読んだ本:月と蟹(道尾秀介) | バイクに乗って、トコトコのんびりおでかけ。

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月と蟹
道尾秀介 著
2013年7月 文春文庫
(単行本2010年9月 文藝春秋刊)




久しぶりに、「しっかりした小説」を読んだ気がしました。
やどかりを炙り出す遊びなどにみられる主人公やその友人の少年、少女の少し不可解に思える行動などを通して、少年らの内面や周囲の人との関係性などがとても繊細に描かれてる気がします。
そして、その主人公らの不可解な(中にはちょっと残酷であったり裏切りであったりするような)行動も、思い返してみれば、全く同じものはなくとも「自分自身の少年のころにも確かに同じ種類の経験があった」と思い出すのです。
現実に全く同じことは起こり得ないかもしれないけど、心理的には誰もが経験する可能性があり、そして、たぶん僕だけじゃなく誰もが、どこかこの物語の少年、少女と「ほんの少しは」似たような経験を持っているのではないか、と思います。
そう思うと、ふと安心感を与えてくれる小説でもありました。(僕だけじゃないんだ、と思えて。ただ、これは僕だけの感想で他の方もそう思われるかはわかりません)

しかしながら、僕が最近読んでる本の中では多少重たく陰のある物語ではあるんで、あっさり軽快な話を好む方にはお勧めできないかもです。

うまく説明ができないけど、あらすじも、文章表現も、これぞ小説、という感じのとても良い小説だと思います。




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