一般名はレバミピドであり、非常に有名な胃粘膜保護薬である。
薬剤師の先生方だと、調剤をしたらこの薬を触らない日は無いのではないだろうか。

多くは、ロキソニンなどのNSAIDsの胃腸障害の予防として併用されることが多い。

そんな胃粘膜保護薬が点眼薬として登場したのがムコスタUD点眼である。
ドライアイを治療する点眼薬である。
ちなみにUDというのは Unit Doseの略であり、1回使い切りタイプの製剤になっている。
これにより、防腐剤freeであり、点眼刺激性も少ない。

ムコスタは粘膜を増加させる作用を持ち、目の角膜、結膜においてもムチン産生を促進し、眼表面を正常な状態に近づけ、ドライアイの症状を改善する。

よって、症状がある時にのみ点眼する対症的な薬剤ではなく、定期的に点眼する事でドライアイの症状を改善する。

このような作用機序の薬剤としてはジクアス点眼も同様である。

近年、このような定期的に点眼する事でドライアイの症状を改善する点眼薬が市場に出てきた。

ドライアイの症状は保湿性の高い点眼薬を点眼すれば改善するように思われるかもしれない。

確かにドライアイの症状の中で“乾燥感”は点眼薬を点眼すれば対症的に改善される。
しかし、“眼痛”や“異物感”というのは対症的には改善されない症状である。

ムチンを増加する機序を持つムコスタUD点眼やジクアス点眼はこの“眼痛”や“異物感”を改善する効果が高い。
しかし、そのためには毎日決まった回数を点眼する必要がある。

ムコスタUD点眼の用法は1日4回、1回1滴である。
1日に4回点眼する必要があるため、防腐剤が含まれていない事は嬉しい限りだ。

しかし、使い切り製剤であるため、1カ月分でも4本/日×30日(1カ月)=120本とやや嵩張る。

携帯性には不便であるため、自宅と職場両方に置き場所を作るなどの工夫が必要のようだ。

ムコスタUD点眼は懸濁性の点眼であり、見た目はかなり白濁している。

点眼前は点眼容器を指で弾いて(デコピンをして)使う必要がある。

また、点眼口はやや細くなっており、そこにムコスタ成分が溜まると固まってしまい、粒子が分散しにくくなる事があるため、保管時は点眼口を上に向けて保管する事が必要である。
この事は患者さんに説明の必要があると同時に我々薬剤師もムコスタUD点眼の保管時には気を付けたいところである。


ジクアス点眼は先行して発売されたわけだが、効果的には非常に著効しているようであり、
逆に効きすぎる患者さんが居るくらいだ。

ムコスタUD点眼もジクアス同様に効果の高い薬剤であると期待できる。

5mLの点眼瓶であるジクアスとユニットドーズのムコスタUD点眼とでデバイスが異なるため、両者の使い分けはデバイスでの使い分けもあるかもしれない。
一般名はインダカテロールであり、いわゆるLong Acting Beta Agonist(LABA)である。
すると、適応は喘息か?と思いきや、適応はCOPDでなのである。
COPDの病態はムスカリン性作用が主要であるため、M1受容体拮抗薬であるスピリーバが広く使われてきた。
この度、β刺激薬がCOPDの治療に新たに参入してきたという事になった。

一つ危惧する事がある。
喘息では現在、β刺激薬だけでコントロールすると予後が悪くなるという事が知られており、β刺激薬(LABA)単剤治療はほとんどされていない。

さらに、喘息とCOPDは診断が難しく、両病態が混ざった状態もあり得るのである。

となると、このオンブレスは使いどころが非常に狭くなるように思う。

オンブレスは確かに、スピリーバよりも高い効果があるようだが、CODPに喘息が混ざった状態だとオンブレス単剤とは行きにくい。
現在はアドエアという合剤が発売されているため、フルタイド+スピリーバ+オンブレスとはなりにくいだろう。

では純粋なCOPDだと診断された場合でもCOPDの治療薬としてはスピリーバがあるため、まずはスピリーバが使われるだろう。それでも改善しないという例にadd onするか、またはスピリーバの禁忌の項に該当するような患者さんだと、スピリーバに代わってオンブレスが投与される事があるかもしれない。

この、オンブレス。吸入デバイスは秀逸であり、スピリーバが横回転であるのに対して、オンブレスは縦回転して中の薬剤を吸入するため、上下どの角度でも吸入できるというメリットがある。具体的には仰向けに寝ながらにして吸入できるという事だ。

以前、整形外科入院中の患者さんにスピリーバの吸入指導に行った時があったが、その時に腰の痛みで仰向けに寝たままの患者さんであり、仰向けで吸入するとスピリーバだとうまく回らなかった経験がある。
しょうがなく、痛いのをがまんしてもらって起き上がってやや下を向いて吸入してもらった。現在ではスピリーバもレスピマットという新たなデバイスが出てそれらの事は解消刺されたが、ドライパウダー式の吸入薬で仰向けで吸入できるのは素晴らしいと思った。

さらに、カプセルが透明という事で吸入できたかどうかが目でみて確認できるという細やかな気遣いもある。

吸入薬というのは吸入できたかどうかが患者さんとしては気になるところなのである。

オンブレスのデバイス+スピリーバの中身だと一番いいな~などと思ってしまう。


一般名はリナグリプチンである。
そう、またもやDPP-4阻害薬である。

国内5番目のDPP-4阻害薬という事になり、DPP-4阻害薬はARBと同様に市場が大きいということが感じられる。

ARBゴールドラッシュに続いて、DPP-4阻害薬ゴールドラッシュが来ている。

このトラゼンタの他のDPP-4阻害薬と異なるところは胆汁排泄型であるであるという事である。
そのため、腎機能低下例に対して減量を考える必要がない。

糖尿病は網膜症、末梢神経障害、腎不全という3大合併症という言葉があるように腎障害が病態の進行につれて出現してくる疾患である。

そのため、糖尿病患者に使用する薬剤としては、腎排泄薬というのはいくら副作用が少ない薬剤だからといってもすこし、気にはかかった。

トラゼンタは96%が未変化体で糞中に排泄されるとあって、腎機能低下者であっても同じ量を服用する事ができる。

これは長期に処方される場合は投与量の調節が大きな間隔でできないために、腎機能の低下を考えなくてもよい事は有利な長所とも言える。

DPP-4の選択性では暫定1位であったネシーナを抜いて1位のようである。


さて、ここで現在でたDPP-4阻害薬についておさらいしてみよう。

まずさきがけとなったのがジャヌビア錠、グラクティブ錠であるシダグリプチンである。
始まりという事で始だ(シダ)グリプチンと覚えよう。
これは腎排泄型の1日1回服用である。やはり最初に出ただけあって適応が多い。

続いてがエクア錠が商品名のビルダグリプチンである。
Biルダと言うだけあって、1日2回服用というのが特徴的である。
DPP-4の選択性は最も弱い製剤である。

そして、ネシーナ錠がアログリプチンであり、
Arrow(矢)のようにジャヌビアを飛び越えた印象がある。
ジャヌビアよりDPP-4選択性が強い。

そしてトラゼンタ錠がリナグリプチン・・・・
リナ・・・リナって・・・・

女の子の名前としか思いつかない・・・・・・・。
一般名はランジオロール塩酸塩であり、短時間作用型のβ1選択的遮断薬である。

ランジオロールの注射と言えば、オノアクト注である。

そう、この薬はオノアクトの冠動脈CT前に投与する適応だけをピックアップした製剤となる。

冠動脈CTは冠動脈の狭窄、閉塞を診断する方法として現在広く使用されている検査方法であるが、心拍動によりモーションアーチファクト(動きによる画像のブレ)が起きるため、高心拍の状態で撮影した場合には冠動脈描出能が低下してしまう。

これらを防ぐため、撮影の間だけ低心拍にする目的のためにごくごく短くβ遮断薬が使用される。
その目的のためにオノアクト注は短い作用であるために重宝されてきた。

コアベータはそのオノアクトの用量設定などを行い、冠動脈CT検査前に投与する専用のβ遮断薬を開発したのである。

いわば、オノアクトのスピンオフ作品といったところ。
“踊る大捜査線”で言えば、“交渉人 真下正義”とか“容疑者 室井慎次” といった作品がコアベータである。

薬剤師としては、今まで治療で使うのか検査で使うのか分かり辛かったオノアクトが名前が変わる事で使用目的が明確になり、より監査がしやすくなった事は喜ばしい事であろう。

さらには用量を12.5㎎(オノアクトの1/4)に設定する事により、より安全な使用ができる事は良い事であると思う。

ただ、適応は冠動脈CT前の検査目的だけであるので、オノアクトの規格違いと勘違いしないようにしなくてはならない。
ガーダシルはヒトパピローマウイルスのワクチンである。

ヒトパピローマウイルス(HPV)は子宮頸がんや尖圭コンジローマの原因ウイルスになる事が知られている。

HPVの6型と11型の感染は尖圭コンジローマの原因となり、16型と18型の感染は子宮頸がんの原因となる。

ガーダシルはこの6型、11型、16型、18型のワクチンなのである。

HPVワクチンと言えば2009年にサーバリックスが日本において発売となった。
サーバリックスはこのHPVのタイプのうち、子宮頸がんの原因ワクチンである16型、18型のウイルスのワクチンである。ガーダシルはそれに加えて尖圭コンジローマの6型、11型のワクチンが入っている事になる。

DI情報について述べたい。

摂取不適当者としては明らかな発熱を呈している者、重篤な急性疾患にかかっているもの、本剤成分過敏症、他に予防接種を行う事が不適当な状態にあるもの。
との表記になっており、最終的に多くの範囲を禁忌で〆られたような表記になっているが、あくまで予防接種なので、リスクを犯してまで投与する必要なしとのニュアンスを加えた形となる。
妊婦に関しては“接種を避ける事”との表記となっており、サーバリックスでの“妊婦又は妊娠している可能性のある婦人への接種は妊娠終了まで延期することが望ましい”。という表現と比べるとより強く禁止されている。

世界シェアとしてはガーダシルが8割近くであるため、よりリスクを避けるような表現となっているのかもしれない。

用法は1回0.5mLを3回、1回目を打ち、1~2ヵ月空けて2回目、さらに2~4ヵ月空けて3回目を投与する投与方法であり、上腕三角筋または大腿四頭筋に筋注に投与する。
サーバリックスの上腕三角筋に投与という記載からすると、ガーダシルは大腿四頭筋という足にも打てるメリットがある。

副反応として、ガーダシルもサーバリックスも投与時の疼痛がほぼ必発で発現し、投与時は痛みを生ずる。この点では大腿部に打てる事は痛み軽減ないしは上腕の痛みによる作業効率の低下などを防げるかもしれない。

これらの疼痛は長くは続く事はなく、3日後にはほとんどの方で消失する。

注射後はアナフィラキシーショックの発現がないように、30分は安静にしておく必要がある。

HPVは性交により感染するため、性交前に接種する必要がある。
そのため、ガーダシルはやや早めに9歳以上の女性を対象にしている。

現在はこのくらいの年齢設定でいいのかもしれない。
一般名はホスフェニトインナトリウム水和物であり、フェニトインの水溶性プロドラッグである。

吸収された後、加水分解されフェニトインとなり薬理作用を発揮する。

フェニトインは水に溶けにくい。したがって、アレビアチン注などは水酸化ナトリウム,プロピレングリコール,エタノールなどの添加剤が必要となる。

水酸化ナトリウムが多く必要であるため、アレビアチンのpHは約12とアルカリが強い。

それ故、注射部位での疼痛、発赤、腫脹が問題であった。

ホストイン静注はそのような水に難溶性の欠点を改善した製剤となる。

水溶性になったと言ってもプロドラッグである。吸収した後は加水分解されフェニトインになるため、それからは肝代謝酵素のCYP2C9、CYP2C19により代謝され消失する。
吸収後はこれまでと同じ、フェニトインである。

ホスフェニトインナトリウムの分子量はフェニトインナトリウムの約1.5倍である。
フェニトインの量に1.5倍乗したものがホストイン静注の投与量という事になる。

薬はこのように常に改良を加えられていくため、我々の知識も負けずに追いついていかなくてはならない。
一般名はミラベグロンであり、新しい作用機序の頻尿治療薬である。

頻尿や尿意切迫感という症状は尿をためるための膀胱がうまく広がらず、蓄尿できないために起こる。
そこで、頻尿治療には膀胱を広げる薬物が選択される。

膀胱にはムスカリン受容体というのがあり、そこにアセチルコリンがつくと、膀胱が収縮するという機構がある。

膀胱が収縮しないようにする=膀胱を広がる率が高まる
という考えの基、ムスカリン受容体を遮断する事で 膀胱収縮を止めてやろうという薬がある。ムスカリン受容体遮断薬であるポラキス、ベシケア、ウリトス、ステーブラ、バップフォーなどの薬である。

また、膀胱にはベータ受容体(β2、β3)があり、これらにリガンドが付くと膀胱は弛緩、拡大するのである。
そこに作用するのが今回のベタニスである。

かくいうこのベタニスの語源はベータアゴニストなのである。
まあ、覚えやすいと言えば覚えやすい。
※一瞬、気管支喘息の薬だったかな?と勘違いしそうだが・・・。

ベタニスはβ3受容体に選択性が高く、気管支や心臓に存在するβ2受容体には低い親和性を持つ。そのため、膀胱特異的に弛緩/拡張作用を有するのである。

つまりは“収縮させない”というのが従来の抗コリン性頻尿治療薬であったのに対して、
ベタニスは“膀胱を広げる”作用機序を持つ。

禁忌は“本剤過敏症”、“妊婦”、“授乳婦”に加えて、やはり心臓への影響を考えて“重症心疾患の患者”も禁忌患者となっている。重度肝障害患者(Child-Pughスコア10以上)では禁忌となっている。
βアゴニストであるために、例えβ3選択性が高くとも血中濃度が上がればβ2にも作用する。作用機序がやや危険な薬剤であるために、添付文書上でも血中濃度の上昇に非常にナイーブになっている記載となっている。

用法では1日50㎎を食後に服用する。
Child-Pughスコア7-9の患者さん、eGFRが15-29mL/min/1.73m2の患者さんでは25㎎から開始が推奨されており、そのために25㎎錠も発売されている。

頻尿治療薬に新たな作用機序を持つ薬剤が増えた。
一般名はミノドロン酸水和物であり、ビスホスホネート系の骨粗しょう症治療薬である。

ビスホスホネート系は以前は毎日起床時に服用しなければならなかったが、2005年頃から1週間に1回服用の製剤が出てきた。
特殊なのは多くの薬剤の場合、製剤的な加工をして長時間作用を可能にするのに対して、ビスホスホネート系薬剤は特に製剤的な工夫をせずとも長期間作用を達成した事である。

これはビスホスホネート系の骨に対して沈着する事が理由にあり、服用したビスホスホネート系は骨に沈着され、破骨細胞の活性を抑える。
リモデリングを繰り返す強固な骨をあきらめたとしても、骨粗しょう症という脆弱な骨になる事を防ぐ薬なのである。
骨に沈着するために、服用したビスホスホネート系が長きにわたって効果を持続するためであると考えられている。

そういった理由で1日製剤から1週間製剤が発売された事は非常にセンセーショナルであった。

今回は主流だった1週間に1回のビスホスホネート系に1ヵ月に1回服用のビスホスホネート系としてボノテオ50㎎が発売されたのである。

薬剤師の先生方はよく服薬指導される事だが、ビスホスホネート系は非常に面倒な服用方法である。胃に食べ物があると吸収率が低下するので空腹時を狙って起床時に服用しなくてはならず、服用後に横になると溶ける前の錠剤が食道に上がり、食道を障害する可能性があるために30分間は横になってはいけない。また、服用途中で消化管に付着する事がないように多めの水(約180mL)で服用しなくてはならないという用法だ。

これを毎日遵守するのは非常に困難であるために毎日服用から1週間服用にはすんなりと移行した。
しかし、その中でも毎日服用した方が飲み忘れが少なくて良いとの少数意見もあった。

今回は1週間に1回から1カ月に1回の変更である。
飲み忘れというところを懸念される患者さんや先生方は多くいらっしゃるのではないかと思う。
ボノテオの1カ月1回製剤では1錠が箱に入っており、いかにも特別な時に服用するような雰囲気が醸し出されている。
さらに、服用した日をカレンダーに貼れるように箱にはシールが付いているといった工夫もなされている。

ボノテオ50㎎であるが、毎日服用する製剤ではボノテオ1㎎であった。1カ月製剤であれば×30日で30㎎となるはずだが、50㎎となっているのはボノテオ1㎎を毎日服用しているデータと最も近似しているのが50㎎であったとの理由であった。
1カ月に1回ともなると、やはり効果が若干落ちるのか?すこし高めの用量になっている。

薬剤師の業務の面からすると、注意しなくてはいけない事がある。
患者さんの服用薬剤を把握するのには薬歴、お薬手帳などを活用する。
1週間に1回の服用ではビスホスホネート系が毎回処方されるために、ビスホスホネート系服用がわかりやすかった。これが1カ月に1回服用となると、毎回処方されるケースも少なくなり、ビスホスホネート系を服用しているかどうかの把握が難しくなる。
我々薬剤師はビスホスホネート系に関してはしっかりとした服薬指導が必要なため、お薬手帳や薬歴も過去1カ月を遡ってチェックする事が必要になってくるだろう。

製剤的にはビスホに変わりないので、BRONJ(顎骨壊死)を防ぐための歯科治療の前の服用中止期間などは変化がない。

1カ月に1回服用であるために、±7日ずれても効果、副作用は同じというデータがあり、服用日の±7日の服用のズレの猶予はあるようだ。

1週間に1回のビスホスホネート系でも、服用日に飲み忘れたら次の週まで服用しない患者さんも少なからず出会う事が多い。そんな時は猶予期間の話をして、しっかりと服用してもらうのだが、今回は月1回の服用なので、1回の服用忘れの影響が多きい。服用猶予期間の話はしっかりとすべきだろう。

これからはビスホスホネート製剤は月1回が主流になっていくと思う。
我々薬剤師もそれに向けて服薬指導の体制の準備を整えていきたい。
一般名はエスシタロプラムであり、世界的に最も売れているSSRIである。
この度ようやく日本でも承認された。

エスシタロプラムはその名の通り、Sシタロプラムであり、シタロプラムの光学異性体である。S体を抽出したものである。

シタロプラムの光学異性体であるR体は抗鬱効果を低めてしまう事が報告された。
よってR体は不純物となる。そのR体を取り除き、効果増大を図った薬剤である。

シタロプラムの米国での商品名はCelexaという。このLexaを取り、進むという意味のproceedのproをつけてLexapro(レクサプロ)と名がついた。

レクサプロ錠は世界各国では非常に効果の高い薬剤である事が知られている。

何がそんなに効果を高めているのだろうか?
選択性セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)と称してはいるが、SSRIはセロトニン以外の再取り込阻害効果も少なからず示す。
そんな中で、レクサプロはセロトニン選択性は非常に高い薬剤であるようだ。

効果の面からすると、様々な受容体に影響があるようないわゆるダーティな昔からの薬の方が効果が高い印象がある。
レクサプロのように選択性がきわめて高いクリアな薬は副作用こそ少ないにせよ効果の面ではダーティな薬に劣るようなイメージがあるが、レクサプロはそうではないようだ。
もしかしたら、その忍容性の高さがアドヒアランスの良さを招き、効果が上がっているのかもしれない。

DI情報について述べよう。

適応は現在、うつ病、うつ状態である。
欧米では不安障害にも効果を発揮しているようで、日本でも不安障害の適応追加が待たれる。レクサプロの不安障害については薬剤師の諸兄は適応外で使用される可能性もあり、知っておいて損はない。

禁忌は今までのSSRIと同様。「本剤過敏症、エフピー、オーラップ」である。
ところで、オーラップなどは私の施設でほとんど見たことがなく、もっぱらSSRIとの禁忌としてのイメージしかない。

用法については1日10mgの1×夕食後、効果不十分な場合に1週間の間をおいて最大量は20㎎/日まで投与できる。

他のSSRIと比べてレクサプロは漸増投与の必要ない。この点は投与をしやすい点であり、レクサプロ錠の人気の秘密であると思う。
さらに、急な中止をしても離脱症状が起こりにくい薬剤であり、非常にONとOFFがしやすい薬剤である。
レクサプロ錠は肝障害のある患者さん、高齢者、CYP2C19のPoor metabolizerは血中濃度が上昇し、有害事象(QT延長など)が現れやすいため、5㎎からの開始、さらには最大量も10㎎とするのが望ましいと考える。

CYP2C19は日本人は約20%ほどPoor metabolizerが存在する。外国ではさほど問題にはならないレクサプロがCYP2C19の基質である事が、日本においては注意すべきところではある。

夕食後の投与については比較試験した対象がパキシルであり、パキシルの用法の夕食後に合わせたため、添付文書上では夕食後となっているが、海外では特に夕食後の縛りがあるわけではない。
最もアドヒアランスが良い、朝食後に服用としても良いと思う。ただし、傾眠の副作用が少なからずあるために、傾眠の副作用がでるような患者さんであれば、朝より夕の投与の方が日常生活に影響を与えないでよいだろう。

世界で話題のSSRIがついに日本へ来た。
お手並み拝見といこうじゃないか。
末梢静脈栄養と中心静脈栄養の処方設計について述べたい。

まずは総投与カロリー量を決める事である。
総投与カロリー量はハリス-ベネディクトという式を用いる。
ハリス-ベネディクトの式は1918年に提示された非常に古い計算式である。
1918年といえばまだ日本は戦時中であり、シベリア出兵が始まった年でもある。そう考えると驚きである。
ハリス-ベネディクトの式に当てはめて算出されるのが基礎エネルギー量である。
この基礎エネルギー量に活動因子、障害因子を乗すると必要エネルギーとなる。

であるが、薬剤師としてはチェックする時に面倒な計算はしていらない。

簡易式としては以下のようなものがある
基礎エネルギー量=約25kcal/kg(体重)/day
必要エネルギー量=約30kcal/kg(体重)/day
必要水分量   =約30-40mL/kg(体重)/day
タンパク質量  =約11g/kg(体重)/day(外傷やストレスがない場合)
Na=約1-2mEq/kg(体重)/day K=約1mEq/kg(体重)/day
すべて体重から推定する事ができる。

これらの指標では処方箋を見るだけでもチェックができる簡易的な計算式である。
薬剤師の諸兄は覚えておくと便利な計算式である。

カロリーの分配ではまずはタンパクの投与量から決める。
次に脂肪の投与量を決める。そして残りのカロリーを糖が占めるという決め方をする。
そうすると大体54:16:30程度になる。これらの比率は投与エネルギーにとって適正な比率であると言われている。


消化管機能が機能していればなるべくなら経腸栄養剤を選択するべきである。絶食期間が長ければ長いほど、腸管の形態や機能が破たんするため早めから腸管を使った方がよいためである。

消化管機能が機能していな場合には静脈栄養を選択するが、比較的短期のコントロールでは末梢静脈栄養を選択し、長期の栄養コントロールになる時や水分制限が必要な時は中心静脈栄養を選択する。
(ASPEN,2002ガイドライン)

末梢静脈栄養では1日に1000~1200kcal程度のエネルギーしか投与できない。よって短期の施用が適応となる。
末梢静脈栄養には維持輸液(ソルデム3A.etc),糖加維持液(ソルデム3AG、フィジオ35.etc)、低濃度糖加アミノ酸輸液(ビーフリード.etc)などが用いられる。
一般的な500mL製剤だと、維持輸液では86kcal程度、糖加維持液では150kcal、低濃度糖加アミノ酸輸液だと210kcal程度である。大体4~5本程度が相場となる。

中心静脈栄養では1日に1500~2000kcalの投与が可能である。
中心静脈用の輸液の1号液や2号液は1日に2回投与が通常であるが、それらを計算するとやや少なめといった印象であると思う。それらには糖、アミノ酸のみの配合であるため、脂肪乳剤の分のカロリーを考慮しての設計であると考えられる。