サイブン3/ー26ー | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

 

ヒールを鳴らして歩く

 

僕の前を行く彼の

 

長い髪

 

…さっきから気になる

 

目が捕らえる“波”

 

 

あぁ そっかぁ

 

流れでアクセサリー制作する際

 

ひとつにまとめていたからだ

 

軽くウエーブが残ってる

 

柔らかそうな髪が

 

歩行の動きに合わせ

 

左右に揺れるの

 

目で追いつつ

 

寝ぐせ見つけたような

 

…なんだあれ…の原因が

 

解決するや

 

つい 視線は

 

長い髪の延長をたどる的な

 

自然な流れで

 

対象者の臀部へと

 

落ちていくわけで

 

 

 

…こんな風に

 

つい

 

盗み見ちゃう感じからして

 

 

彼の後ろ姿は

 

結構 女性的だよなぁ…

 

とか

 

目が本能的に吸い寄せられちゃう事への

 

自己弁明…じゃないけど

 

 

ただ

 

髪が長い華奢な男性

 

って別に珍しくなく

 

ある一定数 存在するから

 

左程 見慣れてない訳ではない

 

んが

 

彼に関しては

 

そういう

 

髪の長い男性

 

って風には

 

見えない “何か”が

 

あって…

 

だからそれが

 

なんなのか

 

 

つい

 

見て探ってるんだ…僕は

 

 

 

後ろ姿 ガン見している状況への

 

自己弁明

 

しながら

 

 

大して重くない

 

僕の手荷物

 

分担して持ってくれたはいいが

 

確実に

 

彼が持ってる紙袋が

 

一番重量のある

 

彼の作品であることは

 

偶然ではないだろう…と

 

 

 

「…その茶碗って

 

 今回の展示販売用に作ったの?」

 

 

教室内で

 

僕との接点がなかった時期の

 

彼をよく知る立場なのだろう女性が

 

あれこれと例に挙げた

 

彼の出展作品の豊富さから

 

多種多様に制作していることは

 

認知したも

 

元々

 

売り物ではない器

 

買わせて貰うという

 

購入方法がイレギュラーだった僕

 

やり取り上 見せてもらった

 

彼のその他の出品作品数からも

 

制作時間とか

 

結構 準備が大変だったのでは?

 

とか

 

雑談の類の中で

 

これほど 彼との話題に

 

適したものはないだろう

 

そう

 

自負しつつ

 

僕の前を歩く彼に

 

歩調早め

 

近づけば

 

 

「…もともと

 

 発注を受けて 制作するから」

 

要は

 

その 制作過程で

 

デザインやサイズの違うものを

 

沢山作って 

 

買い手が付かなかった作品を

 

また 見本として出す要領で

 

展示販売に出品する為

 

 

在庫はある…って事を

 

少し

 

濁しながら

 

口にした彼の様子から

 

 

…作品があまり売れていない

 

そう

 

僕に印象付くことが

 

嫌なのだろうと

 

解釈して

 

 

「…じゃぁ

 

 誰かの手に渡っちゃう危機

 

 回避して

 

 その器と僕は出会えたんだ…

 

 とんでもなく ラッキーじゃん」

 

 

多分

 

感性が違う人が聞いたら

 

…こいつ 痛いヤツ…

 

って なるだろう

 

物を擬人化する表現で

 

けど

 

偽りない感想 口にして

 

 

彼が笑ってくれるかな?って

 

 

誘導するように

 

ははは…って笑えば

 

 

「…買い手が君で良かった」

 

僕の感想

 

茶化すことなく

 

制作者がつぶやいた

 

 

  つづく