2月19日(月)20日(火)21日(水)は三連休を頂きます。週のオススメはヘーゼルバーン! | BAR white L(ホワイトエル)のブログ

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天神橋最南端のBARです。
「身近で温かいオーセンティック」
をコンセプトに下町のbar文化を発信していく所存です。
心地良く背筋を伸ばし、限りなく心に寄り添う。
white Lはそんなお店でありたい。

BAR white L
ほぼ無休 18時〜4時
大阪市北区天神橋1-10-9 2F

えべっさん以降ゆったりした営業が続きます。
故に「考える」時間が生まれる。酒棚の配置、グラスの入れ替え、普段手の届かない場所の掃除、等々。
成功の可否は暇な時間の使い方。
仕事をするのか、仕事のフリをするのか、たったそれだけの事。
久しぶりにアメニティ(ミスディオール・ハンドクリーム)をパクられた、鈴木です。

明日から三連休!
つまり、2月19日(月)20日(火)21日(水)と店休日を頂きます。
久々、南の島へ‼︎
痛風の左足を引き摺って...。
そういや数年前も骨折2日後に石垣島行ったな。

そんな訳で、来週のオススメは木・金・土・日の四日間のみ。
年に一度入手可能なシングルモルトをお値打ち価格でお届けしようかと。
毎年恒例のスプリングバンクの3回蒸留物です。



ヘーゼルバーン10年
¥1600→¥1400/shot

スコットランド・キンタイア半島の港町、「キャンベルタウン」。

かつてはスコッチウイスキーの聖地と呼ばれ多数の蒸留所が点在した、ニッカの創業者・竹鶴正孝の修行の地。
禁酒法明けのアメリカに、生産効率を重視した粗悪なウイスキーを売り込んだ結果評価を落とし、多数の蒸留所が閉鎖に追い込まれた。

現在は、
スプリングバンク
キルケラン(グレンガイル)
グレンスコシア
の三蒸留所が残るのみ。

本物だけが生き残った。
世の常ですな。

中でもスプリングバンク蒸留所のウイスキーは、「全シングルモルトウイスキー中最もBriny(塩味がする)」
と評される。

スプリングバンクは1828年創業。
数少ない独立資本の蒸留所で、使用麦芽の全てが自家精麦(フロアモルティング)。
フロアモルティングを行う蒸留所すら珍しいが、全麦芽をそれで賄うのはスプリングバンクのみでしょう。

ウイスキーは先ずもろみ(ビール)を造りそれを蒸留するのですが、もろみの度数が4~4.5%と他の蒸留所に比べ極端に低い。
頑なに伝統製法を守っているからだとか。

そしてもう一つ。
自社瓶詰め。
自社でボトリング施設を持つのはスプリングバンクを除くと、数蒸留所のみ。

つまりウイスキーの誕生から旅立ちまでの全てが、スプリングバンクで完成させる
そんな蒸留所、他にはない‼︎

スプリングバンク蒸留所では3つの銘柄のウイスキーを手掛けています。

まずは、主力商品である「スプリングバンク」

ヘビーピートタイプ(ヨード香が強い)の、「ロングロウ」

そして今回御紹介の、溶けるような甘さを持つ「ヘーゼルバーン」

ロングロウもヘーゼルバーンもかつてキャンベルタウンにあった蒸留所名で、スプリングバンクが自社蒸溜所内で復活させた銘柄です。
ちなみに竹鶴正孝が修行したのが、ヘーゼルバーン(1925年閉鎖)。

それぞれのウイスキーの製法や特徴は以下の通り。余り詳しく書くとブログが終わらないので簡潔にまとめます。

「スプリングバンク」
麦芽の乾燥...最初6時間ピート使用後30時間を熱風。
フェノール値...8ppm
蒸留回数...2.5回
ニューポット...71%

「ロングロウ」
麦芽の乾燥...ピートのみを使用
フェノール値...50ppm
蒸留回数...2回
ニューポット...68%

「ヘーゼルバーン」
麦芽の乾燥...熱風のみ
フェノール値...0ppm
蒸留回数...3回
ニューポット...74%

つまりスプリングバンクが手掛けるノンピートかつ3回蒸留で生み出される甘くほのかに塩を感じるシングルモルトが、ヘーゼルバーンなのです。

正直最近のスプリングバンクからはその特徴である「塩っぽさ」が薄れた様に思うのですが、ヘーゼルバーンは健在!

100%バーボン樽熟成の、バニラ・ハチミツ・アップルパイの濃厚な甘味と、柑橘と塩のテイスト、クリーミーな余韻が素晴らしい。

悲しいがな今や入手困難銘柄、ヘーゼルバーンをお楽しみ下さい。