穀物などの原料に糖分がない場合は、発酵の前に「糖化」の作業が必要

発酵で得られるアルコール度数には上限がある(だいたい20度くらいまで)

発酵のみで得られる酒を醸造酒と呼ぶ




では次回は「蒸留酒」の話をします
長文お疲れ様でしたm(_ _)m

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