優待と配当と機関と個人。
先日行ったイベントで桐谷広人さんと三井智映子さんのトークを拝見したのだが、その中で桐谷さんが「優待は小口株主向けサービスだ」と言っていて膝を打った。優待を実施している銘柄は、概ね最小単元で取得資格を得られることが多い。稀に5単元くらい必要なケースもあるが、調べてみると分割した名残だったりする。そして面白いことに、多くの場合優待サービスは最小単元で最も利回りがいい。持ち株(単元)数に比例する、または多い方が得する銘柄は少数派なのだ。つまり、優待実施企業は小口の個人投資家を歓迎しているわけだ、と。一方で配当は持ち株数に比例するから単純に持った分だけ益が出る。今の日本株を運用する大口投資家は企業や専門の機関投資家で、海外の団体も非常に多い。彼らが米だのハムだのもらって喜ぶとは思えない。クオカードや図書券を送っても、会計上どう扱うのか煩わしく思うだろう。それこそ彼らは「配当に回せ」という言い分の持ち主なのだ。そして、小口の個人投資家のほとんど、特に社会人の投資家は、まず株主総会には来ない。平日に開かれる総会に有給使う物好きは少ないだろう。おそらく企業の側もそんなに来ると思ってない。ドーム球場で総会をやるようなところはあるにはあるが、話題になるくらい例外だ。名簿上何万人いても、大概本社の会議室だのホテルのバンケットルームだので数百人単位で準備するところが多いんじゃないだろうか。議題への賛否表明のためのハガキは、どのくらい返送されているんだろうか。俺は一応送るようにしているが、ほとんどの場合反対をしたことがない。配当の有無はいただくもので文句を言う気にならないし、人事に至っては「みなさんの方がご存知でしょう」というわけだ。そもそも、「返送しないと賛成とみなす」と言うルールもある。つまり。個人投資家が増えると、よっぽど不祥事でもない限り、総会議事が楽に進むのだ。(補記。上場株式にはいくつかの資格、条件があり、その中の一つに 「一定人数の株主に分配されていること」があるそうだ。 富の集中を防ぐためだと思うが、このために個人株主を集める、 という判断もあるらしい。だから上記は少し意地が悪かったかも)何年か前に「物言う株主」やヘッジファンドが有名を馳せた時期があった。ライブドア事件について俺はそれほど詳しく知らないのだけど(←不勉強)ハゲタカファンド、などと呼ばれるアクティブな投資団体は元来の経営陣にとっては敵対する相手ともなり得る可能性を持つ。つまり、今の個人投資家ブーム、小口株主歓迎というのは、それらへの対抗措置でもあるんだろうか、などと考え込む。そういえば、証券会社から「個人向け国債」キャンペーンのお知らせが来ていた。あれはあれで面白い。キャッシュバックサービスなんだけど、どこも同じ。 100万円で、2,000円。100万円単位で2,000円ずつ増えていく、 500万円で15,000円。100万円単位で3,000円ずつ。で、1,000万円で40,000円。あとはどこまでも100万ごとに4,000円増えていく。5年ものか10年ものだから、年利上乗せとして考えたらわずかなものだが、現在の利率を考えると最低でも倍近い利回りになる(0.05+0.04〜0.08%)。しかもこれ、多く買えた方が得をする仕組みになっている。つまり彼らは、100万でやっと買える顧客より、1,000万分をすっと買う顧客を求めているのだ。確か、外貨MMFも1,000万円相当から取引手数料が下がったりするとことがある。どちらかというと小口投資家を向いている印象のネット証券では、保有資産が1億円から手数料を割引したりしている。それまでは一律だ。基本的に取引手数料などは従来型より低い。10万円程度の取引で手数料を無料にしてるところすらある。上記の国債キャンペーンだって、10万円単位から付与している(利率は低め)。小口の投資家が恩恵を得やすい仕組みになっている。でも、先日行った企業説明会のお誘いなんかは、ネット証券ではなかなかない。地元の視点から地元企業の紹介、なんて流れはネットでは無理だろうな。講座の配信などはしてるし首都圏でのイベントもあるが、地方から参加は難しい。これは、ある種の棲み分けなんだろうか。いわゆる、昔からの富裕層は従来型の証券会社を使う方が便利なのかも。俺のような泡沫株主は、コツコツネットで拾っていくか。でもやはり、両方と繋がりはある程度持ってた方がいいんだろうなあ…。