肺癌治療はゲフィチニブ(イレッサ)の登場によって劇的に変わった。
服用薬で、副作用も比較的少なく治療成績が良いというのは患者さんのQOLの面から言えば非常にメリットである。
ザーコリ(クリゾチニブ)はそんなイレッサの弟分的な薬剤である。
癌の増殖機序はどのようなものがあるだろうか?
分子レベルだと様々なものが発見されている。
癌とは細胞の異常な増殖である。
イレッサは上皮成長因子受容体(EGFR)という受容体が働く事によって細胞が増殖する事から、それを抑える事で細胞増殖抑止、つまりは抗癌作用を示す薬剤である。
実際の臨床ではふつうのEGFRを抑制しただけでは効果は乏しく、変異のあるEGFRを抑制する事で非常に抗癌作用を持つ。
今回のザーコリは染色体の異常により、ALK融合タンパクの2量体ができる事が細胞の増殖に働き、癌化するという細胞増殖の機序を抑止するものである。
ALK融合タンパクの2量体のチロシンキナーゼ活性(ざっくりと言えば、シグナルを下流に伝える流れ)を抑える事により、ALK融合タンパクの2量体の働きを無効化するのである。
このようにメカニズムが分かってから、そのメカニズムに対してピンポイントで効く薬剤を分子標的薬と言い、今後ますます増えていく薬剤の一つである。
この分子標的薬の良いところは重大な副作用が少ないところである。
ALKという訳のわからないものを抑制しちゃっていいの?という考えもあるが、ALKノックアウトマウスというALKが全く存在しないマウスを遺伝子操作にて作っても子孫を残す事が出来るし、いたって元気だという。
つまり、分子レベルのごくごく小さなところをがっちり抑制しても、それほど影響はないという事である。
ところで、このザーコリ。ALK融合タンパクの2量体を邪魔する薬剤なのであるから、まず、ALK融合タンパクの2量体が存在しなくてはならない。
そのため、まずはそれがあるかどうかを検査する事になる。
しかし、ALK融合タンパクの2量体が存在するのは肺癌患者のわずか5%だという。
検査の結果ALK(+)であれば、ザーコリの恩恵にあやかれるが、ほとんどの肺癌患者さんはALK(‐)である。
したがって、ザーコリを使える患者さんはごくまれである。
ザーコリが使える患者さんはごくわずかであるため、臨床試験では外国人と混ざっての試験であった。
その結果、アジア人の方がよく著効したデータが得られた。
しかし、これは注射の抗がん剤のように /体表面積(m2)にて体表面積を考慮して、体格の大きなヒトはそれだけ多くの抗がん剤を・・という事をせず、みな一律250㎎×2回であったため、体の小さなアジア人が体の割には多くの薬剤を服用したからではないかという事が挙げられる。
副作用としては、抗癌剤に特徴的な悪心、下痢、嘔吐、便秘、末梢性浮腫などがある一方、目新しい副作用としては、視力障害が約半数の患者さんで出現した。
この視力障害というのは“光がチカチカする”といった症状が多いようで、細かく記載すると、ザーコリによる視覚障害は複視、光視症、霧視、視野欠損、視力障害、硝子体浮遊物が挙げられる。
ザーコリはCYP3A4により代謝されるため、薬剤においてはケトコナゾール(CYP3A4阻害薬)やリファンピシン(CYP3A4誘導薬)の併用に注意すべきであるし、食物では、グレープフルーツやグレープフルーツジュースの併用に注意すべきである。
イレッサ同様、間質性肺炎についての注意も必要であり、服薬指導時には「咳が出だしたらほおっておかないように」といったような指導が必要である。
服用薬で、副作用も比較的少なく治療成績が良いというのは患者さんのQOLの面から言えば非常にメリットである。
ザーコリ(クリゾチニブ)はそんなイレッサの弟分的な薬剤である。
癌の増殖機序はどのようなものがあるだろうか?
分子レベルだと様々なものが発見されている。
癌とは細胞の異常な増殖である。
イレッサは上皮成長因子受容体(EGFR)という受容体が働く事によって細胞が増殖する事から、それを抑える事で細胞増殖抑止、つまりは抗癌作用を示す薬剤である。
実際の臨床ではふつうのEGFRを抑制しただけでは効果は乏しく、変異のあるEGFRを抑制する事で非常に抗癌作用を持つ。
今回のザーコリは染色体の異常により、ALK融合タンパクの2量体ができる事が細胞の増殖に働き、癌化するという細胞増殖の機序を抑止するものである。
ALK融合タンパクの2量体のチロシンキナーゼ活性(ざっくりと言えば、シグナルを下流に伝える流れ)を抑える事により、ALK融合タンパクの2量体の働きを無効化するのである。
このようにメカニズムが分かってから、そのメカニズムに対してピンポイントで効く薬剤を分子標的薬と言い、今後ますます増えていく薬剤の一つである。
この分子標的薬の良いところは重大な副作用が少ないところである。
ALKという訳のわからないものを抑制しちゃっていいの?という考えもあるが、ALKノックアウトマウスというALKが全く存在しないマウスを遺伝子操作にて作っても子孫を残す事が出来るし、いたって元気だという。
つまり、分子レベルのごくごく小さなところをがっちり抑制しても、それほど影響はないという事である。
ところで、このザーコリ。ALK融合タンパクの2量体を邪魔する薬剤なのであるから、まず、ALK融合タンパクの2量体が存在しなくてはならない。
そのため、まずはそれがあるかどうかを検査する事になる。
しかし、ALK融合タンパクの2量体が存在するのは肺癌患者のわずか5%だという。
検査の結果ALK(+)であれば、ザーコリの恩恵にあやかれるが、ほとんどの肺癌患者さんはALK(‐)である。
したがって、ザーコリを使える患者さんはごくまれである。
ザーコリが使える患者さんはごくわずかであるため、臨床試験では外国人と混ざっての試験であった。
その結果、アジア人の方がよく著効したデータが得られた。
しかし、これは注射の抗がん剤のように /体表面積(m2)にて体表面積を考慮して、体格の大きなヒトはそれだけ多くの抗がん剤を・・という事をせず、みな一律250㎎×2回であったため、体の小さなアジア人が体の割には多くの薬剤を服用したからではないかという事が挙げられる。
副作用としては、抗癌剤に特徴的な悪心、下痢、嘔吐、便秘、末梢性浮腫などがある一方、目新しい副作用としては、視力障害が約半数の患者さんで出現した。
この視力障害というのは“光がチカチカする”といった症状が多いようで、細かく記載すると、ザーコリによる視覚障害は複視、光視症、霧視、視野欠損、視力障害、硝子体浮遊物が挙げられる。
ザーコリはCYP3A4により代謝されるため、薬剤においてはケトコナゾール(CYP3A4阻害薬)やリファンピシン(CYP3A4誘導薬)の併用に注意すべきであるし、食物では、グレープフルーツやグレープフルーツジュースの併用に注意すべきである。
イレッサ同様、間質性肺炎についての注意も必要であり、服薬指導時には「咳が出だしたらほおっておかないように」といったような指導が必要である。