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「彼」目線
ひとつ前の話⇒vol.216
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これも仕事……とはいえ
男3人
破格な贅沢を 全面にした
VIP専用のホテルの一室で
大きなモニター前に陣取り
見てる サイトが
UNDERGROUND的な下着写真
見慣れないブラ姿の
半裸な男性
紙一重な 妙な印象
けどそれは
購入しようとしている商品
イメージしやすく
表示された姿
整った肉体の
モデルを眺めながら
俯瞰すると この状況
なかなか シュールだなぁ…
そんな感想 抱きつつ
《取りあえず この6種類 注文します》
到着早々
着ける事になる商品を横目に
コンサルタントの 確認に
頷く
こんな仕事…と腐るな
ポジティブに考えるのが
「俺」の長所だ
滅多に無い体験
楽しんだ者勝ち
そう言い聞かせつつ
「俺」自身が
そういう趣味の類ではない事を
再認識する
「…嫌々着けて
能率云々の向上なんて
望めるんだろうか?」
何度も感じてた疑問
最後のあがきとばかり口にすれば
《それも含めての実験ですから》
注文作業 サクサク進めるコンサルタント
身に付けるモノは好みである様
選ばせてあげたでしょ? 等と
みなまで言わず
「俺」のボヤキに 笑顔で答えた
モニターに
ご注文ありがとうございました
の 文字
閉めて終る…はずが
注文商品の関連サイトが
紹介されてるページへと 飛んだ画面
“J”が 興味持ち
コンサルタントから
操作引継ぎ
次々と飛び始めている
モニターに映し出される
DARKな大人嗜好のサイトの扉
それを眺めながら
操作する
“J”の向こう見ずな行動に
「自分」が重なる