BL系です
苦手な方ご注意ください
…腹減ったぁ…
冷蔵庫 入ってるのはビール数本
コンビニ
おでんか おにぎりか
中華まん からあげ
なんでもいいや
取りあえずの食糧を買うため
コート着て
鍵持って
ドア開けて…
今から 準備して…って
考えただけで 億劫だわぁ
ぐうぐう 鳴ってる腹 摩りながら
テレビに目を向け ボンヤリ
寝よっかなぁ…
そう思っていた所へ
携帯が着信
手を伸ばし 相手を確認
『彼』 の 名
こんな時間に?
少し考えて
耳に当てる
… はい …
『 あっ 今から行っていい? 』
単刀直入すぎる申し出
いつもの事
『 すぐ近くまで来てるから 』
オレの返事 聞く間もなく
『 もう 着く 今 駐車場入る… 』
途切れた通話
『あの人』
いつもオレが独りとは限らないのに
こんな 連絡の入れ方で
毎回毎回…
頭の中で 文句を並べつつ
のっそり起き上がると
面倒なので 家前のロックを
解除し
インターフォンが鳴るのを
リビングの壁にもたれ 待機する
数分もしないうちに 来客を知らせる音
モニターで確認もせずに 解除
ビールを2本 持って
元居た場所に 戻って 座る
… あ 食うもん 何も無いや …
空きっ腹にアルコールは まずいなぁ
何か食うもん無いの?って聞かれたら
買いに行かそう…
そんな事 ボンヤリ考えていると
玄関で バタバタと人の気配
もう来たのか 早いなぁ
オレの居る場所に向かう 足音
『 よぉっ♪ 』
あれ? 良い匂いがする
首を回して
『彼』を見れば 手に食糧の類
おっとぉ…これは 有り難い
俺の表情に
満足そうな笑顔の『彼』
『 腹減ってるだろ? 一緒に食おう 』
バタバタと騒がしく
テーブルの上に 『彼』の持ち込んだ
ギョーザやシュウマイ 角煮的なモノが
次々と 並べられ
そのラインナップから 中華街
容易に想像できる シチュエーション
見え隠れする 「あの人」の影に
思わず
…デートの帰り?…
余計な事 尋ねてしまう
『 何だよ それ やきもち? 』
否定もせぬまま はぐらかす 『彼』
…まっ どうでもいいけど…
拗ねた態度と 受け取られただろう
素っ気ない返事をした
オレの腹が
きゅるっと鳴った
『 やっぱ 腹減ってた 良かった 」』
そう言うと 前触れも無く
いきなりのキス
… ちょっ …
頭の後ろ
回された『彼』の腕が
逃げない様 抑え込み
はむはむ と オレを ついばむ
オレの表情 確かめる様に
薄目を開け 見つめる 『彼』の目
逸らさず 見返すと
チュッと 離れた唇
『 俺も腹ペコ 狼 寸前… 』
そう言って また 重ねようとする唇
… 飯を食わせろよ 先に …
オレのセリフに
口角をにゅっと上げ にやけた「彼」
『 言っとくけど デートの後じゃないから 』
そう言って
ビールのプルタブを 開けた