BANANAFISH DREAM

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もっと人生を充実させたい! 自分が本来持っている才能を活かし、心身共に豊かで満たされた生活を送りたい!と以前から興味のあったことに挑戦中★ 趣味の漫画二次小説から海外交流など日々更新中♩

らぶばなですほっこり。原作の中で「その言葉を本人に伝えてあげてよー!」と思ったセリフを他人から伝えてもらおうというシリーズです。アッシュ生存未来設定で二人はNY郊外にすんでいます。今回はちょっとギャグ系かな?メッセンジャーはB氏ですが、一体どのセリフかな?(笑)

ハロウィンシーズンなので、皆でアッシュ英二邸に集まってもらい、パーティーをしてもらいました。少しでもお楽しみいただければ幸いです。前編と後編に分かれます。


 

「伝えたかったそれぞれの想い(A→英)ハロウィンパーティー(前編)」

 

 

木の葉が緑から黄色身を帯びてくる頃、普段は閑静な高級住宅街のあちこちに鮮やかな黄色や赤色が目立ち始めてくる。各邸宅の庭には大きなパンプキンオレンジが飾られ、中身をくりぬいて作られたジャック・オ・ランタンが玄関先や庭に置かれている。

 

中には風船や電飾で派手に大掛かりな装飾をした住宅もあり、まるで観光地のようになっている一角もある。仮装した大人がお菓子を集めようとカゴを手にした子供達にお菓子をくばっている。

 

 

「Trick or treat!」

 

「かわいいわねぇ。。。はい、どうぞ!」

 

 

 

「。。。。。」

 

パトカーが交通整理をしていたせいで車が進まず、可愛らしい子供達やほろ酔い気分でハロウィンを楽しむ大人たちの様子をある男が車越しに見ていた。

 

 

微笑ましく周辺住民同士の交流にもなっているハロウィンの一面を感じ取ったその男はふっと微笑んだ。

 

 

 

「さぁて、猫ちゃん達の家はどこかな。。。」

 

 

男は車を再び走らせた。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「パパ!パパーったら! あのお家のお庭を見て!大きなカボチャ!」

 

 

「はいはい、見てるよ。ふぁぁぁ。。。眠い」

 

 

「パパー!見てるぅ?」

 

 

「はいはい、マイケル。見てますよ」

 

 

アッシュと英二が暮らす高級住宅街に入ってからマイケルは興奮気味に色々な家を指差しながら父親のマックスに話しかけている。少々聞き飽きてきたマックスは適当に返事をしていた。

 

 

「あ、あの家! お庭にゾンビと骨があるよ!」

 

 

「そうかそうか。。。ん? ほ、骨だってぇ!?」

 

 

”骨”と聞いてさすがに驚いたマックスは車を停めて息子の指差す方を見ると、確かにある家の庭に骨のようなものが見えた。思わず車を停めて確認する。テカテカした表面といかにもオモチャといった骸骨の顔を見て安堵した。

 

 

「あービックリした。。。マイケル、あれは風船だ」

 

「え?そうなの?」

 

マイケルは目をパチクリさせたが、すぐに次の屋敷に目を奪われている。マックス親子はアッシュと英二の家で行われるハロウィンパーティーに招待されている。ジェシカも招待されていたが、仕事の都合がつかずに参加できなかった。

 

マイケルは残念がったが、ジェシカは息子のために手作りのコスチュームを用意してくれた。日本のアニメが大好きなマイケルはタブレットをジェシカに見せて熱心に説明し、作ってもらっていた。

 

 

「パパ、まだ着かないの?」

 

 

「えーと、もうすぐだから待ってくれ。あ、あの家だ」

 

 

「。。。。わぁ!」

 

 

マイケルの瞳がより一層輝いた。地面から屋根にまで届きそうな巨大な黒猫のバルーン人形が、家の外壁にひっついていた。なぜか屋根にカボチャのバルーンが置かれていて、まるで黒猫がカボチャを屋根に置こうとしているようにも見える。

 

 

「大きな家だね!パパ!それに。。。」

 

 

プールを見たマイケルが大きな歓声をあげた。すでに水は抜かれていたが、ここにもマックスが知らないアニメキャラのバルーン人形が大量に放り込まれていた。

 

 

「見てみて!僕、あのプールに入る!」

 

 

「あー、そうだな。でも先にあいつらに挨拶しなきゃ」

 

 

大興奮のマイケルを抱きかかえてマックスはインターホンを鳴らした。

 

 

「あ、二人ともいらっしゃーい!」

 

犬か狼のような耳と尻尾を身につけた英二が二人を出迎えた。

 

 

「エイジ!どう? Nori Nori だよ!」

 

ノリノリ君という鳥の衣装を指差しながらマイケルは得意げに言った。鳥のお腹の部分に穴が空いていてそこからマイケルは頭を出している。出迎えた英二は思わずマイケルを抱きしめた。

 

「マイケル。。。わぁー、可愛いー!!」

 

「エイジ!僕、あとでノリノリ君プールに入りたい!」

 

「あ、アレ見たの? 僕も一緒に入ろうっと!」

 

 

盛り上がるマイケルと英二を見て、アッシュは呆れ顔だ。

 

 

「おいおい、お前も入るのかよ、あのふざけたプールに? 間違ってもダイブしないでくれよ?中に水は入ってないんだぜ」

 

 

「わかってるよ。。。プールいっぱいのノリノリくんだよ?入りたいに決まってるじゃないか」

 

 

頰を膨らませながら英二は剥れるが、アッシュは肩をすくめる。

 

 

「半日かけてあのバルーンを膨らまさせられたこっちの身にもなってくれよ」

 

 

「そりゃぁ、君には手伝ってもらって感謝しているけど、僕も一緒にしたじゃないか」

 

 

「鳥の数が増えるに連れて、途中から写真撮影に夢中になったのはどこのどいつだ?」

 

 

「うっ。。。だって、ノリノリ君と君の組み合わせがすごく良かったからつい。。。。」

 

 

二人の様子を見ていたマックスが腹を抱えて笑い出した。

 

 

「あははは!いいなぁ、アッシュ。英二の尻に敷かれてんな。」

 

 

「嫁の尻に敷かれているあんたに言われたくないぜ」

 

 

呆れたようにアッシュが呟いたその時、インターホンが鳴った。

 

 

「俺が出る」

 

 

アッシュは室内モニターで来客を確認したが、しばらく無言のままだった。

 

 

「誰が来たの?」

 

 

英二が尋ねるが、アッシュは返事の代わりにため息をついた。

 

 

「はぁー、面倒くさいのが来たな。。。」

 

 

あまり乗り気ではなさそうにアッシュはしぶしぶと玄関に向かう。英二とマックスは不思議そうに顔を見合わせた。

 

 

「やぁ、猫ちゃん!ハッピーハロウィン!」

 

 

爽やかな笑顔で現れたその人物をアッシュは見上げた。立派に鍛え上がれた体を見ると、毎日トレーニングを欠かさず強靭な筋肉を維持しているのが分かる。

 

 

「。。。。何しに来やがった?」

 

 

アッシュは心底嫌そうな顔をした。

 

 

「連れないことを言うなよ、恩師に向かって。。。それにちゃんと招待状を受け取ったよ?」

 

 

英二が送った招待状を手に持ち、かつてアッシュの教師だったブランカはわざとらしくピラピラとそれを振ったみせた。

 

 

「何が恩師だ。それにその格好はなんだ?」

 

 

眉間にしわをよせながらアッシュはブランカの奇抜な格好に視線を向けた。偽物のヒゲを付け、頭には緑色の帽子をかぶっている。シャツも緑色でデニム生地のオーバーオールを着ている。日本の有名なテレビゲームのキャラクターを真似しているがそのクォリティはめっぽう低い。

 

 

「世間ではハロウィンだろ?変装した方が何かと都合の良い時もあるんだよ。私には。。。」

 

 

わざと渋い顔をつくって言うが、全く説得力がない。ピッチピチのTシャツを着て、オーバーオールの肩ひもを片方はずしているせいか、ムキムキの胸板の筋肉がよく分かる。それに気づいたアッシュは嫌そうに視線を避けた。

 

 

「あんたのは変装じゃなくて、仮装だろ」

 

「おまえの瞳にあわせて赤ではなく緑にしたんだぞ?」

 

「そんなのどうだっていい!」

 

呆れて怒鳴るアッシュをよそにブランカは平然としている。そしてブランカに気づいた英二とマイケルがパタパタとやってきた。

 

 

「わー、ル●ージおじさんだ!すごーい!力強そうだなぁ」

 

「やぁ、ぼうや。はじめまして。ほら、ぶらさがるかい?」

 

 

ブランカはムッキムキの腕を曲げてマイケルに見せると、マイケルは嬉しそうに飛びついた。

 

 

元プロの殺し屋とは知らないマイケルは、ブランカをただのコスプレおじさんだと思っているようだ。無邪気にブランカの腕にぶら下がり、遊び相手になってもらっている。

 

 

「ん? アッシュの知り合いか?」

 

 

マックスが不思議そうにブランカを見ているが、アッシュは何と説明してよいのかわからず言葉を濁した。

 

 

「違うと言いたいところだが。。。まぁ、そんなところだ。。。」

 

 

「いやぁ、すみませんね。うちの息子が」

 

 

マックスは申し訳なさそうにブランカに声をかけるが、彼はにこやかに微笑んだ。

 

 

「いえいえ、かわいいですねぇ」

 

 

ぶら下がるマイケルを見て、なぜか英二も羨ましそうにしている。それに気づいたブランカが空いているもう片腕を差し出した。

 

 

「ん?英二くんもぶらさがるかい?」

 

 

「い、いえ!さすがに僕は。。。重いでしょうし」

 

 

首を振りながら英二は否定したが、正直ちょっとしてみたいと思っていたので指摘されて驚いた。

 

 

「ははは、君とマイケルぐらいなら大丈夫だよ。私も現役の時は両腕に大人がぶら下がっても平気だったものだが。。。」

 

 

「。。。。。」

 

(冗談じゃなく本当だろうな。。。)

 

 

ブランカの強さを知るアッシュは笑えなかった。

 

 

「な、アッシュ」

 

 

マックスがアッシュを小突いて耳打ちをした。

 

 

「あの人、プロレスラーかスモウレスラーなのか?」

 

 

「。。。。。まぁそんなところだ。。。あの体で商売しているからな。。。」

 

 

キャッキャッと英二とマイケルの声が聞こえるなか、詳しく説明するのが面倒くさいアッシュは投げやりな返答をした。

 

 

 

*後編に続く*

 

 

 

(あとがき)

お読みいただきありがとうございます爆笑!ブランカに妙なコスプレをさせてしまいましたが、大丈夫でしょうか。。。次回はちゃんと英二に伝えてくれるでしょう。よければ小説へのご感想、リクエスト等お聞かせくださいね。

 

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らぶばなですほっこり。またまたゆるーいバナトークです。お付き合い頂ければ幸いです。!


 

こんにちは。先日にひきづつき、今日もゆるーいバナナフィッシュトーク(バナトーク)をさせてくださいねニコニコ

 

アニメ化より、さまざまなグッズやコラボ商品が販売されていますよね。らぶばなはあまり詳しくないのですが、たまたま以下の可愛らしい卓上カレンダーを発見しました。

 

>> Mappaオンラインページより

 

なんてリラックスしている二人なんでしょう音譜ラブ 

 

居眠りしている二人、可愛すぎる。。。。おかし食べながらテレビか何かみてたのかな?

 

特にアッシュ。。。英二にぐでーってもたれているのがまた。。。照れ照れラブラブ

 

やっぱり猫だわ爆笑 パンケーキ焼く英二も可愛いし、大量に焼いてアッシュに押し付けたのかな?

 

戸惑っているアッシュの表情がまた。。。

 

結局何枚食べたのかな?(笑)

 

 

優しい手書きイラストも素敵ですが、カラーの綺麗なカレンダーも素敵です。

 

 

>> BANANA FISH カレンダー 2020年

 

これってカレンダー?と思ったのですが、よーく見ると下に日付が入ってた。。。
この猫舌な英二とそれを見守るアッシュも可愛いですね。

なんかマスタードたっぷりのホットドッグ食べてた二人を思い出しましたニヤリ

このカレンダーシリーズのサンプル画像にお菓子を食べている二人があるんですけど、そのシーンと上の卓上カレンダーの表紙絵がかぶるような。。。続きですか?(笑)

穏やかなアッシュを見ると、ほっこりしますね。こんな時間がたくさんあったことを祈るばかりですニコ

 

 

お読みいただきありがとうございます爆笑よければ小説へのご感想、リクエスト等お聞かせくださいね。

 

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らぶばなですほっこり。今日はゆるーいバナトークです。お付き合い頂ければ幸いです。!


 

今日はゆるーいバナナフィッシュトーク(バナトーク)をします。

 

 

原作では童顔のせいで、アメリカでは子供扱いだった英二爆笑。チャーリーとジェンキンズに会った時は小学生と思われたぐらい。

 

「さすがに小学生はないでしょう?」と思ったのですが、あちらの子供は大人っぽいからかもしれませんね。

 

でも日本人から見て英二が童顔なのかどうかよくわからないなぁ。。。と不思議に思ってしまいます。

 

イベさんがたしか、「日本人から見ても彼は童顔」と話していたような。。。ウシシ

 

英二は若く見られることを嫌がっていましたが、女性目線で考えると「若く見える方がいいじゃないの!」とも思ってしまうのですが。。。(笑)

 

そんな私、らぶばなも先日、”人の年齢を聞いて驚いた体験”をすることができました(笑)

 

何気なくテレビで「世界体操」を見ていた時(ふだんあまりテレビみません)、フィリピン人のカルロス・ユーロ選手が紹介されていました。日本に移住し、日本人コーチに指導を受けているとても優秀な選手です。

 

はじめて見た印象は、正直「この子まだ子供なんじゃ。。。!?何歳なの。。。?」と思ってしまいました。彼は鍛え上げられた体つきですが、全体的に小柄で、目は大きくてなんと言うか。。。汚れを知らなそうな澄んだ瞳をしています。

 

はっきりいって、可愛い目(笑) 他の選手が大柄だった分、余計に子供っぽく見えてしまったのかも。テロップに19歳と表示が出たとき、「えぇー!嘘でしょー!びっくりびっくりびっくり 」と思ってしまいました。

 

いや、どうみても。。。14、15歳くらい?下手すると11〜12歳くらいに見えるかも。。。と失礼ながら思ってしまいました。

 

日本語も話せるようですが、まだ完璧じゃなく時々たどたどしくなるところも可愛かった。。。

 

 

この感覚。。。。(ハッ)

 

 

 *海外からやってきた外国人(アジア人)

 

 *小柄で童顔(15歳くらいに見える)

 

 *将来有望な陸上選手

 

 *大きな瞳、純粋そう

 

 *まだ言葉が完璧ではない

 

 *ひたむきで真っ直ぐ陸上に取り組む姿

 

 

これはアッシュたちが英二に感じた感覚と同じなのでは。。。。(勝手に英二のイメージと合わせています)

 

こんな子が近くにいたら、めっちゃ興味持つわ。。。ウインク!!そして子供だと思っていた相手が自分より年上だったら。。。と思うと、「オニイチャン」と揶揄いながらもちゃっかり甘えてしまうアッシュの気持ちがわからんでもない爆笑(笑)

 

そんな邪な目(!?)で試合「床」を見ていたら、なんと彼は力強くバネみたいに床を跳んで、見事なパフォーマンスを見せ、さらっと金を獲ってしまった。。。すごい。。。日本人釘宮コーチも涙を浮かべていました。 彼は「壁」を超えた。。。(← 英二の「ジャンプ」を見たアッシュの気持ち。。。照れ)。。。ちょっとはアッシュの気持ちを実感できたかしら??(笑)

 

 

真面目に陸上を応援している方にはなんだか申し訳ないトークになってしまいました。ごめんなさいねあせるちなみに、カルロス選手は賞金で家族の家を改築したとのこと。物価の安いフィリピンとはいえ、家族の生活を助けるだなんて素敵です。ぜひオリンピックでも母国や家族の応援を受けて、活躍してほしいですね!がんばってください!

 

 

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らぶばなですほっこり。原作の中で「その言葉を本人に伝えてあげてよー!」と思ったセリフを他人から伝えてもらおうというシリーズです。今回のメッセンジャーはシンで、月龍と英二の口喧嘩バトル(!?)についてアッシュに伝えてもらいます。アッシュ生存未来設定で二人はNY郊外にすんでいます。お楽しみ頂ければ幸いです。!


 

「伝えたかったそれぞれの想い(英→A)〜俺たちの天使に乾杯〜」

 

 

 

ー NY郊外 ー

 

ある一軒家の前に一台の車が停まった。香港から戻ってきたばかりのシン・スウ・リンは家を見上げてヒューっと口笛をふく。

 

 

「ここか! 噂には聞いていたけど、立派な家だな」

 

 

道から門を通り中に入ると、新緑の芝生に落ち着いた白い壁が見えてきた。モダンな形のおしゃれな家で、よく手入れされた花壇の横には菜園があり、赤くなったトマトが収穫を待っている。玄関の横にはプールがあり、パラソルを挟んでプールサイドチェアが仲良く二つ並んでいる。

 

 

「月龍の屋敷とほぼ同じ広さだな。。。アッシュめ、一体どれだけ稼いでいるんだ?」

 

 

この地域には米国人が憧れるセレブ達の豪邸や大使館で働く人たちの住む立派な邸宅が立ち並んでおり、どの家も目が飛び出るほどの金額だ。アッシュと英二が住む家は他の家よりはこじんまりとしていて装飾もシンプルだが、それでも相当な金額になるだろう。

 

インターホンを鳴らすと、「はーい」と聞き慣れた穏やかな声が聞こえ、シンは少し安堵した。ガチャリと空くとメガネをかけた英二の姿が見えた。白いシャツにデニム、グリーンのエプロンをつけた英二は笑顔でシンを出迎えた。

 

「ありがとう、シン。わざわざ来てくれて」

 

「おう、英二。元気そうだな。。。これは香港土産だ」

 

そう言ってシンは香港土産の鳳梨酥とオーガニックティーの入った紙袋を渡した。

 

 

「わぁ、パイナップルケーキだね?僕これ好きなんだ。このお茶もヘルシーそう!アッシュが喜ぶよ。。。ありがとう!後でみんなで食べよう!」

 

 

ニコニコと嬉しそうに微笑む英二を見ていると、不思議とまた何か今度彼のために買ってきてやろうと思えてくる。だが英二の背後からニュッと顔を見せたアッシュを見て、シンはハッと我に返った。

 

アッシュは白いパンツにボーダーのシャツを着ている。メガネをかけてタブレットを持っていたので、恐らく仕事中だったのだろう。マックスから聞いた話だと、この家を購入するのにまた付き合わされとのこと。アッシュは成人しているが、家を購入するには若すぎるので 売主を信用させるために、マックスに再び父親役を頼んだようだ。ローンを組まずに高額な小切手をきるのは心地よかったと自慢げに話していたのを思い出した。

 

「よぉ、シン。またデカくなったんじゃないか?」

 

そう言いながらアッシュは確認するようにジロジロとシンを上から下まで見てきた。かつて共闘したシンも成長期に入ってからグッと背が伸び、今では視線がほぼアッシュと同じだ。

 

 

「やぁ、アッシュ。 久しぶりに会った挨拶がそれかよ。。。いつあんたを追い越せるか楽しみだぜ。Xデーは近いぞ」

 

やや揶揄いた口調で言うものの、アッシュはムキになることもなく、ただ事実として受け止めるつもりのようだ。昔のアッシュなら何かしら皮肉めいた言葉が返ってきただろうが、英二との穏やかな生活のせいか 小さなことでは苛立つ事も無くなって来た。

 

「その時はこの家で盛大に祝ってやるよ。」

 

近いうちにその時が来るのをわかっていて、それを楽しみにしているかのようにアッシュは静かに微笑んだ。それを見て、シンは彼と張り合おうとした自分がバカバカしく思えて来た。思わずシンはアッシュから視線をそらし、窓から見える庭園を眺めながら言った。

 

「あんたがダウンタウンを離れると聞いて驚いたが。。。。郊外はいいな。広くて静かだ。ここは治安もいい。ダウンタウンでの暮らしとは真逆だな。もう慣れたのかよ?」

 

元ストリートキッズのボスだったアッシュが喧騒を離れ、静かな郊外に住むだなんて誰も想像していなかった。

 

「特に問題ない。」

 

あっさりとアッシュは答えた。こうして実際に穏やかに暮らしているのを見ると、それもありかと思えてくる。タブレットや携帯ひとつでビジネスができる時代だ。すでにボスを引退している身の彼は何もダウンタウンにこだわる必要はないだろう。

 

アッシュが郊外で一緒に住むことを提案した時、英二は喜んで即答したらしい。相変わらずアッシュの世話を甲斐甲斐しくしながらも、英二はカメラの技術を身につけ、自分仕事を見つけて活躍している。

 

「問題ないか。。。まぁ、英二があんたの世話してくれるからなー」

 

シンの言葉に照れたのか、アッシュは視線をそらして時計を見た。

 

「この時間だと渋滞していただろう?香港から戻ったばかりなのにすまないな。」

 

 

「気にすんなって。あんたらの新居も見たかったし。でも噂によると、すげぇセキュリティが厳重らしいな」

 

 

「普通だよ」

 

さらりとアッシュは答えたが、シンにはとてもそうは思えなかった。

 

 

「あんたのいう ”普通” ってあまり信用できないんだけどなー」

 

 

ジーッとアッシュに一歩近づいてその端正な顔を覗き込み彼の表情を読み取ろうとしているところに、英二がキッチンから二人の元にやってきた。

 

 

「おーい、乾杯しようぜ!」

 

 

グラスとおつまみの入った皿をトレーに置いて運んできたが、色々とのせすぎてカチャカチャとぶつかる音がする。

 

 

「サンクス。」

 

アッシュは微笑んでさりげなく英二のトレーからグラスを全て手に取った。そしてそのうちの一つをシンに渡す。シンはニヤニヤしながら英二にも同じ質問をしてみた。

 

 

「なぁ、英二。この家のセキュリティってすげぇってアレックスから聞いたぜ?」

 

 

英二は首を傾げた。

 

 

「うーん、正直僕はよく分からないんだ。セキュリティのせいで不自由することもないから。。。あ、そういえば。。。アッシュが ”特別なオーダーをした”って話してた気がする!」

 

 

「特別なオーダー。。。」

 

 

あのアッシュがオーダーした特別なセキュリティとは何なのか考えると恐ろしく思えてきて、シンはブルっと身震いした。

 

 

(やっぱり。泥棒でも入ろうものなら、そいつは一生後悔しそうだな。。。恐ろしい。。。)

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「新生活を祝って乾杯〜!」

 

 

テーブルについた三人は、シャンパンで乾杯する。朝から英二が用意したという手の込んだ料理がテーブルに並ぶ。野菜たっぷりの温野菜サラダ、ミネストローネ、アクアパッツア、キノコたっぷりのソテー、赤身のステーキ。。。とボリュームはあるが全体的にヘルシーな料理だ。

 

「最近のアッシュは炭水化物を控えているんだよ。毎日メニュー考えるのが大変さ」

 

苦笑いしながらも英二は楽しそうだ。

 

「うんめぇー!!英二の手料理、すっげー美味いしな。これを毎日食えるアッシュが羨ましいぜ」

 

「格段に英二の料理の腕は上がったよな」

 

自分のことのように自慢するアッシュにシンは苦笑した。英二はワイングラスを用意していたが、あることに気がついた。

 

 

「あー、白ワインを持ってくるの忘れた!僕、地下のワインセラーから取ってくるから遠慮せずに食べておくれ」

 

にこりと笑うと英二はリビングを離れていった。

 

「ワインセラーまであるのか。。。なぁ、アッシュ。この家は一体いくらしたんだよ?」

 

シンは気になっていた家の価格を聞いたが、アッシュはふっと笑った。

 

 

「内緒」

 

 

「。。。」

 

(またかよ。。。)

 

 

そう簡単に教えてくれないと思ったシンは、先ほど英二が話していた特別なセキュリティについて話題をふる。

 

 

「なぁ、あんたのことだから、英二にバレないようにすげぇセキュリティつけてんだろ? 教えてくれよ。。。ほら、俺たち仲間が酔っ払ってこの家に押し寄せたり悪ノリで何か悪さをするかもしれないだろう?」

 

 

そんな勇気のある連中などいうわけはないが、アッシュはジロリとシンを睨みつけたあと、「いいぜ」と笑った。

 

 

「”通常”のセキュリティはもちろん最高レベルのものをつけている。防犯カメラは100台以上、俺と英二以外の人間が侵入してきた時に即座に反応する人感センサーを全ての部屋に設置している。特別に契約した警備が3分以内に到着することになっている。今日はお前がくるからオフにしているが。。。」

 

 

アッシュの言葉にシンは目を丸くした。

 

「。。。え、そうなの?あいつがあんたのいない時に友人知人を呼んだらとんでもないことになるんじゃ。。。もし宅配便が来たら。。。? 」

 

 

「そうならないよう、ふだんから英二とのコミュニケーションを密にとっている。宅配は直接受け取らずに元部下の会社に届くようにしてある。。。英二が居て俺が不在の時に誰かが訪れて来たら、AIが顔認識した画像データが俺の元に送られてくる」

 

 

「。。。そこまでするのかよ」

 

 

いくら英二が大事とは言え、何でもそこまでする必要はないのではとシンは思ったが、アッシュはさらに続けた。

 

 

「ワインセラーの下に完全防音の射撃場と核シェルター、武器庫と隠し研究部屋と隠し金庫がある。まぁ。。。英二は地下2階の存在に気づいていないようだが」

 

 

 

「ハハハハ。。。おっかねぇな。。。あんたを敵にしたくねぇと心から思ったぜ!」

 

 

厳重すぎる警備や地下の存在に気づかない英二もどうかと思ったが、シンは ”地下”と聞いて懐かしい記憶が蘇ってきた。

 

 

「なぁ、アッシュ。地下といえば。。。覚えているか? あの時のことを。。。」

 

 

シンの言いたいことをアッシュはすぐに理解した。

 

 

「あぁ、もちろんだ。あの時はお前たちに助けられたな。だが、地下はひどい臭いで頭がイカれるかと思った。目が見えないことに少しだけ感謝したぜ」

 

 

「へっ、そんなこと言いながらも、あんた、英二の用意したスープ飲んでただろう?あんな酷い場所だったのに」

 

 

ニヤニヤと笑いながらシンは言った。

 

 

「。。。よくそんなこと覚えているな?」

 

 

少々苦笑いしながらアッシュは答えた。

 

 

「ヘヘッ、印象的だったからな。英二の前では意外と素直なんだなーって。。。なぁ、新築祝いに教えてやるよ。あんたがゴルツィネの元にいていなかった間、英二のやつ。。。すごかったんだぜ?」

 

 

「すごいって。。。何が?」

 

 

アッシュがいなかったあの時、英二のまわりでどんなことがあったのかは詳しく知らなかった。

 

 

「なんて言うか。。。絶対にあんたを取り戻してやるんだって気合い入りまくりで、とにかく必死だった。俺、正直言って英二がパーティーに潜り込んでまであんたを救出しようとするとは思わなかったぜ。。。」

 

 

「。。。。」

 

まっすぐな英二らしいと思う一方で、危険なことをさせてしまったと改めてアッシュは思った。

 

 

「それに。。。あいつ、月龍のところに連れていってくれって俺に頼んできたんだ」

 

 

月龍と聞いて、アッシュは鋭い眼光をシンに向けた。

 

 

「月龍だと。。。?おまえ、どうしてあんな奴のところに英二を連れて行ったりしたんだ?」

 

 

過去のこととは言え、様々な策略を仕掛けてきた月龍には複雑な思いがある。

 

 

「おぉっと。。。怖いな、睨むなよ。」

 

 

アッシュの凄みに少々萎縮しながらもシンは「まぁ、言ったら怒ると思ったけど」とぼそぼそいいながらも続けた。

 

 

「先に言っておくが、英二は無事だったよ。怪我なんてしていない。俺も付いていたから月龍に手を出させるつもりは無かった。英二は絶対に月龍が何か知っているって確信していたし、実際にその通りだった。」

 

 

「あいつ、情報を得ようとして。。。乗り込んだのか。。。」

 

 

小声でつぶやきながらアッシュはシンに背を向けた。

 

 

アッシュは英二が月龍の屋敷に閉じ込められていたことを思い出した。月龍が何を考えているかはよく分からないし、分かろうとも思わないが、近くのはどれだけ危険か英二本人もよくわかっていたはずだ。下手をすると再びつかまるかもしれない危険な状態だったのだ。

 

 

自分を取り返すために危険な敵の元に飛び込もうとした英二の行動を思うと、アッシュはその場に自分が居なかったことを後悔して拳を強く握りしめた。それと同時に英二が月龍に何も危害を加えられずに済んだことを安堵した。

 

 

何かを考えるように床をじっと見つめて動かないアッシュを見て、英二がその時の状況を詳しく話していないのだなとシンは悟った。

 

 

やはり英二のことになると、いつも冷静沈着なはずのアッシュは少し様子が違ってくる。あの戦いの中でそれを見てきて知っているシンは、どれだけ英二がアッシュを心配していたか、もっと彼は理解しておくべきだと思えてきた。

 

 

「そうだ、月龍に皮肉たっぷり挑発されちまったけど、英二はどこまでも冷静だったぜ。あんたの行動が英二を思っての行動だったって理解していたし、同じくらい英二もあんたのことを大事に思ってるって月龍に宣言しやがった。。。そう言われた若様は何も返せなかたぜ、へへっ。。。」

 

 

 

その時のことを思い出したのか、シンは愉快そうに笑った。英二を弱い存在だと決めつけ、一方的になじろうとした月龍が英二の揺るぎない想いと二人の強い友情を身を以て知ることになり、ある意味返り討ちにあってしまったのだ。

 

 

シンはこの話をすることで、心のどこかでアッシュに”哀れな若様”を薄ら笑うよう同調を求めていたのかもしれないが、アッシュは何も言わず、まるで関心を示さない。アッシュはまだ何かを考えているようだ。

 

 

 

「それにしても。。。英二が言った、”勝手にしろ、バカっ!”は最高だったな。あの時の月龍の顔ったら。。。英二は言うこと言ってさっさと出て行っちまったし。。。俺、月龍に”あんたの負け”って言ったらティーカップ投げつけられちまったよ!」

 

 

ケラケラと腹をおさえながらシンは笑った。するとアッシュはふっと表情を緩めた。

 

 

「フッ、英二らしいな。。。困ったやつだ。。。」

 

 

いつもの皮肉たっぷりなものではなく穏やかな笑いを見て、勘の良いシンは気づいてしまった。

 

 

(あらら、月龍の反応なんて全く関心ないってわけね。困るだなんて言いながら、本当は嬉しいんだろう? はぁーどれだけあんた、英二のことが大事なんだよ。。。前より悪化していないか!?)

 

 

誰かが二人を引き離そうとしても、彼らの深い精神的なつながりや絆を崩すことはできないし、相手のためならどこまでも自分を犠牲にできるところも全く同じだなとシンは感じていた。

 

 

シンはショーターのことを思い出した。アッシュとショーターは親友同士だとショーター自身から聞いていたが、英二とアッシュの関係はショーターとのそれとは少し次元が違う気がする。彼らのような関係を気づいている連中を見たことはないし、シン自身にも該当する相手は今のところいない。

 

 

(厄介だな。。。)

 

 

正直、羨ましいと思う反面、彼らの関係にヒビが入るような事態が起きれば一体どうなるのだろうかと一抹の不安もあった。

 

 

「なんだ?」

 

 

眉間にシワを寄せながらアッシュは尋ねてきた。

 

 

「。。。。」

 

 

(まぁ、アッシュならそんな事をさせないだろうし、英二もいい具合に”天然”だから。。。本当、腹がたつぐらいあんたらいい関係だぜ!)

 

 

二人の関係を思うとなぜか少しイラっとしてきたシンは「俺は月龍じゃねぇ」と首を左右に振った。

 

 

「はぁっ?」

 

 

シンの謎の行動に今度はアッシュが首を傾げた。

 

 

「いいや。。。。ごちそうさん」

 

 

肩をすくめたシンにアッシュの眉間のシワはますます深くなった。

 

 

「。。。はぁっ?」

 

 

なぜそんなことを言うのかアッシュには全く理解できなかった。

 

 

 

「まぁ、とにかく。。。あんたらはそのまんまでいいんじゃないか。なんかスゲえなって俺は思うぜ」

 

 

「。。。。。」

 

 

パタパタと足音が近づいてくる。英二がワインボトルを数本小脇に抱えて戻ってきた。

 

 

「おーい、お待たせ!ごめんごめん。どれにしようか迷っちゃって。。。白ワインだけで100本以上もあるんだもの、たっぷりと飲んでね!」

 

 

「100? おいおい、そんなにあんのかよ。。。しかも高そうだな」

 

 

ヒューッと口笛を吹きながらもシンは良い酒が飲めると嬉しそうだ。

 

 

「赤とロゼを合わせると500本はあるんじゃねぇの?」

 

 

アッシュがワインボトルを受け取りながら答えた。

 

 

「そんなにあるの?高そうだなーと思いながらも、料理の時に料理酒としてドバドバ使っちゃってた。。。」

 

 

「え、もったいねぇ!英二、これ最高級のワインだぜ?」

 

 

驚くシンにアッシュは英二の頭を撫でた。

 

 

「いいんだよ、それで。英二、気にするな」

 

 

 

「。。。」

 

 

(おいおい、おまえは英二の保護者か)

 

 

どちらが年上なんだかと心の中でシンは突っ込んだ。先ほどの月龍と英二のことを聞いたせいか、アッシュの表情はずっと柔らかい。

 

 

(でもまぁ。。。いいか。こいつらが幸せなら。。。)

 

 

幾多の死線をくぐり抜けてきた仲間が今も生きて、こうして幸せを掴み取ったのが嬉しくてたまらない。自分の憧れであるアッシュ・リンクスがこれほど幸せそうに笑う姿を間近で見れるだなんて想像もしていなかった。

 

 

「セレブな発言だねぇ、アッシュさん。では俺が今度仲間を連れてくるからたっぷりと飲ませてくれよ?」

 

 

ニヤニヤ笑いながらシンはアッシュを揶揄う。

 

 

「はぁ? お断りだ!」

 

 

「ケチなこと言うなよ」

 

 

「アッシュ、楽しそうじゃないか!またみんなでパーティーしようよ。君が忙しいなら僕だけでも。。。」

 

 

英二の言葉にアッシュとシンが同時に反応した。

 

 

「「それはダメ!」」

 

 

 

(俺や仲間が殺される!)

 

(そんなの許せねぇ!)

 

 

 

「君たち、息がぴったりだねぇ!そういえば二人とも似てるよね。。。強くて賢くてリーダーシップがあって。。。君たちは僕が心から尊敬する友達だよ!」

 

 

呑気に笑う英二を見て、シンとアッシュは顔を見合わせて同時にふぅーっとため息をついた。

 

 

「シン。。。乾杯しようぜ。。。」

 

「あぁ。。。そうだな。。。」

 

 

なぜか若干疲れをみせながら二人は乾杯するのを英二はニコニコと笑いながら写真を撮りはじめた。

 

 

どうやら一番最強なのは奥村英二のようだ。

 

 

 

*終*

 

 

 

(あとがき)

お読みいただきありがとうございます爆笑!囚われの身だったアッシュを助けるために奮闘した英二のがんばりを本人に知ってもらいたくて創作しました。アッシュの過保護さはちょっと異常かな(笑)

よければ小説へのご感想、リクエスト等お聞かせくださいね。

 

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らぶばなですほっこり。原作の中で、「その言葉を本人に伝えてあげてよー!」と思うところが結構ありました。今回はそれを他人から伝えてもらうことにしました。メッセンジャーは主におしゃべりなオジさん達です。たぶんシリーズで何パターンか作ると思います。アッシュ生存未来設定のお話です。お楽しみ頂ければ幸いです。!


 

「伝えたかったそれぞれの想い(A→英二)〜おせっかいオヤジに乾杯〜」

 

約束の時間より10分前に英二はカフェに到着した。律儀な彼はよほどの事がない限り遅刻することはない。

 

英二はコーヒー注文し、ある人を待つ。鞄から仕事関連の資料を取り出して目を通し始めた。

 

 

 

しばらくすると、コーヒーのいい香りが漂ってきて英二のテーブルに置かれた。ゆっくりと味わいながら準備してきた写真を手に取った。

 

 

時計をちらりと見ると約束の時間をすでに15分ほど過ぎていたが、それは想定内だ。今日は仕事の打ち合わせということで待ち合わせをしているのだが、その人のことは昔からよく知っている。英二は彼がどんな言い訳をするのかを考えて一人クスッと微笑んだ。

 

 

カフェのドアが勢いよく開き、ドカドカと騒がしく足音を立てながら彼はやってきた。

 

 

カジュアルなストライプのシャツにシンプルなベージュのスラックス。ベルトはゆるゆるだ。最近お腹が出てきたとその人が言っていたのを英二は思い出した。

 

「よぉ、英二!悪いなぁ。。。わざわざ来てもらって」

 

額に汗がにじんでいる。ふぅっと息を吐いて、マックスは椅子に腰掛けた。

 

「いいえ、マックス。相変わらず忙しそうですね」

 

にっこりと英二は笑う。

 

「貧乏暇なしだよ。おかげでジェシカに毎日いびられてるぜ」

 

困った表情を浮かべながらマックスは頭を掻いた。復縁した妻からは相当いびられているようだ。

 

「またまたぁ。。。なんだかんだ言って夫婦仲良しなんだから!」

 

英二の言葉にマックスは眉間にしわを寄せ、首をひねった。

 

「”仲良し”だぁ!?。。。うーん、どうだか。。。それはお前達のところだろうが」

 

ニヤッと何やら意味深な笑みを浮かべるが、英二は理解できずに首を傾げた。

 

「僕とアッシュ?。。。 そうかなぁ。。。僕たちもよく喧嘩するよ」

 

 

マックスは英二の反応に頭をボリボリと掻いて苦笑いをした。

 

「へへっ、お前には伝わらないか。でもまぁいい。ようやくお前達が一緒に暮らしだしてやっと落ち着いて俺は安心したよ」

 

「ありがとうございます。色々ありましたものね」

 

 

バナナフィッシュを巡る戦いが終わった後、アッシュはラオに刺されたが運良く一命をとりとめた。日本から再びやってきた英二の手厚い看病の元、二人はNY郊外で再び暮らし始めたのだ。

 

「あぁ。。。あの山猫坊主、素直じゃないからなぁーお前を困らせていないか心配だよ」

 

「うーん、まぁ。。。相変わらず寝起きが悪いし口も悪いけど。。。今のところ大丈夫です!時々家事も手伝ってくれるんですよ?」

 

特に困った様子もなく、相変わらずのほほんとしている英二にマックスは安堵した。

 

 

「さすがのあいつも、お前の前ではひねくれていられないんだろうな。昔からそうだった。。。ふふふふ。。。」

 

マックスは何かを思い出したような含み笑いをする。

 

「ん?どうかしましたか?」

 

「いや。。。思い出し笑いだよ。そういえば。。。ロスのドースン邸に居た時、あいつ、おまえに日本に帰るように言っただろう?」

 

「そんなこともありましたね」

 

もう随分前の話だった。あの時は必死にアッシュに付いていこうとしていたが、足手まといだから帰れと言われたのだ。今となっては自分を思っての行動だと理解しているつもりだが、あの時の言葉を思い出すと胸がチリチリと少し痛むような気がする。

 

マックスはコーヒーを口に含み、穏やかな笑顔を向けた。まるで子供を想う父親のような表情に、英二は時々「マックスが本当にアッシュの父親だったら。。。」と思ってしまう。偽親子を演じてきたアッシュとマックスだが、まるで親子のような信頼関係が二人にあること英二はよく理解していた。

 

「あいつ、本当はお前に帰って欲しくなかったくせに無理して。。。その晩、あいつ。。。やけ酒飲んでたんだよ。本当ガキだったな。。。」

 

「えぇっ!?アッシュがやけ酒を。。?」

 

 

正直、アッシュがやけ酒を飲んでいるところなど英二は見たことがなかった。そのせいか、一瞬本当だろうかと疑ってしまった。

 

 

(想像できないや!)

 

 

「お前に思っても無いことを言わざるを得なくなって、やりきれなかったんだろう。ガキらしくて可愛いじゃないか」

 

「はぁ。。。そうだったのか。。。へぇぇ。。。」

 

「まぁ、今じゃ絶対に日本に帰れなんてお前に言わないだろうがな」

 

「ふふ。。。そうですね」

 

「惚気られちゃったな」

 

「惚気?なんですか、それ? 何かのジョーク?。。。あはは」

 

どこまでも純粋なままで、柔らかくふわりと笑う英二を見て、マックスも心が温まるのを感じるのと同時に内心ため息をついた。

 

(やれやれ。。。この二人、ずっとこんな感じなんだろうか。。。本当はどっちも女にモテるくせに。。。こいつら一生こんな感じでつるむんだろか?きっと結婚できないだろうな。。。。)

 

「ははは。。。”オヤジ” としては複雑な想いだ。。。」

 

 

マックスはひとりごちた。

 

 

***

 

 

 

リンクスのボスを”引退”したアッシュは、投資で大きな資金を得て、それを元に新規事業を立ち上げた。今ではいくつもの会社を所有するビジネスパーソンになっていた。リンクスを卒業した元子分達にも仕事を与え、夜間学校にも通わせるなど今でも交流をつづけている。リンクスと自分を繋いでくれる元ナンバー2のアレックスとともに、行き場を失ったストリートチルドレンを救うための活動を行なっている。今日はその打ち合わせだった。

 

 

(思ったより遅くなってしまったな)

 

時計を見て、アッシュは車のスピードをあげた。NY郊外にある自宅までは1時間ほどかかる。少々不便だが、その代わりに得た安全で穏やかな生活を彼は気に入っている。

 

セキュリティは万全で、あらゆる角度からの防犯カメラや人感センサーのついた防犯システムを導入している。不審者が侵入した際は地下に籠城できるようになっており、警備会社と特殊な契約をしているので通報があれば3分以内にかけつけるようになっている。

 

地下に完全防音の射撃場も作り、英二に定期的に射撃訓練をさせている。「何もここまで。。。」と呆れる英二に「お前の安全が一番なんだ」と説得させた。

 

アッシュの携帯には24時間いつでも室内の様子を携帯でチェックできるようになっている。プライバシーが無いと文句を言う英二に考慮して、限られた場所だけに取り付けたのは若干不満だが、仕方がない。

 

車に乗る前に確認した時、リビングの窓際にいる英二の姿をカメラが捉えていた。彼はグラスを手に取り、外を眺めていた。

 

彼の視線は駐車場と道路を向いていた。つまり、アッシュが戻るのを待っているのだ。アッシュはなんだかくすぐったい気持ちになりながらも渋滞する道路を見てため息をついた。

 

 

ようやく自宅に到着した。駐車場に車を停め、アッシュはドアを急いであけた。「おかえり」と穏やかに笑う英二の姿を見るのが一番の楽しみなのだが何も反応がなかった。

 

 

「ただいま。。。英二? トイレか?」

 

 

セキュリティ万全だとわかっていても、英二の姿が見えないと少し不安になる。もう心配することは無いとわかっていても、アッシュにとって唯一の存在である英二と離れている時間が不安でたまらないのだ。

 

 

リビングのソファに英二はだらしなく寝落ちしていた。ローテーブルには飲みかけのグラスが置いてあった。ウイスキーの香りがした。

 

 

「おい。。。英二。こんなところで寝るなよ。おまえ、ウイスキーを飲んだのか?」

 

 

英二はビールをよく飲むが、ウイスキーを飲むのは珍しかった。とろんと半目を開けた英二は嬉しそうにアッシュを見て笑う。

 

 

「あぁ。。。アッシュだぁ。。。。おかえりぃ。。。あえてうれしいよ。。。」

 

 

「はいはい、オニイチャン、ただいま。俺も嬉しいよ」

 

 

手を貸して英二を座らせる。そしてキッチンへ行き、グラスに水を注いで渡してやった。うんうんと頷いて英二は受け取る。

 

ぷはぁと息を吐いて、彼は幸せそうに笑った。

 

 

「なんかご機嫌だな、いいことあったのか?」

 

「ふふん。。。まぁね! なんだと思う?」

 

「仕事でお前の写真が認められたとか? それとも今日は未成年だと思われなかったとか?」

 

「それもいいね。でももーっと嬉しかった。。。うーん、昔の苦労がやっと今になって。。。ご褒美もらえたなーって感じ」

 

 

英二は何かを思い出すかのようにしんみりとグラスに入った氷を見ていた。

 

「そうか、おまえはよく頑張ってるもんな」

 

ポンと英二の頭を撫でてやる。コシのある固めの黒髪だった。

 

「君もどう? あぁ、それよりも。。。お腹空いているかな?」

 

「いや、もう食べてきた。じゃぁ、一杯だけもらおうか」

 

「そう来なくちゃ!」

 

嬉しそうに英二は氷をグラスに入れ始めた。だが、ふとその手を止めて満面の笑みで振り返った。

 

「ね、君。。。。あの時、やけ酒飲んでたんだってね!」

 

「あの時?」

 

アッシュは全く思い出せず、眉間に皺を寄せるが 英二はニヤニヤしているだけだ。

 

「ふふーん、なんでも無いよー」

 

「気になるな、おしえてよ。」

 

肘で軽く英二を小突くと、英二は「あはは、やめてよ」と笑う。陽気な彼を見て、随分酔っているなと感じた。

 

ふとすりすりと英二は頭をアッシュの肩に擦り付けてきた。

 

「どうしたんだよ?甘えたなオニイチャンだな」

 

「うん、君がこうして隣にいてくれるのが嬉しくてたまらないんだ。あの頃は大変だったけど、帰らなくてよかった。。。」

 

「昔のことかい?」

 

「あぁ、嬉しくて思わず君と同じものを飲もうとしたんだけど。。。やっぱりキツイね。これを飲み干すだなんて無理だ。でもそうせざるを得ないほど。。。。フフフ」

 

ニヤニヤする英二にアッシュは理解できず、首を傾げた。

 

 

「酔っ払いのお兄様。明日に響くので早く眠ったほうが良いのではありませんか?」

 

わざと丁寧に言い、アッシュは英二を寝室に行くよう促したが、英二はアッシュの手首をぎゅっと握りしめた。

 

「なに?」

 

驚いたヒスイの瞳をじーっと至近距離で英二は見つめてきた。普段なかなかこれほど近くに寄ってくることもないので少々アッシュは面食らっていたが、英二はウットリと舌足らずな口調で呟いた。

 

「綺麗だなぁ。。。君の瞳。。。僕、ずーっと君を守っていくからね!」

 

「。。。。」

 

聞いているのも恥ずかしくなるようなセリフにアッシュは思わず絶句したが、気持ちを落ち着かせるために深呼吸した。

 

「。。。何? オニイチャン、僕のこと口説いてるの?」

 

 

「くどく? 何言ってんだよ、何で僕が女の子みたいに君を口説くのさ、おっかしーの!」

 

 

「。。。。はぁー」

 

酔っ払ってるくせに、突っ込まれると可愛げのないことをいう英二にアッシュはため息をついた。

 

 

「もう、いいよ。さっさと寝ろ」

 

「試そうとしたんだ。君みたいに。。。やけ酒ってやったことないからさ」

 

「俺みたいに。。。?俺がやけ酒。。。?」

 

「マックスに聞いた。僕に日本へ帰れって言った時に。。。君がやけ酒飲んでたって!」

 

英二の言葉にアッシュは思わず立ち上がった。恥ずかしくて英二の顔を見ることは出来なかった。

 

「あのオッさん!!!余計なことを。。。ペラペラと!!」

 

だが英二は穏やかなトーンで言った。

 

「僕、嬉しかったよ。ありがとう。それだけ君も僕と同じように一緒に居たいって思ってくれていたんでしょ?」

 

「。。。。。まぁ。。。。そうだけど。。。。」

 

「えへへへへー。君がそんな行動とるの珍しいからさ。。。なんか嬉しくって。。。君の帰りを待っているうちに何だか僕も飲みたくなって。。。ちょっと調子に乗りすぎちゃった。。。」

 

 

ふあぁぁとあくびをしたかと思うと、英二は突然ガタッと力をぬいてアッシュにのし掛かるようにしてきた。

 

「な、なんだ?。。。。。寝やがった」

 

グゥグゥと気持ちよさそうに寝息をたてている英二にため息をつきながらも、アッシュは自分の顔が真っ赤になっているのを見られなくてよかったと胸をなでおろした。

 

 

「なんでそんな昔の話をしやがったんだ、あのオッサン!!ふざけやがって!!」

 

今すぐマックスに電話して文句を言ってやろうと思ったが、英二が自分に寄りかかっているので起こすわけには行かない。

 

「チッ、オッサンめ。。。」

 

ブツブツと文句を言いながらも、アッシュは英二を優しく見守っていた。今すぐ寝室に運ぶべきなのだろうが、もう少し彼の温度を感じたくて足元に落ちていたブランケットを英二の肩にかけてあげた。

 

 

アッシュは言葉で自分の想いを伝えるのが苦手だった。感情を殺さねば、生きて行くことなどできなかった。英二はそんな不器用なアッシュを丸ごと包み込んでくれる。きっと言葉にせずとも英二なら気持ちを汲み取ってくれているという自信もあった。

 

だがマックス越しに伝わったかつての自分の言動がこれほど英二を喜ばせるとは意外だった。

 

 

(きっと俺は英二なら分かってくれると甘えていたのかもな。。。)

 

 

ドラマ俳優のように気持ちを全て言葉にすることなどはできそうにないが、英二が喜ぶのならもう少し素直になって良いのかもしれない。アッシュは英二の柔らかい頰を軽くつねってみた。 「うぅん」と顔を背けるが、英二はまだ眠っていた。

 

 

「。。。今日もオニイチャンが無事で良かった。俺、オニイチャンをずっと守る。。。」

 

 

艶のある黒髪を撫でながら、アッシュは優しく呟いた。その顔は先ほどよりもずっと赤く染まっていた。

 

 

「チッ、こんなの言ってられっかよ。。。恥ずかしい。。。」

 

 

ふと英二が飲んでいたグラスが目に留まり、思わずそれを手にして口に含む。

 

「おせっかいオヤジめ、俺にまたやけ酒をさせる気か。。。」

 

頰を膨らませながらアッシュはグラスに残る酒を勢いよく飲み干した。

 

 

*終*

 

 

 

(あとがき)

お読みいただきありがとうございます爆笑!アッシュがやけ酒飲んでたシーン、結構印象的でした。英二に「足手まといだ」とキッパリ告げてたけど、飲まないとやりきれないほど言いたく無かったのかーと思うと何だかちょっと可愛い。イベさんが英二をフォローしてくれてましたが、やけ酒のことはマックスしか知らないからぜひ伝えてもらいたくて。。。後からアッシュに激怒されたと思います。

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らぶばなですほっこり。今回は、モテすぎて困るアッシュを助けるために英二が恋人のフリをするのですが、どうにも調子に乗るアッシュにお仕置きをしようと奮闘するコメディです。ものすごく子供っぽい二人になりましたが。。。お楽しみ頂ければ幸いです。!


 

「君は僕の愛しい人!?」

 

昼下がりの午後、アッシュは街頭で英二達と待ち合わせをしていた。すぐ近くにはセントラル・パークがあり、観光客や公園でのんびりと日光浴を楽しもうとする地元の人々が多く行き交っていた。

 

アッシュは白のシャツにジーンズというシンプルな服装で、携帯をいじりながら英二達を待っていた。不思議なことにごくありふれたファッションも、彼が着て立っているだけでまるでモデルがポージングを取っているように見える。

 

通行人たちはアッシュに気づくとハッと目を奪われていく。女の子の集団がアッシュをチラチラと見て小声で騒いでいて、アッシュ本人もそれは分かっていたが、別のことに意識をとられていた。

 

「遅いな、英二のやつ。。。道に迷ったのか?」

 

もう一度携帯を取り出した。時間には正確な英二が5分遅れていて、しかも連絡が無いのだ。几帳面な彼にはありえないことなので、アッシュは少々不安になってきた。

 

 

(何かあったんじゃないか。。。?トラブルに巻き込まれた?)

 

 

見た目はともかく、子供では無いのだから心配しすぎだと思うのだが、相手が英二だとそうもいかない。

 

 

一人で外出をするなと厳しく言っているので大丈夫だと思うのだが、英二は時々何をしでかすか分からないところがあるだけにやはり心配だった。彼が自分の目の届く範囲に居ない時はとくに落ち着かない。

 

 

(たかだか5分遅れたぐらいで。。。)

 

 

自分でも呆れたが、やはり我慢できずにこちらから電話をしようとした時、三人組の少女達から声をかけられた。

 

 

「あのぉ、地下鉄の入り口を探しているんですけど、分かりますか?」

 

NY観光に来たティーンらしき集団は、道を聞くふりをしてごく自然にアッシュに声をかけてきたようだ。好奇心丸出しの瞳で少女たちはアッシュの翡翠色の瞳や顔をジロジロと見つめてきた。慣れているとは言え、至近距離だと落ち着かない。

 

 

 

「この道を2ブロック進んで右に曲がったところだよ。」

 

 

アッシュは方向を指差して答えるが、少女たちはアッシュから離れるどころか彼を取り囲んだ。

 

「。。。。なに?」

 

 

予想していたが、やはり嫌な予感があたったようだ。アッシュは無表情のまま聞いた。

 

 

「ねぇ、あなた。。。とっても素敵なグリーンアイズね」

 

「あなたの髪、とっても綺麗!」

 

「モデルさんの仕事しているの?」

 

「いくつなの?」

 

少女たちは、瞳を輝かせながらあらゆる方向から質問攻めにしていく。アッシュは返答する余裕もなく、内心ひとりごちた。

 

(おいおい、答えて欲しいのなら順番に質問しろよ。。。)

 

 

「悪いけど、人と待ち合わせしているし忙しいから。。。」

 

そう言ってその場を離れようとしたが、少女たちはさらに距離を詰めてアッシュを逃すまいとした。

 

「えぇッ、ガールフレンドいるの?」

 

「。。。。。」

 

(チッ、何だよこれ。。。)

 

辟易としながらアッシュは小さなため息をついた。ちょうどその頃、英二がようやく約束の場所に到着した。

 

 

「ハァッ、ハァッ。。。遅れたー!しかも携帯忘れたし!」

 

「だから俺たちの携帯使えっていっただろう?」

 

「いいよ、君たちが怒られるの見たくないし。。。彼、どこにいるのかな?」

 

「ボスならあそこじゃねぇの?」

 

ボーンズが指さした方を見ると、金髪の少年の周りに、少女たちが群がっていた。

 

迫られて明らかに困惑している様子のアッシュを見つけ、彼らは立ち止まった。そしてボーッとその様子を少し離れたところで見ていた。

 

「さすがはボス。。。。相変わらずモテモテだな」

 

「たいてい、こうなるよな。。。いつもはサングラスで顔を隠しているけど、今日は忘れちまったのかな?」

 

「アッシュ困ってるね。。。」

 

「うーん、どうしたもんだか」

 

 

見慣れた光景とはいえ、アッシュのモテぶりはすさまじいものだった。

 

いきなり引き離すと少女たちの反感を買いかねない。しばらくこのまま見守っておくしかないのかと思っていたが、アッシュは英二たちに気づいたようだ。

 

 

アッシュは英二にアイコンタクトを送り、顎で合図してきた。

 

「。。。。」

 

英二は一瞬眉間にシワを寄せて何か言いたげな表情をしたが、すぐにコクリと頷いた。そして元気よく「ちょっと行ってくる!」と駆け出した。

 

 

「おい、英二?」

 

「何する気だよ?」

 

ボーンズとコングが声をかけるが、英二は返事をせずにそのままアッシュの元に走り出した。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

「Hi, ダーリン!お待たせ。。。!」

 

甘えるような口調で英二はアッシュの背中に抱きついた。

 

 

その瞬間、アッシュを取り囲んでいた少女たちが固まり、英二に視線が集中した。

 

「エッ?」

 

(誰、この子。。。)

 

 

大きな瞳の可愛い東南アジア系の子供が超絶イケメンを抱きしめている。

 

「ハニー、待ちくたびれたぞ?」

 

先ほどまでの紳士的な態度とは異なり、アッシュはいかにも愛おしそうに英二を抱きしめかえした。そして右手で英二の頭を撫でまわした。

 

「もう!せっかくセットしたのに。。。」

 

英二はクシャクシャになってしまった髪を手で押さえながら上目遣いで睨みつけている。

 

「俺と会う為に?フフフ。。。」

 

至近距離でセクシーに微笑むアッシュを見て、少女達の頰が赤く染まった。

 

 

「あとで俺が直してやるよ、ハニー。。。ご機嫌直して。。。ねっ!」

 

 

アッシュはフニフニとした柔らかい頰に人差し指を軽く差し込んだ。

 

「。。。。。」

 

少女たちはだまって二人のやりとりを見ていた。友達と呼ぶには距離感が近すぎるこの二人の関係性が気になって仕方がない様子だ。

 

(この二人って。。。きっと。。。つきあってるよね。。。!?)

(絶対に割り込めるわけないじゃない。。。。)

(二人ともタイプは違うけど、素敵だな。。。)

 

 

「ハニー、まだ怒ってるのかよ?仕方ないなぁ。。」

 

ニヤニヤと笑いながらアッシュは英二の頰にチュッと音をたててキスをした。

 

「。。。だ、ダー。。。リン。。。」

 

英二は目を丸くしながら固まっていたが、思い切り少女たちに見られていたことに気づいた。顔を真っ赤にさせて恥ずかしさのあまりにアッシュの胸にうずくまってしまった。

 

 

 

「キャ〜!!」

 

(あの子の反応。。。可愛い!)

 

周囲に小さな悲鳴が響いた。

 

 

「ほら、行こうか。。。失礼!」

 

「。。。。。」

 

英二の肩を抱きながらアッシュは少女たちの間を割ってその場を去った。二人の背中を少女達は立ちすくんだままぼんやりと眺めていた。

 

 

 

そのまましばらく歩いていたが、完全に少女達から見えなくなると英二は立ち止まった。

 

「アッシュ!!!」

 

恥ずかしさと怒りで頬を膨らませたまま、英二はアッシュを睨みつけた。

 

「んー?」

 

何でもなかったような素振りをする親友を見て、英二はますます怒りのボルテージが上がっていく。

 

「何なんだよ、さっきのは!頬にキスするとか。。。聞いてないぞ? こっちは慣れない恋人のふりをするだけでも精一杯なのに!」

 

「まぁまぁ。。。効果あったじゃないか。おかげであの子達から逃げることができたよ」

 

「君って人は。。。毎回毎回僕のことを利用して!」

 

「だって、ああするのが一番早いんだモン。オニイチャンには感謝しているんだよ?。。。助かった」

 

素直に感謝されて、これ以上怒ることもできず、英二はため息をついた。

 

「君、なんだか楽しそうだよね。。。毎回毎回。。。」

 

「そう?どうせならリアリティのある方が面白いだろう?」

 

アッシュはククッと笑った。

 

 

 

 

一般人からモテまくるアッシュはしょっちゅう声をかけられる。トラブルを避け、最も効率よくその場を離れる為に「恋人のふり」をしてほしいと、アッシュに頼まれていた。英二は「まぁ。。。それぐらいならいいか!」と軽いノリで引き受けていたのだ。

 

 

恋人のいない英二にとってはどうしてよいか分からず困ったが、「俺がリードするから声をかけてきてくれ」と頼もしく言うので彼を助けるためにあくまで善意でOKしていた。

 

童顔でしかも同性である英二がアッシュの恋人のふりをすると効果覿面だった。大抵の場合、一般人は「そうなのか」と理解してさっさとその場を離れていく。はじめはアッシュの手助けができて嬉しいと素直に喜んでいた英二だが、このところアッシュの要望が難しくなってきた。

 

 

『ハニーまたはダーリンと呼べ』だの『必ず抱きついてこい』だの『もっと愛しそうに見つめてこい』だの、恋愛初心者の英二にはかなりハードな内容だった。だが、真面目な英二はアパートでアッシュと練習を繰り返し、本番では見事な演技力を発揮していた。だが、更にアッシュはアドリブで予想外の行動に出てくるので安心できなかった。

 

 

(なんか。。。要求が激しくなるし、アッシュのやつ、どうもボクを揶揄っている気がする。。。)

 

少しずつ不信感を英二は抱き始めていた。

 

 

 

 

翌日、またも女性にナンパされたアッシュは、英二にシグナルを送ってきた。だが、目の前に現れた英二を見た女性は目を輝かせた。

 

「可愛い!私もこんな可愛い恋人が欲しいわ!」

 

英二を褒められて調子にのったアッシュは「そうだろう?こいつは本当に可愛いぜ」と英二の尻をムギュッと撫でた。

 

「ウワァァッ!何すんだよっ!もう!」

 

英二は思わずと大声をあげてしまった。その様子を本当に面白おかしくアッシュが笑いをこらえているのを見て、英二は呆れるやら恥ずかしいやら腹立たしいやら何とも複雑な気持ちになってきた。

 

(恋人同士でも、人前でこんなことするのか?しかも男同士だぞ。。。?)

 

 

 

 

 

「フゥーッ。。。」

 

アパートにもどり、コーヒーを飲みながら英二はため息をついた。アッシュはコンピューターにむかって何か調べ物をしている。

 

 

「今日も助かったよ、英二。いやぁ、おまえのおかげで面倒が減って嬉しいぜ」

 

画面を見たままアッシュはお礼を言った。

 

 

「。。。君、楽しんでるだろう?最近呼び出される回数が増えた気がするんだけど?」

 

 

「悪かったな、どうにもこうにも、毎日モテてモテて困るもんで。。。。」

 

 

「ものすごく嫌味に聞こえるよ」

 

 

 

経験値の差が何とももどかしく、だからと知って年上のプライドもある。英二はこのまま好き放題されるわけには行かないと腕を組んで対策を考えはじめた。

 

(アッシュ、次は見てろよ!年上をからかうとどうなるか知るがよい!ふふふ!)

 

 

 

 

 

***

 

 

「ねぇ、君、イケてるわね。うちの専属モデルにならない?」

 

 

数日後、街を歩いていたアッシュは雑誌編集者だと名乗るビジネスウーマンに名刺を渡された。

 

 

「興味ないので、結構です」

 

無表情のままアッシュは名刺を女性に押し付けて返却した。

 

 

「バイト代はずむわよ!君ならすぐに売れっ子になるわ!うちは業界大手だから。。。」

 

滅多にいない美少年をなんとかモノにしようと女性は必死にアッシュに食らいついてきた。

 

 

「”売れっ子”ねぇ。。。もう経験済みだよ。」

 

自嘲するかのようにアッシュはフッと笑う。

 

 

「。。。。え?」

 

意味が分からず女性は首を傾げたが、少年の表情が変わったことに気がついた。

 

 

「なぁ、うざいから消えてくれない?」

 

静かな口調だったが、少年の目は怒りの炎、今にも人を殺しそうなほどのオーラを放っていた。

 

 

「ヒッ!」

 

背中がゾッとするほど恐怖を感じた女性はアッシュから離れていった。

 

 

「。。。。チッ」

 

 

 

アッシュは舌打ちして歩き出したが、今度は自分を舐め回すような視線を感じた。振り向くと上質のスーツを着たお金持ちそうな紳士がアッシュの方を見ていた。ヒゲを生やしたその男性は穏やかな笑みを浮かべてアッシュに話しかけてきた。

 

「大変だったね、よければ一緒にお茶でもして気分転換するかい?」

 

 

「ヤラシー目で見んなよ、おっさん。あんたみたいな奴に限ってベッドで態度が豹変するのは分かってんだよ」

 

 

「。。。なっ!」

 

 

「死にたくなければ、俺に関わるな」

 

 

銃をチラつかせると、男性は無言のまま慌ててその場を去っていった。

 

 

「どいつもこいつも。。。」

 

最悪の気分のまま歩き出すと、「すみません」と再び声をかけられた。

 

相手をするのが煩わしくて無視しようとしたら、運悪く若い女性の集団だった。

 

 

(チッ、一番面倒な連中じゃねぇか。。。)

 

アッシュが最も苦手とする対象だった。一人では声をかける勇気がないくせに、集団だと強気になるのだ。

そして一度つかまれば質問ぜめにあい、相手が満足するまで離してもらえない。脅しをかけると誰かが警察を呼んだり、または助けを求めて騒いだりと面倒なことにもなりかねない。

 

(英二。。。。)

 

こういう時に英二が恋人のフリをしてくれると非常に助かるが、最近自分でも調子に乗りすぎたことをアッシュは自覚している。

 

反省していたアッシュは英二を呼ぶことを躊躇していた。

 

 

(なんとか切り抜けるか。。。)

 

 

その時、聞き慣れた声が遠くから聞こえてきた。

 

 

「オーイ!クリスー!」

 

 

それは英二だった。あの不思議なノリノリという鳥のシャツを着ている。彼は満面の笑みでこちらに向かって走ってきている。そしてやや離れたところでボーンズとコングが見守っていることに気がついた。

 

 

「え。。。?どうして?」

 

 

あれほど嫌がっていたのに、自ら進んで手助けにやって来た英二の意図がよめず、アッシュは混乱した。

 

 

「ダーリン! 待った〜?」

 

英二は上機嫌で、普段よりも甘い声をだしている気がした。

 

アッシュの胸にドーンと飛び込むと同時に、英二は”ダーン!”とアッシュの右足を思い切り踏みつけた。

 

「ウグッ。。。」

 

(いってぇー!何すんだよ!)

 

その衝撃に思わずアッシュの表情が歪んだが、なんとか堪えた。ニヤニヤと笑う英二を見て、これは日頃の仕返しだとすぐに気がついた。

 

 

「あ、会いたかったぜ、ハニィー。。。」

 

不意打ちを食らったが、いつものように爽やかな口調でアッシュは挨拶をかえした。

 

少女達からは英二の背中しか見えていないことをいいことに、英二の顎を指でつかみ、自分の方に向けた。いわゆる”顎クイ”をした後、アッシュは英二の両頬に親指と人差し指でギリギリ。。。と掴んだ。

 

英二はタコのように口をすぼめながら痛みと恥ずかしさに涙ぐんでいた。

 

「い、イデデデ。。。」

 

(くそー、負けてたまるものか!)

 

 

体育会系の英二は今こそ日本人の根性を示す時だと再度気合いを入れる。

 

 

「ウグッ。。。寂しかったよ、ダァーリン!」

 

英二は必死に耐えるが、目元はピクピク、何ともブッサイクな顔だが抱きしめられてるので周りからは見えない。堪えるために顔を擦り付けながらアッシュの両脇に爪をたてた。くすぐったい敏感なところを刺激されたアッシュが今度は耐える番だ。

 

 

「あははははっ!ははは!このぉー!」

 

 

涙目になりながら、英二の頭を両手で抱え込むふりをする。そして両腕の親指を英二の”こめかみ”に移動させ、グリグリと指を回しながら刺激する。

 

 

「ググググ、フッツフフフフ!!」

 

(わぁー、そんなところ刺激するなよな!)

 

 

背中に回していた手を片方だけ離した英二は、握りこぶしをつくり、アッシュのみぞおちに重いパンチをくらわせた。 

 

 

「ブハッ! ハッハハハ。。。ハニー!!いけない子だなぁ!」

 

仕返しとばかりに、アッシュはまるでキスするかのように英二の顔に近づいて。。。目の前にある英二の鼻にガブリと噛み付いた。

 

 

「!!!!」

 

 

英二は驚きで声を出すことができなかった。ペロリと舌なめずりするアッシュを見て、英二はムッとした。

 

(今度は僕の番だ!)

 

背伸びをしながらアッシュの肩に頭をのせ、少女達からみえないよう彼の肩にガブリと噛みついた。

 

 

「ンググググ。。。 そんなに甘えられるとたまらないぜ。。。!(痛いぜ!)あぁ、今すぐ帰って、ベッドにダイブしよう!(そしてレスリングで勝負だ!)」

 

 

「のぞむところだ!大和魂を舐めるなよ!? 僕がどれだけすごいか」

 

 

恋人のふりをしながら、実際はどうでもよい喧嘩をしている二人のただならぬ雰囲気に少女達は戸惑っていた。

 

 

「なんか異様な雰囲気だね。。。」

「妙なカップルなのかも。。。」

「近づくと怖いわ、早く行きましょう」

 

 

危険を察知して少女達が離れたことに気がつかないまま、アッシュと英二の戦いは部下が呼びに来るまでずっと続くのだった。

 

 

 

*終*

 

 

 

(あとがき)

お読みいただきありがとうございます爆笑!今回は、ムキになってやり返えす子供っぽい二人を表現したいなぁと思いました。ちなみにアッシュが英二を殴るようなことは全く想像できませんでした(その反対ならなぜか想像できるんですけど。。。笑。もちろん手加減してね)体育会系だからちょっとやんちゃな英二が見たいなぁと。。。喧嘩するほど仲が良いというか周りからみたらイチャイチャ?しているように見えるのかな?

よければ小説へのご感想、リクエスト等お聞かせくださいね。

 

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らぶばなですほっこり。心の深い闇に苦しみ落ち込むアッシュを一瞬で救い出す英二を表現したくて創作しました。オーサー戦で、アッシュは英二に「お前に見ていられたくないんだ!」と叫びましたが、あの一言からアッシュの心情や環境などを勝手に妄想したお話です。アッシュにちょっかいだすモブ女性が出てきますが、ご了承ください。お楽しみ頂ければ幸いです。!


「闇夜から救い出す温かい光」

 

 

パーカーのフードを深く被り、ジーンズのポケットに両手を入れたままアッシュは帰り道を急いでいた。1日の労働を終え、それぞれの家路に向かう車で道路は混雑しており、歩道もそこそこ人が歩いていた。

 

 

今夜の気分は最悪だった。裏切った仲間を2人処分した。返り血を浴びた手は洗ったが、まだこびりついている気がする。肌にまとわりつく汗ばんだシャツが不快でたまらない。早く帰ってシャワーを浴びたいと思っていた。

 

 

ようやく59丁目のアパートが視界に入った。だがなぜか足が思うように進まない。

 

(。。。帰りたくない)

 

アッシュは先ほどと真逆のことを考え始めていた。

 

足は完全に止り、地上から部屋を見上げた。明かりを確認する。あそこにはいつも太陽のように明るい笑顔と優しさで自分を包んでくれる友人がいる。

 

一刻も早く彼の顔が見たくて戻ってきたのに、いざとなれば足がすくんだ。アッシュは手で拳をつくりギュッと握りしめた。

 

 

「俺の手は。。。汚れている」

 

 

(。。。帰れない、あいつに見て入られたくないんだ。。。)

 

どんな状況でも英二が自分を温かく迎えてくれるのはわかっていた。だが、人の命を奪ったばかりの今夜の自分がひどく情けなく、恥ずかしいと感じた。

 

 

くるりとアパートに背を向け、アッシュは再び暗く細い夜道へと戻っていった。

 

 

 

***

 

 

 

 

 

シマの中にあるバーにアッシュはフラリと立ち寄った。カウンターに座り、バーテンに強い酒を頼んで勢いよく飲み干す。

 

酒の力を借りて嫌なことを忘れようだなんて普段の彼は絶対にしなかった。そんなことをしても忘れることなどできないし、むしろ隙を作って自分を危険にさらす可能性すらあるからだ。

 

そんなこと分かっているはずなのに、アパートにいる英二の顔が浮んだ途端、帰れなくなった自分の情けなさが虚しくてたまらなかった。それをごまかすようにアッシュは新たに一杯注文した。

 

 

「。。。珍しいね」

 

 

そっと目の前に新しいグラスが置かれた。バーテンは視線を合わせず、空のグラスを下げた。

 

 

「あぁ。。。」

 

気だるそうにアッシュは無気力な表情で答えた。疲弊した体にアルコールが染み込んでくるような気がする。強張っていた体が少し緩んできた。

 

 

カラリと音をたてる氷を眺めながら、ふと思う。

 

(あいつ。。。今頃何しているんだろう? 俺のこと待つつもりなのかな。。。?)

 

 

英二は毎晩遅くに帰宅するアッシュを待って起きていることは知っていた。何度も寝るように言ったのに、頑として嫌だと言う。

 

しかめっ面のままアッシュは英二に理由を聞いたら、彼は「。。。だって君に”おかえり”と言いたいから」と笑顔で答えた。

 

 

「。。。フフッ」

 

 

(変なやつ)

 

 

アルコールが入って少々気がゆるんだせいか、アッシュは思い出し笑いをしてしまった。

 

 

 

ふと肩に誰かの手が触れるのを感じて肩先をチラリと見た。 細い指先から綺麗に手入れされたマニュキュアが光っていた。

 

 

「ハーイ、アッシュ。今夜はご機嫌なのね」

 

 

馴染みの女性客が声をかけてきた。黒髪で彫りの深く、しっかりと描かれた太めの眉と、大きくて力強い目もとが印象的なラテン系の女性だった。

 

 

普段なら面倒ごとを避けるために”近づくな”と女性陣にオーラを出しているし、子分に相手をさせているのだが、一人きりでしかも笑顔を浮かべたアッシュを見て彼女は勘違いをしたらしい。お近づきになるチャンスを逃すまいと擦り寄ってきた。

 

「私、アナよ。」

 

「。。。ハーイ、アナ。」

 

「あなたとずっと話したいと思っていたの。」

 

「へぇ。。。」

 

無関心そうにアッシュは答えたが、アナの黒髪に視線を向けた。顔も性別も全く違うが、大きな瞳と黒い髪を見ると心がざわついてくる。

 

 

「一緒に楽しく飲みましょうよ。」

 

「俺と飲んでも楽しくなんかないよ。他の男にしておきな」

 

「そんな事ないわよ!そうね、今日は何していたの?」

 

アナの問いにアッシュはフッと自嘲するように笑う。

 

「。。。そうだな、ついさっき裏切りものを2人殺した。」

 

「エッ。。。!」

 

アナの顔が凍りついた。

 

「あんた、俺が何者か知って近づいてきたんだろう?何をビビってんだよ」

 

「え。。。あの。。。それは。。。」

 

「詳しく話してやろうか?あいつら俺に銃を向けられて”助けてくれ、ボス”って命乞いしたんだけど、俺はあいつらの脳天に。。。」

 

 

「ーいや、やめてっ!」

 

アッシュは無視して話し続けた。酔っているくせにするすると口は動いた。

 

「。。。あいつら俺を騙してドラッグを打とうとしやがった。殴りつけてそいつらの持ち物を調べたら、やらしー道具がたんまり出てきた。。。きっと俺を薬漬けにしてレイプしようとしたんだろうなぁ。。。アハハ!残念だったな!」

 

 

目の前の少女の顔は真っ青だった。

 

「酔ってる俺ならイケるって思ったの?あんた、俺をレイプするつもりなの?」

 

ケラケラとアッシュは笑った。怒りなのか恐怖なのかわからないが、アナは肩を震わせた。

 

「もう聞きたくないっ!私が鬱陶しいからって。。。そんな作り話までして。。。最低よっ!」

 

 

アッシュを襲おうとした連中と同じ扱いをされたのがよほど気に入らなかったのか、アナは近くにあった椅子を蹴っ飛ばしてバーから去っていった。酒であろうがドラッグであろうか、”アッシュ”を自分の思うがままにコントロールして抑圧しようとする行為はレイプと同じだとなぜ気がつかないのだろうか。

 

 

「。。。ふぅっ、やっと消えたか」

 

 

鬱陶しいハエを追い払うことができたと言わんばかりに息を吐き、アッシュはまた無表情のまま酒を飲み始めた。

 

 

(作り話なんかじゃねぇ。。。。全部本当だっての。。。)

 

 

アッシュは心の中で静かにつぶやいた。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

酒の量が増えても心は晴れない。酔うこともできず、むしろ虚しさが増すばかりだった。アッシュはカウンターに肘を付き、ぼんやりとしていた。

 

 

「旦那、大丈夫かい?」

 

 

「。。。。うるさいな。」

 

 

「おっかねぇ顔だな。撃たないでくれよ?」

 

 

「ふん、静かに仕事してろ。あと、女を近づけるな」

 

 

「分かったよ」

 

 

不機嫌なアッシュに近づいては危険だと判断したバーテンは、少し距離を開けて他の客(特に女性)がアッシュに近づかないよう目を光らせることにした。

 

 

アッシュは携帯を確認した。そろそろ英二はベッドに入っただろうか。せめてソファで寝るようなことはやめてほしいと願いながら、彼に「遅くなるから先に寝てろ」と送るかどうか迷っていた。

 

 

(送っても。。。あいつ、頑固だからきっと。。。)

 

 

勢いよくバーのドアが開き、数人の客が入ってきた。

 

 

「おいっ!やめとけよ!」

 

「ボスに今近づかない方がいい!」

 

 

何やらもめているようだが、アッシュは興味がなく振り返らなかった。

 

だが、その客のだれかが「英二」と言ったのを聞いてアッシュは勢いよく振り返った。

 

 

すると、目の前には仁王立ちで睨んでいる英二がいた。背後にはボーンズとコングの困惑した顔が見えた。

 

 

「英二? おまえ。。。なんでここに。。。」

 

 

英二はフグのように頰をムムムッと膨らませている。

 

「帰るよ、アッシュ!」

 

そう言いながらアッシュの腕を引っ張りだした。

 

「お、おいっ!何するんだよ!」

 

「君、どれだけ飲んでるの?酒臭いよ。さっさと家帰ってシャワー浴びよう!」

 

「俺は。。。」

 

言いかけた言葉を遮るように、英二はアッシュの頭をぐしゃぐしゃに撫でながら「コラッ!オニイチャンの言うことを聞きなさい!」と偉そうに言う。

 

「英二、俺はまだ帰らない。。。」

 

どこか拗ねたように口を尖らせそっぽを向いたアッシュを見て、英二はアッシュの耳を掴んだ。

 

「はぁー?何言ってんの?よく聞いて!君の帰る家はちゃんとあるんだからね!僕と帰ろう!」

 

そう言いながらアッシュの耳を引っ張る。

 

「イテテテ!分かったから離せ!離せ!」

 

英二に耳を引っ張られながらアッシュは一切抵抗せずに立ち上がった。そしてああだこうだと言いながら英二とともに店を後にした。

 

 

バーテンやその他の客は突然現れた童顔の子供みたいなアジア人が、あの白い悪魔と恐れられているアッシュをあっという間にかっさらって行き、そしてアッシュが大人しく従ったことに驚き、呆然としていた。

 

 

「。。。なんだ、あのガキは。。。」

 

 

ボーンズがバーテンに向かってウインクした。

 

「ボスはお迎えが来たから行くわ。。。今夜の分はツケにしておいてくれ。邪魔したな」

 

 

 

***

 

 

 

いろいろあったが、アパートに全員戻ってくることができた。

 

 

「英二、おまえどうして俺があそこにいるって分かった?」

 

「君の帰りが遅いから心配で一階のロビーから君の姿が見えるかなと思って行ったら、ドアマンが”君の姿を見たけど、どこかへ行ったと言うんだもの。」

 

 

「それでコングとボーンズを呼び出したってわけか」

 

アッシュは巻き込まれた子分を少し憐れみの目で見た。

 

 

「へぇ。。。」

 

「ボスがどこにいるか教えろってしつこいんで。。。たぶんいきつけのバーだと言ったんす。そしたら連れて行けって。。。」

 

 

アッシュはため息をついた。

 

「分かった。もうお前たちは帰れ」

 

 

「へ、へぇ」

 

「わかりやした!」

 

 

叱られずに済んだ子分たちは慌ててアパートを出た。

 

 

「ありがとー!二人とも!気をつけてね!」

 

手を振りながら英二は二人にお礼を言う。その姿を見て、アッシュは再びため息をついた。

 

「本当にお前は。。。」

 

「なんだよ?」

 

じろりと睨みつける英二の頭を今度はアッシュがグチャグチャに撫で回した。

 

 

「あー、せっかく乾かしてあるのに!」

 

「うるせ、仕返しだ。」

 

 

「君、さっさとシャワー浴びておいでよ」

 

怒っているかと思ったが、なぜか英二は満面の笑顔だった。

 

 

「。。。。?怒らないのか?」

 

 

「ん? 何が?。。。君が無事に帰って来てくれて嬉しいだけだよ」

 

 

「。。。。おまえは、おれのお袋か!」

 

 

嫌味っぽく言ったつもりだが、英二は全く気にする様子もなく当然と言った感じで答える。

 

 

「ははは、そんなものかも知れないねー。一緒に暮らす”弟”が帰ってこないと心配するもの」

 

 

「。。。。なぁ、俺。今日。。。。」

 

 

アッシュはうつむきながら今日起きたことを話そうとした。だが、英二は肩をポンと優しく叩いて遮った。

 

 

「アッシュ。まずはシャワー浴びておいで。疲れただろう?。。。なっ?」

 

 

優しい視線を向けられ、アッシュは素直に従った。

 

「分かった。。。。」

 

 

 

***

 

 

熱いシャワーを浴び、スッキリとしたアッシュに英二は水の入ったグラスを渡した。

 

 

「Thanks」

 

 

受け取って口に含む。何の味もしないただの水だが、先ほどのバーで飲んだ酒よりも美味く感じるのはなぜだろうか。

 

 

 

「明日、ボーンズとコングに謝っておいて。迷惑かけたから」

 

 

「あぁ」

 

 

「それと。。。話したいことがあるならもちろん聞くけど、話すのが辛いなら無理にそうする必要はないよ」

 

 

「でも俺は。。。っ!」

 

アッシュは拳を握りしめた。

 

 

「君がそうしたいと思うまで、待つから」

 

英二はまっすぐアッシュを見つめた。濁りのない透き通った黒い瞳だ。どこまでも正直で優しく包み込んでくれる。。。。色は違えど、亡くなった兄の姿が頭に浮かんだ。

 

 

「!!」

 

 

「オニイチャンの忍耐力をなめるなよ?」

 

ニヤリと笑うが、アッシュはわざと揶揄う。

 

 

「。。。。よく言うよ、さっきはバーに飛び込んできたくせに」

 

 

「あ、あれは。。。君が無茶していないか心配だったからで。。。また別というか。。。」

 

バツが悪そうにモゴモゴしている英二を見て、アッシュはフッと笑った。

 

 

「嬉しかったよ。おかげでこれ以上ナンパされずにすんだ」

 

「な、ナンパァ!?」

 

「なんだよ、そんな珍しいことじゃ。。。あぁ、シャイなオニイチャンはナンパなんて出来ないよな?」

 

「ぼ、僕だってナンパ。。。したことあるよ!」

 

真っ赤になって言う英二にアッシュは驚きの色を隠せない。

 

「何?どこで?どんなふうにしたの?どうなったの?」

 

質問ぜめにあった英二は困り顔で答えた。

 

「ショーターに教えてもらって。。。」

 

「。。。ったく、余計なこと教えるなっての。。。」

 

「どう言う意味?」

 

「いや、心配事が増えるだけだからね。。。オニイチャンの恋路を邪魔したいわけじゃなくて。。。」

 

「バカにしているだろう?」

 

「とんでもございません」

 

どうでも良い馬鹿げた話をしているだけなのに、アッシュは自分がリラックスしているのを感じていた。

 

(なぜこいつと一緒にいると落ち着くんだろう)

 

危険と隣り合わせの日々の中、1日でも1時間でも1分でも長く彼と過ごせる時間が続くことを心のそこから願う。

 

 

「ン? どうしたの?」

 

 

何かを敏感に察した英二が気遣うように大きな瞳でアッシュをじっと見てきた。

 

 

「オニイチャン、たまには兄弟仲良く一緒のベッドで寝ない?あ。。。でも、妙なことしないでね」

 

「妙なことってナンだよ!。。。ちぇっ、甘えん坊の弟に頼まれたら仕方ないなぁ。」

 

なんだかんだいって英二はアッシュに甘いのだ。そしてアッシュを懸命に支えようとする英二の優しさが、アッシュの中では「唯一の支え」になっていた。

 

アッシュの抱える苦しみは変わらないが、希望の光がそばにあることで彼は生きていけると感じていた。

 

 

英二は「そうだ!」と目を輝かせながらアッシュに提案する。

 

「じゃぁさ、トランプでもしよーぜ。負けた方が朝食を作るってのはどう?」

 

「いいね、でも俺が負けたらオニイチャンが起こしてくれよ?」

 

「えぇっ!その時点でランチになってるよー」

 

ケラケラと笑いながら二人は寝室のドアを閉めた。

 

 

 

*終*

 

 

 

(あとがき)

お読みいただきありがとうございます爆笑オーサー戦で、アッシュは英二に「お前に見ていられたくないんだ!」と叫んだあの一言から妄想したお話です。よければ小説へのご感想、リクエスト等お聞かせくださいね。

 

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らぶばなですほっこり。短編読み切りのお話です。アッシュがもし女性だったら、朝のあのシーンはどうなるのかな。。。というおふざけ妄想話です。


BANANAFISH 二次小説

 

「Lovely morning」〜目覚めの悪い親友を起こすとなぜか女性になっていた〜

 

 

 

59丁目のアパートにて、朝食の用意を済ませた英二は勢いよく寝室のドアを開けた。

 

寝坊助の親友を起こすために気合いを入れる。彼を起こすのはかなり大変だ。すでに何度か声をかけてはいるが、全く無反応である。

 

「おはよう、アッシュ!いつまで眠っているんだよ?もうこれで3回目だ!」

 

アッシュはシーツを頭からかぶってミイラ状態になっている。

 

「う。。。んん」

 

くぐもった声が聞こえてくるが、やはり起きる気配はない。

 

 

「昼になっちまうぜ? ほら、さっさとシャワー浴びてこいよ!」

 

シーツを引っ張ると金色の髪がみえた。だが違和感を感じて英二はじっと彼の美しいプラチナブロンド頭髪を見た。

 

 

「。。。あれ? なんで髪伸びているの?」

 

 

おかしい。アッシュはショートヘアのはずなのに。

 

不思議に思った英二は、力を込めてむりやりシーツから彼を引きがはした。ゴロゴロっと転がりながら彼は仰向け状態で現れた。

 

「!!!」

 

ふだんの彼はほとんど裸で(パンツだけ履いて)眠る習慣がある。英二もそれにすっかり慣れているので何も思わないのだが、目の前にいるのは上半身に何も身につけていない金髪ロングの女性だった。

 

突然豊かな胸があらわになり、英二は飛び上がりそうになった。驚きすぎて声もでなかった。

 

マシュマロのように白く柔らかそうなその胸は、当然ながら男である自分の胸とは全く違う。

腰も細くキュッとくびれていてまるで彫像のような完璧な体つきだった。かろうじて下半身はボクサータイプのパンツを履いていたものの、太ももから足首にかけてのラインも美しい。

 

美術館で見る裸婦像と違って、至近距離で見える本物の女性の裸はあまりに生々しく、英二にとっては刺激が強い光景だった。

 

 

英二はベッドから後ずさりしながら、女性から距離をとった。

 

 

「。。。あわわ。。。ひえ。。。ど、どうしよう!」

 

(なんで女の子がいるの!しかも裸?)

 

 

軽くパニックになりながら、慌てて目を背けながらこの事態をどうするか考え始めた。

 

 

(まずはシーツをかけて、元に戻さなくちゃ!)

 

恐る恐るベッドに近づき、おっかなびっくりシーツを掴み、できるだけ女性をみないようにそっと上からシーツをかけた。

 

 

「んー」

 

横向きに寝返りをうちながら女性は穏やかな寝息をたてている。

 

 

「ふぅー。。。」

 

英二は床に座り込み、顔から流れる冷や汗を服の袖で拭いた。

 

 

「一体何なんだよ?アッシュはどこに行ったんだ?あの子は誰。。。?」

 

 

(まさか、昨晩女の子をここに連れ込んだ? 僕が隣で眠っているのに。。。?)

 

 

卑猥な妄想をしそうになったが、英二は即座に否定した。

 

 

(アッシュはそんな奴じゃないよ。きっと何か理由があるんだ。。。)

 

 

「とにかくアッシュを探さなくちゃ。。。アレックスなら居場所を知ってるかな?」

 

 

ぶつぶつと独り言を話していた英二の両脇から突然両手がニュッとでてきた。

 

「わっ!」

 

完全に油断していた英二は人の気配に全く気がつかなかった。そして背後から誰かに抱きしめらたと同時に英二は硬直した。背中に女性の胸の感触がしたからだ。

 

「オニイチャン、何ブツブツ言ってんの?ボケるにはまだ早いよ」

 

 

アッシュのベッドに寝ていた女性が、なぜか上半身裸のままで英二に抱きついていた。

 

 

「あ。。。あの。。。! 離して。。。くださいっ!お願いします!!困ります!」

 

 

英二は決して後ろを振り向こうとせず、耳まで真っ赤になりながら 困り口調で訴えかけた。

 

 

だが、その願いは叶わず、ますます女性は密着してきた。

 

 

「ん? 何言ってんの?オニイチャン。暑くて脳みそが溶けてきたのか?」

 

冷静に考えるととんでもなく酷いことを言われているのだが、そんなことを構う余裕は全く英二にはなかった。

 

 

「は。。。裸だから。。。! 何か着て。。」

 

「裸? いつもの格好だろうが」

 

「いつもの。。。? 君はいつもアッシュとそう言うことしてるってこと?」

 

混乱のあまり、質問の内容がかなりプライベートなことになっているが、英二は思ったことをそのまま聞いてしまった。

 

 

「。。。はぁ? 誰と勘違いしているの?アッシュは俺だろう、忘れたの?この顔」

 

そう言って、女性はゆっくりと英二から離れた。

 

「。。。え!?」

 

振り返った英二は、改めて女性の裸を見てしまい、先ほど背中に感じた柔らかな感覚を思い出してしまった。

 

 

「ーきゃぁぁぁ!」

 

女性のような叫び声をなぜか英二は発し、その身は後ろにゆっくりと倒れていった。

 

(また胸を見てしまった。。。あ。。。意識がとびそう。。。)

 

 

薄れていく意識の中で、初めて真正面からみたその女性の顔は 自分がよく知るアッシュそのものだった。

 

 

(あぁ、綺麗だな。。。まるで天使みたいだ。。。)

 

 

 

「英二!!」

 

 

女性が慌てて英二の体を受け止めたが、英二は意識を失っていた。

 

 

 

 

***

 

 

 

「。。。英二、英二。起きろ、こんなところで眠ると風邪ひくぜ?」

 

 

「。。。ん?」

 

 

背中を揺すられて、英二は目を覚ました。ダイニングテーブルに突っ伏していつの間にか居眠りをしていたらしい。まだ手をつけられていない朝食のメニューが並んでいる。

 

 

目の前にいたのは、いつも通りの”男”のアッシュだ。いつものように上半身は裸でパンツだけを履いている。

 

 

「あれ。。。君、起きたの?」

 

 

目をこすりながら英二は起き上がった。

 

 

「あぁ、いまからシャワー浴びてくる」

 

逞しい体つきの少し筋肉質なその体つきを見て、英二は心底ホッと胸をなでおろした。

 

 

「そっか。。。よかった。。。夢だったのか。。。」

 

(これで安心して過ごせるよ。。。)

 

 

英二の様子がおかしいことに気づいたアッシュはジーーッと英二の顔をみている。

 

 

「夢って? 何のこと?」

 

 

「あぁ。。。変な夢みたんだよ、君が女の子になっちまって裸でベッドに寝ているもんだから。。。」。

 

 

安堵したせいか、英二は言わなくても良いことまでペラペラとおしゃべりしてしまった。すぐに後悔したが、アッシュはニヤニヤ笑いながら英二にすり寄ってきた。

 

「。。。オニイチャンのエッチ! 朝からそんな卑猥な夢をみるだなんて!!」

 

「なっ。。。!!」

 

英二は少し罪悪感を感じながら

 

「で? 裸の俺と何したの?」

 

アッシュがわざと揶揄ってくる。

 

「何もしてないよ! ただ君が。。。」

 

本当のことを話すわけにもいかない英二は口ごもった。

 

「俺が。。何?」

 

「な、何でもないよーさっさとシャワー浴びてこい!」

 

うろたえる英二の反応が面白いのか、アッシュは首を左右に振った。

 

「嫌だ、面白そうだから聞きたい」

 

「絶対に言うものか!」

 

「聞かせてよ」

 

「いーやーだ!」

 

「やっぱり人に話せないようなエッチなことなんじゃないか!」

 

しつこく聞いてくるアッシュに苛立った英二は椅子から立ち上がった。

 

「いい加減にしろ!年上をからかう奴には朝ごはんを全部納豆料理にしてやるぞ!?」

 

それを聞いて、アッシュの顔色が変わった。

 

「エッ、それは勘弁して。。。」

 

「じゃぁ、10秒以内にバスルームに移動すること!」

 

「はいはい」

 

 

いそいそとアッシュはキッチンから移動したが、ドアを閉める際にひょこっと顔をだした。

 

 

「女の俺”も”綺麗だったか?」

 

英二はほとんど自棄になりながらもハッキリと答えた。

 

「あぁそうだね、信じられないぐらいに綺麗だった。きっと僕は君に惚れちまっていたと思うよ!」

 

「!!!」

 

アッシュの顔に驚きが浮かんだ。嫌味の言葉が来るだろうと英二は思っていたが、なぜか何も口攻撃してこない。

 

 

「?? どうしたの?」

 

 

「いや。。。その。。。」

 

 

「変なの。コーヒー作って待ってるから、さっさと入っておいで」

 

 

「あぁ。。。」

 

アッシュは大人しくダイニングから姿を消した。

 

今度はアッシュの耳が赤くなっていたことに英二は気が付いていなかった。

 

 

*終*

 

 

 

(あとがき)

お読みいただきありがとうございます爆  笑 。シャイな英ちゃんには刺激的だったようですが。。。最後にはアッシュも巻き添え?をくらったかな。。。。よければ小説へのご感想、リクエスト等お聞かせくださいね。

 

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みなさま、こんばんは。らぶばなです爆笑音譜。久しぶりの更新になりました爆  笑

 

実はこの一週間、吉田秋生先生のカリフォルニア物語 文庫版 を読んでいたんですウシシラブラブ

  下矢印下矢印下矢印

文庫版って読み応えありますねキョロキョロあせる 

 

ずっと気になっていたこの物語。。。らぶばなの友人で、BANANAFISH大ファンのアンナ(イタリア在住の女性)が「これおススメ!」と勧められていました目

 

お盆休みの間にようやく読破できました!!

 

感想は、シンプルに「楽しかった!」です(笑)。もう、読み始めたら惹きこまれて止まらないストーリーですね。さすがは吉田先生。。。「この後どうなっちゃうの?」とずーっと気になりながら文庫本4巻まで読みましたよ。

 

昔の作品だから絵も今と違うし、NYどれだけ危険な街やねんガーン!と恐怖したり、ボケツッコミの表現が古い笑い泣き(←コメディでは無いんですけどねニコニコ)なぁと思ったりすることはありましたが、今の若者が読んでも絶対に楽しめるはず!

 

 

そして、とっても興味深いキャラクターがたくさん出てきますよー。本当にキャラが個性的で面白いんです照れ(BANANAFISHを先に読んだらぶばなとしては、どうしてもアッシュや英二達と比較してしまうのですがご了承くださいね)

 

ネタバレも含みますので、ご注意くださいね!

 

主人公のヒースは長髪のイケメンでいわゆるお坊ちゃんなんですが、こいつが本当にどうしようもない問題児で。。。(笑)幼い頃に母親と別れ、年の離れた優秀な兄とやたら比較してくる頑固なエリート父親と度々衝突しては問題行動を繰り返すんですよね。

 

家族から愛されているかいつも不安を感じていたんだろうなぁ、反抗期だし。。。ちょっと性格が激しすぎて怖い(絵のタッチのせい?)と思うこともしばしばアセアセ。ヒースの家庭環境に問題があるのはわかるんですけど、「(BANANAFISHの)アッシュに比べたらマシやん」と思ってしまうし、「父親はただ不器用なだけで、息子を愛している」のも伝わってくるんですよね。(アッシュの方が100倍くらい悲惨な生い立ちですから。。。)

 

思春期をこじらせたヒースは高校を中退して家出をし、故郷カリフォルニアを去り、NYを目指します。(その原因の一つになった兄嫁との事件もちょっと切ないなぁ。。。)

 

途中のテキサスでヒースは NY出身で2歳年下のイーヴと出会い、カリフォルニアに憧れる彼はなぜかヒースに懐いて一緒にNYに向かいます。なんで?って思いましたが、このイーヴの生い立ちが可哀想で。。(まさに子供時代のアッシュのようです)どこまで残酷なの?ってぐらい彼の育った環境は劣悪です。イーヴは文字の読み書きができません。でも彼の性格はどこまでも明るくて根っこは純粋なんですよね。純粋ゆえに後に問題も起こしますが。。。。

 

このイーヴ、どこか憎めなくて可愛いんです。外見もだけど。(可愛らしさや純粋さはBANANAFISHの英二と重なる部分があるけど、バックグラウンドがあまりにも違うので同一視できません。。。)

 

 

この物語はNYに拠点をおいたヒースとイーヴが仲間たちと寄り添いながら成長していく。。。というストーリー何だろうなと思ったのですが。。。まぁ、事件が起きる起きる! 

 

そして男女ともにダメ野郎が多すぎる!(笑)ダメダメ具合がひどすぎるというか。。。

 

ちょっと一言彼らに叫びたい。。。

 

「君たち、精神的に未熟すぎるぞー!(とくにヒース) 酒と女と薬にすぐ走るなー! 働けー! そして避妊しろー! 」

 

色々問題ありの若者たちなので、まともな職につけずカツカツなんです。。そこに女や金が必要になる要素が加わるから事態は最悪の方向に。。。弟分のイーヴも事件に巻き込まれてしまうんですよね。

 

ヒースを受け入れたお兄さん的存在のインディアンがらぶばな的には癒しでしたドキドキ。彼は。。。BFで言うと、マックス父さんみたいな存在です。そこまで年は離れていないと思うんですけど。。。彼の言葉や行動に助けられた友人たちが多いのでは?仲間たちが常に彼のそばに集まってくるような気がします。

 

女性陣も結構問題ありかなー?みんなヒースに甘すぎない?決してイケメンだから。。。と言うわけでないことを願います。この主人公、ヒース、結構女性関係にだらしないかな。。。?彼女がいても弟分のイーヴとの同居を続けるもんだから、またいざこざが。。。

 

衝撃だったのは、イーヴが元男娼だったこと。そしていつの間にか彼はヒースを恋愛感情で好きになってしまったことですガーン。彼女もいるヒースはもちろんストレート。受け入れることはできません。でもイーヴは大事な友人で家族のような存在。。。お互いに辛いですよね。 身を引こうとするイーヴが健気で。。。笑い泣き

 

ヒースにもイーヴにも、これでもか、これでもかというぐらい辛い出来事が起きます。傷つきながらもお互いに支え合おうとする二人。

 

文庫本4巻は、読むのが辛くなる場面がたくさん出てきました。イーヴの恋愛感情を受け入れられないけど、手放したく無いヒースと、ヒースを思うからこそ身を引こうとするイーヴ。ちょっとよく分からなかったのは、イーヴはヒースの彼女に(女性で初めて)想いを寄せるのです。これは恋愛なの?ヒースへの想いとは別のもの?うーん、よく分からない。。。目

 

そしてイーヴの身にとんでもないことが起きてしまってからのヒースは本当に「鬼ムキーのようでしたメラメラ。怖かったです。(ヒースって基本的にいつもヒスって怒っている印象ですけど、それがヒートアップしてしまってもう手が付けられない状態に。。。)仲間の協力を得ながら真相を探ろうとする彼の執念はすごいです。絶対に敵に回したくない。。。

 

刑務所の中でヒースがくらったリンチはもう強烈で無残でした爆弾。でもヒースはもーっとおぞましい仕返しをしちゃいますけど。。。叫び しんどくなってくる後半で、癒しになったのはBANANAFISHに登場するジェンキンズ警部補とチャーリーが見れたことですニコニコ

 

ジェンキンズさん、あんた優秀だね!!そしてカッコいいよ。。。BANANAFISHでは「太った気の優しいおじさん」だという印象ですが、ちゃんとした優秀なポリスだったんですね!(失礼)あのヒースが信用するのも分かるわ。。。

 

読むのがしんどい展開なのに、最後はなぜか希望がもてる終わり方になっていました。インディアン様のおかげです(笑)ヒースが今後どんな風に成長していくのか、ものすごーく気になってしまいます。(BANANAFISHのような読者の魂をもっていかれちゃうような展開ではありません)私もヒースの仲間の一人になって一緒に見守っていきたいなと思ってしまうラストでした。

 

カリフォルニア物語 文庫版

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らぶばなですほっこり。アッシュのお誕生日創作の後編を更新しました。12日UP予定でしたが、帰省するので早めにUPしておきます。駄作ですが、少しでもお楽しみいただければ幸いです。アッシュ、お誕生日おめでとう!いつまでも君の大ファンだよ! 

 

〜英二とアッシュがお笑いコンビ結成!?〜

「コメディー・ショー」(後編)

 

 

「えーと、じゃぁ、まず最初のテーマは。。。『初夜をむかえるカップル』です!」

 

英二が元気よくテーマを発表した途端、仲間たちから「アッハッハ!」と笑いが出た。童顔のせいで純粋無垢なジュニアハイにしか見えない英二の口から発した『初夜』という言葉に違和感しか感じない。

 

「ヨォッ!がんばれよ、お二人さん!」

「犯罪じゃねーの?それ!」

 

リンクスやチャイニーズたちは面白おかしくはやしたてる。

 

一方のアッシュは、英二が「初夜」と言ったと同時に、お祝い用の高級シャンパンを思い切り吹き出してしまった。

 

「ブハァッツ!! ゴホッ、ゴホッ! 英二!? 今なんて言った。。。?。。。しょ、しょ、しょや?」

 

「ボス!大丈夫ですか?」

 

子分達は突然むせだしたボスを心配したが、アッシュの視線は舞台に釘付けだ。

 

(何だよ、そのテーマは。。。お前にできるのか?)

 

信じられないといった表情で英二を見るが、彼はアッシュと目が合うと「応援ありがとう。僕、頑張るからね!」と声には出さず唇だけを動かした。

 

「。。。。」

 

(イヤイヤ、そうじゃねぇよ。。。やる気なんて出さないでくれ。。。)

 

アッシュは早くも頭痛がしてきた。そして気になるのは夫婦役をどちらが演じるかだ。コメディとは言え、心中穏やかではない。

 

(普通に考えれば英二が新婦役だな。でもショーターが新郎役だなんてなんかムカつくぜ。なんだこの複雑な気持ち。。。)

 

アッシュはこの感情が何なのか疑問を持ち始めた。そんな彼の気持ちをよそに、ショーターは自慢の紫のモヒカンにピンクのリボンをくくりつけて登場してきた。

 

「お前が女役なのかよ!」

「ウェェェー!」

 

仲間達の言葉など全く気にせず、むしろ対抗するかのように大げさに腰をくねらせながらポーズをとる。本人はセクシーさをアピールしているようだが、どうみてもタコのような軟体動物がグニャグニャ動いているようにしか見えない。

 

わざと裏声で「キャーッ!『初夜』ですって!? 英二のエッチ!ショーコ、恥ずかしいわ〜」と悪ふざけのアドリブをする。

 

ほとんどのメンバーは、英二が新妻でショーターが新郎の役を演じると思っていたはずだ。しかしその逆だと分かり、仲間達はさらに声援とヤジを送った。

 

「ショーコ、いいぞー!」

 

「英二、たっぷり愛してやれよ!」

 

 

 

「ハ。。。ハニー!」

 

恐る恐る英二はショーターの肩を抱こうとしたが、彼は自分より背が高いので背伸びをしなければならない。足がプルプルと震えている様子を見て、何だか可愛いなとアッシュは思ってしまう。

 

「最高のディナーだったね。さぁ、今夜は一流ホテルを予約しているよ。僕たちの部屋にいこう。」

 

英二が精一杯紳士らしく振る舞おうと、ショーターをエスコートすると、ショーターは照れたふりをして「そうね、ダーリン。。。」と英二に寄り添った。

 

 

「ヒュー!」

 

「今夜キメちゃって!」

 

仲間達が冷やかす中、自分より大きな新妻(しかも男)を丁寧にエスコートしようとする英二の誠実さが感じられる 。普段より男らしく頼もしく感じられるが、このカップルは誰がどう見てもアンバランスだった。

 

 

真面目な英二は新郎役を演じ続ける。

 

 

「ハニー、部屋に着いたよ?あれ、緊張しているのかい?お水でも持ってこようか?」

 

どうやら二人は今夜宿泊する部屋のドアの前に着いたようだ。優しく相手を気遣う英二にアッシュはクスッと微笑んだ。状況は違うが、こんな風に気を遣ってくれる時もあるな。。。とじんわり心が温まってきた。

 

だが、新妻ショーコの気味の悪いオネェ風な裏声が聞こえると、その感情も一瞬で消えてしまった。

 

「えぇ、一流ホテルに泊まるだなんてアタシ、初めてだから。。。それに、初夜でしょう?恥ずかしくて。。。ショーコ、ドキドキするっ!」

 

今時こんなぶりっ子の新婦などいるはずがない。ショーターの毒々しい演技にメンバーたちが「グエー!」とわざと吐き気をもよおすフリをする。

 

英二は毒妻ショーコの手を取って真っ黒なサングラス越しにその瞳を覗き込んだ。

 

「可愛いマイハニー、サングラス越しでも君の瞳は輝いているよ。特別な夜に相応しい君のためにスイートルームを用意したよ」

 

普段の英二なら絶対言わないであろう「ハニー」という言葉や少し甘い口調にアッシュの心がなぜかざわついた。嫌悪感があるわけではないが、何かモヤモヤとした気持ちが胸に広がっていく。

 

 

「ええっ!? スイート・ルーム? 楽しみだわっ!どんな素敵なお部屋なのかしら!」

 

わざとらしく手を握りしめて喜ぶ、サングラスをかけた紫モヒカンリボンの新妻に、メンバーたちは失笑する。

 

 

「ハニー。さぁ僕がドアを開けよう。『ギギギギギイィィ。。。。』

 

まるで幽霊屋敷のドアが軋むような嫌な音を英二がたてながらドアを開けるそぶりを見せた瞬間、ショーターの素早いツッコミが炸裂した。

 

なんで 『ギギギー』なんだよ!一流ホテルなんだろうが!メラメラ

 

ツッコミの勢いと共に英二の後頭部をショーターの大きな手が弾き、”パシコーン!”と軽快な音が響いた。

 

 

一瞬だけ沈黙したが、すぐに「アハハハハ!」「どこがスイートルームなんだ!」と一同は笑った。

 

ジャパニーズスタイルのお笑いがどういうものか分かってきたのだ。

 

だがアッシュだけは血相を変えて突っ立っていた。体が震え、手に持っていた団扇の柄はほとんど砕けている。すでに皺くちゃになっていたことをまだ仲間たちは気づいていない。

 

 

英二とショーターの凸凹コンビのパフォーマンスはまだ続く。次に英二は新妻ショーコを窓に連れていくそぶりをみせた。

 

 

「ご覧。。。ハ、ハニー、素晴らしいNYの夜景だね。き、君の綺麗な瞳に乾杯。そしてこ、今夜の二人にも。」

 

言い慣れていないせいか棒読み状態でカミカミの英二に対し、ショーターは英二の肩に頭を傾け、ウットリと夜景に酔いしれた表情を見せる。まるで大女優ばりの大袈裟な演技を見せるがその頭はリボンの着いた紫モヒカンだ。どこにこんな奇妙な新妻がいようか。

 

 

いよいよ二人はベッドへと近づいていく。仲間達は「待ってましたぁ!」と冷やかすので、英二は顔を真っ赤にしている。ショーターは胸に手を当てて深呼吸をしている。

 

 

「あらやだ、アタシ。。。緊張してきたわ。ダーリン、この部屋。。。照明が明るいわ。。。ショーコ恥ずかしいの。だって脱がないといけないでしょう? 暗くしてくれるうぅ?ラブラブ

 

着てもいないバスローブを脱ぐのを恥ずかしがってためらうショーターの演技に仲間たちがクックッと笑いをこらえている。アッシュはブランカとの厳しい特訓で身につけた腹式呼吸で気持ちを落ち着かせ、ショーターの演技は完全無視して英二のみに集中していた。

 

 

「あぁ、分かったよ。明かりを消そう。。。『フゥーッ!』

 

英二は手に火の灯る防災ロウソクを持っているかのように構えて、フゥーッと息を吹きかけたところで、再びショーターのツッコミが炸裂した。

 

 

はぁっ? なんでローソクなんだよ!ここは一流ホテルなんだろうが!

 

 

再び英二の頭にショーターの手が弾かれ、軽快なバチコーン!という音が出たところで仲間たちが大笑いした。

 

「アハハハハ!」

 

「もっとマシな部屋を予約してやれよ!」

 

 

次の瞬間、ステージの壇上にテーブルが飛んできてショーターを襲った。すんでのところでショーターは家具を避けたが、テーブルの脚は全て折れていた。

 

 

「うぉぉぉ!一体なんだ? オーサーか?ゴルツィネか?」

 

動揺したショーターは敵襲かと勘違いしたが、なぜか目の前にはブチ切れたアッシュが立っていた。それでショーターはとっさに彼がテーブルを足で思い切り蹴飛ばしたのだと理解した。

 

「ショーター。。。」

 

彼は怒りに震えていた。

 

 

「えっ? アッシュさん? どうかしました?」

 

ショーターは思わず敬語で話しかけてしまったが、殺気に満ちたボスの表情に気づいたリンクスたちは凍りついている。

 

(最高のショーだったぜ?)

(一体何がこれほどボスを怒らせたのだろうか。。。)

 

仲間たちは疑問と恐怖を感じていた。

 

 

 

「ショーター。。。。おまえ、さっきから英二の頭をボコボコ殴りやがって!このハゲ、ふざけるな!ぶっ殺されたいのか!?」

 

 

アッシュはショーターから英二を守るように引き剥がし、自分の背後へと移動させた。そしてショーターの胸ぐらを掴んだ。

 

 

般若のような表情のボスを見て、リンクス達は静まり返った。

 

(そうだった。。。)

(相手は『英二』だった。。。)

 

彼らは忘れていた。ボスにとって英二が「特別な」存在であったことを。

傷でもつけようものなら、それは即死を表すのだ。

 

アッシュが怒った理由を理解したショーターはニヤニヤ笑いながら、挑発するように裏声をだしながら「きゃー怖い!助けてハニー!」とふざけている。

 

 

英二はアッシュの背後からひょっこり顔をだし、何もなかったかのように呑気な声を出した。

 

 

「まぁまぁアッシュ、落ち着いて。初めてみたから驚いただろうけど、これはこういうものなんだよー。これがジャパニーズスタイルのお笑いさ」

 

アッシュは手を離し、信じられないといった表情で振り返った。

 

「はぁ? どうして殴られて喧嘩を売られてるのにお前はヘラヘラしているんだ?」

 

(やっぱり日本人はマゾなんだろうか?それとも英二が特別なマゾなんだろうか。。。。)

 

真剣に考え始めたアッシュをよそに、英二は困った顔でどう説明すればいいのか迷っていた。

 

(うーん、事前に説明しておけばよかったなあ。何か誤解しているみたいだし。。。)

 

「これはボケとツッコミなんだ。ちゃんとしたパフォーマンスなんだよ?ショーターは僕をいじめてなんかいないからね、むしろ手加減してくれてたぐらいだ」

 

「手加減だと? わけが分からない。。。」

 

混乱するアッシュを見て、英二は「そうだ!」と突然手を叩いた。ジーンズのポケットからそして小さなノートを開いてアッシュに渡した。

 

 

「じゃぁ、漫才を体験してみるといい! ここに台本があるから一緒に僕と漫才をやろう!」

 

「。。。。。。」

 

当然の提案にアッシュはなんと答えて良いかわからなくなった。

 

「俺がコメディー・ショーを。。。。!?」

 

周りがざわつきはじめた。なんて恐ろしいことを言い出すんだと仲間たちは皆無言の抗議をしている。

 

(白い悪魔と呼ばれる俺たちのボスにコメディをしろだって?)

 

(こいつは死を恐れないのか? とんでもないやつだな。。。)

 

全く周りの空気が読めていない英二はいつ通りマイペースだ。

 

「そう、場を白けさせたんだからね。君には責任をとってもらわないと!」

 

そんな責任などとるつもりはアッシュにないが、それよりも彼はさきほどのショーターのツッコミを思い出していた。

 

「俺にはお前を殴れない。。。そんな事絶対にできない。。。」

 

「何もグーパンチしろなんて言ってないだろ?僕だってそんな痛いのは嫌だよ。じゃぁ、このスリッパを使いな。これなら手より全然痛くないし、痛快な音が出るんだよー」

 

 

英二はそう言って近くに落ちていたビニールスリッパを差し出してきた。いかにも安物で、どこで使っていたのかも分からないようなモノだ。確かに手で殴るよりは確かにましだが、それでもこんな薄汚れたスリッパで頭を叩くことに抵抗感があった。

 

「。。。。」

 

「君のためにせっかく練習してきたのに。。。やっぱり無理ならショーターと続きをやるよ」

 

悲しそうな表情の英二を見て、腕をのばしながらその小さな背中に思わずストップをかけた。

 

「いや、待てエィ!」

 

(俺は、英二が殴られる姿なんて耐えられない)

 

先ほどのショーターからの激しいツッコミと後頭部への攻撃がスローモーションのように頭をよぎった。

 

(あんなのもう見たくない。今夜、夢に出てきそうだ。。。チッ)

 

 

信じられないだろうが、アッシュはどこまでも英二のためなら身を捧げることができる勇敢で愛情深い男なのだ。そして英二がどれほど頑固な男なのかも理解していた。アッシュが否定すれば彼は何としてもショーターとショーをやり遂げるだろう。ショーターのでかい手で殴られる姿を想像すると、胸が締め付けられそうになる。

 

 

「本当にこれだと痛くないのか?」

 

 

なんとアッシュは自分のボスとしての立場より、この軽い安物のビニールスリッパが英二にどれだけの衝撃を与えるのかを死ぬほど心配していた。彼はスリッパをトントン叩きながらどの角度なら痛くないのかを真剣に考えている。

 

「うん。大丈夫!」

 

「チッ、仕方ないな。。。ちょっとだけだぞ?」

 

「やってくれるのかい?やったー!みんな、アッシュがパフォーマンスしてくれるって!」

 

 

両手を振りながら英二は仲間に伝える。ボスからまさかの出演OKが出て、仲間たちはお互いの顔を見合わせている。

 

「一体何が起きているんだ?」

 

「ボスはどうしちまったんだ?」

 

「なんか英二に秘密でも握られてるのかな?」

 

「そう言えばあいつ、ボスの銃を触らせてくれと頼んでいたよな。。。やっぱりスゲェやつなんだな」

 

どよめきと歓声が止まないなか、なぜかアッシュは台本を持ったまま英二とコメディ・ショーの舞台に立つことになってしまった。

 

 

 

 

***

 

 

台本が書かれたノートによると、次のテーマは「誘拐事件」らしい。

 

「そういえばアッシュ。最近怖い事件が多いね」

 

 

物騒な事件が起きるのが日常茶飯事なこの界隈で「怖い事件」と言われてもピンとこないが、アッシュは台本通り自分のセリフを読む。

 

 

「。。。例えばどんな?」

 

 

「子供を狙った誘拐事件とか。僕が犯人役を演じてみるよ。君は誘拐された子供の父親役を演じてくれ」

 

英二が犯人役だなんて似合わないと思いつつも、アッシュは素直に自分のセリフを読んだ。

 

「分かった。そうしよう」

 

(さっきの『初夜』云々よりまともそうなネタで良かった)

 

 

内心安堵しながら、早くネタが終わるようにアッシュは祈っていた。腰に挟んだのがいつもの銃ではなくビニールスリッパなのが何とも心もとない。

 

 

「もしもし。。。おたくに小学1年生の息子がいるだろう?へへへ。。。」

 

怪しげな中年男性を演じているのだろうが、やはり子供にしか見えない英二が脅迫しても全く怖くはない。

 

 

「えっ?そうですけど。。。一体。。。」

 

アッシュは無表情のまま棒読みで誘拐された親のセリフを言うと、すかさず英二がボケた。

 

 

「うちには6年生の息子がいるぜ!」

 

 

「ダハハハハ!」

「そんな事どうでもいいよ!」

 

仲間達の笑い声の後、英二はアッシュを見た。「さぁ、スリッパで殴ってくれ」と期待で瞳を潤ませている。アッシュは意識が飛びそうになった。

 

(やはり英二はドMだったのか? なぜそこまで自分を殴れと言う?しかもそんな嬉しそうなキラキラした瞳で見つめられると、俺は危ない世界に足を踏み入れてしまいそうになっちまう。。。)

 

アッシュは最も過酷な闇社会を知っているはずなのに、彼は理性と戦っていた。いつまでたっても頭を叩かれない英二は深いため息をついた。

 

「ちょっとー!アッシュ、ちゃんとツッコミいれてくれよぉ!もう、根性なし!」

 

思うようにネタが展開しなかった英二はほおを膨らませた。睨みつけられても可愛らしさがアップするだけだ。

 

先ほど壊した団扇を惜しく思いながらも、アッシュは「ああ」と覚悟を決めて英二のフワフワした後頭部に狙いを定めた。

 

 

。。。ポコッ!

 

それはとても小さな音だった。

 

(めっちゃソフトだ!)

 

(絶対痛くないやつ)

 

(加減しすぎだろ。。。)

 

 

仲間たちはこれでもボスが精一杯努力したことは理解していた。

 

 

「んー、もうちょっと強めがいいかなぁ?」

 

 

英二はいまいち納得していないようだったが、それでもショーを続けた。

 

 

「息子を返して欲しければ、金を用意しろ。こちらの指定した方法で公衆電話に金をもってこい」

 

 

「どんな方法だ!?」

 

 

 

アッシュの問いに英二は超高速スピードで答えた。

 

「紫のスーツケースに450万ドルを詰めて白い紙に黄色のボストンバックと書いて赤のハンドバックと言いながら置いたら俺は黒のショルダーバックと言いながら取りにー」

 

息つく間もなくボケを散りばめた返答をしたにも関わらず、アッシュは無言のまま突っ立っていた。

 

「。。。。」

 

本来ならここで「なんだ、それ!」と言いながらスリッパで叩くのだが、そうする様子はない。

 

代わりに「アハハハ!」「わかんねーよ!」と仲間たちが突っ込んでくれた。

 

アッシュは小さな声でブツブツと台本に文句を言いはじめた。

 

「要するに紫のスーツケースでいいんじゃないか。後半は要らないだろう?この台本、書き直せよ」

 

 

「アッシュ!そんなこと言わないで!コメディショーなんだから!ほら、スリッパで僕を叩いて!早く。。。GO!」

 

 

「。。。。。」

 

アッシュはスリッパを眺めながら握りしめたが、ポイっと床に放り投げてしまった。そしてまるで誰かにドラッグを無理やり投与されたかのごとく苦しそうに顔を歪めながらアッシュは英二に訴えかけた。

 

「あぁ、もうやめてくれ!俺にお前を叩くことなんて出来るわけがないだろう?そんなの拷問だ。。。いっそ俺を殺してくれ!」

 

大げさに苦しみの表情を見せるアッシュに、英二は少々面食らった。

 

「。。。ん? アッシュ? 君、なんか変だよ?」

 

(僕は彼のトラウマを思い出させるような何かをしでかしたのか?)

 

たかだかスリッパで頭を叩くだなんて、学園祭のノリじゃないかと英二は思っていたのだが、あいにく目の前の親友は学校生活もロクに送っておらず、しかも英二のことが誰よりも大事なのだ。

 

「俺がオニイチャンを叩くだなんて。。。まるで子供を虐待しているみたいでシャレにならないだろ?」

 

「。。。。。!!!」

 

 

はっきりと「子供」と言われて英二はショックを受けた。他人に言われるよりアッシュに言われる方が何倍も傷つく。だがすぐにその悲しみは怒りに変換された。

 

つかつかと英二は舞台に落ちていたスリッパを拾いあげ、アッシュを睨みつけた。そして手を天井に向かってそれを思い切り高く振り上げた。

 

「いい加減にしろ。。。僕は君より2歳も年上だーっ!!!!」

 

美しい曲線を見せながらスリッパはアッシュの後頭部に向かっていく。そして軽快な音が部屋に鳴り響いた。

 

スパコォォーン!!!

 

 

子供扱いされた英二は鼻息荒くまだ怒っていたが、アッシュは呆然としていた。彼は何が起きたのかいまいち分かっていないようだ。

 

まさか英二に叩かれるとは思っていなかったようだ。もちろん殴られるほどの衝撃はないが、精神的なショックは大きかった。

 

 

リンクス達はボスが思い切りスリッパで殴られるのを見て、青ざめている。震えるものや、ボスの怒りを恐れてソファの裏に隠れようとするものもいた。そして数名は英二がボスよりも年上だと初めて知ってひどく動揺していた。

 

 

「おい。。。何をするんだ、英二!」

 

ようやく我に返ったアッシュが文句を言う。

 

「君が意気地なしだからだ。ツッコミはこうするんだよ!」

 

フンッと頬を膨らませながら腕組みをする英二はどうみても拗ねたガキだった。

 

「なにぃ? 俺が意気地なしだと? 俺にもできる!」

 

スリッパを持ったまま、アッシュは無言で英二を睨みつけた。

 

アレックスやボーンズ、コングはハラハラしながら二人を見守っていた。これまでボスが英二に暴力を振るったことなど一度もない。

 

アッシュは手を高く振り上げ、なぜか英二の隣にいたショーターの頭を思い切り(英二の時の3倍ほどの音がした)叩いた。

 

 

バッチコォォーン!!!!!

 

 

「イッテェェー!おいコラ、アッシュ!なんで俺を叩くんだよ!」

 

涙を浮かべ、頭に手を当てるショーター。

 

 

「うるせぇ、ちょうど叩き心地のようさそうなハゲ頭が見えたから試しただけだ!」

 

 

「ハゲじゃねぇ、剃ってるんだよ!しかも髪のねぇところで叩きやがって!」

 

 

「へん、これで少しは毛根に刺激が伝わったんじゃねぇのか?感謝してもらいたいね!気色悪い演技見せやがって!」

 

 

「お前のキャンディーバーソングよりマシだぜ?酔っ払った時に披露してくれたよな?」

 

「て、てめぇ!それをここでいうんじゃねえ!」

 

 

ギャーギャーと騒ぎはじめた二人を前に英二はポカーンと放心状態だ。こんな展開、だれが想像していただろうか。

 

「。。。。。。」

 

 

しばらく様子をみていたが、英二は次第に可笑しくなり、腹をかかえて笑い出した。

 

 

「あははははー!君達最高だ!さすが親友同士だね!長い付き合いだからか息もピッタリだったよ。羨ましいなぁー」

 

 

英二の笑い声に場の雰囲気が和みだした。リンクス達も笑い出し、喧嘩寸前のアッシュとショーターもばかばかしくて口論をやめた。

 

 

「英二。あのー、これはだなぁ。。。」

 

 

バツの悪そうなアッシュに、英二はニッコリと笑いかけた。

 

 

「君にパフォーマンスを見せるどころか、逆に見せてもらった気分だったよ!あー、おかしかった!やっぱりアッシュはすごいよ!」

 

 

「そ、そうか?」

 

英二に褒められたアッシュは照れ臭そうに頭を掻き、ショーターもカラカラと楽しそうに笑っていた。

 

 

「みんな〜、コメディ・ショーはもうおしまい!ありがとー!」

 

手を振りながら挨拶をした英二に馴染みのある声が飛んできた。

 

「英二ー!よかったぞー!」

「おまえ、やっぱり最強だぜ!」

 

 

ボーンズ、コング、アレックスはそれぞれ応援団扇を持って手を振った。

 

『変顔して!』

『お嫁さんにして!』

『ほっぺでたこ焼きして!』

 

もちろん日本語のメッセージはランダムに選んだものなので、その意味など理解はしていない。

英二は苦笑しながらも母国語を見て嬉しそうに指差した。

 

「あははは!何だよこれ!」

 

英二はいたずらっぽく微笑みながらアッシュの方を振り向き、人差し指と親指で丸い輪を作り、ほっぺに当ててニコリと笑った。

ぷくっと頬に立体的な丸みが浮かぶ。そして上目遣いでアッシュを見つめた。

 

「ハニー、僕のたこ焼きを召し上がれ」

 

英二の感覚では、『変顔(たこ焼きほっぺ)を新妻(嫁)に見せるというネタ』で、リンクスたちの団扇のリクエストを全て叶えたつもりだった。

 

 

「ーーーー!!!!」

 

(なんだこの破壊力!)

 

ガラガラと理性が砕け落ちるような音がしたのは気のせいだろうか。アッシュは腰が砕けそうになったが、何とかこらえて逆襲することにした。

 

 

「じゃ、遠慮なくイタダキマス」

 

 

アッシュはニヤリと笑い、英二のほっぺたこ焼きを彼の指ごとカブっと噛みついた。それは一瞬のことで痛みはなかったものの、頬に硬い歯と温かい口内の体温、そして柔らかな唇の感覚が残って何とも言えない気分だった。

 

 

「ギャァァァァー!!!な、なんてことするんだよっ!」

 

 

頬を抑えながら最大限に真っ赤になって、涙目でアッシュに抗議をするが、アッシュは取り合わない。

 

 

「おまえが食えっていうからだろ」

 

 

「ジョークが通じないのかよ!本当に噛むなんて信じられない。。。」

 

 

あわあわと慌てる英二がおかしくて、アッシュは腹を抱えて笑いだした。

 

「アーハハハ!おっかしーの!」

 

 

「こらぁ、年上を揶揄うんじゃない!」

 

ポカポカと背中を叩く英二は駄々をこねる子供にしか見えない。

 

 

ショーターは「面白いもんが見れたぜ」とガハガハ笑い、「笑ったし、さっさと帰ろうぜ!」と仲間と帰ってしまった。

 

アレックスは「ボスの役にたてた」と満足そうに頷いていた。そして何事かと見守っていた大勢の仲間達も、アッシュの大笑いを見て「ボスは英二をからかっているだけ」と理解した。

 

こうしてパーティーはお開きとなった。アッシュは英二を連れてさっさとアパートへ戻り、子分の数名だけが会場に残った。

 

ボーンズとコングがテーブルと椅子を片付けながらお喋りをしている。

 

「今年のバースデー・パーティーは。。。何というか、強烈だったな。でも。。。ボスは嬉しそうだったな」

 

「あぁ、英二のおかげだな。あんなに本気で笑っているボスを見たのは初めてかもしれない」

 

コメディー・ショーは中断されて成功とは言えなかったが、ボーンズとコングは英二に翻弄される貴重なボスの間抜け顔や、本当に楽しそうに笑うボスの笑顔を見れたこのバースデー・パーティーに参加できたことに感謝した。

 

そしてアッシュも、後に「人生で一番くだらなくて最高のバースデー・パーティーだった」と仲間に語っている。

 

 

*続*

 

(あとがき)

前半、大丈夫でしたか? マニアックなアレックス(笑)彼は真面目なだけなんです。。。アッシュもちょっと心配性でオニイチャンが大好きなだけなんですよー怪しい気持ちはありません。。。ふざけた内容で申し訳ないですが、わちゃわちゃした楽しいパーティーを過ごしてほしいなと思いました。ご感想、ご意見を聞かせて頂けると飛び上がって喜びます爆  笑

 

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