チーム医療っていう言葉も最近は一般的になった。

ちなみに一言で言うと、患者の病気に対し、

①ドクター
(乳がんの場合、乳腺外科、放射線科、腫瘍内科、血液内科等のドクターが連携)

②看護師(乳腺外科と点滴センター)

③レントゲン技師(マンモも担当によって痛さがちがう)

④薬剤師

⑤カウンセラー(メンタル)

⑥セラピスト(リンパ浮腫に対するマッサージとか)

⑦医療事務(病状が悪くなると待っているのも一苦労なので機転がきく対応が必要)


と、複数の人間がチームを組んで取り組む治療のことである。




逆に言うと、伝言ゲームを思い出して頂ければいいんだが、関わる人数が多くなればなるほど、うまく伝達がいかない。

そして、関わる人数が多くなるから、中には?という対応をするスタッフも出てくることになる。

困ったのは、あたしの場合、

ドクターは乳がんを代表する医者で、ブレストセンターの看護師や薬剤師などは素晴らしい

けど、実際に抗がん剤を点滴する場所の看護師さん(それもベテランでチーフ格ぽかった。)が大雑把とうか、ありえないだろっという処置をしたことだった。

もちろん、ちゃんとしてくれる看護師さんもいたんだけど、なまじっかベテランぽい方だったから、ベテランの看護師に変わってとも言えない。



どうもアタシに限ったことではなく、同じセンターに通っている患者さんで顔見知りになった人も同じ考えだった。

その人は、最寄りの駅で携帯から病院に苦情をいったそうだ。

ドクターが良くても、実際に抗がん剤をする看護師がよくないと行きたくなくなるさ~。

途中から、看護師ではなく血液内科のドクターが点滴の針を注射してくれるようになったから助かった、と思った。

ところがしばらくしたら、別の課から応援にきたドクターが担当することもあって、これが愛想も思いやりもなく、何度も失敗してさ。

抗がん剤であたしの血管が潰れていたことを考慮しても、情状酌量の余地なしだったね。

パクリタキセルをやっていたあいだは、なんとしても主治医のいる大学病院に行こうと思っていたけど、とにかく苦痛だった。

結局、体調と相談もして休み休みやりましたがな。2ヶ月延長しましたよ。

そのあとは、土曜日営業している世田谷の腫瘍内科医のところに行ってハーセプチンの点滴をしていたんだが、全然痛くないんよ。

大学病院の時は、パクリとハーセプチンと両方だったから時間も2時間半くらいかかったし、それがハーセプチンだけになったから、刺している時間もちがう

でもそれだけじゃない。看護師さんがいつも同じ人で、「もともと血管が細い上に抗がん剤で潰れていますから、針が刺しづらい」とその都度言わなくて済んだし、最初、痛いときもあったけど、極力痛くないように気を使って対応してくれたのが、こっちに伝わってきてそれが嬉しかったのさっ。

人間そんなもんだよね。












前回の文章が、あとから自分で見てもあっちこっち飛んでいたんで、再度書いていこうと思う。

まず、現在乳がんの治療は、

術前化学療法→手術→術後化学療法(温存した人は放射線治療)→さらに人によってはホルモン療法

となっているようだ。

以前は術前化学療法は主流でなかったが、現在医科でも歯科でもミニマムインキュベーションといって治療などでは最低限しか取らず、傷口もなるべく小さくする、という流れの上で、


術前化学療法をすれば、抗がん剤が聴くかどうかがわかるため、術後の抗癌剤治療の参考になるとか

術前化学療法をすれば、その結果がん細胞が小さくなる可能性があり、がん細胞が小さくなれば、例えば全摘手術しか選択肢がなかった人が、温存手術もできるようになる

なるとかで、術前化学療法が主流になりつつある。手元の本によると半分は術前化学療法をやっているらしい。

あたしも抗がん剤が効きづらいタイプのガンとはいっても、術前化学療法をしたほうがいいのか、しないほうがいいのか眠れないほど悩んだ。

あちこちの病院のセカンドオピニオンや診察に行って、家族には「そういうのドクターショッピング」っていうんだよ。と言われたが、あたしの体なんだからあたしが決めるさっと雑音は無視。

あちこち本も読んで、素人なりに結論。

センチネルリンパ節生検、あるいはMRI、針生検等で脇のリンパ節に転移の有無を確認し、転移していたら、術前抗がん剤治療をする。

転移していなければ、しない。転移する前に一刻も早く手術する。

この考えに相談に行ったあけぼの会(乳がん患者の会)の相談員さんは「いいと思うよ」言ってくれた。

ちなみに前のブログで書いた最寄りの大学付属病院の先生(教授)は、「センチネルを手術前に行うことは以前聖路加病院でやっていたけど、今はやってないよ。検査して転移していたらどうするの?」と言っていた。

そうしたら、上のようにするさっと言ったけど、堂々巡りでなんか嫌になった。それでも乳がんに関する手引きをくれたり、説明はわかりやすかったから、その点は感謝している。

センチネルリンパ節生検を積極的にやっていたという聖路加国際病院出身の先生が2人、聖路加を離れて後進の指導のためマリアンナ医科歯科大乳腺科と昭和大学付属病院ブレストセンターにいたことも、あたしにはラッキーだった。

というのは、うちには余計なお金はなかったから、聖路加みたいに全室個室で入院期間の半分は差額ベッド代がかかるところは、正直遠慮したかったから。

というわけで、上記の2名の先生のうち、マリアンナ乳腺外科の津川先生の診療とマリアンナブレストセンターと福田先生にセカンドオピニオンを頼んだ。

津川先生は粘液ガンには、2種類有り、純粋な粘液がんと粘液ガン以外のがん細胞が混ざっているミックスタイプがあって、あたしは後者の可能性が高い。

そして、粘液ガンは抗がん剤が効きづらいガンだが、ミックスタイプは普通のガンが混じっているから純粋なタイプの抗がん剤よりは効き易い。

また、2.8センチ(中程度)というガンの大きさと、乳頭乳輪に非常に近い位置になり、乳頭乳輪が残せる皮下全摘できるかどうかギリギリのところだったこともあり、悩ましいケースなんだそうだ。

津川先生は最初、術前抗がん座をやらない方向だったが、とても画質がいいと評判のマリアンナブレストセンターのMRIの画像と脇の針生検の結果(陰性)、ガンの大きさを考慮して、「絶対とは言わないけど術前抗がん剤で小さくなる可能性もあるから、やってみませんか」と言った。

なんでも、私の場合、ハーセプチンというガンを増幅させるタンパク質があるタイプのガンの可能性(この見立ては正しかった。)があり、神奈川県の場合術前のハーセプチン治療ができるから、とのこと。(ちなみに平成21年12月時点で東京では術前のハーセプチン治療が出来なかったらしいです。国民階保険なのに、地域によって保険請求の基準がちがうのは、歯科の厳しい神奈川ルールで知っていましたが、医科は歯科とは逆なんだな、と思いました。)



一方、マリアンナブレストセンターの福田先生は、持参した資料をもとに、最初から術前化学療法を勧め、でもやりたくなければ、術後でもありですよ、と言ってくれた。

やはり、とても悩ましいケースなんだそうだ。

事前の脇の針生検、センチネルリンパ節生検で脇のリンパ節に陰性と書いてあっても、実際に手術でリンパ節生検をしてみたら、陽性だったこともあること教えてくれた。

画像をみると、脇に大きなしこりが見えているので、事前の検査で陰性でも、このしこりがガンである可能性が高い。

なれば、手術後にガンがなくなったあと、効いているかどうかわからず抗がん剤をするより、術前にすることを勧めますが、絶対にやらないといけないケースではないらしい。

つまり、セカンドオピニオンの先生方は術前化学療法派だったが、強いて勧める気はないよ、とのことだった。

結局、術前化学療法はやらなったけど、今思うと効果がないようなら、(3ヶ月~6ヶ月くらいで判断するらしい)化学療法を中止して手術してくれるという話だったから。やってもよかったかな?とも思いますね。

家族から散々顰蹙でしたが、あちこち行って、いろいろと話を聞いて、自分でイニシアティブをとって治療を受けてきた、失敗ししたけど、後悔はないよ。














乳がんって手術してからが大変だった。

今、乳がんの治療って、大きく二つのタイプに分かれる。術前化学療法とっていって、ガンが見つかったら手術の前に化学療法をして、ガンが小さくなるかどうか試して、小さくなったら胸を温存出来たりする。

それは、効くかもしれないし、効かないかもしれないしの博打なんだな。

効いたっていうのをどこで認定するのかというと、ガン腫瘍が小さくなったとかなんだ。

人によってはガン腫瘍がなくなってしまう人もいるらしい。

でも、見かけ上なくなったとしても、血液中にがん細胞がばらまかれている可能性があるから、手術はするし、小さくなること=治ったではないところが、がんの特徴。

ガンは進化する。ガンの治療の話をするとき、いい年した大先生が「あなたのガンは顔つきが良くて(あるいは悪くて)どうのこうの」って話す。最初聞いたときは、キョトンとしたもんだ。


で、術前化学療法に話をもどすと、抗がん剤が効かない人もいる。というか効きにくいガンだよ、ってあらかじめわかっているものもある。

あたしは、抗がん剤が比較的効きづらい、珍しいタイプの乳がん(粘液ガンっていって、粘液のなかにがん細胞がプカプカ浮いているタイプ)だった。

悩みに悩んだあげく、術前化学療法はせずに手術をした。

今でも覚えているのは住まいの近くの某大学病院の有名な先生が、術前化学療法しか選択肢を提示せず、母親が抗がん剤の副作用について食い下がって聞いたところ、「言わない。いうとみんなやらなくなる」とのたまったことだ。

その先生にしても小冊子をくれるなど、医者としてはいい仕事をしていたと思うが、私は自分でイニシアティブをとって治療メニュを決めたかったので、その先生にはかからないことにきめた。

本当は手術件数、自宅からの通いやすさ等、そこの病院が一番だったが、なんとなく私とは水が合わない、と感じた。

先輩のガンサバイバーの方から受けたアドバイスを一つ。

医者でも歯医者でも教師でも美容師やエステシャンでも相性というものがある。

相性が合わないと、悲惨なことのなることが多いので、その辺を十分考えよ。

ちなみにあたしの治療期間は今後5年間。たしかに相性の悪い医者を主治医にするには長すぎる期間だ。