ロシアン小籠包ゲーム ~愛のメール大作戦~ 【中編】 | BANANAFISH DREAM

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 3個の小籠包のうち、1個だけ激辛小籠包が入っているその皿を
アッシュ・シン・ショーターは真剣に見つめた。



 この中で激辛小籠包をあてた奴が、携帯で誰かに「I love you」
と送らねばならない。しかも相手の返信が来るまでメールを送る
ことは出来ない
のだ。



 真剣な表情で3人は一斉に小籠包を指さして選んだ。



「これだ!」



 偶然3人ともそれぞれ別の小籠包を選んだ。



「よし! 食うぞ! 」



 口の中に小籠包を放りこんだ。すると……



「ぐぇ――辛いっ」


 シンが叫び、水を一気飲みした。



「よし、シン!決まりだな」


 ショーターとアッシュがニヤリと笑った。

 シンは仕方なくメールを送るハメになった。
 問題は、誰に送るかだ。


 悩んだあげくシンはメールを送った……


もしバナナフィッシュがハッピーエンドで終わるなら~365日あなたを幸せにする小説■BANANAFISH DREAM-携帯

FROM : シン
  TO : 李 月龍
件名 : 無題

    I love you


10分後、シンの携帯に返信メールが届いた。

シンは少しハラハラしながら画面を見た。


FROM : 李 月龍
  TO : シン
 件名 : ブラボー

で、何を企んでいる?


「ユーシスの奴、冷静だな」
 ショーターとアッシュがシンの携帯をのぞきこんだ。



「若様に、ものすごーく疑われたな」
 シンがため息をついた。



「よし、次いくぞ!」


「まだやるのかよ」

「たくさん小籠包用意したからな」

「マジかよ……」


 次の小籠包を指定し、3人は口の中に小籠包を放りこんだ。
 すると……



「うぇ――辛いっ」
 ショーターが叫んだ。



「よし、ショーター!決まりだな」
 シンとアッシュがニヤリと笑った。

 ショーターは次のようなメールを送った。


もしバナナフィッシュがハッピーエンドで終わるなら~365日あなたを幸せにする小説■BANANAFISH DREAM-携帯

FROM : ショーター
  TO : ラオ
 件名 : 落ち着けよ

     I love you



 しばらくして、ショーターの携帯に返信メールが届いた。

 ショーターはワクワクして画面を見た。


FROM : ラオ
  TO : ショーター
 件名 : お前こそ落ち着け

とうとう頭がイカれちまったのか?



「普通はこんな反応だよな?」
 シンがショーターの携帯をのぞきこんだ。



「あぁどうせ酔っていると思っているんだろう」

 アッシュもうなずいた。


「ちぇッ、つまんねぇの。もっと動揺している

メールが読みたかったのに」
 ショーターが唇をとがらせた。


「気をとりなおして……よし、次いくぞ!」



 次の小籠包を指定し、3人は口の中に小籠包を放りこんだ。
 すると……



「――辛いっ」
 アッシュが叫んだ。



「よし、アッシュ!決まりだな」
 シンとショーターがニヤリと笑った。

 

 誰に送るか悩んだあげく、アッシュはしぶしぶメールを送った。


もしバナナフィッシュがハッピーエンドで終わるなら~365日あなたを幸せにする小説■BANANAFISH DREAM-携帯

FROM : アッシュ
  TO : アレックス
 件名 : 冷静になって読め

     I love you


 しばらくしてアッシュの携帯にメールが届いた。

 アッシュは見たくなかったが、ショーターとシンが目で

早く見ろと催促してきた。


 ため息交じりに携帯の画面を見た。



FROM : アレックス
  TO : アッシュ
 件名 : 勘弁してくれよ、ボス

飲んでいた酒をふき出したぜ
送る相手を間違えてねぇか?


「お、さすがナンバー2だな。よく分かっているぜ」

 ショーターがアッシュの携帯をのぞきこんだ。



「アレックスは、誰と間違えられたと思ったんだ?」

 シンが不思議そうな顔をした。


「……」
 アッシュはアレックスがどう把握したのか不安になった。



「よし、次いくぞ!」


 次の小籠包を指定し、3人は口の中に小籠包を放りこんだ。
 すると……



「う――辛いっ」
 シンが叫んだ。



「よし、シン!決まりだな」
 ショーターとアッシュがニヤリと笑った。
 

「おい、次からは同じ相手に送ろうぜ!そうだ、英二がいいな! 
 ショーターがふざけて言った。



「なんで英二にだよ?」
 アッシュの表情が曇った。



「なんでって……あいつの反応がみたいからだよ。
 お前だけに来てもらったのも英二にメールを送るためだ」



「はぁ?お前……呆れた奴だな。別に英二以外でもいいだろ?

 伊部でもマックスでも……ジェシカにだって送ってもいいぐらいだ」



「アッシュ、やけに焦っているじゃねぇか。
 それとも何か困るのか? 妬いているとか? 」
 ショーターがアッシュに近づいてからかう。



「そんなわけないだろう!」
 アッシュはムキになった。



「お前も気になるだろう? 英二に I love youとメールを
 送った時の反応が」



「……べつに」
 そっぽを向いて小さく答えた。



「まぁいいか。じゃ、早速やろうぜ」
 

 こうしてロシアン小籠包ゲームはますます白熱していく。



<続>      



三人は、自分達の身近にいる仲間にメールを送りました。

冗談だと気づいてくれるだろうと期待して……(^_^;)

それぞれの「件名」に注目してくださいね。


ユーシスは冷静に返信しそうだなぁと思いました。にゃ

でもシンからのラブメッセージは嬉しいと感じているはずです(笑)

素直に受け止められないだけかもしれません。


ショーターとラオは、ふだんから冗談を言い合う仲良しのイメージ

があります。二人の年齢は近いと思うのですが。

「またくだらねぇこと言っていやがる」とラオは思ったのでしょうか。

一番ありそうな返信かなと思いました。ぼー


アッシュは誰に送るか迷った挙句、ナンバー2のアレックスにしました。

子分達の中で送るならアレックスが一番まともな反応をすると

(本気にもしないし、変に冗談めかしてからかうこともない)

思ったからでしょうか。英二に送るのは怖くてできないからだと

思います(笑)


ですがまたショーターの挑発にのってしまうアッシュ……汗

さて、次回最終編どうなるでしょうか?

お楽しみに……(^-^)ノ~~


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