承前
そんなわけて2014年公開の映画「シュトルム・ウント・ドランクッ」である。
監督の山田勇男氏との付き合いから始まったこの映画の関わり。昨日も書いたけどロケハンに同行したこともあった。監督と二人かと思ったらアシスタントプロデューサーと美術監督も一緒だという。アシスタントプロデューサーは監督と同じくらいの旧知だけど美術監督は初対面。僕は初対面が苦手。緊張する。そして待ち合わせ場所に現れた黒づくめのその人は僕よりも少し年上の男性で、宮本武蔵のような顔をしたいかつい人だった。いや、宮本武蔵の顔は知らないんだけど、あった瞬間「あーこの人、巌流島の時の武蔵のかっこうしたら似合うだろうな」と思ったのだ。
一緒に市内を何カ所か回るうちに全然怖い人でなく快活な人だと分かった。学生時代のガールフレンドのアパートのあった場所なども教えてもらった。うちの長女・花子の大学の大先輩だと言う事もわかった。小平にあるムササビ画学校の油絵学科。結局その日のロケハンは実りはなくほぼ無駄足だった。そしてそのあと見学に行ったメインロケ地の本田家やエキストラ参加した渋谷のライブハウスでもお会いした。現場での彼は本当に剣客のような顔をしていた。
そして映画も完成して渋谷・ユーロスペースでの封切り初日。壇上に上がる関係者の中に美術監督・水谷雄司さんの姿はなかった。聞けば数日前に救急搬送されたとのこと。なかなかに重篤な脳梗塞だという。僕と同病だ(その時の僕は病後、5年くらい)。
その後、アトリエをたたんで故郷に帰られたと人づてに聞いた。
もうお会いすることもないんだろうと思っていたら2年後、フェイスブックにメッセージが来た。僕は名前が珍奇なのですぐ見つけられる。共通の友達も多いし。近況を報告しあううちに利き腕の右半身の自由を失いリハビリ中と知った。大変だなぁ。僕も実は大変なんだけど、大変だなあ。
舞台美術も現役だとのこと。よかった。オファーがあれば上京して手掛けておられると。いつだったかの公演直後、若い女優さんを連れて、いや若い女優さんに連れられてひょっこりと来てくれたこともあった。その時に左手で絵を描く練習をしていることを聞いた。
そして去年あたりからフェイスブックに習作をアップするようになった。それが、いいのだ。少女像が中心。
これいいなぁ。利き腕じゃないほうの手でこんなもの描くなんて。手先じゃないんだなぁ、絵は。これは近くで見たいなぁと思った僕はその旨をメールした。そうして創作の苦労などうかがううちに…。
来年、個展を開催させていただくことになった。そこで先日、上京いただいて打ち合わせをした(もちろん他の用事もある)。その時も美貌の後輩を連れて、連れられてきた。
個展のタイトルは「弥勒」。それだけ決まった。上の乙女像は展示作品のほんの一部。細かいことはこれから決める。このビブリオの14畳を腕っこきの舞台美術家である水谷さんがどんな空間に仕立てるか。それが楽しみ。僕としては何よりも水谷さんに思い切りやってもらいたいと思っている。
そんなわけで半年かけて「弥勒」への道を歩き始めた次第である。水谷さん、よろしくお願いします。
会期は5月下旬、とだけ申しておきましょう。特別イベントの構想もうかがった。実現したらすごい。まだ発表できないけどヒントは下の動画にあるかもしれない。ないかもしれない。
・・・・・大好評発売中・・・・・
(増田書店、PAPERWALLnonowa国立店、金文堂、ビブリオにて。
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12月14日(土)、15日(日)
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2020年1月11日(土)
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ハテナダイアリーの過去記事
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