◆アルピーヌの考える水素燃焼エンジンと燃料電池
ルノー傘下のスポーツカーブランドであるアルピーヌは、内燃エンジンの未来を探る手段として、レーシングカーと公道向けモデルの両方における水素の利用を「非常に積極的に」検討しているという。
アルピーヌは昨年、イタリア・トリノに拠点を置くデザイン学校Istituto Europeo di Design(IED)の交通デザイン専攻の学生によるコンセプトカー「A4810」を公開した。2035年のハイパーカーをイメージしたもので、水素を動力源としている。
このコンセプトでは、水素燃料電池による電気駆動方式なのか、それとも水素燃焼エンジンなのかは明らかにされなかったが、今回、アルピーヌのローラン・ロッシCEOはエンジン技術を後世に残すための鍵となる技術として水素を挙げている。
先般、F1イギリスGPが開催されたシルバーストンにおいて、レース前にアルピーヌのロッシCEOは記者会見を実施し、電動化や水素利用についてコメントした。
「複数のソリューションを同時に検討するのは当然のことです。アルピーヌは、電動化と両立する別の選択肢を探したい。なぜなら電動化は、好むと好まざるとにかかわらず、少なくとも将来的には自動車全体の60~70%にまで普及するからです」
「残りの領域は、用途や特性、求める機能によって異なります。積載量が多く、日々の走行距離がある程度固定されているLCV(小型商用車)では、異なるソリューションを使用する余裕があると思います」
◆環境負荷の低いグリーンな燃料
アルピーヌは以前から、2024年にはEVブランドに移行する計画を示しており、実際にA110の後継モデルやルノーをベースとした小型ハッチバックの開発が進められていることは確実だ。しかし、ロッシCEOのコメントからは、エンジン搭載車が今後も発売される可能性がうかがえる。
『少量生産』かつ『高出力』なスポーツカーについては、「持続可能な燃料が解決策になり得る」と述べています。
「当社(アルピーヌ)の場合、燃料としての水素も解決策の1つになりうると考えています。なぜなら、燃料としてだけでなく、電気を発生させる燃料電池としても水素を使うことができるからです」
「これは素晴らしいことです。水素のエンド・ツー・エンドの産業化を電動化と両立することができるので、1つの道筋になりうると考えています」
また、ロッシCEOは、アルピーヌが将来的にモータースポーツにおいても水素燃焼技術を披露することを目指しており、フォルクスワーゲンID.R(電動レーシングカーのコンセプト)のような、「ニュルブルクリンクの記録を塗り替えるような」プロトタイプを作ることも可能であると明かしました。
「水素を燃料として、コンセプトの実証を行うことができるかもしれないと考えております。それが今後の超高性能車や市販モデルにつながる可能性もあります」
「ル・マン24hが水素燃料電池を推進していることは知っていますし、それも1つの道ですが、当社はもう一歩進んで、水素を燃料とするV6を使いたいと思っています」
アルピーヌの親会社であるルノーは最近、コンセプトカーの「シーニック・ビジョン」で水素の可能性を追求している。このコンセプトは、最高出力218psの電気モーターと40kWhのバッテリー、さらに15kWの水素燃料電池システムを搭載しています。
一方、水素燃焼エンジンはまだどのメーカーも量産車に採用したことがありません。まだまだテスト段階の状況ですが、トヨタがGRヤリスの1.6L 3気筒エンジンやレクサスRC Fの5.0L V8エンジンにおいて、簡単な改造で水素を燃料として使用できるようになることを実証しています。
アルピーヌは、自動車への水素利用を「積極的」に検討し技術開発を進める。電動化と水素燃料エンジンの両方に未来を探る手段として力を入れるということですね。
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【 A4810 Project by IED, un | Renault Group の動画はこちら 】
https://www.youtube.com/watch?v=Ip3eBduH7JU
【 Alpine A110-50, le film avec Jean Ragnotti I Alpine の動画はこちら 】
https://www.youtube.com/watch?v=-11A-FtTibs
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