東京競馬場の訪問記↓の続き。

 

 

前回からだいぶ間が空いてしまい、実際に訪れた日からはふた月以上が経っておりますが。
ま、そこは、ばんえい優先のブログということで笑

その前回、視察研修、などと書いたが、馬やレースよりも競馬場を見たいがために訪れたので、場内を歩き回る。
各所に案内図が掲げられているとはいえ、大人でも迷子への不安を覚えるほど広く、いちいち遠くて時間もかかる。一日で何キロ歩いたかな笑
内馬場へも行ってみたが、そこからスタンドを眺めると、その大きさに改めて圧倒される。ただし、写真で伝えるのは難しい(^^;



スタンド内は、なんとも絢爛豪華で、思わずポカンと口が開いてしまう。
正直言ってここまでする必要があるのかと思うほどだが、世界最大の馬券の売り上げを誇る日本競馬の中心地である東京競馬場、その富と権力を内外に示す象徴としての意味合いも含まれているのかもしれない。
豊臣秀吉の大坂城か、ルイ14世のヴェルサイユ宮殿か。

 



それでも成金的な嫌味を感じないのは、前回紹介したパドックにしても、スタンドのコース側にしても、券売機エリアにしても、作り自体はじつにシンプルで、そこに関しては妙なデザイン性や独自性を抑えているから、ではないかと思う。上に載せた内馬場からの画像のとおり、外見は意外とクラシカルで普通だ。
このメリハリによって、ただ煌びやかなだけではなく、主役である競馬と馬券を邪魔せずに、きちんと客の利便性も確保している。
今回の私は見学目的だったために無駄な動きをしているが、これが定位置を決め、パドック見て馬券買ってレース見て……を繰り返し、ドリンク買ってメシ食ってを挟むという、腰を据えて一日競馬を楽しむスタイルで臨めば、かなり快適に過ごせたと思う。
2002年から2007年にかけて改装され、私はもちろん改装前は知らないが、前のほうが良かった、という意見は存外少ないのではないだろうか。
まあ、一度行っただけ、それも客の少ない土曜だけを見て、そこまで言うのもおこがましいのだけど、改装して明らかに悪くなった函館や札幌を知っているのでね(;´Д`)

ただ、一つだけ残念、というか時代の流れを痛感したことがあった。
じつは今回、レースをスルーして見学に充てた時間もあるのだが、メインレースだけはしっかり見ようと思っていた。

クラシックディスタンス、スタンド前発走の府中2400。
条件級の一戦ではあったが、中央ファン時代は東京優駿を何よりの第一に置き見てきた身としては、自然と背筋が伸びる。



せっかくなので写真に収めようと、発走前に各馬が輪乗りをしている様子を、これ以外にもスタンドから撮っていたのだが、
「レースが始まったら前に行くか一番後ろに行ってくださいねー」
と職員さんから声を掛けられる。

スタンドの、座席がある場所からスマホを構えていたのだが、そこは有料席だった。
それはわかっていたので、文句を言うこともなくファンファーレが鳴るまでにはコース前の立見スペースに移動したが。
でも、2400のスタート地点は、ゴール板からは遠く、その有料席には誰も座っていない。
だったら良いだろ、などと言うつもりはないが、そこだけではなく、コースが見える席はすべて有料、新しくできた言葉を使えばスマートシートとして設定されていた。
私のように、事前にネットで入場券を購入していない者は、立ったままレースを見るしかない。

べつに府中に限った話ではないが、スタートからゴールまでをすべて肉眼で見られる帯広を知ってしまうと、中央はターフビジョンを見に競馬場に来ているようなもの、と時に思う。馬が駆けて行く様子を眼前に見られるのは、レースのほんの一部に過ぎない。
それが当たり前、と認識したうえで多くのファンが来ているのだから、それはまあ良いのだが、競馬もネットで席を取って観戦する時代に、いよいよ突入したか。



以前に書いたように、今回東京を訪れたのは、好きなロックバンドのライヴがあったから。
そのライヴのチケットも、飛行機の搭乗券も、当然のようにネットで購入した。
他のプロスポーツの興行も、今はネットを利用して入場券を入手する方が大半ではないかと思う。
だから競馬も同様に……と言えるのかもしれないが、私は、競馬とはそこまでのものじゃない、という気持ちも、少しある。

競馬は大好きだし、競技としても、もちろん素晴らしいと思っているが、やっぱりバクチであって、席料ではなくテラ銭で成り立っている産業。
その前提がどうしても頭から離れないので、中で金を使うのに、ネットで会員登録?とかしたうえで有料席を購入して……という流れが、どうにも余計なものに思えてしまう。

まあ、古い考えだと自覚はしている(~_~;)
前日から徹夜しての開門ダッシュとか、私は見ていて結構引いてしまうタチだったし、今のほうが快適、と考えるファンも多いことと思う。
私が今も中央ファンだったら、従来の指定席よりも安い金額で席を確保できることにメリットを感じていたかもしれない。
感染症騒動が一つの切っ掛けにはなったのだろうが、遅かれ早かれ、現在の形に近づいていたような気もする。

入場無料、駐車場も無料なんで、じゃんじゃん来てください、その代わり馬券いっぱい買ってくださいねー、たとえ馬券買わなくても楽しんでってくださいねー、という帯広とは明らかにスタンスが違うが、そこは馬券の販路や手数料の話も絡んでくるし、比べるべきものでもないだろう。
中央が一歩先を行っている、ということにしておこうか。

偉そうな(?)ことを言っておきながら、ここまで馬券を買っていなかった(^^;
専門紙はおろかスポーツ新聞すら持っていなかったのだが、最終レースはスマホを見ながら真剣に予想する。
普通に外れたので、単なる証拠画像に過ぎないが。



大好きな Europe の来日公演があり、たまたま府中も開催期間中だから足を延ばしてみるか、といった程度の動機ではあったのだけど、まさに百聞は一見に如かずで、非常に貴重な経験となった。
初めての競馬場は、やっぱり面白いよね。去年は門別に初めて行ったりもしたが、不思議なもので、中央ファンだったころより、ばんえい一本の今のほうが他場に興味がある。
中央の残る三大場はやはり見ておかねばならぬという気がするし、大井も次はじっくりと過ごしたい。他の南関も、名古屋や園田や高知も一度は行ってみたい。

そんな気持ちが芽生えてしまいましたね~(^^;
一年後、ばんえいの休催期間にどこか計画するような気がする笑