タキソテールを溶解済みにした製剤の登場である。
今までは、タキソテールは添付の溶解液に溶かした後、溶媒である5%ブドウ糖(250mL or 500mL)などに溶解していた。
それが、溶解液に溶かした状態で販売となった。
メリットは混注作業の時間短縮やミスの防止に貢献できることである。
混注作業については7分ほど作業が短縮というデータが出ているようだ。
うちの混注担当の手慣れた薬剤師の先生の話では2分くらいの短縮となるとの話であった。
手慣れた先生なら2分くらいの作業時間の短縮になるであろう。

また、タキソテールはタキソールと名前が似ているため、しばしば医療事故を招いていた。
今回タキソテールという名前がワンタキソテールとなり、タキソールとの名前の区別がつきやすくなったということもメリットである。

タキサン系の薬剤、タキソテールやタキソールは水に難溶であるため、アルコールで溶解する。そのため、アルコール過敏症の人に対しては使いづらい状況にある。

ワンタキソテールの登場により、タキソテールからワンタキソテールへと製品変更するらしいのだが、タキソテールではごくたまにアルコール過敏症患者に対して、どうしてもタキソテールを投与しなくてはならない例など、時間をかけてタキソテールを蒸留水などで溶解していた。

デメリットとしてはワンタキソテールではすでにアルコールで溶解しているため、それができなくなるという事が挙げられる。

このワンタキソテールはすでに溶解しているだけためか添加している無水エタノール量が従来のタキソテールよりも多く含有している。
80㎎製剤で比べると、
タキソテールではビールに換算して18.2mLの含有量であるのに対して
ワンタキソテールではビール換算で40mL含有している。
およそ2倍の量である。

私も含めて酒好きの者としてはビールの40mLくらいは大したことないように思えるが、
アルコール不耐症の方では大きな問題である。

ちなみにタキソールの100㎎製剤ではビール換算で166mL含有しているため
Weekly投与では100㎎/m2なので、1.5 m2の人ならビール換算で約250mL
Monthly投与では210㎎/m2なので、1.5 m2の人ならビール換算で約500mL
である。
私も酔わない自信が無い。

近年は外来にて化学療法を受けるケースが増えてきた。
この時に問題になるのが、タキサン系の投与をした後の車での帰宅であろう。

アルコール量からして、タキソールが投与される場合は車の運転は厳禁としなくてはならないだろう。

タキソテール、ワンタキソテールの場合は微量であるが、
飲酒などで事故などが起きてはいけないので、私は車の運転は避けた方がいいと考える。

一般名はアキシチニブであり、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR:Vascular Endothelial Growth Factor Receptor)の機能を抑制する事によって抗癌作用を示す薬剤である。
適応は現在のところ、腎細胞癌である。

腎癌治療薬の分子標的薬としては、同社のスーテント®(スニチニブ)がある。

スーテント®もVEGFRを抑制する事で抗癌作用を示すが、インライタ®はそのVEGFRの選択性がより高い薬剤となる。

スーテントはVEGFR以外のところにも作用するため、副作用が多かった。
インライタはその副作用低減、さらに効果増強を期待できる薬剤であるといえる。

現在のインライタの位置づけとしては腎細胞癌のセカンドラインでの使用のみ、
つまりは、既存のスーテントなどで効果不十分であった例に対して使用できる。

用法・用量のところで注目すべき点がある。
それは、抗癌剤には珍しく、適宜増減ができる点である。

このインライタは機序は不明であるが、血中濃度が患者の個人差がある薬剤である。
そのため、低濃度から始め、個人差を見て、増量する必要がある。

VEGFR(血管内皮増殖因子受容体)はその名の通り、血管内に存在する受容体である。
そのため、それを抑制する事は血管系の副作用を惹起しやすい。
特に投与中は高血圧が生じやすい。
そのため、インライタ投与中は降圧薬が新たに処方される可能性が高いので、患者に対しては良く説明すべきである。


一般名はロキサチヂンであり、昔からあるH2ブロッカーである。
アルタットは小児量まできちっと設定してある(小児にも適応のある)H2ブロッカーとして有名である。
そのため、小児科領域でよく処方される。

現在、H2ブロッカーはガスターが最も出ているように思う。
そのため、他のH2ブロッカーは確固たるユーザーを決めないといけない状況になっている。

アルタットは小児領域をユーザーとしようとするH2ブロッカーなのである。

今回発売になったアルタット細粒は子供が飲みやすいように、細粒にイチゴ味のコーティングがしてある。
元々、アルタットの成分であるロキサチジン酢酸エステルは苦味があるため、小児領域をユーザーとする時には苦味の改善は避けては通れないものなのである。

実際試供品があったので試してみた。
私の感想としては、口に含んで最初はイチゴフレーバーで甘い味がするが、長く口に含んでいると苦味が出てくる。しかも、けっこうキツメの苦味だ。
甘いのがコーティングであるのが分かる。
さらに、徐放コーティングのせいだろうか、細粒が溶けずに口の中に残る感じがする。

子供に飲ませる際には水を多めに一気に飲み、口の中に細粒残さないように飲むことが大事になると思う。

さらには、細粒、粉を乳鉢などで混ぜている施設などは注意が必要である。
乳鉢で混ぜる事によってコーティングが剥げることがあり、苦味が出現することも考えられる。
さらには徐放コーティングも剥がれることもあるため、乳鉢での混合は避けた方が良い薬剤だと思う。


一般名はデカレリクス。
作用機序は精腺刺激ホルモン放出ホルモン(ゴナドトロピン放出ホルモン:GnRH)の受容体のアンタゴニストである。
適応は前立腺がんである。

視床下部から放出された精腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)は下垂体前葉に作用し、
下垂体はLH(Lutenizing Hormone:黄体化(黄体刺激)ホルモン)、FSH(Follicle Stimulating Hormone:卵胞(濾胞)刺激ホルモン)を分泌する。
精巣はそのホルモンを受け取り、テストステロンを放出し、前立腺に作用する。

前立腺がんというのはこのテストステロンに感受性の癌であり、テストステロンの暴露が多いと前立腺癌は増殖してしまう。

そこで、前立腺癌では男性ホルモンを抑える治療をする(ホルモン療法)

このホルモン療法において今まで用いられていた薬剤はゴナドトロピン(LH-RHとも言う)である酢酸リュープロレリン(リュープリン®)、酢酸ゴセレリン(ゾラデックス)である。


今回承認を受けたゴナックス皮下注は
直接のゴナドトロピン放出ホルモンの受容体のアンタゴニスト(遮断薬)であるため、ダウンレギュレーションを待たずして、下垂体からのLH、FSHの放出を抑える事ができる薬剤であり、リュープリン®もゾラデックス®従来の効果の速さが売りである。


この、ゴナックス皮下注だが、皮下に投与して体液と反応し、ゲル化して体内に残り、そこからじわじわと薬剤を染み出す事で徐放性を確保している。

そのため、投与した皮下はゲル化したセルライトみたいなものが残るようである。
我々薬剤師としては、患者さんに気味悪がられないようにそのことを十分に説明するべきであろう。

また、投与に関しても、初回は240㎎投与なのだが、120㎎/Vを2本別の部位に皮下注するという方法を取るため、初回は2V(120㎎×2)、2回目以降は(80㎎×1)という投与法だ。
120㎎の規格の方は必ず2本セットだという事を調剤時には心しておかなくてはならない。



エリザスといえば、エリザスカプセルとして、ステロイド粉末点鼻薬として使用されていた
今回はエリザスカプセルが使いやすいデバイスとなって新登場した。

エリザス点鼻粉末のデバイスは柔らかく、大きな点眼溶液のような容器をしており、
使用方法としては以下のように使う。
① ダイアルまわす
② トントンと底を打ちつける
③ ダイアル戻す
④ 容器をへこませて噴霧する。(片鼻1噴霧、合計2噴霧)

エリザス側からのデータだと、効果はフルナーゼと非劣性。
重症者のみを選別すると、エリザスが効果が高かったとの事

これは、エリザスの成分がデキサメタゾンであり、効果の高い(Ⅱ群)ステロイドである事に加えて、エリザス粉末の点鼻であるため、鼻汁だらだらの状態だと、鼻への定着性は液状のフルナーゼなどよりも良いのではないか?と考える。

エリザス点鼻粉末は1瓶に28噴霧使用できる。
 1日1回各鼻に1噴霧ずつであるので両鼻すると、14日分ある事になる。

ところで、鼻にステロイドの粉末を噴霧するなんて、まるで吸入ステロイドの様相を呈する。
メーカーとしては、うがいの励行は推奨はしていないが、
 粉末のステロイドが口腔、咽頭付近に付着する事もあるため、カンジダ、嗄声などがあれば、うがいの指導をした方がよいのではないか?と考える。
一般名はアレドロン酸ナトリウムであり、ビスホスホネート系薬剤の注射薬である。

ビスホスホネートは骨表面に分布し、長く骨表面に保持されるため、最近投与間隔が毎日投与から1週間投与、月1投与、とだんだんと長くなっていっている薬剤である。

ボナロン点滴静注バッグは注射において、4週間に1回の投与で良い薬剤である。

経口薬の後に注射の薬剤が発売されることは珍しい事である。
なぜなら、経口薬の方が注射薬より、はるかに体内に入れるのが簡便だからである。

しかし、ビスホスホネート系の薬剤は食事との相互作用が大きい薬剤である。
そのため、起床時の本当の空腹時に服用しなくてはならない。

4週間に1回の服用となると、忘れる患者さんも居られるため、主治医はしばしば診察時に服用していただく事もあるようだが、診察時間まで空腹でいなくてはならないのはしんどいものである。

その点ではボナロン点滴静注バッグは空腹で要る必要はないため、診察時に投与というのがよりやりやすくなるかもしれない。

ボナロン点滴静注バッグだが、900μgのアレドロン酸ナトリウムが含有されている。
週1製剤であるボナロン錠が35㎎(35000μg)である。

アレンドロン酸ナトリウムは消化管からの吸収は0.1%ほどであり、さらにその半分は尿中に排出されるため、生物学的利用能(バイオアベイラビリティ)が非常に低い薬剤である。
服用した200分の1しか利用できないのである。

そのため、点滴静注は4週1回の投与であるが、錠剤よりはるかに少ない量で効くのである。

4週に1回の投与というところで一つ気になることがある。
正月やお盆など診療所が休みの時に当たってしまった時が気になる。
4週1回投与であるが、4~5日の誤差は良いとの事で盆正月などは避けて投与してもかまわないようだ。

一般名はテネリグリプチンであり、
ジャヌビア、グラクティブ、エクア、ネシーナ、トラゼンタに続く、6剤目のDDP4阻害薬である。

DPP-4阻害薬はARB同様、各社から挙って発売されることを見ると、非常にこれからDM治療においてファーストチョイスに成り得る薬剤であるという事だろう。

テネリア錠の特徴としては、
半減期が長いため(24.2hr)1日1回の投与で効果が得れる。
肝、腎どちらの排出経路も持つために、腎機能低下によって調節がいらないなどがある。

しかし、DPP-4阻害薬は血中濃度と薬効がビビッドに相関するのだろうか?
例えば、エクア錠(ビルダグリプチン)は半減期が1.8時間であるが、1日2回の投与で効果がある。
DPP-4阻害薬は血中濃度濃度に加え、DPP4との結合親和性が効果の持続に深く関わっているのではないか?と考える。

DPP-4 阻害薬は単独では低血糖は起こしにくい薬剤と言われている。
しかし、SU剤との併用時などには相加効果により、急激な血糖低下が起こる可能性があるため注意が必要である。

SU剤単独では血糖降下がいまいちな患者さんに安全性が高いと謳われているDPP-4 阻害薬が追加される時は注意が必要であり、薬剤師においても十分な低血糖対策を服薬指導すべきである。
一般名はアポモルヒネであり、ドパミンD1、D2受容体のアゴニストである。
線条体において、両受容体を刺激する事によりパーキンソンにおける運動機能障害を改善する。

パーキンソン病はしばしば薬の効果が効かない時がある。
それがオフ症状というものである。(薬効がOFFという事)

有名なものがウェアリングオフ(擦り切れ)現象であり、レボドパ製剤を服用していると薬効の持続時間が低下してくる現象である。
また、ON-OFF現象は現在のところ機序は不明であるが、パーキンソン治療薬の血中濃度が高いとぎこちなく効いたり効かなかったりする現象である。

このように、パーキンソン治療には薬剤が効かないオフ症状というものが存在する。

今回承認されたアポカイン皮下注はこのようなオフ症状が出た時に使用する薬剤である。
オフ症状が現れた時に屯用で注射すると、20分でオフ症状を改善し、投与後120分で効果が消失する薬剤である。

このアポカイン皮下注は自己注射するため、専用のインジェクター(注入器)を用いて注射する。
このインジェクターが実に良くできている。
このインジェクターの特徴としてまず、投与量の設定は専用のリモコンで医療期間にて行う事になっているため、患者さんが誤った投与量を注射する事を防げるという点である。
インジェクターには光通信部(携帯の赤外線受診受けるようなところ)があり、それに向けてリモコン操作で投与量を設定するのである。
次に、電気で動く注入器であるため、注射ボタンを押すだけで自動で刺針、注入、抜針をしてくれる点である。さらにそれらの操作はカバーで隠れているため、注射時の恐怖心も軽減できる。

では、アポカインの注射のしかたについて軽く述べたい。
アポカインインジェクターには様々なボタンがあるため、まずは服薬指導としてはボタンの説明から入るのが親切であろうと思う。
1)まず、電源を入れる
2)キャップを外す
3)カートリッジカバーを外す
4)インジェクターを立ててカートリッジを取り付け
5)カートリッジのシールをはがす
6)カートリッジカバーをとりつける
7)注射針側を上方に向け、空気が注射針方向に集まるように軽くたたく
8)先端キャップを取り付ける
9)針ケース及び針キャップを取りはずす。
10)注射針を上方にして、「空気抜きボタン」を長押しして空気を抜き、針先から薬液が出てくる事を確認する。
11)「完了ボタン」を押す
12)消毒用エタノールにて注射を打つところ(注射部位)を拭く
13)インジェクターの先端部を注射部位に当てる。 
   ※この時、強く押し当てないように
14)「注射ボタン」を押す
15)注射が自動で始まり、薬液が注入される
16)針ケースを付けてから先端キャップを取り外す
17)注射針を取り外し、使用済みの注射針は医師等が指示した方法で廃棄する。
18)先端キャップを取り付け、カートリッジを付けたまま専用充電台にセットし、充電
する。

それでは、DI情報を述べたい。
適応はパーキンソンにおけるオフ症状の改善であり、レボドパ頻回、他のパーキン病薬の量でも効果が得られない場合である。

用法用量は1回1㎎から、1㎎ずつ増量維持量はだいたい1㎎~6㎎(MAX6㎎)
投与間隔は2時間あける事、投与の上限は5回までというのは服薬指導時にはお伝えしなくてはいけない。少量から投与するのは、吐き気、傾眠、血圧上昇などの副作用が現れるためであり、吐き気対策には必要に応じてドンペリドン(商;ナウゼリン)が処方される。
ドンペリドンはD2アンタゴニストではあるが、中枢へほとんど移行しないため、対処薬に選ばれている。
同じようなD2アンタゴニストである吐き気止めのメトクロプラミド(商プリンペラン)は中枢移行するために、併用注意となっているため、注意が必要である。
アポカインの作用はあくまでD2アゴニストなのである。作用が減弱する可能性がある。

副作用に関しては、傾眠や眠気に注意が必要であり、突発性睡眠が起こる事があるため、車の運転などは厳禁である。
アポカインという製剤は非常に期待ができるパーキンソン治療薬である。
この薬剤がさらに発展して、経口薬になることを、待ち望むばかりである。



以前からの薬剤であるラステットカプセルに新たな適応が追加された。
「がん化学療法後に増悪した卵巣癌」である。

ラステットSは一般名はエトポシドであり、DNAトポイソメラーゼ酵素阻害効果を持つ。

癌は増殖する際に自分のDNAをコピーする。DNA鎖を開いて、コピーするわけだが、その時に必要なものがDNAトポイソメラーゼという酵素である。

エトポシドはこのDNAトポイソメラーゼを阻害する事によって、癌が自身のDNAをコピーして増殖しないようにする薬剤である。

ラステットSカプセルには主に二つの投与方法がある。
1日175~200㎎を5日間連続投与し、その後3週間休薬する投与法(A法)
1日50㎎を21日間連続投与し、その後1-2週間休薬する投与法(B法)である。

・肝小細胞癌には主にA法。
・悪性リンパ腫には状態に応じてA法、B法いずれかを選択される。
・子宮頸癌には主にB法である。
・そして今回適応追加となった癌化学療法後に増悪した卵巣癌ではB法が主に選択される(ただし、1日50㎎/㎡)

抗がん剤が内服である事は良い事が多い。終末期の患者さんが余生を好きなところで過ごせるからである。
しかし、その分、医療従事者の目から離れるといったデメリットもある。

ラステットSカプセルは副作用が少ないとは言えない薬である。
重篤な副作用に対する初期症状は患者さんにしっかりと伝える事が必要となる。

ラステットSカプセルの副作用としてはまず、骨髄抑制が挙げられる。
骨髄抑制とは血液中の白血球、赤血球、血小板などが減ってしまう事であり、白血球が少なくなると体の抵抗力が弱まって感染症にかかりやすくなる。
さらに、感染症が重篤化する可能性も高まる。
そこで、感染症の主な症状、寒気、悪寒、38℃以上の熱、のどが痛い、排尿時に痛み、だるさ、関節痛、リンパ腫の腫れ、下痢 などが挙げられ、それらがあれば、すぐに伝えるように指導しなくてはならない。

また、感染症を予防するために、手洗いうがいの励行、加熱調理を食べる事、外出時にはマスクを着用する事などを付けたすとなお良い。

また、脱毛が起こる薬剤である。
抗がん剤による脱毛は通常、治療終了後半年ほどでほぼ元通りになる。
そのことを患者さんにお伝えするとよい。

ごくまれであるが、間質性肺炎に対するケアも必要である。
間質性肺炎の初期症状は主に咳であり、風邪症状と似ているため、見逃しがちである。

風邪症状であろうとすぐに伝えてもらう事が必要である。

一般名はミグルスタットであり、グルコシルセラミド合成酵素阻害作用を持つ。

グルコシルセラミド合成酵素とはゴルジ体/小胞体において、セラミドからグルコシルセラミドになる反応を触媒する酵素である。

グルコシルセラミドの生成を抑制する事で、その後のスフィンゴ糖脂質の質蓄を抑えられる。スフィンゴ糖脂質が蓄積する疾患は以下のものがある。
ゴーシェ病、ファブリー病、GM1ガングリオシドーシス、GM2ガングリオシドーシス、ニーマン・ピック病などである。

ミグルスタットはまず、ゴーシェ病治療薬として欧米にて承認を受けた。その後、ニーマン・ピック病C型の治療薬として欧州にて承認され、今回日本においてもニーマン・ピック病C型の治療薬として承認された。

ニーマン・ピック病C型、C型というだけあってA型、B型もあるわけだが、ニーマン・ピック病A型、B型とニーマン・ピックC型では名前は類似しているが、生化学、遺伝のレベルにおいてはまったく違う疾患である。
ちなみにニーマン・ピックA型、B型では治療法として、骨髄移植が選択される。

ニーマン・ピック病C型では今までは有効な治療薬は無く、ジストニアと振戦は塩酸トリヘキシフェニジル(アーテン)、カタプレキシーや睡眠障害に対して、クロミプラミン(アナフラニール)などによる対症療法が主であった。

ニーマン・ピック病の症状としては幼児期に発達の遅滞、失調で発病し、カタプレキシー(笑うと力が抜ける)が見られ、垂直方向の眼球運動が障害される。
小学校高学年~中学で知的退行、ジストニア、垂直眼球運動障害で発病する場合、20歳前後に精神症状、知的退行、垂直眼球運動障害で発病する場合もある。
また、立位で移動が出来ているような時期から、講音障害、嚥下障害が出現し、体重増加が不良になる場合が多い。

ブレーザベスカプセルは今まで治療法の無いニーマン・ピック病C型に新しい治療の風が吹いた薬剤である。

服用の際には一つ注意しなくてはならない事がある。
ブレーザベスは下痢の副作用が多い。
これは、消化管において2糖類分解酵素を阻害するためではないかと考えられている。
したがって、下痢がひどい場合には食事(特に炭水化物)から2時間以上空ける事や食事メニューの調節(炭水化物を減らす)などをする必要がある