【昨日日記】

 

 

10月26日はほぼ一世紀前の早世のクリスチャン詩人・八木重吉(1898 - 1927)の命日。

 

 

八木重吉  明治31年(1898)、現在の東京都町田市の農家に生まれる。中学の英語教師をしつつ詩作に励むも肺結核に罹患し昭和2年(1927)、29歳の若さで死去。敬虔なクリスチャンであった。存命中に出版した詩集は処女詩集『秋の瞳』のみ。第二詩集の『貧しき信徒』は死の4か月後に刊行された。未刊行の膨大な詩稿を遺しそれらは死後、多くの本に再編・刊行され今も広く愛されている。

 

 

東京都町田市にある「八木重吉記念館」は八木重吉生家。その生家の人々を中心に、重吉の愛好者や地元の人々によって毎年行われている忌日イベントが「茶の花忌」(昨年、一昨年はコロナで中止)。全国から愛好者が集結する。

 

 

 

 

そのイベントの歌のゲストとしてYO-ENさんが招かれ、秋晴れの空の下、5曲を披露した。

 

 

 

後ろの白壁の土蔵が記念館。

 

 

 

 

YO-ENさんは数年前の偶然の出会いからすっかり重吉の詩に心酔、導かれるように詩に曲をつけて歌唱している。発表曲はまだ少ないが実はすでに10数曲できている。

 

 

「ひとりの詩人にこんなに夢中になるのは初めてです」「貪るように曲をつけました」と語るYO-ENさん。もしかしたら、その出会いは「偶然」などではなく「必然」だったのかもしれない。

 

 

 

セレモニーは12時30分からと伺っていたので現着は11時30分目標。音響のセッティングとリハが必要なのだ。

 

 

11時20分に記念館到着。広い駐車場には誘導灯を持ったスタッフさんがいて誘導してくれた。受付に「八木重吉の詩を愛好する会」事務局の小林正継さんを訪ねた。

 

 

 

 

今回の出演は小林さんの紹介により実現した。

 

 

小林さんは重吉の英語教師としての最後の赴任地である千葉県柏市で、重吉の詩の研究・普及活動をしている「八木重吉の詩を愛好する会」渉外担当。元・英語教師で数年前、重吉の生家の物置から約100年ぶりに発見された重吉の学生時代の英語の日記を出版した「八木重吉英文日記」の翻訳者でもある。

 

 

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かねてよりYO-ENさんの八木重吉楽曲を高く評価してくれていて「八木重吉の詩を愛好する会」の会報「とかす力」にその活動を大きく紹介してくれた。

 

 

 

 

記念館館長代行の佐藤ひろ子さんをご紹介いただいた。重吉の甥の娘さん。「又姪(まためい)」、「姪孫(てっそん)」「甥孫(おいまご)」っていうのかな。

 

 

ご挨拶のあと、セッティングとリハーサル。マイク、アンプはあるが講演・トーク用のワイヤレスセットとのことなので機材一式=マイク(SHURE58)+スタンド、アンプ(ローランドストリートキューブ)、そして譜面台、は自前のものを持参したのだ。使い慣れた機材だが屋外で使うのははじめてなので念入りに調整。そしてまだ無人の会場でリハーサル。

 

 

 

 

そうこうしている間に12時30分。記念館向かいの八木家墓所で墓前礼拝。日本基督教団神奈川教区牧野信次牧師による司式。

 

 

 

参列するYO-ENさん(左)。

 

 

礼拝の後、記念館中庭に移動して「八木重吉を偲ぶ会」。司会はNPO法人「ちえの環」理事長で、実業家の青木幸雄さん。

 

 

 

洒脱かつ温かな名司会で、場内を和ませた。

 

 

冒頭、長年にわたりこのイベントを支えてこられた故・加藤正彦氏に黙祷をささげた。加藤氏は重吉の作品発表を支えた作家・加藤武雄(1888~1956)の甥にあたる人。

 

 

続いては、詩人で日本現代詩人会(70年以上の歴史を持つ文学団体。H氏賞の主催団体)会長の八木幹夫さんの講演。

 

 

 

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「重吉さんと良寛さん」のタイトル。八木重吉の詩に良寛和尚の句の共通項についての実に興味深い講演だった。そして題材として採り上げたのが「鞠とぶりきの独楽」より「まり」。最初はドキッとしたがやがて心の中でガッツポーズ。「まり」はこの後のYO-ENさんのライブのセットリストに入っているし、その解釈も一致している。これはうれしい符合。

 

 

続いてYO-ENさんのライブ。

 

 

秋晴れの高い空の下、澄んだ歌声が響いた。

 

 

 

 

【セットリスト】

 

 

「春」

「女」

 

「まり」

 

「うたうときは」

 

「おほぞらの水」



5曲、20分超のたっぷりステージ。YO-ENさんにとっても、重吉楽曲をこれだけまとめて歌ったライブは初めて。

 

 

 

(この記事の最後に動画あります)

 

 


 

お客様方の反応も良かった。お配りした歌詞カードに目を落としながら「うんうん」とうなづきながら聴く人も多数。

 

 

 

 

YO-ENさんは「重吉さんに見守られている気持ちがしました」とのこと。

 

 

 

 

きっとそうだったと思う。

 

 

ライブに続いては前述「八木重吉の詩を愛好する会」の小林正継さんによる基調報告。

 

 

 

 

その中でYO-ENさんの歌について「これまでの茶の花忌では重吉の“求道”や“悲しみ”を表現するクラシック系の歌曲が多かったが、ギター弾き語りで八木重吉というのは実に斬新。悲しみの向こうにある“希望”や“光”がよく表現されている」と触れてくれた。大きくうなづくお客様多数。

 

 

 

続いて「NPO法人ちえの環」による詩の朗読。よく通る声でよく練習された朗読は心に染み入った。

 

 

八木重吉記念館館長・八木明男氏による謝辞で偲ぶ会は終了。

 

 

 

 

 

MCでCDを持ってきていることとそのCDに「まり」が収録されていることにふれたので、思いのほかよく売れた。

 

 

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前出・八木幹夫さんと「まり」を語り合うYO-ENさん。写真撮りそこなった。

 

 

5年前に町田市民文学館「ことばらんど」で開催された伝説の企画「八木重吉 さいわいの詩人(うたびと)」展。

 

 

 

 

その企画者である同館学芸員の神林由貴子さんも来場されていて、神林さんとも重吉を語り合えた。いい出会いになりましたね。

 

 

神林さんと同展の詳細については下の動画をご覧ください。

 

 

  ↑ クリックすると紹介映像  

 

 

 

関係者の皆さんに挨拶ののち、機材を車に積み込み帰り支度をしていたら、

 

 

「もう一回、お墓に行かせてください」

 

 

とYO-ENさん。重吉さんにお礼を言いたいという。

 

 

 

墓前に跪いて手を合わせるYO-ENさん。

 

 

 

 

しばらく手を合わせた後、振り向いて

 

 

「重吉さんにお礼と報告をさせていただきました」

 

 

と微笑んだ。

 

 


 

 

帰りの車中、念願の大舞台を見事に務めた喜びをかたるYO-ENさん。本当に頑張りました。

 

 

また呼んでいただけるといいですね。その日のために今回のアンプの設定を備忘のためにアップ。

 

 

 

 

 

これにて「YO-EN東京ツアー2022秋」は無事終了した。

 

 

 

そして一夜明けた今日。元気に帰阪していった。お疲れさまでした。

 

 

【追記】

 

この日の動画がYO-ENさん自身の編集で完成、YOUTUBEにアップされました。どうぞご覧ください。

 

 

 

 

 

 

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