サイブンー15ー | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

 

おかわり自由な焼き立てのパン

 

…ってフレーズに

 

左程

 

空腹ではなかったはずの僕

 

だが

 

これはラッキーだったかも

 

 

初めて降りた駅近くのお店で

 

思いがけないサービス

 

体験しつつ

 

 

…次の電車の時間がどうとか

 

もうどうでもよくなって

 

常連客だろう

 

空腹を満たすだけの目的ではなく

 

この店内で

 

過ごす時間ってものを

 

楽しんでる風な

 

個々の

 

リラックスタイムな様子

 

邪魔しない程度に

 

観察しながら

 

 

とりあえず今は

 

目の前の食べ物に手を伸ばす

 

モーニング

 

って事で

 

簡単なサラダと卵料理と加工肉

 

ってラインナップではある

 

けど

 

なんだろう

 

こだわりが随所にあるようで

 

肉なんか

 

キャンプの時出されるような

 

バーベキューっぽい香ばしさは

 

燻し肉…ってことか

 

オリジナルな香辛料

 

一口で鼻から抜けて

 

…これは…とか

 

一瞬

 

食レポ始めそうになったところで

 

オムレツ状態の卵も

 

よく見れば何かしらの粒々が入ってて

 

只のプレーンではない事

 

食べる前から醸してるし

 

なにより

 

プレートの上

 

その配置が

 

メニューに掲載されてた

 

写真で見るよりお洒落なんだが…

 

 

ちらっちらっバーテン風な

 

店員さんに視線向けては

 

 

…これをあの人が作ったのか…

 

 

たいして意味はないけど

 

なんとなく

 

イケオジの

 

今は注文があったメニューだろう

 

フライパンを振ってる姿

 

カウンターの向こう

 

ほんの少し 見切れる格好で

 

調理場が見えてるの

 

覗き見る格好で

 

…あぁ成る程

 

こんな風に

 

こちらから見えるって事は

 

調理場の彼からも

 

客席がくまなく見えてる訳で

 

だから

 

ワンオペでもやってけるのか…

 

とか 観察ながらに

 

調理場で使われてる香辛料とか

 

これ食べて気になった客は

 

見たがるだろうなぁ

 

等とつい

 

首を傾け

 

調理中の店員の背中

 

眺めていれば

 

 

通常なら

 

見慣れた常連で埋まる店内なのだろう

 

新参者の僕の様子

 

なんとなく気になるらしく

 

先客の一人と

 

ふと目が合って

 

…あぁ僕が様子を観察するように

 

僕もどうやら

 

観察されてたっぽいなぁ

 

って事に

 

…今ごろ 気付きつつ

 

 

そこは 軽く会釈すれば

 

目が合った先客が

 

無表情のまま

 

「…どうだい?旨いだろう?」

 

さも

 

自分の手柄のように

 

感想を聞いてくるから

 

 

そこは 地元の人との交流って事か

 

 

頷きながら

 

「…はい 正解でした」

 

勧められたメニューに決めて…

 

って主語なく

 

端的に返答返して

 

愛想笑いすれば

 

 

気をよくしたか

 

 

「…ゴマのパンお勧めだぞ」

 

常連あるあるなのか

 

現状 皿の上にない

 

パンの話題に

 

焼き立てのパンを待て…って事か

 

 

彼ら常連がいる理由

 

察しつつ

 

僕は頷いた

 

 

  つづく