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★ Defense - Starting pitcher ★
今日の涌井さんのストライク率は約58.4%、
残念ながら2/3を下回る物足りない成績となりました。
26度の打者との勝負のうち2ボールまでいったのがのべ12度、
3ボールまでいったのがのべ6度、そして四球3で
1ボール以内での勝負が約53.8%という成績、
前回登板の開幕戦と比べれば特に4回まではほんとうに良くなったものの
5回の先頭打者である小久保選手に本塁打を打たれた後
特に走者を得点圏に背負って、また長打を打たれる可能性のある打者に対して、
慎重に慎重にゾーンの隅をつく意識が強くなりすぎゾーンで大胆に勝負することができず
カウントを悪くして痛打を浴びたり、深いカウントまで闘われ四球を数多く奪われたりと
残念ながら全般的に常にストライク・ゾーンの中できっちり勝負し続けることはできなかったと評価できます。
今日の涌井さんの投球の詳細を観てみると
まだまだ精度や制球の上がってこないスプリッターを封印したと言っていいほどほとんど使わず
いつもの速球と数種類のスライダー系を軸に、特に前半効果的だったのは
速球と30km/hほどの球速差を誇るカーヴボールでした。
この速球とカーヴボールの球速差を活かした緩急を駆使することで
初回から順調に、どんどんとアウトを重ねイニングを消化していっていたものの
やはり問題は、それではそのカーヴボールを例えば岸さんのそれと同じように
僅差の得点差、走者を得点圏に背負った緊迫の場面でも“勝負球”として自在に駆使したかと言えば
残念ながら今日もそういった緊迫の場面での勝負球はどうしても速球やスライダーに頼らざるを得ず
球種を絞られ狙い打たれる、もしくは
それを怖がってどうしてもゾーンの隅をかすめる針の穴を通すかのような制球を求めるというところにあります。
渡辺監督も常々おっしゃっていらっしゃるようですが
やはり涌井さんがライオンズの誇る“本格派エース”として
数多くの三振を奪いながら順調にイニングを消化していくためには
速球、スライダーに加え、(理想は落ちる球系の)第3の勝負球を持ち
それをどんなに緊迫の場面であっても大胆に、数多く自在に駆使できることが必要不可欠となるでしょう。
もちろん、涌井さんもそれを重々理解しているでしょうし
それでもここまで長い期間、その第3の勝負球を自在に、精度・制球ともに素晴らしいレヴェルで駆使できていないところからみても
今すぐに、とか次の登板ゲームから、とかでスグに実現できることではなさそうで
もう少し時間をかけてじっくり試行錯誤をしていく必要があることは
涌井さん本人も、そして私たち観客も覚悟する必要があるといってよさそうです。
だた、そんな苦しい投球の中でも今日の投球に伴って残した結果は
エースとしてのそれではなくとも、一人の先発投手としてローテーションを守るには合格点といってよく
三振は3個と少なくともフライアウトを3個にまとめつつグラウンドアウトを8個と数多く奪う
本格派グラウンドアウト・ピッチャーの投球を魅せ続けてくれ
7イニングを投げて投球数101(1イニングあたり平均14.4球)で
出塁は四球3、単打3、二塁打1、本塁打1の計8個と多少かさむものの
失点・自責点ともに3にまとめQSをクリアしてくることに成功しました。
今後も第3の勝負球が復活し、それを自由自在に数多く駆使できるようになるまでは
特に緊迫の場面になればなるほど非常に苦しい投球が続くことが大いに予測できますが
それでも今日のように緩急を駆使したりしていきながら
とにかくまずは“できるだけそういった緊迫の場面を招かないように”、
いかにして出塁を最小限に抑えていけるかを最優先課題として投球を組み立てていき
失点を最小限にまとめ上げてながらどんどんとイニングを消化していってほしいと思います。
★ Offense ★
今日のライオンズ攻撃陣は得点圏にランナーを置いての打席は計9度、
その内訳は 1-8(うち三振2)、四球1で得点圏に残塁5、得点1。
今日は7安打、2四球で出塁は9、その全9人のランナーの行方は
残塁7で得点2という結果でした。
ホークス先発岩嵜投手の投球の前に
6 1/3イニングで91球(1イニング平均約14.4球)、奪った出塁は6個と
残念ながら今日も満足に仕事をこなすことのできなかったライオンズ攻撃陣でした。
ただ4打席で7球、6球、5球、10球と計28球を費やさせ
三振2個の一方で1度単打での出塁を奪った高山さんは素晴らしく
このように今後忍耐強く闘う打席を更に数多く、効果的にラインアップの様々な場所で魅せてほしいと思います。