正直者の憂鬱・ツ | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

 

ざわざわと

増えてくる人口密度に

比例して

 

講堂内は

ひといきれ…

と言う表現程には

熱気なく

騒がしさ雑踏のごとく

講義始まる前から

空間が温まってく中

 

僕の隣に

エムが座ったの

 

いつもの事で

 

なんとなく

しっくりくる

んが

 

今日のエムには

ミコさんという女友達

一緒だったし

 

だから僕も

 

彼に

 隣に座って

って

お願いしてて

 

…いやそこ彼の席…

言ったもんかどうか

 

未だ荷物持ったまま

声を掛けられ

雑談している彼の様子

 

チラッと視線向けて

 

その様子から

徐々に膨らんでくる

不安にしかならない

モヤモヤ

 

あのまま

あっちに座っちゃうか?

切っ掛けが無いと

僕の方に来れないか?

今のところ

階段状の通路で

立ち話の態である

彼の姿

眺めて

 

大丈夫

“約束”って形で言質取ってるし

信用を笠に不安を払拭しつつ

 

…いや 待てよ

脳裏に浮かぶ

“もしも”シリーズ

 

もしも今

彼が

こっちを見たら

エムの姿に

要らぬ気を

使ったり…したりしないか?

 

僕の気が変わったって

解釈したりして

 

噂の件もあるし

藪蛇状態 避けようって

考えれば

3人並んで座るって

リスクしかなく

 

…来ないんじゃないか?

って

 

彼が余計な気遣い

して来たらどうしよう

 

 

通路側の

座りやすい方の席

彼にと確保した事が

失敗だった

反省しつつ

 

劇場の客席仕様な

背もたれにはねてる

座席部分に自分の荷物を

置くことで

エムとの反対隣りの席を

確保しつつ

前の方で隅っこ…ともなれば

ボードが見えにくい…って事もあり

 

席取りなんか

そもそも不要で

 

後方の席のようには

人で埋まらない周辺

 

だからこそ

3人並んで座る違和感

否めず

 

「…ミコさんが

 折角確保してくれた

 …席…無くならないか?」

 

出口付近でもある

後方の席は

人気スポットってだけではなく

 

遅刻ギリな駆け込みが

ぱっと座る為

 

一定の時間になると

空いた席が

問答無用で埋まっていって

 

座ってなかった

エムが悪いって事で

 

席取りした

ミコさんの頑張り次第ではある

ものの

 

席を外してる

エムに

ミコさんの負担

気にした方がいいって意味で

 

大丈夫?

 

って

確認始めて

 

あれ?

 

荷物…

持ってなくない?

 

僕の隣に座ったエムが

手ぶらなの

目視して

 

…て事は…

ホッとしつつ

 

「…席に戻りな

 てか

 何か用事あった?」

 

前方の席の

僕の隣に

来て座ったエムに

 

ご用事なぁに?

聞けば

 

 

「…席

 ここ…空けてたから

 私はこっちでもいいけど

 あっちに座るから…って事を」

 

 

いや その辺の事は

言わずもがな

お互い伝わってると思った

 

僕の隣が習慣だったせいか

後ろの席から見える

僕の様子

気になったんだろう

 

「…そんな…

 心配してくれてたの?」

 

成長見守る

上から目線で

申しわけないけど

 

ここは素直に

エムの変化に

驚きつつ

 

「…大丈夫だから

 ミコさんの所に戻りな」

 

これまでは

僕から一方的に

かまってる構図だった

エムとの関係が

 

ここにきて

少しだけ

フェアになりつつある…様な気がして

 

エムの対人スキルの上昇加減

加速中な気配に

 

口角を少し上げつつ

 

まだ立ち話しているであろう

彼の方に

しれっと

視線を向けた

 

 

   つづく