正直者の憂鬱・チ | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

笑ったことで

場の空気は

若干

緩んだような気はしてる

けど

 

それは僕側の印象なだけだろう

 

だって彼は

僕が

匂い立たせてた

所作

真似て

 

ローズマリーを

しごきだしてる

 

どうやら

手持無沙汰が高じての

行動だろう

けど

 

力加減

探ってるところなのか

上手くいかない様子に

難しい顔してる

 

…やっぱまだ

照れが先行しているのか?

 

例えばこれが

 

酒飲む席でなら

もう少し

自然な感じで

くだけてて

くだらなければ

くだらないほど

それなりに楽しく

盛り上がるのが

ピンクな話題

 

そのモードに

突入って波

来てるのに

 

踏み込み切れずにいるのは

 

酒の力が皆無なうえ

 

ここは屋外で

日中で

緑に囲まれた

健全な空間…

 

そんな視覚的な情報から

世間体の部分が

ストッパーになって

箍が外せない

強固な自分

 

だけど

 

同じ視覚情報に

照れてる彼の姿が

僕を柔軟に

誘うような

呼び水にはなってて

 

気分的には

高揚してる部分

無きにしも非ずに

 

…楽しい…

見てるだけなのに

 

ぐっとくる

 

彼の

僕の真似すら

ちょっかい出したくなるの

 

辛抱しきれず

 

「…これね

 

 思ったよりちょっと強め」

 

自然の植物の

枝だの

針のような葉だの

一見

手のひらを

傷つけそうな

鋭角さ

あるも

 

触ってみればわかる

その葉の

思いがけない柔らかさ

…というか

柔軟な仕様

 

彼の手本となるべく

繰り返してた

しごく動き

再現するも

 

正直

自分の周辺のローズマリーは

あらかた

刺激し終えてて

 

そう何度も

香り放つ条件である

刺激

繰り返したとて

 

初手のような濃度は

当然

望めず

 

「…あれだ

 植物もそう持久力はないって」

 

そもそもの

この香りは

身を守る手段での

防衛の装備

 

棘や毒と同類の意図での

香りを

そう何度も

たたせようとて

程度があって然るべき…

 

って事を

言いたくて

 

「これ以上は可愛そうだ

 なんか ほら

 見て…ぐったりしてない?」

 

概ねは僕が

手持無沙汰から

しごいてた

ローズマリーの枝が

 

こころなしか

しょんぼり見えて

 

「…弄り過ぎたか…」

 

と 呟けば

 

隣の彼の喉が

ぐぐぐ…と

 

なにか

言いにくい言葉

言わないようにしてる

って意思表示として

 

僕に伝わるように

鳴らすから

 

「…なに?」

 

僕のセリフ

全部ピンクの脳で

解釈したのだろう

 

彼に

 

視線向けたまま

少し首を傾げて

 

なんて返すのか

彼の言葉を待てば

 

「…お前が権力ある大人なら

 ハラスメント問題になったかもな」

 

彼を見る

僕の目を

まっすぐ見つめ返しながら

言ってきたから

 

 

「え?そうなの?こわっ」

 

オーバーリアクションで

驚きつつ

 

「どこが?ダメだった?」

 

彼が

どんな顔で語るのか

見たくなって

追い詰めるような

質問を してしまった

 

 

  つづく