図を再録。
前回の復習から。
カイロミクロン・VLDLは中性脂肪の割合が高い。
カイロミクロンレムナント・LDLはコレステロールの割合が高い。
コレステロールを回収して回るリポタンパク（リポプロテイン）はHDLだけです。
カイロミクロンレムナントなど、コレステロール密度の高いものはLDLと同じく危険であると最近分かってきたため、過剰を見張るコレステロール値としてはLDLではなくHDL以外のコレステロール、すなわちnon-HDLコレステロールを量ります。
１．コレステロールの多いリポタンパク達の危険性
血中コレステロールとは何を量っているのかというと。
ＬＤＬ（いわゆる悪玉）・ＨＤＬ（いわゆる善玉）・中性脂肪の3つです。
悪玉とか言われていますが、何が危険なのか。
過剰なLDLは血管壁に浸透し（もぐりこみ）やすく、そこで酸化し、動脈硬化（動脈壁の肥大化）を進ませるのです。
起こってくること…
・血栓・動脈瘤の発生
・血圧上昇および乱高下（血圧サージなどと呼ばれ注目されています）
・ひいては梗塞（詰まり）や血管の破裂
などにつながります。
だから、十分な量のHDLが必要なのです。
長生きしたくなぞないとうそぶいているあなた…
一発で死ねたらいいけど…
発作や組織壊死（えし）のあとの人生は、決して短くないですよ…！？
２．中性脂肪の多い血管の危険性
脂質は、中性脂肪に合成されては燃やされ、余ったらまた脂質に戻ります。
体脂肪の蓄積＝原料がいっぱいある状態でありますから、コレステロール値も中性脂肪値ももちろん増えます。
中性脂肪はそれ自体危険ではない、むしろ筋肉の活動に大変重要なエネルギー源ですが、カイロミクロン・VLDLの原料であるから、LDLを増加させ、HDLの原料を減らしてしまうのです。
また、インスリンが効きにくくなりますので、インスリン分泌は上昇し、ますます中性脂肪合成が促進されます。
長期化すると、インスリン分泌能力が衰えていきます。
また、体脂肪の蓄積は、脂肪細胞からの「生理活性物質」を誘発します。
血圧を上げたり、動脈硬化を進めたり、免疫を下げたりというように、体に負荷を掛けるように仕向けるのです。
３．メタボリック・シンドローム
メタボリック・シンドロームについても少々。
下記を組み合わせて診断します。
・中性脂肪高め、または低HDL
（LDL値は診断基準ではありません）
・血圧高め
・血糖値高め
・内臓脂肪蓄積状態
つまり、いずれも少しずつ悪い状態、それがセットで現れている状態を指すのです。
だから、単独の上限・下限数値より、辛めに数値設定されています。
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分析と考察で終わるのが、これまでの私の記事の傾向でした。
（後は自分で考えろという…）
でも、始めに書いた通り、今回は少し親身になって調べているので、対策編も考えています。
続きます。
