サイブンー20ー | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

 

田舎での営業

 

…とはいえ

 

こんなにゆるい経営方針で

 

大丈夫なのか?

 

と 一瞬

 

他人事ながらに心配しつつ

 

 

「…えぇ…っとぉ…」

 

と 困ってしまっていること

 

前面にアピレば

 

 

「もうすぐ バイトの子が来ると思うんで」

 

あぁ…なんだ

 

ちゃんと 雇ってる人が来るんだ

 

 

まるっきり一人で

 

来客があったらどうしよう

 

って不安が払拭できたので

 

 

「…わかりました 気を付けて」

 

と 言わざるを得ないくらい

 

店員の申し出は

 

決定事項とばかり

 

準備が進んでて

 

今からピクニックか?

 

って感じの作りをした

 

バスケットかごを両手に

 

いつでも出られる

 

スタンバイ体制だったのだからして

 

昼時だもんなぁ…

 

 

サービスで出されてたパンが

 

焼き立てだった理由

 

今更のように気付きつつ

 

再び席につけば

 

 

「…ありがとう では」

 

 

そういうと

 

得体のしれない客である僕を残し

 

店の主が退出してしまって

 

 

 

途端に

 

 

のんびりと

 

くつろげる空間だった

 

店内の空気が

 

急に

 

よそよそしく

 

僕に対して

 

人見知りになったような

 

いたたまれない空間になってしまって

 

僕は意識的に

 

今座っている場所から

 

一歩も動けなくなって

 

 

テーブルの上に置かれた

 

おかわり自由の珈琲を

 

ひとまず

 

カップに注ぎ始めれば

 

 

店員が出て行った扉が

 

静かに開いたから

 

ドキッと

 

まさかお客が来たのか?

 

 

こぼしそうになった珈琲

 

慌てて

 

注ぐのを中断し

 

扉の方に目を向ければ

 

 

…彼は…その…

 

店員が言った“バイトの子”なのか?

 

それとも…客?

 

 

と 判断しかねて

 

ぽかんと見つめていれば

 

 

入ってきた彼の方が

 

ぺこりと頭を下げたから

 

 

…あぁ…バイトの方か…と

 

ほっと息を吐いて

 

手に持ってたポットを

 

そっとテーブルに戻し

 

入ってきたバイト君の様子

 

見るともなく 目で追えば

 

 

…年のころは…20代前半か?

 

ひょっとしたら高校生かも?

 

いや この時間は学校か…

 

等と

 

僕のいる位置が

 

店内の奥だから

 

カウンターのある入り口付近は

 

遠く

 

はっきり見えてた訳ではない

 

けど

 

エプロンをつけたり

 

カウンターの周辺を掃除したり

 

…って動きは

 

確認できてなかったので

 

 

え?あれ?

 

やっぱり客の方だった?

 

と 店内の入って左側の席は

 

僕の位置から見えないから

 

そっちの方に居るのだろうか?

 

と 座ったまま

 

体を傾け 

 

店員が留守な事

 

一声かけとこうか…と窺えば

 

 

その左側の奥は物置だったのか

 

さっき入ってきた彼が

 

何やら段ボールの箱

 

両手持ちで

 

抱えて現れた

 

 

  つづく