ご案内の通り、僕は新聞に載るのが嫌いでない。というか、好き。

 

 

多分、紙が好きなんだな。包装材や店舗用品の専門店のここなら何時間でもいられる。

 

 

 

そんなわけで本日新たに新聞に掲載された。

 

 

増えてきたネット新聞ではない。紙の新聞だ。紙名はズバリ「紙之新聞」

 

 

 

紙パルプ・印刷関連の業界紙とのこと。

 

 

 

創刊は1946(昭和21)年3月24日。戦後まもなくの紙不足の時代。

 

 

このころの紙不足というのは深刻でね。

 

 

僕の若いころには当時を知る老先輩が出版業界にぎりぎり残っていた。僕が出版業界の「真ん中で端っこで底辺」に身を置き始めた昭和58年当時、敗戦時20歳だった人がまだ現役だった。それでずいぶん話を聞いた。

 

 

紙の配給を仕切っているのがGHQなので戦時中に戦意高揚に協力した出版社は戦後、紙を回してもらえずに苦労した話とか、闇屋に顔の利くundergroundのスジ者系出版社はふんだんに用紙を使えた話とかね。

 

 

僕はそういう話が大好物なのでずいぶんいろいろ聞いた。もちろん僕は聞くのが楽しいから聞いていただけで次代に語り継ぐ趣味はないので一切記録は残していない(自分の代で途絶える伝統があるなんて実に愉快じゃないですか)。

 

 

で、ここで思い出すのが安吾ですよ。

 

                             坂口安吾(1906~55)

 

坂口安吾の小説に『金銭無情』っていうのがありましてね。インテリの哲学者だけど俗物の主人公とお金をめぐる騒動を軽妙に描いた中長編。中で印象的なのが紙相場をめぐる章。怪しい闇屋から紙を仕入れて一儲けしたのはいいのだけど、さらなる儲けを目論んで大量に仕入れたところで件の闇屋が官憲に捕まって仕入れた大量の紙は没収され大損するというエピソードがとてもエキサイティング。

 

 

書店にはないと思うけど図書館にはあるはずだし、神様仏様「青空文庫」様には当然収録されている。 (←クリック!!)

 

 

この小説が発表されたのが昭和23年2月。つまり紙不足の時代を背景にしたこの『金銭無情』が執筆されていた頃創刊されたのが「紙之新聞」というわけだ。

 

 

 

閑話休題。

 

 

その「紙之新聞」に今回登場させていただいたテーマはもちろん「町の愉快な紙モノ好きさん登場」。のわけはなくて、先月開催した「国立うちわ市」についてご紹介いただいた。

 

 

 

 

うーむ、たしかに広義の「紙関連情報」。

 

 

よくぞ見つけだしてくれました。ありがとうございます。

 

 

 

余談

 

既に小耳にはさんでいたし、自宅も店も載ってはいないけど廃刊の報には一抹の寂しさを感じる。

 

 

 



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https://ameblo.jp/banka-an/entry-12608193549.html

 

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