2023年4月30日 日曜日

 東京・上野にある東京都美術館で開催中の「マティス展」に行きました。

 

 マティス展 公式

 

 (2024年3月の「マティス 自由なフォルム」展の鑑賞日記へのリンクを貼った際に展覧会サイトへのリンクを貼り替えました。)

 

 今回行った「マティス展」は今月27日始まったばかりですが、早速SNSで話題になっていました。

 私もアンリ・マティスには興味があったのでゴールデンウィーク中に行くことにしていました。

 フランスのフォーヴィズムの画家、アンリ・マティスは私が以前行った展覧会でも数多くの作品を観ています。

 過去の日記を検索したところ、今回のような大規模な回顧展「マティス展」は流石にありませんでしたが、3年前のポーラ美術館で「モネとマティス もう一つの楽園展」が開催されていました。

 残念ながら作品をそれほど紹介できていないのですが、日記のリンクを貼っておきます。

 

 ポーラ美術館 「モネとマティス もう一つの楽園」展

 

 

 今回のマティス展については監修したフランスのポンピドゥー・センターのキュレーターご自身によるYOUTUBEの紹介動画が公式サイトに貼ってあるのでこちらにも貼っておきます。

 ご本人がしゃべってるだけですが、展覧会の概要がよく分かります。

 これだけでも見ておいた方が良いでしょう。

 

マティス展】ポンピドゥー・センター/国立近代美術館近代コレクション チーフ・キュレーター、オレリー・ヴェルディエによるみどころ紹介

 

 なお、展覧会の冒頭にあるポンピドゥー・センターのあいさつ文も熱量が半端ではありませんでした(^-^)

 関係者の意気込みが感じられました。

 そしてその意気込みに劣らない素敵な数多くの優れたマティスの作品を見ることが出来ます。

 

 10時少し前に到着。

 

 

 本展覧会は予約制のため、ゆっくり鑑賞できました。

 もっとも天候が良くなかったせいもあるかもしれないです。

 

 

 展覧会の構成

 

1.フォーヴィズムに向かって 1895~1909

2.ラディカルな探求の時代 1914~18

3.並行する探求-彫刻と絵画 1913~30

4.人物と室内 1918~29

5.広がりと実験 1930~37

6.ニースからヴァンスへ 1938~48

7.切り紙絵と最晩年の作品 1931~54

8.ヴァンス・ロザリオ礼拝堂 1948~51

 

 なお、本展は一部のフロアに限り写真撮影が可能です。

 マティスは人気があるためか、写真撮影する観客が相当数いました。

 

 印象に残った作品を挙げておきます。

 画像転載不可なので文章のみです。

 

 「自画像」1900年 油彩/カンヴァス

 色遣いは後年のマティスを彷彿とさせるものがありますが、この頃は表現方法は割と正統的なものだったんだな、と言うのが率直な感想です。

 

 「読書する女性」 1895年 油彩/板

 赤い壁紙?が貼られているらしい部屋の壁に顔を向けた後姿で椅子に座った女性を描いています。

 最初に見た時「ハンマースホイ???」と思ってしまいました。

 女性の後ろ姿がデンマークの画家、ウィルヘルム・ハンマースホイの描いた後姿の女性像によく似ているように思いましたが、やっぱり違いますかね(^^;

 

 「豪奢、静寂、逸楽」 1904年 油彩/カンヴァス

 ポール・シニャックの作品???と思ったらこの頃のマティスはシニャックの招きでサントロペで過ごしていたとの事。

 でもやはりマティスに点描法は似合わないですね。

 

 「アルジェリアの女性」 1909年 油彩/カンヴァス

 女性の着ている服が日本の着物に見えてしまいました。

 この辺りから作風がいかにもマティスらしくなってきます。

 

 以上の作品は1章で展示されています。

 4~6章は撮影可能であり、良い作品も数多く撮影できました。

 

 以後説明を割愛して写真を掲載します。

 斜め前から作品を写真撮影したのは作品保護のため板ガラスが作品の表面に張られており、そのガラスに人物が反射して映り込んでしまうのを避けるためです。

 観客の多くが正面から撮影してましたが、SNSに掲載するのであれば斜め前から撮影した方が良いでしょう。

 この展覧会では素描や下絵も掲載されていて、マティスがどのように作品を制作していたかが良く理解できます。

 その素描や下絵も撮影できるものが数多くありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「赤いキュロットのオダリスク」1920年 油彩/カンヴァス

 

 

 「グールゴー男爵夫人の肖像」1924年 油彩/カンヴァス

 女性の表情を見てちょっと考えてしまいました。

 もしかして嫌がっているのでしょうか(^^;

 

 

 

 

 

 

 それにしてもマティス、赤にこだわってますね。

 

 

 

 最後の9章「ヴァンス・ロザリオ礼拝堂 1948~51」はマティスが監修したカトリック教会の礼拝堂で用いられた壁の模様の元絵などを展示し、最後の部屋でヴァンス・ロザリオ礼拝堂を撮影した動画を上映しています。

 マティスのデザインした聖母子像や十字架上のイエス様が普通のカトリック教会に置いてあるものと大幅に異なるのでもし私がカトリックの一信者としてこの礼拝堂で実際にミサにあずかったら違和感覚えないかな?と考えながら動画を観ていました。

 しかし見ているうちにもしこの礼拝堂で長年ミサにあずかっていたらやはりマティスのデザインしたイエス様や聖母子像を有難がたく思いながらミサにあずかるようになれるのだろうか、と考えてしまいました。

 カトリックの信仰をお持ちの方はもし自分がこの礼拝堂で実際にミサにあずかったらその時自分はどう思うだろうか、と想像しながら動画を見ると良いでしょう(^-^)

 

 ミュージアムショップで絵葉書6枚を買いました。

 鑑賞時間は1時間20分。

 作品数155もある力の入った展覧会らしいです。

 最後はさすがにエネルギーを使い果たした気分でした。

 

 この「マティス展」は絶対に見てほしい展覧会です。

 お勧めいたします(^-^)