草彅剛主演の新作時代劇ですね
確か映画館でチラシを見かけて「あっ時代劇だ」と手に取ってあらすじを読んだら
(柳田格之進?・・・落語にあるやつじゃん)ってなってそこから興味が出た
ボクが主に聞いたのは古今亭志ん朝の噺ですかね、登場人物の名前もあらすじもほぼ一緒なのでそれを元にした映画なんだなって思って、じゃあ見っかってなった
とはいえ正直現代の日本映画にはほぼ絶望しているので期待はしていないどころか半分以上ダメだろうという気持ちでいた
が、それはいい意味で裏切られた
面白かったです
こちら入場者特典の、なんだろ?
50両のシールですね、なぜ50両なのかそれにはちゃんと意味があって
全編通して静かで重苦しい雰囲気が漂うので、明るく楽しい作品を見たいときには不向き
ボクはそういったシリアス系もむしろ好物なのでその緊張感がよかった
もちろん落語とは尺も違うし映像的な見せ場も欲しいので色々とアレンジされていますが、
落語の方も師匠によってアレンジはされているだろうから、何がアレンジでどこが原作通りなのかボクもさほど詳しいわけではないのでよくわかんない
けどアレンジされているとして全然逸脱とかは感じられなく良い付け足しだと思う
やっぱ時代劇だもん、みんなチャンバラを期待するよね
殺陣に関しては「がんばってはいるな」とは思うけど、う~ん、まあこんなもんだろ
現代の役者にしては十分がんばっていると思う、もっとヒドイかと予想してたし見る人も今の人なのでこれでいいんじゃない
でも相手の刀を受けるのに刃で受けるのはそれは明らかな間違いなんだよなあ
てかあの状況なら鞘で受けて、受けた鞘で朝得つつ刀を抜いて切りつけるべきだと思うんだが、
まあそんなこと知っている方が少数派なんだろうな
他にも言葉遣いや所作など細かい点に「おや?」と思うところは所々あったけど、まあ現代の時代劇にしてはこんなもんでしょ、十分よくやっていると思います
これも見る人は現代の人なので逆にカッチカチの時代劇にしちゃうと見る方が付いていけなくなっちゃうだろうし
アレンジ部分だと思うけど、萬屋の旦那源兵衛が最初は悪人だったのがよかった
それを見た時は、(なんで悪いヤツになってるんだよ!)と憤慨しかかったのですが、後に柳田の人柄に触れ性根を入れ替え改心し、善人になるのは良かった
なればこそ自分の心根を入れ替えてくれた柳田にひとかたならぬ感謝をしているであろう関係性がいいアクセントになっていた
仇討ちのくだりは時代劇によくあるやつだなと思った
ただ仇討ちの相手にちょっとだけ良い部分を差し込んだのはどうだろう、悪人であって欲しかった
それも昨今の流行の悪役にも理由がある、悪を救済ってやつなんかね
セットは作り物くさいところはあるけど、碁盤などの小物は良い感じに古くさいボロさが時代劇っぽくていい
ラストシーンはあれはどうだろう?
確かにそうした方が美しくはあるけれど、理由がいまいちよくわからない
丸く収まったんだから良いじゃない、それする必要はないんじゃないかって思った
なんにせよ時代劇の灯が未だ消えていないのはうれしい事だ