サイブン3/ー11ー | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

記憶に残る媒体の強さを並べると

 

確か嗅覚が一番強かったはずだよなぁ

 

 

知ってるはずの味覚が

 

なんなのか

 

思い出せない事への言い訳じゃないけど

 

なんだったのか

 

今記憶にあるこの味は…

 

 

原材料に目を通しても

 

それが何なのか

 

 

「…いやこれ何語だよ?」

 

 

聞いたことのない材料名

 

料理する人でもないければ

 

ピンとこない文字の羅列に

 

 

「…やっぱり思い出せない」

 

 

知ってるはずの味

 

記憶力総動員して

 

この体たらく…なら

 

もういいや

 

って気持ちで

 

出された珈琲

 

くいっと飲めば

 

 

口の中から

 

鼻腔へと流れた香りに

 

ぱっと浮かんだ

 

記憶の映像は

 

 

 

「…あぁ中華料理だ

 

 香辛料の…あまり食べた事のない」

 

 

だけど

 

材料名に漢字はなく

 

どういうことだと

 

眺めていれば

 

 

「…トウシキミってのは

 

 香辛料の八角の事で

 

 中華っぽく感じたのはそれだろう」

 

彼が

 

随分物知りな位置から

 

解説するから

 

 

少しだけ

 

あぁん?

 

とか思うものの

 

 

この場所は

 

彼がそんな風に

 

ふるまう空間な訳で

 

 

確かに

 

部門違いな事にまで

 

教え享受の体制には

 

鼻につくけど

 

 

 

「…よく知ってんなぁそんなことまで」

 

純粋に

 

博識な部分には

 

恐れ入ったと素直な驚きもあって

 

感心していれば

 

 

「…生徒さんに

 

 ここのお店のスタッフさんがいて」

 

あぁ…なるほど

 

例の 作業中の雑談からの

 

マメ知識…ってやつか

 

ふぅ…ん

 

 

「…色々知ってそうだね」

 

 

ひょっとして

 

差し入れに貰うって

 

そのスタッフさん経由か

 

いいなぁ…とか

 

考えていれば

 

 

「…結構 試作品頂いたねぇ」

 

お?そんなことが?

 

なんだか

 

普通に売られてる商品より

 

面白そうなチョコの話

 

彼が語り出し

 

どんなの?どんなの?

 

と 興味を見せれば

 

 

「…いや そもそも

 

 お客さんにサービスで出しつつ

 

 感想を集計してるってタイプの

 

 試作品って事だから

 

 商品開発とかには係わってるわけじゃない」

 

 

等と

 

説明しながらも

 

 

「…君が食べたチョコは

 

 この教室の生徒さんに

 

 結構好評だったって言われてたから」

 

そういって

 

いい人の顔で微笑む彼に

 

少し前まで

 

僕に憑依していた

 

意地悪なデビルモードが

 

 

刺激されたのか

 

むっくり頭を上げる感覚

 

 

脳ないにあって

 

 

僕は慌てて

 

ステイを発動した

 

 

  つづく