先日城崎を訪れました。
大雪警報の前日。降雪積雪ゼロの好天!
BARまで充実している
何より数分で日本海
温泉を中心としたエンターテインメントジオパーク、それが城崎。
今年も湯巡りは辞めぬ、鈴木です。
明日1月29日(月)、30日(火)は店休日を頂きます。
一月最後の休みをメンテナンスと事務仕事に費やす...。月末月初は色々追われます。
来週は2月の1週目でもありますので、週のオススメはオールドボトルです。
毎月第1週は「オールドボトルの週」!
1980年代以前に流通した洋酒のコレクションから一本、お値打ち価格で御提案する当店伝統企画。
その中でも最古の部類に入るモノをご用意致しました。
壽屋(現・サントリー) ヘルメス ドライジン
1958〜63年流通品
¥1200/shot
秘蔵っ子を開栓しました。
ジンを親しむお客様も増えましたし、そろそろ頃合いかな?と。
正真正銘、「white Lの秘蔵酒」です。
なんせ、壽屋(寿屋)のジン!
この一本を説明するには、サントリーの歴史を紐解かねばなりません。
1899年(明治32年)、弱冠20歳の青年実業家・鳥井信治郎が大阪の靱本町でワインの製造販売を担う鳥井商店を設立。「赤玉ポートワイン」を発売し人気を博します。
1921年には株式会社壽屋を創業。赤玉ポートワインはワインの国内シェア60%を占める成長を遂げました。
壽屋の勢いは止まらず竹鶴政孝(後のニッカウイスキー創業者)の入社をキッカケに1924年、日本初のウイスキー蒸溜所・山崎蒸溜所を竣工。本格的なジャパニーズウイスキー造りに着手。その後の山崎の発展は皆様ご存知の通り。
長らく本社は大阪南エリアでしたが、1945年の大阪大空襲で全焼し、北エリアへ移転。
1958年からは大阪市北区中之島2丁目に本社を構え、様々な洋酒を手掛けます。当時は空前のコークテール(カクテル)ブーム。
ジンやリキュール等、多くの商品が「ヘルメス」ブランドで販売されました。
製造は天保山の築港工場。今のサントリー大阪工場。現在もリキュールや六ジン等は此処で造られます。
天保山にサントリーの拠点があるなんて知らない方も多いのでは⁇
1963年以降は社名をサントリー株式会社へ改称し現在に至る。
で、このジン。
販売元は壽屋。住所は中之島2丁目。
つまり1958年〜1963年に販売された物と推測出来る。
ボタニカル等は一切分からず。
ジュニパーベリーをしっかり感じる正統派ドライジンである事は間違いありません。
アルコール度数は37度。
ある筋の情報ではイギリスから中古のポットスチルを購入し築港工場で製造された物だとか。
なんせ古過ぎて情報量が少ない...。
ボトルの側面には「メタノールでは無い」証明が。
時代ですなぁ。
本物が少なかった。
中々良く出来たジンですよ。度数の低さ故に優しく温かい。しかし各フレーバーが生き生きと立ち上がる。恐らく4種程のボタニカルでしょうか。
真っ当なドライジンです。
60年前、この国の洋酒文化の礎を築いた一杯。
目を閉じ耳を澄まし向き合って下さい。
戦後日本の高潔を!