一般名はランレオチドといい。ソマトスタチンアナログ製剤である。
ソマトスタチンアナログ製剤で最も有名な薬剤と言えばオクトレオチドであるサンドスタチン®であろう。

ソマトスタチンとは脳の視床下部、膵臓のランゲルハンス島D細胞、消化管の内分泌細胞(D細胞)などから分泌されるホルモンである。
ソマトスタチンによる作用としては
・下垂体からの成長ホルモンの分泌の抑制
・ランゲルハンス島からのインスリンおよびグルカゴンの産生・分泌の抑制、
・消化管からの栄養吸収の抑制、セクレチン・ガストリン、胃液、胃酸の分泌の抑制、
・ネプリライシンの活性を高め、アミロイドベータの分解を促進などがある。

これらの作用のうちの下垂体からの成長ホルモン分泌抑制作用を使い、
先端巨大症・下垂体巨大症などの治療を行う。

ソマトスタチン自体を薬物治療に使うと、ソマトスタチンは半減期が数分であるため、効果が持続しない。そこでソマトスタチンアナログを作って、半減期を長くして製剤化しているのである。

先端巨大症・下垂体巨大症は下垂体は外科手術や放射線照射による下垂体除去療法が第一選択となるが、手術不能例、効果不十分例が薬物治療となる。

このソマチュリン皮下注®は構造的、効果、副作用などサンドスタチン®に似ている。

そこで、サンドスタチンとの相違を述べたいと思う。

①まず第一に、ソマチュリン皮下注®はゲル化できるという点である。
 そのため、サンドスタチン注®で煩わしかった懸濁の時間(30分~100分ほどかかる)
 が省かれるという点がある。
 これは医療従事者にもうれしいと同時に患者さんの待ち時間の短縮にもなる。

②次に投与後、デポ化するため、立ち上がりは早いが血中濃度は緩やかに低くなっていく。
 このため、初回からの4週1回投与が可能である。

③最後はまだ適応がサンドスタチン®みたいに多くは無い。
 今のところ、先端巨大症・下垂体巨大症のみの適応となる。

ソマチュリン皮下注の副作用を見ると、
まず、注射部位硬結が43.8%に見られる。
→これはゲル製剤を皮下注したためであろう。
そして、下痢(42.2%)、白色便(35.9%)、腹痛(15.6%)と消化器症状が少なくない割合で出ている。
→サンドスタチン®は緩和領域での消化器閉塞の症状改善に使用する。
 基本的にはソマトスタチンは消化を抑える方向に働くため、緩和領域ではない患者さん(先端巨大症・下垂体巨大症)では下痢や腹痛が出たのではないだろうか。

ソマチュリン皮下注は持続性の高いソマトスタチンアナログ製剤である。
持続性が高い事による欠点は副作用が出た時に遷延する事である。

そのため、薬剤師の先生方においては、患者さんが訴えている消化器症状があった場合、
ソマチュリン皮下注の投与の可能性も考え、4週間前に遡って薬歴などを調べることも今後出てくることだろう。

さらに、ソマチュリン皮下注におけるアレルギーを懸念される場合はどうしたらよいものか?
サンドスタチンと構造が似ているので、サンドスタチン注にてすこし慣らした後、ソマチュリン皮下注(持続性)というのも一つの手かもしれない。

持続性インスリン注に新たな製剤がでた。
一般名はインスリンデグルデク といい。基礎インスリンの補充目的の持続型のインスリン注である。
類薬としてはレベミル注(インスリンデテミル)、ランタス注(インスリングラルギン)などがある。

トレシーバ注フレックスタッチはnovo nordisk社であるため、基本的にはレベミル注の改良版という事になる。

トレシーバ注の特性としては、一つは24時間以上の持続的な効果が得られるというところだ、レベミルを2回打ちしていた患者さんにも1回打ちで済む可能性がある。

さらに、持続性が増したのだが、夜間低血糖になる人が少なかったという結果も得ている。
トレシーバ注はマルチヘキサマーの状態で注射され、一時的に皮下組織に留まる。
そこから、マルチヘキサマーから徐々に解離したモノマーが血中に流入する事で持続性を得ている。
この機序が個人差が少なかったためなのではないか?と推察される。
持続のインスリンで懸念される夜間低血糖の頻度が少ないことは喜ばしい事である。

そして、デバイスが改良された。
先ほどからフレックスタッチという名称に違和感を覚えた諸兄も居られたであろう。

フレックスペンからフレックスタッチと名前まで変更となった。
しかし、ペン型を卒業したわけではなく、ペン型なので安心していただきたい。

変更点としては、単位を増やすためにダイアルを回しても注入ボタンが伸びない構造となっており、多くの単位を注射されていた患者さんにとっては押しやすくなったと思う。

さらに、単位の窓が白地に黒の文字。さらに文字も大きくなったので非常に見やすくなったと思う。糖尿病の方で網膜症まで合併症が進んだ片などは、黒字に白というのが見えずらいという意見を聞いていた。それだけに嬉しいマイナーチェンジである。

さらに、マニアックな変更点としては、単位を増減時に異なるカチカチとした音なので、
眼が不自由な方でも単位を増加しているのか減量しているのかが分かりやすくなった。
レベミル注では単位増加時も減量時もほとんど同じ音だったため、視覚的に不自由な方には分かりにくかったと思う。

今回のトレシーバ注フレックスタッチはデバイスも含めて非常に臨床からの要望に応えた製剤であると思う。

今後の糖尿病患者さんのインスリン治療に大いに役立って欲しい。

ロトリガはω-3系脂肪酸エチルであり、高脂血症の治療薬である。

類薬としては、エパデールなどがある。

ロトリガの特徴としては以下の3つが挙げられる。
・トリグリセリド(TG)低下効果があるという事
・LDLの胃化を早める
・EPA-Eの他にDHA-Eが含まれているため、各臓器に対して移行性が良い

服用方法は胆汁によって吸収されるため、食直後の服用となる。
1日1回2g(1包)
すなはち、ほとんど食事ないしはサプリメントの様相を呈する。

食事と同じように継続的な服用が必要となる。

このロトリガ粒状カプセルは約2gある。
粒で言えば、80粒ほど1包に存在する。
実にエパデールS900の倍近くである。
なかなか、飲むのに難儀しそうな感じがする。

すこし、多くの粒を服用しなくてはならないため、飲み方にひと工夫いる。
それは、服用するときに、半分ほど指でつまんでまず半分服用し、そして2回目に残りの指でつまんでいた分を服用するといった方法だ。

エパデールもこのロトリガも、食事にうまく混ぜれないものかと思う。
1日1回なら朝の味噌汁に溶かしてはどうか?とも思う・・・。
(魚脂なんだし・・・)

エパデールもロトリガも抗血液凝固作用があるため、手術前には1週間ほど休薬がいる薬剤である。手術によっては休薬まで必要のないものもあるので、病院の指示に従っていただきたい。

ロトリガの名前の由来は“low トリグリセリド”ということのようだ。

一般名はフェソテロジンであり、過活動膀胱症に対する治療薬である。

今回のこのトビエース錠は以前からあるデトルシトール錠の改良版であると言える。

デトルシトールの主成分であるトルテロジンはCYP2D6によって代謝され、活性代謝物である5-HMTが生成される。
御存じの通り、CYP2D6は個人差の大きな代謝酵素である。
今までのデトルシトール錠ではCYP2D6のPoor Metabolizer(PM)(活性の弱い人)では効果が十分でなかったことが予想される。

トビエースはこのトルテロジンを改良し、CYP2D6ではなく、非特異的エステラーゼによって代謝を受け、活性代謝物の5-HMTが生成される。
非特異的エステラーゼは比較的個人差の少ない酵素であるため、トビエースは個人差が少ない薬剤となる。

臨床試験においてはトビエースの方がデトルシトールと比較して中央値が大きい傾向が見える。
これは、CYP2D6のPMも効いた分が反映されているのだろうと推察される。

さらには、副作用の口渇もややトビエースの方が高い傾向にある。
CYP2D6のPMも効果があるために副作用にも反映された結果であると考える。

であるからして、トビエースは添付文書やIF上ではデトルシトールより切れ味が良く、副作用も多い薬剤のように見えるが、CYP2D6のPMがしっかり効くようになったことを表しているだけで、薬物の効果においてはそれほど変わらない薬剤であると思う。

市場においてデトルシトール錠がトビエース錠に代わる日も近いのだと思う。

一般名はセルトリズマブ ペゴルといい、TNFα阻害作用を持つ関節リウマチの薬である。

ペゴルといえば・・・。

そう、ミルセラ注で一度ご紹介した。(当ブログ;ミルセラ注参照)

つまりは、薬物に高分子を結合させ、薬物を分解する酵素が働きにくくすることにより、
半減期が長くなり、さらには作用の面でも作用部位にくっつきにくいため、緩徐な効果となることを目的にした技術である。

TNFα阻害薬はインフリキシマブに代表されるようにTNFαの抗体でTNFαをキャプチャーする方法を取られる。

つまりは人工でインフリキシマブ抗体を作るのである。

しかし、今回のセルトリズマブ ペゴルはTNFα抗体のTNFαとくっつくところ、つまりはFab部分のみを使った製剤であり、抗体のFc部分が無いのが特徴である。

なるほど、TNFαとくっつくとこだけでいいという発想である。

しかし、このTNFα抗体のFab部分は非常に分解されやすい。
そこで、ペゴル化が出てきたのである。

つまりは、Fc部分をポリエチレングリコールにしたため、もはや抗体製剤ではなくなったとも言えよう。

Fc部位を無くしたのには理由がある。
Fc領域を無くした事で補体依存性細胞障害(CDC)作用、抗体依存性細胞障害(ADCC)作用を持たないことにより細胞障害性を低減させることができる。
(※ADCCなどについては当ブログポテリジオ点滴注20㎎参照)

また、抗体は胎盤において、Fc受容体に捕まえられ、胎児側に送られる。
そのため、Fc領域が無い事は胎児への移行も低減されるのである。


セルトリズマブ ペゴルはペゴル化されたものであるが、他の抗体製剤に比べると半分くらいの分子量である。
そのため、移行性が良い。

そのためか、特徴的なのは作用が速いという事である。
これはシムジア皮下注の臨床的に大きな特徴であると思う。

さらに、シムジア皮下注は自己注射も可能であるため、シリンジがリウマチ患者さんにつかいやすい形にデザインされている。リウマチ患者さんは手の関節が痛む、ないしは変形することもあるため、リウマチ患者さん用にデバイスも考えてくれることは嬉しい限りである。

新しいアレルギー性鼻炎の治療薬が加わった。
従来から使われているアレグラ錠(フェキソフェナジン)に、
血管収縮剤であるプソイドエフェドリン(α交換神経刺激薬)が配合された製剤である。

従来よりアレグラ錠®は鼻汁症状(鼻垂れ)に主に処方された。
脳内H1受容体占有率も低いため、眠くならないため、人気の薬である。

しかし、鼻閉症状(鼻づまり)には効きが弱かった。

そこで、鼻閉症状を取る薬品でOTCにも比較的に使われているプソイドエフェドリンが配合され、弱かった鼻閉症状にも効果が出るようになった。

ディレグラは海外ではアレグラD、テルファストDという名でOTCでも売られている薬剤であり、長年使われているため安全面はすこし安心できそうである。

DI情報において気を付けておきたいところを述べたい。

まず、禁忌症だが、アレグラでは本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者くらいしか
なかったのだが、血管収縮薬が入っているということで様々な禁忌症があるのでご注意いただきたい。

適応もアレグラとちがい、皮膚疾患に関する適応がディレグラでは無い。
そこも注意したいところだ。

用法では、空腹時投与となる。
これは、食後ではプソイドエフェドリンの溶出が悪いため、バイオアベイラビリティが低くなるためである。
そのため空腹時投与となる。
逆に言えば、プソイドエフェドリンが強く、頭痛などが起こってしまう患者さんにはプソイドエフェドリンの溶出を悪くするため食後投与とするのも手であろう。

副作用としては血管収縮ということもあり、頭痛がいくつかの患者さんでは出るようである。アレグラではほとんどこの副作用は聞かないため、プソイドエフェドリンによる副作用であろう。

基本的に鼻閉が強い時のみに服用すべき薬物であって、鼻閉症状が改善されればアレグラへと戻すことが必要となる。

効果は服用後45分程度で効くため、速効性もあるため良い。

プソイドエフェドリンの連用による効果減弱については海外の報告だとまだ効果が落ちたという報告は無いとのこと。

アレグラに加わる良いアレルギー性鼻炎薬が出る事はこれから迎える春に対して心強い。

一般名はアピキサバンであり、経口のⅩa阻害薬である。

Ⅹa(テンエー)とは活性型第Ⅹ因子の事で血液の凝固に深く関わっている因子である。
詳しくは当ブログの“リコモジュリン”を参照していただきたい。

血液凝固の薬としては以前はワーファリンのみであったが、プラザキサ®を皮切りにイグザレルト錠®、そして今回のエリキューズ錠®の発売となる。

患者さん目線からいうと、納豆、クロレラ、青汁を気にしなくてもいい抗凝固薬が出てきた。

エリキューズの特徴はイグザレルトやプラザキサに比べると腎排泄率が27%(プラザキサ80%くらい、イグザレルト60%くらい)と他の二つに比べると腎からの排泄率が低い。

よって、腎機能が低下した患者においても体内に蓄積する恐れが少ないのではないか?というもののようだ。
しかし、Ccr15mL/min未満の患者には禁忌であるためご注意されたい。

また、用法においても
・80歳以上
・体重60㎏以下
・血清クレアチニン1.5mg/dL以上
の3つのうち2つに該当すれば
1回5㎎ 1日2回の用法から1回2.5㎎ 1日2回の用法へと減弱が推奨されている。

プラザキサやⅩa阻害薬はこれまでのワーファリンのようにPT-INRでもって副作用の発現の予測などができない。
そのため、今のところ患者さんによる主観的な出血症状が非常に重要である。

一般名はルビプロストンといい、初のクロライドチャンネルアクチベータである。
この薬剤、なんと30年ぶりに発売となった新たなる機序の慢性便秘改善薬(下剤)なのである。

作用機序はというと、腸管粘膜のクロライドチャンネルを活性化させ、腸管内にクロライドイオン(Cl-)を放出させる。そうすると、陰の電化を持ったイオンが出るため、Na+も腸管内い放出される。水はNa+と同時に動くため、腸管内の水分量が増加し、便秘が改善する。

まさに、塩類下剤と最終的には似ている構造となる。

用法は下剤には珍しく1日2回朝夕食後 1回24μg(1C)服用する。
 適宜増加はダメで、適宜減量のみである。
下剤と言えば、寝る前に服用というのが一般的な処方である。
朝に飲んだら、日中活動中が不便では?とも思うが、
この薬剤は便の水分量を丁度良くする薬剤のようで、下痢性の便が出るわけではないようだ。
したがって、朝、夕、に服用してもその後の生活には支障を来さないとは言われている。

しかし、これも患者さん個々のリアクションや生活を考えて処方しなくてはならないだろうと考える。

効果発現としては、24時間以内には約75%の患者さんが自発排便が認められた。
であるため、服用したその日には効く下剤ではあるようだ。

現在、慢性便秘症に対する下剤は主にセンナ系のアローゼン®やプルゼニド®などの薬剤と塩類下剤に代表される酸化マグネシウムとが主に使われ、それに加えて適宜大建中湯などの漢方薬が使われている。

慢性腎不全の患者さんの場合、高マグネシウムが起こる事があるため、塩類下剤である酸化マグネシウムは処方を懸念されたり、マグネシウムを測定しながら使われる事が多く、
センナ系の緩下剤のみのコントロールとなり、センナ系の薬剤に対する耐性ができやすかった。
今回のアミティーザは腸管内のクロライド(CL-)を分泌により上昇させることで塩類下剤のように便の水分量の改善が期待できる薬剤である。慢性腎不全の患者さんに対する便秘に対する新たな治療薬ができたことは喜ばしい限りである。


副作用だが、下痢、悪心が多いようだ。
下痢の副作用は下剤には付き物である。便を正常な状態にして出すと謳うアティミーザとしても下痢にはなるようだ。
すこし気になるのは悪心の方だ。
腸の上皮だけでなく、胃の粘膜にも作用してクロライドを上昇させているのではないか?と推察される。
もしかしたら、逆流性食道炎の患者さんなど、胃酸過多の患者さんには不向きな薬剤なのかもしれない。

このアティミーザカプセルだが、形状は軟カプセルであり、薬剤印字コードが無い。
さらに大きさなどは“ロカルトロールカプセル0.25μg”にクリソツである。
ロカルトロールカプセルも1日2回と同じ用法なので、ロカルトロールが採用されている施設はご注意いただきたい。

また、昨今では持参薬鑑別業務などで、一包化された薬剤をリスト化する業務を行う施設も増えてきている。
その際にこのように印字の無い薬剤は困ってしまう。
今後、ポピュラーになる可能性が強い薬剤であるため、色を付けるなど、この辺は改善願いたい。

一般名はアナグリプチンであり、その名で想像がつくように6剤目のDDP4阻害薬である。
今回は三和化学研究所から発売されたものである。

スイニー錠はエクア錠と同じように1日2回の製剤である。

DPP4阻害剤はDPP4に対する結合様式において、水素結合するものと共有結合するものとで二つに分けられる。

共有結合するタイプは水素結合するタイプに比べ、結合が強固であるため、強い効果が期待できる。

今までのDPP4阻害剤を見ると、
水素結合タイプなのはシタグリプチン(ジャヌビア®、グラクティブ®)、アログリプチン(ネシーナ®)、リナグリプチン(トラゼンタ®)、テネリグリプチン(テネリア®)である。
共有結合タイプなのは
ビルダグリプチン(エクア®)、サキサグリプチン、アナグリプチン(スイニー®)である。

スイニーは共有結合するタイプに属する。

しかし、共有結合するDPP4阻害剤ではエクアや今回のスイニーについては1日2回服用する必要がある。DPP4との結合の強固さは効果の持続とは相関が無いようだ。

そう考えると、DPP4の結合の強さは臨床ではそれほど意味を持たないかもしれない。

スイニーはジャヌビアのように腎排泄型であり、Ccr<30の患者さんには1日2回ではなく、1日1回の100㎎/dayと減量する必要がある。

スイニーには半錠ができるように割線が入っているが、用法としては1日2回200mg~400/day。腎機能障害がある患者さんでも1日1回100㎎/dayである。

DPP4阻害剤と他の薬剤との併用で低血糖の症状が顕著な時はDPP4阻害剤を減量というよりは併用薬を減量する必要がある。

そのため、スイニー錠は半錠の割線がついてはいるが、実際は半錠する機会は少ないように思える。

腎機能障害を懸念して半錠の処方があった場合は、1日1回にするという事を問い合わせる点に注意が必要であろう。

DPP4阻害剤は各社がこぞって発売してだしている。まさにARBゴールドラッシュを彷彿とさせる。ARBがそうであるようにDPP4阻害剤も研究がすすみ、血糖降下以外の効果が次々と出されることを期待する。
一般名はスチリペントールといい、小児のDrave症候群に適応のある薬剤である。

ドラベ症候群とは原因不明のてんかん症候群であり、発達などへの影響を伴う、小児てんかんの中でも治療が困難な疾患である。

用法としては、クロバザム、バルプロ酸Naとの併用(計3剤)で服用する事とある。

このディアコットは3剤併用で服用する薬剤なのである。

作用機序は下記の作用によりGABA神経を亢進する事による抗痙攣作用である。
①GABA(γ-アミノ酪酸)取り込み阻害作用
②GABAトランスアミナーゼ活性低下作用
③脳組織中GABA濃度の増加作用
④GABAA受容体に対する促進性アロスティック調節作用


抗てんかん薬の中でもGABA(γ-アミノ酪酸)だけに特化した薬剤は少ない

副作用としては傾眠が多く、臨床試験の22例中19例に傾眠の副作用が出た。
GABA(γ-アミノ酪酸)の抑制というだけあってベンゾジアゼピン系睡眠薬のような効果が出たのではないかと推察される。

この薬剤は1歳くらいの小児のころから長く服用しなくてはならない薬剤である。

3剤併用となると、アドヒアランスの面が気になるところである。

ディアコミット、クロバザムなどがバルプロ酸Naのシロップ製剤に溶解できるといいのだが・・・。

矯味や安定性の面でこれから知見が出てくることを願う。