◆最終パワーステージでまさかのドラマ、ヒョンデのタナックが0.2秒差で逆転優勝
2024年シーズンWRC第6戦ラリーイタリア・サルディニア(グラベル)は、6月2日(日)に最終日の4SSを走行し、ヒョンデのオィット・タナックが最終パワーステージで逆転、0.2秒の僅差で今季初優勝を飾った。パワーステージ終盤でパンクに見舞われたトヨタのセバスチャン・オジエが2位、3位にはダニ・ソルドとヒョンデ勢が続いた。4位にはトヨタのエルフィン・エバンスが入った。
この日は、サービスパークの置かれているアルゲーロの北西エリアに設けられた2SSを2度走行するSS13~SS16を、前日に引き続き日中サービスなしで走行する設定。4SSで39.30kmと残されたステージ走行距離はかなり短い。前日までの総合順位は、首位オジエ、2番手タナック、3番手ソルド、4番手にエバンス、5番手にMスポーツ・フォードのグレゴワール・ミュンステール、6番手にWRC2部門でトヨタGRヤリス・ラリー2をドライブするサミ・パヤリというオーダーで、ラリー最終日はスタートした。
この日、最初のSS13は12.55kmのCALA FLUMINI。前日デイリタイアした選手権リーダーのティエリー・ヌービル(ヒョンデ)は、選手権での順位キープのためにも、スーパーサンデーの最大ポイント獲得を狙うことを宣言。チームメイトのタナックに4.6秒差をつけてのトップタイムでこの日を滑り出した。総合首位のオジエはペースをコントロールして4番手タイムでまとめ、2番手タナックとの差を13.1秒残した。
続くSS14は、7.10kmのSASSARI-ARGENTIERA。ヌービルはここでもステージウインを飾り、スーパーサンデーでのトップを固めた。タナックが2番手タイムをマークし、これでこのステージ6番手タイムのオジエとの総合差は、6.6秒となった。ここでは、前日メカニカルトラブルによりデイリタイアした勝田貴元が3番手タイムを出している。
SS13のリピートとなるSS15では、タナックがトップタイムをマーク。しかし、オジエも0.4秒差のセカンドベストで総合リードをキッチリ守り、両者の差は6.2秒で最終ステージを迎えることとなった。また、エバンスが3番手タイムで、総合3番手につけるソルドとの差を15.3秒に詰めている。
最終ステージのSS16は、SS14の再走となる「SASSARI – ARGENTIERA」(7.10km)。気温は20度、ダスティで荒れた路面には轍ができている。ステージは、まずWRC2部門の上位陣、部門6番手につけるシュコダを駆るロベルト・ビルベス(シュコダ)からコースイン。5番目にスタートしたヨアン・ロッセル(シトロエン)が部門トップタイムをマークしたが、ロッセルに43.2秒差をつけての首位でパワーステージを迎えていたサミ・パヤリが、ペースをコントロールして32.3秒のギャップを残し、トヨタGRヤリス・ラリー2での初優勝を飾った。GRヤリス・ラリー2は、前戦ポルトガルに続いてWRC2連勝となった
ラリー1勢は、パワーステージでも最大ポイント獲得を狙うヌービルからスタート。4分55秒0をマークして、後続を待つ。次にスタートした勝田、Mスポーツ・フォードのアドリアン・フルモー、ミュンステールは、ヌービルのタイムに届かず。エバンスは、ソルドとの合計タイム差を12秒0にまで詰めたものの、3番手タイムに留まった。エバンスとの差をコントロールしたソルドは、ステージ7番手タイムで今季初のポディウムフィニッシュとなる3位以上を確定させた。
オジエに6.3秒差でステージをスタートしたタナックは、ヌービルに2.3秒差の暫定2番手タイムでオジエを待つ。そのオジエは、絶妙なペースコントロールを見せていたかに思えたが、終盤でまさかのパンクを喫し6番手タイムに。この結果、タナックがオジエをわずか0.2秒上まわっての劇的な逆転優勝を飾った。タナックにとってヒョンデ復帰後の初優勝は、WRC史上、最も僅差での勝利となった。
優勝目前だったオジエは、残り3kmでパンクに泣く結果となった。ラトバラ代表は、「このようなかたちで勝利を逃し、もちろん非常に残念だ」とオジエの悲劇を振り返り、「このラリーはいつも我々に優しくない」と代表も悲嘆といえるコメントを残している。
これで最終SS終了時点での総合順位はタナック、オジエ、ソルド、エバンス、ミュンステールというトップ5。パワーステージはヌービル、タナック、エバンス、フルモー、勝田がトップ5に入り、それぞれボーナスポイントを獲得した。なお、土曜日までのポイントと日曜日のポイント、そしてパワーステージでのボーナスを合計すると、ウイナーのタナックが25点(15点+6点+4点)、2位のオジエが22ポイント(18点+4点+0点)を獲得。3位のソルドは16ポイント(13点+3点+0点)だったが、スーパーサンデーとパワーステージでポイントを重ねた4位のエバンスは18ポイント(10点+5点+3点)を獲得した。一方、土曜日にリタイアしていたヌービルは、狙いどおりに日曜日単独のリザルト、スーパーサンデーとパワーステージで最大ポイントを獲得し、この日だけで計12ポイントを獲得した。同じく土曜日にデイリタイアを喫した勝田とフルモーも、この日だけでそれぞれ3ポイントを獲得した。
ドライバーズランキング上位は、ヌービルが122点で首位を死守した一方、タナックが104ポイントでエバンスと並んで、2番手タイに浮上。オジエも92ポイントで4番手に上がった。以下、5番手のフルモーが74点、6番手の勝田が52点、今大会をスキップしたロバンペラが36点という並びとなった。マニュファクチャラーズポイントは、ヒョンデが269点、トヨタが256点、Mスポーツ・フォードが131点となっている。
<<豊田 章男 (TGR-WRT会長) コメント>>
サルディニアの道は本当に厳しく、いつも我々のチームとクルマを鍛えてくれます。TOYOTA GAZOO Racingがサルディニアで勝てたのは一度だけ。2021年にセブが勝ってくれた時だけでした。そんな厳しい道で、セブとヴァンサンが最後まで頑張ってくれましたが、最後の最後、パワーステージで本当に悔しい結果となりました。0.2秒差は本当に悔しいですが、これもラリーです。
我々の合言葉は「負け嫌い」。この悔しさを力に変えて、次の勝利を目指していきましょう!
追伸: オィットへ
私も現地で見ていた2019年のサルディニア。
あのときのパワーステージの悔しさを晴らせましたね。おめでとう!
WRC ラリー・イタリア・サルディニア (最終暫定結果)
1. O.タナック(ヒョンデi20 Nラリー1ハイブリッド) 3:06:05.6
2. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッド) +0.2
3. D.ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1ハイブリッド) +2:25.8
4. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッド) +2:37.8
5. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー) +6:42.9
6. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +7:13.4
7. Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +7:45.7
8. J.ソランス(トヨタGRヤリス・ラリー2) +7:52.7
![]() |
↑ ↑ ↑ eddie-k's eco_car blog ↑ ↑ ↑
【 Final Day Highlights | WRC Rally Italia Sardegna 2024 の動画はこちら 】
https://www.youtube.com/watch?v=E8r9Q2CZft0
【 OTT TANAK WINNER 0.2SEC - WRC Rally Italia Sardegna 2024 の動画はこちら 】
https://www.youtube.com/watch?v=ilEGZ5mxusY
↑ ↑ ↑ 「フォロー」はこちら ↑ ↑ ↑
![](https://ssl-stat.amebame.com/pub/content/9477400408/amebapick/item/picktag_autoAd_301.png)
「仲間はずれ」を探す脳トレ
『答え』は敢えて表示しません。頑張って!