仙台旅行記 | BAR white L(ホワイトエル)のブログ

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天神橋最南端のBARです。
「身近で温かいオーセンティック」
をコンセプトに下町のbar文化を発信していく所存です。
心地良く背筋を伸ばし、限りなく心に寄り添う。
white Lはそんなお店でありたい。

BAR white L
不定休 18時〜4時
大阪市北区天神橋1-10-9 2F

明日にも太陽の塔が黄色に染まる。
少し考えれば分かる事で、世界中どの国も今は「青信号」じゃない。如何に「黄色を維持」するかが当面の課題。
当店でもマウスシールドを導入しようかと。
来年には振り返って笑ってたい、鈴木です。


今日は旅行記!
はぁ、当たり前に県外国外へ出掛けられた頃が懐かしい...。

去年のこの時期に訪れた...


「仙台旅行記」

始まり始まりー。

東北って中々足が向かない。
魅力的な場所なんやろうけど、何せ、遠い。

飛行機のみが選択肢な上、同じ距離移動するなら北海道でも沖縄でも行けちまう。
東京住んでる時もっと足を伸ばすべきだった...。

そんな訳で未開の地、東北。
しかし私の身体には数分の一青森の血が流れてるらしい。

ある日の就業後、同業者と梅田のBARで飲んだ際の出来事。

東北行かないよなー?
そやなー
じゃあ行くー?
行こー

はい、その場でエアチケット発行。

旅は、思い立ったら、即決行。
それ以外は「行く行く詐欺」。

一泊やし、取り敢えず東北初心者は仙台から。
宮城県県庁所在地にして、東北の中心地。

お馴染みの朝一関空発ピーチ。

あっちゅー間に到着。


先ずは「バーテンダーなら必須の聖地」へ。

勿論ここ!


ニッカウイスキー仙台工場「宮城峡蒸溜所」。

日本のウイスキーの父・竹鶴政孝とその息子竹鶴威が余市蒸溜所に続く夢の第二蒸溜所として1969年竣工された蒸留施設。
コンセプトは「日本のローランドウイスキーを造る」事。
スモーキーなフレーバーの余市に対して優しい味わいのウイスキー、つまりスコットランド・ローランド地方に近い特徴を持ったウイスキーを造る事で、ブレンドウイスキーの幅が広がる。
その為、幾つかの場所が候補に上がったとか。
最終的に竹鶴政孝本人がこの地に訪れ、川の水でブラックニッカの水割りを造り、その品質を絶賛。更に霧が自然発生し熟成にも最適な環境でした。
奇しくもその川の名は「新川(にっかわ)」だそうな。

竹鶴政孝は蒸溜所周辺の自然環境を守る事を重要視しました。
ウイスキーを造るのは自然そのもの。人間の出来る事は、その自然を守る事。
そんな理念から、この時代にしては珍しく電線等は全て地中に納められ、さらに整地せず起伏通りに施設を建てた為、一見異様な蒸溜所ですが、その全てが美しい。

此方にはグレーンウイスキーやジンを造るニッカの連続式蒸留器「カフェスチル」が在るのですが、残念ながら見学出来ず。

代わりにポットスチル(単式蒸留器)はしっかり拝見。


余市に比べズングリ型の形状ですね。石炭直火焚きでは無くスチーム式が採用されています。

一通り見学コースを案内して貰って試飲タイム。

うーん。
別に真新しくも無し。

さっさと有料試飲コーナーへ移動。

中々希少な酒が揃ってますねー。
原価やから安い‼︎

早速この二つを。


朝から真面目にウイスキーと向き合う。


素晴らしい蒸溜所で御座いました。
やっぱ、目で見ると、更に美味い。

仙台市内へ戻りランチを!

やっぱ牛タンでしょ⁉︎

折角やから牛タン文化発祥のお店へ!

「味太郎」

初代店主は焼き鳥屋を営みながら牛や豚など様々な肉を扱う意欲溢れる人でした。
そして更なる真新しさを求め、当時珍味であった牛タンに手を出します。
味付けやカットを徹底的に研究し、遂に完成。
その際テールスープも開発したと言われ、現在の牛タン定食の定番たる「麦飯、テールスープ、牛タン、漬物」の組み合わせもこのお店が発祥だとか。


店主の手で一枚一枚、炭火でガッツリ焼かれる牛タン。

そう、ガッツリ焼かれます。

こういう物なのか、それとも個体差か、私にはウェルダン過ぎたけど。
しかし文化を頂く有り難みは尊い。

食後はちょいと足を延ばして...

日本三景の一つ!

「松島」へ‼︎

余りに美しい光景にかの松尾芭蕉も言葉を失い

「松島や ああ松島や 松島や」

と詠んだ。ってな有名な逸話は、実は真っ赤な嘘です。
この句は江戸時代の狂歌師の作。

この地を訪れた松尾芭蕉は、松島の美しさに言葉を失い句を詠めず夜も眠れない状態だったと言われ、その辺が混同されてデマが広がったとか。

とにかくそれ程ドラマチックな光景、って事です。


関西人の私的には、瀬戸内の光景に似てるかな?
天気にも恵まれ、素晴らしい時間を過ごせました。

再び仙台市内に戻り仮眠。

勿論夕方から飲みに行きます!

向かうは仙台屈指の飲み屋街、「国分町」‼︎

流石東北の中心。
多くの「発祥の地」がありまして、ここもその一つ。

「炉ばた」

炉端焼き発祥の店。

このお店が素晴らしくて!


炉ばたとは囲炉裏端の事。
囲炉裏を囲んでお客さんが座り、食べ飲みを楽しむ。囲炉裏の前には女将さんが座り、燗酒やお料理を長いシャモジで提供する。
そして囲炉裏を囲むお客様全員を分け隔て無く接客し、何時の間にかその日その場だけの一期一会の空間が生まれる。
これが、本当に「温かい」。

創業70年。

弟子達が日本各地で独立し、日本中に炉ばた文化が広がった。

でも、全然違う。

ここは、完全に、別格。


私は地方の一見のお店で、こんなに心が満たされた事はありません。


お料理も、どれもこれも絶品でした。


客捌きは女将さん。

お料理は大将が。


皆様も、是非、必ず、この店を訪れて欲しい。

でもね...

先日コロナの影響で閉店したとの情報が。

悔しい。
本当に、本当に、悔しい。
御高齢やったし、何処かで引退するつもりやったんやろうけど、この終わり方は悲し過ぎる。



本物の文化がまた一つ、失われた。
誰か店を継いでくれないかな。
思いは、其の切れ端は、私も受け継ぎます。
この店に来れて、良かった。

食後は国分町のバーを巡り


巡り巡り


限界まで飲んでホテルで倒れました。


翌日ギリギリで飛行機に飛び乗り帰宅。

日本は広い。未だ未だ知らない事だらけ。

今年も、東北へ行こう。