サイブン:トホ3/ー20ー | ラテックスは妄想中

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暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

 

「君が無事なら安心した」

 

着信音

 

気付きつつ

 

手が離せなった

 

って事もあるけど

 

結構待たせた

 

何なら出ない気でいた

 

通話相手の

 

安否確認後のセリフに

 

間違いなく

 

良心がチクリと

 

外傷を受ける

 

 

開ける開けないの

 

無言の攻防戦

 

繰り広げたドアの向こうに

 

見知らぬ男性

 

すんなり扉

 

開けさせなかったこちらを

 

じろっと確認してから

 

中に入ってくると

 

通話中…って状態だからか

 

何も言わず

 

生徒さんが使う用のテーブルに

 

持ってたカバン

 

どっさっと置くと

 

その荷物の重量感が

 

まんま

 

低音ノイズになって

 

通話口向こうにも

 

聞こえた様で

 

 

「え?…今日 搬入の日だっけ?」

 

動作音で

 

こちらで何があったか

 

把握した様子

 

…とは言え

 

そんなこと聞かれても

 

スケジュールは何一つ

 

これから聞く立場の人間

 

カミの質問に

 

うんともすんとも言えずにいれば

 

 

「…あぁ…

 

 すぐそっちに向かうから…」

 

 

カミ…こと神子田さんの

 

口調から

 

何かを忘れていたっぽい事

 

察しつつ

 

 

伝言とか頼まれないまま

 

とりあえず

 

知った人物が

 

こちらに向かうという安堵感に

 

少なからず

 

ホッとしたものの

 

 

部屋に入ってきて

 

重そうな荷物

 

テーブルに置いてから

 

何も言わないまま

 

スマホ取り出し

 

壁際に並んでる椅子に座った

 

男性

 

…若い…

 

同じくらいの年齢か

 

年下かもしれない

 

だから余計に

 

こっちからすり寄ったら負け

 

…な空気感

 

出して 座ってるの

 

そもそも

 

親しげに行けばいいのか

 

ひとまず敬語か?

 

わかんなくて

 

 

「…えっとぉ…

 

 鍵…そのぉ

 

 締め出してすまんね」

 

 

明らかに

 

普通に入ってこようとした人の

 

邪魔をした格好になってて

 

 

だからして

 

余計なことしましたって

 

謝罪から入れば

 

 

「…ぅざ」

 

 

それは

 

扉越しに聞いた

 

苛立ちの声 そのもので

 

あああ…

 

初対面から失敗したぁ…

 

とか

 

反省する反面

 

…いやいやいや

 

初めましてで その態度なくない?

 

 

相手の子供じみた怒った姿に

 

はい こいつ子供

 

って分類分けして

 

気持ち濁す…も

 

沈黙の空間に

 

いたたまれず

 

あ…そういえば扉の施錠…

 

 

入ってきた彼が

 

その辺ちゃんとできてるか?

 

 

確認するまでもなく

 

オートロックだっけ?

 

 

何気に

 

扉の方に目を向ければ

 

ホテルの扉

 

チェックアウトで

 

部屋を出る時

 

内鍵のストッパー

 

扉が閉まらない様

 

つっかえ棒にする

 

半開きな状態の

 

まさに今

 

玄関がそうなってて

 

え?平気?なの?

 

 

聞いた…とて

 

返事しないだろう

 

怒ってる彼を

 

凝視した

 

 

 

  つづく