らぶばなです。アッシュ生存設定で英二はなぜか音信不通中です。英二そっくりなモブが出て来ますのでご注意を。。。続きをお楽しみ頂ければ幸いです。
「君の面影を追って(9)」
久しぶりにリンジは懐かしい兄の夢をみた。血の繋がっていない義理兄であったが、彼は兄のことが大好きだった。強面で喧嘩が強く、それほど面倒見が良いわけではないが、リンジがいじめられた時は必ず相手をボコボコにしてくれたのだ。親にとって兄は扱いづらい子供であっただろうが、リンジにとっては絶対的なヒーロだった。
その兄が、何やらいそいそと急いで出かけようとしている。なぜかリンジは嫌な予感がした。兄を止めないといけないと。
【兄さん、どこ行くんだよ?また俺を放ったらかしにして。。。】
【悪いなリンジ。仕事が入ったからまた今度にしてくれ。】
【またって、前もそう言ってたじゃないか。。。】
【今は本当にゴタゴタしているんだ。落ち着いたら一緒にバスケしようぜ】
【。。。あぁ、約束だぜ?】
リンジに背を向けた兄の背中に向かって、リンジは手を伸ばした。だが、その手は届くこともなく、声を出そうにもなぜか喉が震えるだけだ。
(。。。兄さん、行かないでくれ!!)
心の中で叫んだその時、リンジはハッと目を覚ました。ザラザラとした床に寝転んでいた彼はゆっくりと上半身を起き上がらせた。いつの間にか眠っていたようだ。少し肌寒く非常に暗くて視界が悪い。
「ここは。。。外か?」
目を凝らすとビル建設工事現場の鉄骨が何本もたっていて、ショベルカーやクレーン車も近くにあった。
まだ覚醒しきっていないが、目をこすりながらリンジは立ち上がった。
その時、ランタンを持った男が近づいて来た。
「よう、やっと起きたのか? アッシュはまだ来ないぜ?」
「。。。。。」
ヘラヘラと笑う若い男をリンジは無表情のまま見ていた。
***
リンクスのアジトでは騒然となっていた。リンジが出ていったことだけならまだしも、彼がどこかのグループに拉致されてしまったという情報が届いたのだ。
アッシュ、アレックス、コング、ボーンズを中心とした幹部連中が集まって情報収拾をしていた。
「リンジが誘拐された?」
「あぁ、どうやら英二と間違われたらしい。。。」
「一体誰がだよ?」
「まだはっきりしないんだが、おそらく俺たちに恨みがある連中だろう」
「じゃぁ、コルシカマフィアかオーサーの残党、または李月龍の息のかかった連中か。。。?」
「たぶんな。。。まだ恨みなのか何か交渉したいのかハッキリしない。近いうちに連中から何かコンタクトがはいるだろう」
アジトの扉が勢いよくバタンと開き、子分が慌てて幹部連中の元に飛び込んできた。顔を殴られたのかひどくうっ血していたが、彼はゼェゼェと整わない息のまま衝撃の言葉を告げた。
「エイ。。。いや、リンジを拉致った奴らからメッセージを受け取った!」
「!!!」
その場にいた誰もが最悪の展開だと思った。一人で行動してしまったリンジを心配していたが、やはり敵に囚われてしまった。
子分によると、複数の仲間から離れたわずかな時間のうちに彼は見知らぬ連中に襲われたらしい。そしてアッシュ・リンクス宛にメッセージを伝えろと言ってきたそうだ。
「奥村英二を預かった。返してほしければ、必ずアッシュ・リンクス一人で今夜25時に来い」
そう言って彼らはある住所を告げて去っていったそうだ。
「。。。。明らかにアッシュが狙いなのか」
住所を検索すると、現在は工事現場になっていた。身を隠すことができ、多少音がしてもそれほど気にならない格好の場所だ。
「どうする?ボス? こいつらリンジを英二だと勘違いしているようだけど。。。」
見た目がそっくりなだけに、リンジを英二と間違える可能性は高い。奥村英二がアッシュの弱点だということを分かって拉致をしたというのなら、連中は明らかにアッシュだけを標的にしている。
「。。。。。」
腕組みをしながらアッシュは何かを考えている様子だった。
*続*
(あとがき)
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