認知症の父と犬の関係 | 僕らの快適ドッグライフ

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私の父は60歳で認知症を患いました。

 

 

父は私が小さな頃から

犬などの動物がいる生活をしていましたが、

子供達が年頃になり家を出ると

父は積極的に動物を飼わなくなりました。

 

そして数年が経ち、父が認知症を発症。

 

病院で治療として行われることは、

いわゆる頭の体操です。

 

先生からの指導は、

日常生活の中で、刺激を持たせる努力をする事。

 

例えば・・

 

  • まわりの景色を楽しみながら散歩をする
  • トランプや花札などのゲームで脳を活性化する
  • 動物の飼育をして責任感を持たせる

 

毎日金太郎アメのような生活では認知症は確実に悪化します。

 

そこで、もう一度『犬を飼う生活』をすることにしたのです。

 

 

父の役割は、愛犬のお世話をする事。

食事や散歩など責任を持って行うことにより、

自分の存在意義を再確認してもらうことが目的です。

 

元々犬は飼っていましたが、世話をするのは母や私が中心で、

まともに世話をしたことがなかった父は戸惑いしかありませんでした。

 

しかし、一ヶ月が経ち、明らかに父と愛犬の間に信頼関係が

生まれていたのです。

『オテ』『オカワリ』『マテ』はもちろん、

ボール遊びも出来るようになっていました。

 

そして、父の様子も変わっていきました。

 

それまでは、1日ぼんやりしていることが多く、

新聞も逆さまに読んでいる?ことが日常なくらい、

覇気のない表情をした父でした。

 

しかし、犬を迎えることで少しだけ顔つきも変わりました。

感情が表面に少し出るようになりました。

 

楽しんだり、怒ったり、可愛がったり。

 

喜怒哀楽がなくなる病気であるが故に、

それを取り戻すのはとても困難です。

 

今まで出来たことができなくなり、

本人や家族もその事にイライラしてしまいます。

しかし、犬はそんなことはありません。

無邪気に近ずいて来て、一緒に楽しもうと誘って来ます。

 

同時にうつ病も患っていた父にとって、

愛犬の存在は大きく変わっていきました。

 

今までは、まわりのことに興味を示すことがなかった父が、

愛犬の食事や散歩の心配をするようになりました。

外出した時は『餌の時間だから帰らなきゃいけない』とまで

言うこともありました。

 

愛犬の力でこれほどまで変わるのかと感じた瞬間です。

 

犬には不思議な力があります。

人の心を癒し、時には慰めてくれたり、励ましてくれたり、

感受性豊かでびっくりさせられる事がたくさんあります。

 

悲しい、楽しい、辛い、嬉しい

こんな感情をちゃんと理解して接する事ができる

唯一無二の存在だと今でも感じています。

 

そして、認知症でそんな感情を忘れかけていた父の

喜怒哀楽をもう一度呼び起こしてくれた愛犬には

感謝の気持ちで一杯です。