突然、気合のお勉強ブログです。
身近な人に狭心症の発作がありました。
そういうことがないと本気にならなかったのが悲しい。
今まで患者さん・利用者さんに親身なつもりでしたが、
「この数値はどういう意味？」と聞かれて教科書的に答えていただけだったのです。
体に何が起こっているのか、メカニズムまでは理解できていないことがわかりました。
ちょっと勉強しまして下記の図を完成させましたので、皆さんと成果を分かち合いたいと思います。
いってみよ！
黄色い矢印が中性脂肪とコレステロールの動きです。
グレーの矢印がリポタンパク（リポプロテイン）の動きです。
青いマルはリポタンパク（リポプロテイン）の袋です。
１．中性脂肪とコレステロール
中性脂肪は筋肉で燃やされる重要なエネルギー源です。
余れば皮下脂肪・内臓脂肪として貯蔵されます。
取り込んだ脂質がそのまま中性脂肪になるわけではありません。
脂質は分解されて（脂肪酸など）貯蔵されています。
これを肝臓は糖質（グリセロール）にくっつけて、中性脂肪を合成します。
大事なことなのでもう一度言います。
肝臓は、ほぼ糖質の原料で中性脂肪を作ります！
コレステロールは、細胞壁の材料・ホルモンの基材・胆汁酸の材料です。
血中にないと細胞もホルモンも胆汁も維持できません。
しかし、食物から摂るのは所要量の20～30％で、多くは再利用です。
肝臓に貯蔵されています。
中性脂肪やコレステロールはどちらも脂質の一種です。
そのままでは水（というか血液）に溶けないので、リポタンパクの袋に包みます。
図の中では、6種の青いマル（とふわふわ）に描かれています。
名前が変わると中身の脂質の割合や量が違います。
これらを紹介していきたいと思います。
２．LDLコレステロール
小腸は脂質をたっぷり詰め込んだ巨大リポタンパク”カイロミクロン”を作ります。
通りすがりの筋肉で少し中性脂肪を放出して”カイロミクロンレムナント”になります。
これらは肝臓に貯蔵された後、組み直され、”VLDL”が作られます。
筋肉で中性脂肪を燃焼させつつ、”IDL”に、そして。
”LDL（ロー・デンシティ・リポプロテイン）”になります。
LDLに包まれるコレステロールがLDLコレステロールです。
（図の丸のサイズの違いにご注目下さい。だんだん内容物を放出して小さくなっていきます）
LDLでは中性脂肪はもうほとんどなく、コレステロールで一杯です。
全身の細胞に必要なだけコレステロールを配り、小さくなりながら血管をめぐって肝臓に戻ります。
過剰なLDLは血管壁に染み込んでいき、活性酸素の働きで酸化していきます。
食品由来の酸化コレステロールは、できた時から酸化しています。
３．HDLコレステロール
”HDL（ハイ・デンシティ・リポプロテイン）”は、ほぼリポタンパクだけの袋です。
HDLに包まれるコレステロールがHDLコレステロールです。
血管壁に沁み込んだLDLコレステロールは、HDLが引きはがし、肝臓に回収します。
HDLは図のように、リポタンパクがつくられるついでにあちこちで作られます。
しかし、原料はだいたい同じですから、脂質がいっぱいあると、小腸・肝臓はまずはせっせとカイロミクロンやVLDLを作るので、HDLは少なくなります。
だから、中性脂肪の増加は、HDLの減少・LDLの増加に繋がるのです。
４．善玉悪玉
LDLの中のコレステロール（LDLコレステロール）とHDLの中のコレステロール（HDLコレステロール）は同じです。身体に必要で、善も悪もない。
また、LDLとHDLも、ちょっとだけ成分が違うけど、どちらもリポプロテインです。
LDLを量ればコレステロール量がわかる、HDLを量ればコレステロール回収力がわかるということで、それぞれの重さを「悪玉」「善玉」と称して説明しやすくしているのです。
（ただし、図を見ればわかるように、コレステロールはLDL以外にもいますよね。
だから、最近では”non-HDLコレステロール値”を量るようになっています。
総コレステロールからHDLを引いたものです）
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図の説明と登場物質の紹介でした。
続きます。
