白ヤギさんのアナログめぇ~る。 -6ページ目

首ネックやられる。




朝起きると、首を寝違えていた。


アタタタタタタッ。


にっちもさっちも首が回らない。

どうやら左側の首筋を違えたようだ。



 

顔が、こんな感じに傾いてます。エヘッラブラブ

(グラドルの山本梓さんに寝違い度を再現してもらいました。)




今日は確定申告のため、会計事務所へ行かなくちゃならない。

アメリカでは会社員であっても、確定申告は個人でする事になっている。

結婚後初めての申告。扶養手当がつくから、還付金が多くなるそうだ。


そりゃもう、首がねじれようがもげようが行かねばならぬ。なぁ?夫。

二人とも寝坊したため、取るものもとりあえず家を出た。

もちろん首は傾いたままだ。

夫は、私の左肩を後ろから叩く。

何だよー。体全体が後ろに向くから面白いと言う。マネするな!

覚えておきやがれ。



会計事務所に着いた。

会計士のジェリーさん(男性)は、イスに座ってたから分からなかったけど、

立つと2メートル越えの超長身。



ジェリーさんねぇ、ご覧の通り私背低いし、首が変なことになってるでしょ?

座って話しませんか?



普段猫背で生活しているのに、今日はエライ姿勢が良い。

首のせいだ。座ると座高が高いのがすぐ分かる。

前年に比べて3倍近く多く還ってくるそうだ。

夫は興奮している。また始まったゾ。気が大きくなって、

アレ欲しいコレ欲しいとさっそく言い始めた。

妻に還元しなさい。さもなければ、キミもこんな首にするゾ。



帰り、夫がプロテイン豊富なサプリメントが欲しいというので、

サプリショップに寄った。

スーパーマーケットにはない素麺やソバ、日本米が置いてある。

米1キロ5ドル。高いな。けど、もうじき金が入るから買っちゃえ!



夫は何やらサプリメントについて店員の若いお姉さんと話し込んでいる。

目当てのサプリがないと言ったのに、長いな。

こじんまりとした店内に30分近くいた。


車の中で夫がニヤけながら言った。



「さっきの店員さん、ノーブラだった。イヒヒヒヒッ」




 アンタ、どこみてんのよー!!




そうか、あの店員の横にピタッと張り付いて話し込んでたのは、

そういう事だったのか!ノーブラ店員があのサプリこのサプリと

取ったり戻したりしながら説明してる時、サマードレスから

チラつく横乳を拝んでいたのだな!

ムムムッ。


「私のESLの先生もノーブラだったよ。60歳ぐらいのオバちゃん。」



夫は想像してしまったのか、話をガラリと変えた。




私たちは朝食抜きで出てきたので腹が減っていた。

お得意のIHOPへ行くことにした。

店に入るとお色気ムンムンの超魅惑的なスパニッシュ系の

お姉さんウエイトレスがいた。彼女が私たちをテーブルに案内してくれた。


座ったと同時に笑いが止まらないウチら夫婦。

声に出さなくても会話ができるのだ。


(夫よ、さっきあの娘のこと目で犯したやろ?)


(彼女、オレの事誘惑してるゼ。ちゃまー、頭傾いてる)



ムンムン姉さんが注文を取りにきた。


「ターキーサンドウィッチをお願いします」






アンタ、何笑ってんのよー!!



今、私の傾いた頭見て笑ったでしょー。

男は皆私に惚れる、女は皆私に嫉妬するって顔に書いてあるわよ!

あっ、サプリの姉さんもやけに営業スマイルが大げさだったけど、

あれ、私の首を笑ったんだわ。



んまー、んまー、くやしいーー!!!




私は暴走系妄想族だから、被害妄想が大好物。

今日は頭が思うように動かせない事もあり、被害甚大なのだ。



あっ、思い出した。

実家の近所の篠原さんとこのリリー。

店に行くと、魚肉ソーセージをくわえて飼い主のとこに持っていく事で

有名だったポメラニアン。

ある日、リリーは篠原さんが食べようとしてた焼肉を横からかっさらい、

思いっきり頭をはたかれた。それが原因で首が傾いたまま、

しばらく真っ直ぐ歩けなくなっていた。

うちの飼い犬を散歩してた時、リリーが突然横から出てきた。

うちのはこのリリーが嫌いで見るといつも威嚇していた。
急に天敵が現れたものだから、リリーの首根っこをガブッといった。


ヤバイ!篠原の奥さんに怒られる...。と思っていたら、

うちの犬が噛んだお陰で首が治ったと喜んでくれた。




この痛みから開放されるのなら、事故でも何でもいい。

犬でもトラでもライオンでも、私の首をガブッといってちょーだい!



いや待てよ。





   発言撤回。

                            ゆえに





怒れる妻。



人っ子一人訪ねて来ないわが家に、今週トカゲが3匹も来たんですよ!

月曜日に一匹、今日は二匹。


どーなってんだ、このうちは!!




もうー怒った!!限界きた!!


 

       ↑

     こんな感じ。




何ですか?隣の奥様。


「トカゲはハエやゴキブリを食べてくれるのよ」


そんなこたぁ、どうでもいい!

今日という今日は堪忍袋の緒が切れたってやつです。



何つった?夫。


「トカゲは歯がないから噛まないよ!」


何を生ぬるいこと抜かしてやがるんだオメェはよォ!

アイツらなー、ワシのビビる顔見たさにオミャーの留守中に来やがるんだぜ。

人をおちょくりやがってよー!



ナメられてたまるかってんだ!!



右手にほうき、左手に殺虫剤を持つ。手が震えてる。

近づいてるのを悟られないように、抜き足差し足で距離を縮めていく。


よしっ!今だ!エーーーーイッ!


シューーーッ!


突然の殺虫剤に逃げ惑うトカゲ。

容赦はしない。噴射したままトカゲを追う。追って追って追いまくる。

どれだけ追い回したか知らない。

ヤツはピタリとも動かなくなった。目は開いている。

息の根が止まったかどうか確かめる。

ほうきの柄で、ヤツから1メートル離れた床を思いっきり叩く。

何故なら、ヤツらも私同様、振動にビビるから。



バアアアアーーン!!


殺人的な音が鳴り響く。


今度は少し近づいて、小さく叩く。


コンコン。


死んでるみたい。



冷静になって床を見ると、広範囲に渡り殺虫剤でベトベトしている。

クラクラしてきた。においのせいだな。



よしっ。最後のトリは、やはり夫にもたせてあげなくちゃ。良妻だもの。



夫が昼過ぎに帰ってきた。


「バスルームでトカゲを殺したから、外に捨てて。」



私はしっかり最後を見届けるため、外で待っていた。



何だ?何の音だ、今の?ま、まさかアイツーーー、


また、やりやがったなあああーー!!!



   

        ↑ 

      怒り再発。



来い!夫!いいからこっちへ来い!!


      座れ!

       ↓

       ↓

     ココに座れ!!

       ↓

       ↓

       ↓

       ↓

       ↓

       ↓

       ↓

       ↓


 


座れといったのに、立ってるじゃないか!!

向きも違うぞ!!



まあいい。



あのなー、オマエなあー、



トイレにトカゲを流すな!!!



これで2回目じゃないのか?怒られたの。エェ??



ひょっとしたらと考えてみろ!

まだ生きてたらどうするよ、エェ?

使用中に這い上がってきたらどうするんだよぉー。

もし歯が生えてたら、プライベートスポットをガブッとやられたら、

どうしてくれるんだよぉーーーー!!!!






今、めちゃくちゃおトイレ我慢してます。



《追記》


渋谷の女しゃっちょ^^さんのコメントを読み、も、もしや私がヤッたの、

ヤモリ??と調べてみました。

ヤモリでした。家を守ってくれると評判のヤモリを殺しちゃった。

悪い事したな。

今度見かけたら.......またヤッちゃうと思います。

    
      ごめんなさいよ。

拝啓 お義父さま。




お義父さま、先に結論を言わさせて頂きます。


すきー!だいすきーー!!!ドキドキ




なのに、いつも会話が続かなくてすみません。

起因は全て、私の知識のなさ、英語力のなさ、話術のなさに他ありません。


「お義父さん、調子どうですか?」

「お義父さん、今日何食べました?」

「ジェナ(犬)は元気ですか?」


毎回こればかりですみません。



すみませんついでに、もう一つ謝罪させていただきます。


私ら夫婦が引越すとき、こう言われましたよね。


「シャーロック・ホームズを知っているか?」


「もちろんですよ!あの本は日本でも有名なんですよ。

 私も少女時代、読みましたもの」


赤文字部分は真実ですが、緑文字部分ウソつきました。

私が少女時代読んだのは、「少年探偵ブラウン」でした。

すみません。

「この本はね、僕が10代のときに読破したものだよ。

 これをキミにプレゼントするからね」


WOW!いいんですか?ありがとう!島にはESLがなさそうだから、

 英語の勉強できなくなると心配してたんです。

 シャーロック・ホームズが私の英語の先生になってくれるんですね!」



どうしてこんな調子の良い事ばかり言うんでしょうね、私。

電話で1分ともたない会話に、何か話題を提供せねばと思い立ち、

昨日初めてホームズの本、開きました。

5分で閉じました。

感想、ホームズは名探偵ですね。




「お義父さん、私、過去形と過去完了形の使い分けができません」


「そうか、だったらこの本を読みなさい。違いが分かるはずだよ」


WOW!こんな立派な本、頂いていいんですか?

 実は、私アメリカンヒストリー興味あるんです!」



実は、自分史も含め歴史物はどうもニガテです。

貰っといて、すみません。


それでも、ちゃんと読んでますとアッピールするため、

昨日初めて「自由人の歴史」開きました。


お義父さま、この本とても面白いですね。


お義父さまが少年の頃は、メガネやヒゲが流行っていたんでしょうか?

私の頃は、志村けんのバカ殿や鼻毛でした。


        

左の人にはメガネを、右の人には自然な増毛が施されています。





最後に、これは大変申し上げにくいんですが、

お節介のつもりで言わせて頂きます。



この「自由人の歴史」、学校の本みたいです。

1964年、Gary Pelellaさんが10年生の時に1年間借りた後、

お義父さまが借りてそのままになっています。

半世紀近く、借りっぱなしになっているかと。




今さらですよねー、やっぱり。どうか気を悪くしないで下さいね。





そんなこんなで、お義父さまだ~いすきっ!ラブラブ





ビリ子のアビリティー。




わが夫、ビリ子ちゃんは自己暗示能力に長けている。



「ちょっと頭痛がするから、薬を飲む」


飲んで5分もしないうちに、


「治った。」


と言う。早すぎる。

夫の場合、「薬飲んだ→治った」が5分以内で展開する。

もともと頭痛なんてしてなかったんじゃないのか?





最近、肉体改造に目覚めている夫。

プロテイン入りのシェイク(チョコ味)を朝晩飲んでいる。


飲み始めて2日目。


「ちゃまー、ちょっと来て!」


バスルームから声がした。


サソリか?ゴキブリか?いちいち呼んでくれるな。
ビビりながら行ってみると、


「ねぇ見て!筋肉ついてきたと思わない?」


上半身裸の夫が鏡に向かってポーズを決めている。


「別に...。例えばどの辺についた気がする?」


「この辺!」


夫は脇の下を指した。たぶん、高見盛が気合入れる時に叩くと思われるところ。


「どうかな。そんな所、普段意識して見てないから違いが分からん」


「プロテイン効果だ!」


またまたー。だからね、早すぎるのだよ、効き目が。


「すごいね、運動もしてないのにね」


もちろんイヤミだ。夫は汗をかくような動きを一切見せたことがない。


「なぁすごいだろ?あのシェイク」


目を丸めてウンウンウンとうなずく夫。


「飲んだ→筋肉ついた」が2日以内で展開している。
まだプニョプニョしてるじゃないか!





ふと思う。

この人、催眠術かかりやすいだろな。

糸に通した5円玉をチラつかせるだけですぐ落ちそうだ。



夫は今のところ、死後の世界やUFOの存在を全く信じてない。

できれば、丹波哲郎や矢追純一の存在も知らないでいて欲しい。

夫はたまに彼らと同じ周波数の時があるからだ。

知れば、大変厄介なことになると思う。






現在、結婚生活が順調なのは、夫の自己暗示能力のおかげではない。

妻の優れたHCAHusband Control Ability)のおかげだ。




驚愕の事実!


この間、教習所に行ったとき、

筆記テストを受ける前に、交通ルールと薬物乱用についての

講習を受けるように言われた。

車の免許を初めて取得する人は、必ず受講しなくてはいけない。

わざわざオフィスまで来なくても、インターネットで受講できるからと

サイト名を書いた紙を渡された。



帰宅後、早速そのサイトを調べる。

4時間の講習で24.5ドル。24時間いつでも受講できて、ログイン&アウト

何回でもOK!これは、オフィスで受けるよりかなりラクである。

受講後は修了書を発行してくれる。それを持ってオフィスに行けと書いてある。

さらにずーっと読み進めていると、んん?ウソでしょ?と驚きを隠せない記述が!



初めて免許を取る方へ


教習所で長蛇の列に並び、待つ必要はありません!

今すぐオンラインでテストを受けよう!



エーーーッ!

それはつまり、自宅で筆記テストが受けられるという事ですよね?

私は何度も読み返し自分に確認をとってみたが、誤解してる恐れがあるので

夫に聞いてみた。


「そうみたいだね。良かったじゃん」



い、いいのーーーー?

はっきり言って、非常に嬉しくもあり、また怖くもある。

アメリカでは筆記テスト、視力検査にパスすると自動的に仮免許がもらえる。

免許所持者が同乗していれば駐車場などで運転練習できるのだ。


私は視力に問題ないので、オンラインでの筆記テストにさえ受かれば、

ハンドルを握れる。



これ、悪徳サイトじゃないのか?

こんなウマイ話、裏があるに決まってる!

そんなカンタンに、この私に運転させていいのか?



いいみたい。

だって、直接教習所で教えてもらったサイトだし、夫なんか

高校でドライビングの授業を取っただけで実地テストも受けずに

免許がもらえたと言っている。




じゃーオンラインで!という事で、まずは講習を受ける。



7章から構成されるこのコース。

要約すると、


酒とドラッグを服用して運転しちゃ~ダメ!


以下省略!

以上!




ねー?ねー?だから、怖いんですよ!

まー、とにかく昨日今日で4時間ちゃんと受講しました。
このコースの最後にテスト(40問のうち80%正解で合格)があります。


受けました、ついさっき。

後2問間違っていたら、落ちてました。セーフ!セーフ!

とりあえず、コースは修了しました。


筆記テストはもうちょっとお勉強してから受けることにします。

このオンライン筆記テストは、どうやらフロリダ州のみ実施してるようです。




何?夫。


「テスト一回につき24.5ドルかかるから一発でパスしろ!」







下手なプレッシャーかけてくるな!





かい~の。



現在私は、自分史上最高に汚い足をしている。

ほぼ左右対称に22箇所の虫刺され。

しかもローキックのように膝下ばかりやられている。

見せれたもんじゃない。



おととい、朝起きると右足の小指が非常に痒かった。

下唇にも何か違和感がある。

どちらも、噛まれたくない部位ワースト5に入る厄介なトコだ。

痒み止めを塗ってるシリからもう痒い。

小指なんか切り落として踏みつけたいぐらい、憎くなってきた。



人間の体は、1箇所掻くと体中痒くなるようにできている。

イーーッとなってキーーッとなって、横で爆睡中の夫の足まで掻きたくなる。



寝ている間に噛まれているので、ベッドバグ(南京虫)の仕業だな。


「南京虫いるみたいだけど、痒くない?」


「全然。なんでそんなに噛まれてるの?」



夫はパンツ1枚で寝ているのに無傷だ。

何でだろう?彼らにも好みがあるのかな?

私の足からは、フェロモンのような甘い香りが出ているのかもしれない。
叶姉妹の胸元みたいに、私の場合、足元から誘惑のニオイがプ~ンと。



「僕の足は毛が守ってくれているんだ」



そうかもしれないな。

私にも足毛が生えてるけど夫ほどではない。
よく見ると、毛と毛のほんの少しの隙間をぬって上手に噛んでいる。

ふくらはぎや足の甲など毛密度が薄い所を集中して噛んでいる。



そんなことより、ウチの寝床環境はどうなってんだ!

夫の変なこだわりで、ベッドにはウールの敷物が敷かれている。

夫はメキシコ産のポンチョとアラスカで買った毛布にくるまって寝ている。

私は義妹からもらったカエル柄の毛布を腹にだけかけて寝ている。




アメリカでは、マットレスを干す習慣がない。

もちろん毛布でさえ干したりしない。

シーツは小まめに洗ったり取り替えれるが、毛布はなかなか洗濯できない。



昨夜、全ての寝具をそれこそシラミつぶしに調べた結果、

変な小さな虫がたくさん出てきた。南京虫なのか、よく分からない。

カブト虫をこれ以上ムリという所まで縮小したような虫。

とにかく私を今まで喰い続けてたのは、コイツらだと断定した。


夫はベッドから虫が出てきた事にかなりショックを受けたようだ。



「あのね、全てはこのウールの敷物とアンタの毛布のせい!」


その通りだ。



通気性の良いタオルケットがいるな。








ところで、私の足の香りはシャネルのNo.931だったりする。


                       




だらだらサンデー。



ヒマなので、午後からビーチに行くことにした。

この間、楽しそうにバトミントンしてる親子がいたので、

私たちもやってみることにした。



店にはバトミントンがなかったので、

仕方なくよく跳ねるビーチボールを買った。


今日はイースターサンデーだから、島で有名なビーチは人だらけ。

駐車スペースも空いてなかったので、他を探すことにした。




あった。

とても静かな穴場のビーチ。シャワーもベンチもある。

一組の親子連れしか来ていない。



  



日焼け止めを塗り、さっそくビーチバレーをする。

そういえば、夫とやるの初めてだ。


私サーブ→夫レシーブ、私サーブ→夫レシーブ......。


「ちょっとー、もっと高く打ち上げてくれない?」


返ってくるボールが地を這うように低飛行で、打ち返しにくいのだ。


私サーブ→夫レシーブ、私サーブ→夫レシーブ....。


全く続かない。

私は夫の立ち位置に上手にサーブするが、夫からのボールは

前に後ろに右に左にと、アタックナンバーワンばりに走らされる。


「グーで打つのー。パーだと打ちにくいでしょ!」


だんだんイライラしてきた。

ボール打ち返すときイチイチ跳ね上がるな。

今度は高く打ち上げすぎなんだよ!

太陽とボールが重なって、目、目が!!



私だけ汗かいてるし、全然面白くないのでやめた。




今度は泳いでみる事にした。

夫に水温を確かめてくるよう命じられたので、先に海に入る。


「少し冷たいけど、大丈夫」



「つめたいっ!それに大きな石がゴロゴロしてるからサンダルいるな」



そう言って、荷物がある方へ歩いていった夫。

私のサンダルも取って来てくれるんだろうと思い、海の中で待機していた。

スノーケルを楽しむ家族や杭に止まった名も知らない鳥をぼんやり眺める。



夫遅いなぁと思い、振り返って見ると寝そべっていた。




何やってんだ、あの人は。





呆れながら近づく。

日焼けしているというより、グッタリしている。

家族サービスで嫌々やって来たオヤジみたい。



 

締りのないだらしない肉体だな、キミは。



夫は片面約5分ずつ焼いて「そろそろ帰ろう」と言った。




ビーチにいたのはトータル30分ぐらいだろうか。

夫は来週もまた来ようと言ったけど、何しに来るん?
ムダ毛の処理とかいろいろシンドイし暑いから、イヤだ。






ウチらって、所詮インドア人間だよ、夫。




英語で夢みナイト!




去年の暮れ。お義父さんから、


「英語で夢をみるようになったか?」


と聞かれた。



アメリカでの生活も1年を迎えようとしていた。

英語で会話、英語でテレビ、英語でケンカの日々だったので、

英語で夢を見ることもあった。

私は睡眠の質が悪いようでほぼ毎夜夢を見る。

大体の夢は起きれば忘れるんだけど、強烈なものはいつまでも覚えている。



初めて英語を喋った夢。

私はエキストラか女優か知らないが、ロケバスの中で撮影待ちをしていた。

スタッフらしき人が「アメリカ留学した事がある」と言った。

ほう、私は今アメリカに住んでるよ。

英語で会話してみようか?となって、「How are you?」 「I'm fine.」と、

中1教科書の4ページ目にさっそく出てきそうな低レベルの英語を話した。



夢は現実を超えられない気がした。



それからじわじわと西洋人も登場するようになった。


私には日本人のフィアンセがいる。結婚式の当日、ふと思い出す。

アラ?私アメリカに好きな人いたんじゃなかったっけ?

ビリ子ちゃんだ!私にはビリ子ちゃんがいたんだわ!

ヤダ!この日本人と結婚してる場合じゃない。どうしよう、困ったわ。

と葛藤する私。


日を重ねるにつれて、ビリ子ちゃんは私の夫役で出演するようになった。



夢なのに夢がないな。





「お義父さん、私、英語で夢見る時あります!」


「そういえば、この間、英語で寝言言ってたよ!」


マジ?カッコイイじゃん、私。


「何て言ってたんだ?」


お義父さんも興味津々のご様子。

言ってあげなさい。嫁の英語上達ぶりを披露してあげなさい。


「JANA!JANA、JANAって3回呼んでた!」


嬉しそうに私の肩をバシバシ叩く夫。



................。



ほらー!お義父さん黙っちゃったじゃないか!!



「笑いながら呼んでたから、散歩に連れて行こうとしてたんじゃないかな」


そんな推測いらんのだよ。

そりゃJANAは英語だけど、日本語でもジェナだぜ。

何故なら、犬の名前だからね。タイ語でもエチオピア語でもJANAなんだよ。


    

        JANAさん。



夫は本気でこんな的外れな事を言う。

決して面白半分で言ってるわけではない。





島に引越してから、ESLにも行かなくなったしお友達もいないので、

英語に触れる機会が減った。テレビも前ほど見なくなった。

ブログを書くようになってから日本語漬けの生活に戻ったので、

夢も日本語のみになった。



相変わらず、夫は夫役で出演している。

この間の夢では、夫と町を歩いていると前方から中学校時代の同級生2人が

やって来た。親しくない子達だったので、○○さん達だな。ぐらいにしか

意識しなかった。○○さん達もすれ違う時ちょっとこちらを見た程度だった。


しばらくして夫が言った。


「さっきの女の子達、キミの事『きもいっ』って言ってたよ」


「何?アタイの事、きもいだって?どっちの子が言ったのさ?」


「左のカワイイ子♪」



夫は日本語が喋れないが、夢の中では流暢に喋る。






余計な事を言うのは、夢の中でも同じだな。



 

31回目。



静香が拓也に祝ってもらったように、

美樹が布袋に祝ってもらったように、

フェリペ三世がスペイン国民に祝ってもらったように、

私は昨日夫に誕生日を祝ってもらった。




夫は金曜・日曜がお休みなので朝から晩まで一緒に過ごした。

昼からこの島で一番美しいと言われるビーチに着くと、

イースター休暇のためか、親子連れがたくさん来ていた。




青い空と海、白い砂浜。無駄がなくて気持ちいい!

あらっ!真ん中に写っている内股の人がかぶってるタオル、

ひょっとして私と同じ?

結婚記念日に夫から貰ったあのタツノオトシゴタオル (←クリック)だ!





泳がないって言ったのに、夫はビキニを着ろと指定してきた。

昨夜食べ過ぎたせいで、腹が乳より出ている。

昼食もしっかり食べてしまった。

しかし歳をとる事の特権は、図々しさを手に入れるという事。

その証拠にあのオバちゃん、トドみたいな体を思いっきりアラワにしている。

あのお母さんは、肉襦袢を幾十にもまとっている。



私の腹なんて、まだマシだわ。



そう暗示をかけて、着ていたTシャツと短パンを脱いだ。

がしかし、いつものクセで自然と腹を引っ込めてしまった。

1度引っ込めると、引っ込みがつかなくなる。



そんな時、タツノオトシゴタオルが役に立った。

頭からすっぽりかぶり、両脇についたポケットに手を入れて腹を覆う。

これで腹を思いっきり楽に突き出せる。

頭が悪そうに見えるけど、図々しさを手に入れたのだ。構うもんか!


ビーチにいる間、ずーっとタツノオトシゴタオルをかぶっていた。





夕方、私達はちょびっとオメカシして、ディナーに出かけた。

シーフードが最高に旨いと言われるレストラン。

お値段も最高に高いな。


「今日はキミの誕生日だからどれでも好きなものを頼みなさい」


そう言われても、お値段が気になる。

せっかくだから、いろんな種類のシーフードを食べたいな。

20ドル以内で具沢山のメニューを探しているとコレしかなかった。

  

  「パイレーツパスタ」 18ドル。

エビやホタテ、イカにムール貝、大漁だ大漁。

旨い旨いとむさぼる様にして食べていると、



「実は仕事が忙しくて、プレゼント用意できなかったんだ。ゴメンね。」


は?プレゼントなし?仕事毎日6時には終わるよね?続けて続けて。


「そこで提案なんだけど、デイスパ行ってみる?」


「デイスパって何?」


私は美容について大変うとい。


「ツメの手入れや顔のマッサージ、髪も切ってくれて

 とにかく全身ケアしてくれるんだよ。

 すぐ行く?6月に家族が来る前に行ってもいいよ」


つまり、エステとネイルケアとヘアカットが一日で体験できるのね。

面白そうじゃない。今行くと、家族が来る頃にはまたモサくなってると思うから、

6月に行く事にした。それにしても、夫どうしたんだろう。夫らしくない妙案だ。


「それで、実はバースデーカード買うのも忘れちゃった」



ふぅ~ん。可笑しいわね、今日自分用に22ドルのサプリメント買ってたのにね。


お義母様はこんな素敵なプレゼントを送ってくれたわよ。
         ↓


左のネックレスには「財富」と彫られています。裏には「WEALTH」。

右のブレスレットには「骨」と彫られています。裏には「SPIRIT」。


さすがお義母様。世の中ですよね、

それに女は歳をとるとがもろくなります。

骨粗鬆症、気をつけなくてはね。




帰ってから、夫が買ってきたバースデーアイスケーキを食べた。




今、非常に腹がチクチクしている。



食べすぎた




思いがけないプレゼント。





誕生日前夜。

仕事から帰ってきた夫が、アイスクリームを食べに行こうと言った。

断る理由もなかったので、さっそく車に乗り込みアイスクリーム屋さんへ

行くことにした。車を走らせていると、夫が言った。


「アイスやっぱ止める。時間あるからドライブしようか?」


別に私もアイスがめちゃくちゃ食べたかったわけではなかったので、

OKした。小1時間ドライブしていると、


「あそこのチョコレートパイ美味しいんだって!食べようか?」


と聞いてきた。

腹も減ってるからパイだけじゃなくて夕食も食べていこうと提案した。



橋のたもとのレストラン。

窓際の席につくと、夕焼けがとてもキレイだったので写真を撮った。


     黒いな。

      ↓


私は白身魚(名前不明)のソテー、夫はフライドチキンを注文した。



ちょっと気になるんだけど、このテーブル、いや建物全体が

左に傾いていないか?私の首が傾いてるのか?

左足が自然に踏ん張ってるんだけどな。


そんな事を心でつぶやきながら、外を見る。


子供達に釣りを教えているお父さん。その様子を眺めているお母さん。

そんな親子をじっと見ている鶴。を観察する私。にゾッコンの夫。

まるで食物連鎖のようだ。



夫がクスッと笑ったので、目線を辿ると女の子が持っていた釣竿の針が

男の子に釣りを教えているお父さんのズボンの裾を捕らえていた。


デカイの釣ったな。ビギナーズラックだね。



その女の子は6歳ぐらい、男の子は4歳ぐらいだろうか。

彼らは釣り糸を垂らし、じーっと魚が食いつくのを待っていた。



私達が運ばれてきた料理を食べてる間もじーっと糸を垂らしたままだ。

そのうち、お父さんが私達の視界から消えた。子供達は気づいてない様子。

釣りのポイントを変えたんだなと思っていると、しばらくしてお父さんが現れた。

手にしている釣竿には少し大きめの魚がひっかかっている。

お父さんは子供達に見つからないように、そっと魚のついた釣り糸を

海に垂らし、子供達の名前を呼んだ。

女の子に釣り上げるように言ったようだ。

お父さんが後ろからサポートしながら、女の子が釣り上げた。

彼女はとても嬉しそうだ。男の子もはしゃいでいる。


お父さんと釣り上げた魚を得意げに持つ子供達の写真を撮るお母さん。




あったかい家族だなぁ。




「お父さんは子供達に気づかれないように、あの魚店で買ったんだね。

 いい家族だね」


と夫が言った。意外な言葉だった。

私はあの魚、お父さんが釣ったと思っていたから。

それ以上に意外だったのが、夫が彼らに対して私と同じ感想を持った事、

そしてそれを口にした事だ。



夫は決して子供好きな方ではない。

私はちっちゃい子を見かけると、必要以上に近づくクセがある。

何かしら話しかけたり手を振ったり、怪しいくらい構いたくなる。

そんな姿を夫はいつも引き気味で見ている。

結婚当初、子供は欲しくないと言ってたので、

私は子供の話をしないよう気を使っていた。




夫は、あの父親に将来の自分を重ね合わせたのかもしれない。

私達もいつか、あんな家族になれたらいいね。




名も知らない親子から、一日早いバースディプレゼントをもらった気がした。