澁澤龍彦『澁澤龍彦全集13』
「石の夢」より



プリニウスの『博物誌』

全37巻のうちで、

私の最も好んで繙読するのは

最終巻、すなわち

宝石を扱った第37巻である。

なぜ宝石の部が最終巻に置かれているのかというと、

著者の言によれば、

自然の崇高さがいちばん高い段階で現われているのは

宝石においてであり、

宝石こそは自然の美しさの

要約だからだという。




〜澁澤龍彦〜





澁澤龍彦氏は石好きでしたが、

宝石や珍しい鉱物を集めるというより、

海岸で拾った石や、

旅先で拾った煉瓦の破片等を

大事にしていたそうです。